〈プロ解説〉機内持ち込みできるスーツケース、おすすめ6選　サイズや選び方も

機内持ち込みできるスーツケースは、まず、機内持ち込み可能なサイズ・重量内であることが大前提です。国内線・国際線ともに、一般的な航空会社では、3辺の和が115cm以内、内容物も含めた重量が10kg以内。

座席数や航空会社によって多少の違いはありますが、この範囲内であればほぼ大丈夫でしょう（詳細は各航空会社の規定をチェックしてください）。

トップとサイドだけではなく底面（キャスターが付いている面）に取っ手があるものや、フロントオープン（もしくはフロントポケット付き）のものを選ぶと、機内で扱いやすく、より便利です。

必要なものをフロントに近い部分に入れておけば、スーツケースをすべて開けなくても出し入れができるでしょう。

キャスターの品質が良く引きやすいもの、キャスターストッパーが付いたものがおすすめです。

機内持ち込みサイズのスーツケースは、大型のスーツケースに比べて気軽に持ち運びやすいぶん、出番も多くなります。そのため、持ち運びのストレスを軽減するキャスターのクオリティーがより重要になるのです。

思い切って、高額スーツケースを選んでみるのも一つの手です。

機内預けの場合、特に国際線であれば、破損やロストバゲージ（荷物の紛失）、乗客同士の取り違えなど、さまざまなリスクに晒されています。そのため、あまりに高額なスーツケースを預けるのはおすすめできません。

国内鞄メーカー最大手のACEが手がける、女性のためのスーツケースブランド・HaNT。メイン収納にアクセスできるフロントポケット付きで、両面開きにもなる2Way仕様です。キャスターストッパーなど、求める機能が過不足なく備わっています。

中でもハントマインの大きな特徴は、女性社員チームが手がけたという細かな機能美。フロントポケットの内側にあるマチ付きのポケットは、小物を分けて入れたりポーチのように使ったりするのに便利。機内で化粧品などさまざまなものを出し入れする女性にとって、うれしい機能の一つです。

そして、レトロでかわいいカラーと内装プリントもポイント。持ち歩く出番の多い機内持ち込みサイズだからこそ、気分が上がるデザインのものを持ちたいですね。

鞄の町・兵庫県豊岡市で、200年近い歴史を誇るエンドー鞄。江戸時代をルーツとする鞄一筋ならではのクラフトマンシップが光る会社です。そのエンドー鞄が手がけるスーツケースブランド・FREQUENTERの最大の売りは、特許を取得したキャスターのクオリティー。

一般的な製品と比べ約1/5の静粛性を誇り、振動は約70％削減されているため、アスファルトはもちろん、悪路や石畳などでもストレスを感じることがありません。FREQUENTERのキャスターの静かさは、世界でもトップクラスといって良いでしょう。さらに、キャスターが破損しても、簡単に別売りのキャスターに交換可能です。

中でもリエーヴェは、シリーズ最軽量を実現し、2Wayのフロントオープンや、持ちやすい凹みが付いたキャリーバーなど、使い勝手に優れています。ニュアンスカラーがおしゃれで、男女問わず使えるのも魅力です。

ACEが手がける、日本製トラベルバッグブランド・PROTECA。マックスパスソフト3の最大のポイントは、機内持ち込みサイズでは最大級の容量と、ソフトタイプだからこそ実現できる驚きの軽さです。

機内持ち込み規定内での最も効率的なサイズバランスを研究し、底面や内部構造の工夫により実現された42Lの収納力は、なかなかほかにはありません。隅々まで詰められるシンプルな内装は、荷物が多くなりがちな方におすすめです。

フロントオープンかつソフトタイプなので柔軟性があり、扉をすべて開けなくても出し入れが可能。キャスターは独自開発のべアロンホイールにより、なめらかな走行が持続します。

さらに、手元で操作できるワンタッチのキャスターストッパーも装備。シンプルかつ高級感のあるデザインで、ビジネス旅行にも適しています。

旅人の憧れ、イギリスの歴史ある高級スーツケースブランド・GLOBE TROTTER。なんとヴィクトリア朝時代から現在まで、当時の製法を守りイギリスの職人たちが手作業で仕上げています。

こちらの商品の醍醐味は、何といってもその高級感とレトロなデザイン。そして、ヴァルカナイズドファイバーという特殊な素材による耐久性と独特の風合いです。機能的にはごくシンプルでありながら、4輪キャスターや高さ調節可能なキャリーバーなどを装備し、標準以上の使い勝手はクリアしています。

高額であるため預けるのが心配ですが、機内持ち込み可能であれば安心して使えます。一生モノのスーツケースが欲しい方におすすめです。

GLOBE TROTTERに憧れる方には、こちらもおすすめです。実は日本にも、GLOBE TROTTERと並ぶ歴史を持つ、ヴァルカナイズドファイバー製スーツケースがあるのです。

上述のエンドー鞄のファイバー事業部が手がけるブランド・HOKUTANの製品は、すべての工程を国内の工房で職人が行い、デザインも昭和初期を思わせる古き良きレトロな風合い。4輪、3段階調節できるキャリーバーなども標準装備します。

持ち手やコーナーにあしらわれたヌメ革、金のリベットは高級感があり、それでいてGLOBE TROTTERよりも手の届きやすい金額。日本の職人技が凝縮されたこだわりの国産なので、値段はそれなりにしますが、耐久性に優れ使い込むほどに味が出る、自分だけの特別なスーツケースです。

スウェーデン発のおしゃれなライフスタイルブランド・innovator。INV5 EVAをおすすめするポイントは、まず、狭い機内でも荷物の出し入れが簡単にできるフロントポケット。フロントからメイン収納へもアクセスでき、さらに両面開きもできる2Way仕様が便利な点です。

静音ダブルキャスターのうえ、ワンタッチのキャスターストッパーも装備されているという、機内持ち込みとしてはほぼパーフェクトな機能性です。それに加え、付属のガーメントバッグ、折り畳み式ハンガーはビジネスユースにも活躍します。

これまでのINV50シリーズに無い、異素材の組み合わせがワンランク上の洗練度で、ビジネス、カジュアル問わずおしゃれに持てる北欧ブランドのデザイン性が大きな魅力の一つでしょう。フロント部分に使われるEVA素材は、伸縮性があり、軽量化と耐久性にも優れています。