
〈プロ監修〉iPadはノートパソコンの代わりになる? MacBookとの違いとは
年々進化を続けているiPad。Magic KeyboardやSmart Keyboardと組み合わせることで、タブレットとしてだけでなくノートパソコンのような使い方ができるのも魅力です。
起動が早く携帯性に優れたiPadは読書やゲーム、動画視聴など趣味を楽しむのにぴったり。中でも高性能チップを搭載したiPad Proはパソコンと肩を並べるほどの高い処理性能を備えています。「ノートパソコンよりもiPadを手に入れた方が便利なのかも」と考える方も多いことでしょう。
そこで今回はApple認定のサポートプロフェッショナル資格を持つTakaさんに監修いただき、iPadはパソコン代わりになるのか詳しく解説していきます。iPadとMacBook、どちらを買うべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
(この記事では2022年3月発売の最新iPad Airなどの情報も掲載しています)
iPadとMacBookの違いは?

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iPadとノートパソコンでは何が違うのか、2021年に登場したフラッグシップモデル「iPad Pro 12.9インチモデル」と「MacBook Pro 16インチモデル」を比較してみます。
モデル |
iPad Pro 12.9インチ(第5世代、2021年) |
MacBook Pro 16インチ(2021年) |
---|---|---|
外観 |
![]() |
![]() |
ディスプレイ |
・Liquid Retina XDRディスプレイ(12.9インチ) |
・Liquid Retina XDRディスプレイ(16.2インチ) |
OS |
iPadOS |
macOS |
Apple Pencil対応 |
◯ |
ー |
モバイルデータ通信対応 |
◯(Wi-Fi + Cellularモデルのみ) |
ー |
通信 |
・Wi-Fi 6 |
・Wi-Fi 6 |
キーボード |
【オプション】 |
【搭載】 |
定価 |
129,800円(税込)〜279,800円(税込) |
299,800円(税込)〜419,800円(税込) |
iPadとMacBookの違いについて、解説していきます。
OSの違い|操作性や使えるアプリが異なる

iPadとパソコンの重要な違いがOSです。同じApple製品でもMacBookやiMac、Mac Proなどはデスクワークに適したmacOSを搭載しているのに対し、iPadはタッチ操作に適したiPadOSを搭載しています。
▼ iPadはタッチ操作に対応、イラスト制作に適している
- macOS:トラックパッド、キーボード、マウスでの操作
- iPadOS:タッチパネル(Apple Pencilなど)、トラックパッド、キーボード、マウスでの操作
iPad ProはApple Pencilに対応し、手書きの文字やイラストを簡単に作成することができます。他社製品の中には、ディスプレイにタッチペンで直接イラストが描けるノートパソコンもありますが、MacBookやiMacなどmacOS搭載モデルでは対応していません。
MacBookで手書きの文字やイラストを描きたい場合は、ペンタブレットなどを用意するとタッチペンを使った作業ができます。一方で、iPadは本体を手に持ちながらでも作業ができるため、イラスト制作などでは使い勝手の面で優れています。
▼ iPadOS用アプリがない場合も
Apple独自のCPUであるM1チップが登場したことで、一部のiOSアプリ(iPhoneやiPadでも使えるアプリ)がM1チップ搭載のMacでも起動できるようになりました。しかし反対にmacOS向けのアプリをiPadで使おうとすると、対応したアプリがない場合や機能が一部制限されている場合などがあるため注意が必要です。
例えば、macOSに対応している動画編集アプリ「Final Cut Pro」はiPad向けアプリが提供されていません(2021年11月時点)。ただし、iPadOS向けに「iMovie」や「Adobe Premiere Rush」といった動画編集アプリがいくつもあるため、iPadでも動画編集を行えます。
また、資料作成で利用するなら、iPadもMacBookと同じくOfficeやGoogleスプレッドシート、Googleドキュメントなどに対応しています。

Takaさんのアドバイス
パソコンとiPadで悩んだとき、使いたいアプリに対応しているかがとても重要です。Officeアプリやメール、Webアプリなど、自分が使いたいアプリが使えるか確認しましょう。まだiPadを持っていない方でも、iPhoneを使って確認することができます。iPhoneでもiPadで使えるアプリが同等の機能で提供されている場合がほとんどなので、どれだけの作業ができるかiPhoneを使って試してみるのもひとつの方法です。iPadがどこまでパソコンの代わりになるのか判断するうえで参考になることでしょう。
▼ 画面分割の自由度
ブラウザやアプリをいくつも起動してマルチタスクをしたい場合はmacOSが適しています。iPadOSにもマルチタスク機能がありますが、パソコンに比べて一度に表示できるウィンドウやアプリの数が限られています。

Takaさんのアドバイス
「Split View」と「Slide Over」機能を活用することで、3つのアプリをiPad上に同時表示できます。ただし見え方が窮屈になるため、マルチタスクの自由度はmacOSより低くなります。
画面の拡張性|MacBookならマルチディスプレイに対応

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マルチディスプレイとは、外部ディスプレイと接続することで、全画面表示にしたアプリやブラウザを複数同時に表示できるディスプレイ環境を意味します。1台のディスプレイだけでは画面を分割するか表示を切り替える必要がありますが、マルチディスプレイなら見やすく、しかも切り替えの手間が省けるため、作業の効率アップを図れます。
MacBookではモデルによって1台、または複数台のディスプレイとの接続が可能で、マルチディスプレイに適しています。一方でiPadも外部ディスプレイとの接続に対応していますが、多くのアプリではiPadの画面をディスプレイに投影する「ミラーリング」対応となります。
iPadはマルチディスプレイ向きとはいえませんが、大型の外部ディスプレイと接続することで最大モデルでも12.9インチという画面サイズのデメリットを解消できます。

Takaさんのアドバイス
一部のiPad向けアプリでは、外部ディスプレイをミラーリングではなく、サブディスプレイとして使えるものもあります。例えば「写真」アプリでは、外部モニターに写真を表示させ、iPad本体にはコントロール画面を表示することができます。
通信|iPad(セルラーモデル)はネット接続が手軽

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ネットコンテンツを主に楽しみたい方で、自宅に固定回線を設置したくない方、またはWi-Fiルーターやスマホのテザリング機能などを使わずにどこでもネット回線に接続したい方は、Wi-Fi + Cellularモデル(セルラーモデル)のiPadが便利です。
スマホのように起動して即座にネットコンテンツを楽しんだり、資料作成を始めたりといったことができるiPadは、パソコンよりも機動性の高さという点で優れています。
iPadをパソコンのように使うためのアイテム

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iPadをノートパソコンのように使うために必要なアイテムは、やはりマウスとキーボードです。キーボードはBluetooth対応のものを接続して使うこともできますが、Smart Connector接続に対応したキーボードが便利です。
iPadに取り付けるだけで接続が完了し、iPad本体のバッテリーからキーボードへ給電されるため、充電や電池交換といった手間がありません。
モデル |
Magic Keyboard |
Smart Keyboard Folio |
Smart Keyboard |
Logicool Folio Touch iK1094BKA |
Logicool Combo Touch iK1057BKA |
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画像 |
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対応モデル |
・iPad Pro 12.9インチ |
・iPad Pro 11インチ |
・iPad |
・iPad Air(第4世代) |
・iPad(第9世代、第8世代、第7世代) |
価格 |
マウスについては、iPad対応マウスを選ぶ必要があります。Moovooでは、iPad用おすすめマウスについてレビューを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

Takaさんのアドバイス
マウスやペンタブレットなどカーソルを動かすためのポインティングデバイスはさまざまありますが、中でもおすすめはMagic Trackpadです。タッチ操作が主なiPadとの親和性が高く、iPad専用のジェスチャーを多数用意しています。
【監修者おすすめ】Takaさんが選ぶiPad用アクセサリ3商品
iPadをパソコンのように使うためのアクセサリについて、Apple認定資格を持つTakaさんにおすすめ3商品を紹介していただきました。

Takaさんのおすすめポイント
iPad ProやiPad Airをパソコンのように使うために、こちらの商品は必須といってもいいと思います。バッテリーも必要なく、ケース脱着もマグネット式で簡単です。お値段は高めですが、使い心地のよさから満足感も高く優れた製品です。

Takaさんのおすすめポイント
無印iPadやiPad miniなど、Magic Keyboardに対応していないiPadでも使えるポインティングデバイスがトラックパッドです。Appleが用意しているiPad向けのジェスチャーにすべて対応しています。とても細かい調整がされていて使いやすく作られています。

Takaさんのおすすめポイント
iPad ProやiPad Airにしか対応していないMagic Keyboardとほぼ同じ機能を備えたキーボードです。値段と機能を比べてみてもコストパフォーマンスに優れています。キーボードを裏返しにできない点や、重さ、脱着に時間がかかるなどのデメリットを差し引いてもおすすめできる品質です。
iPad、全5機種をチェック
2022年3月に登場したiPad Air(第5世代)を含む、最新ラインナップをご紹介します。
- Apple
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iPad Air 10.9インチ Wi-Fi 64GB(2022年モデル)
- 税込み74,800円
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M1チップと進化したカメラを搭載、選べる5カラーも魅力
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M1チップと8GBメモリを搭載。第4世代から処理速度やグラフィック性能がアップし、さらに超高速通信5Gに対応。
1,200万画素の広角カメラは、被写体にあわせて画角を自動調整する「センターフレーム」機能を搭載。5色展開で色選びも楽しいAirシリーズ最新モデルです。
まとめ
iPadとMacBookの違いから、iPadがパソコン代わりになるのか解説してきました。さまざまな違いはあるものの、iPadでも多くのことができます。デスクワークから趣味まで、幅広く使えるiPadをぜひ試してみてください。

Takaさんのアドバイス
iPadはパソコンではないため、パソコンそのものの代わりになるわけではありませんが、多くのことがiPadでもできるようになってきています。しかし、パソコンによる操作方法にこだわりすぎると、iPad向けに作られた簡単で機能性に優れたアプリに出会う機会を失ってしまいます。広い視野に立ち、実際にiPadで自分のやりたいことが十分にできるのか検討してみてください。