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日本酒のランクはどこで見る? 純米・吟醸からランクの見方を紹介

nagiy(日本酒ライター)
最終更新日: 2024-10-21

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美味しい日本酒を選ぶとしたら、日本酒としてのランクが気になるところ。

贈り物としても喜ばれる日本酒は、ランクを基準に選んでみるのもひとつの手です。

そこで今回は、日本酒のランクに関する基礎知識と、贈り物にもおすすめな日本酒を紹介します。ぜひ参考にしてください。


連載【日本酒ライターnagiy】|Moovoo

▲日本酒好きになって15年、好きが高じて全国の酒蔵訪問旅行を趣味にしているフリーライター。美味しい、珍しい日本酒の紹介・楽しい飲み方を提案していければと思います。

日本酒のランクはどこで見る?

日本酒のイメージ

日本酒のランク付けに関する、これまでの経緯を紹介します。

1級・2級などのランク付けは廃止された

もともと日本酒には国税局から「特級」「一級」「二級」といった等級が付けられていました。これはそれぞれのランクによってかけられる酒類への税率を制定するための物です。

等級のつけ方は、お酒の専門家集団によって作られた酒類審議会が日本酒の官能審査によるもの。判定基準はアルコール度数や味、香りなど総合的に見た際の品質などによっていたといわれています。

ただこの等級制度、日本酒の作り方が多様化してきたことから、品質が高いものがどれなのか?といった点に疑問点が現れるようになります。このことから1992年で等級によるランク付けは廃止されることになったのです。

ちなみに以降日本酒の酒税は、一級と二級の間程度に統一されることになりました。

現在では「特撰、上撰、佳撰」で判別

実際に等級制度が廃止されたといっても、そんなこともないのが現状となっています。そこで今度は国ではなく、各メーカーや蔵元が独自に定めた「特撰」「上撰」「佳撰」といったランクが登場しました。

特撰、上撰それぞれが特級や一級に対応しており、国が行っていた審査がなくなったとしても同じ官能審査によって判別されています。

ただ現在では特撰や上撰といった選び方よりも、特定名称での選び方の方が一般的になっていることも事実。またお酒の特徴や味の傾向をネットで探せることから、このランク付けもいつかは見なくなってしまうのかもしれませんね。

日本酒の味の違いはどこで見る?

ガラス製の徳利とおちょこに入った冷酒

では実際に日本酒の味の違いについて、何か指標になるものがあるのでしょうか?ここからは日本酒を選ぶ際の基準について見ていきましょう。

特定名称による違い

上記でも軽く触れましたが、現在日本酒を選ぶ際に一番の基準にされているのがこの「特定名称」です。

純米酒や吟醸酒、大吟醸など日本酒のラベルに必ず書かれている名称です。これはそれぞれの日本酒がどんな作り方をされたのか、またお米がどの程度磨かれているのか?といった情報を端的に知ることができるものです。

もちろんすべて同じ味、というわけではありませんが、特定名称ごとに味わいの傾向も出てきます。すっきりした味わいがよければ吟醸酒、お米のうまみや甘味が好きなら純米酒など、自身の好みの傾向にあわせることができます。

火入れの有無・古酒など

一般的な日本酒ばかりではなく、昨今では生酒や古酒、無濾過のお酒などさまざまな種類があります。

これら特定名称以外の日本酒の種類でも、好みの日本酒を選ぶ際の指標になるでしょう。ごく簡単に人気の種類の傾向について紹介しているので、選ぶ際の参考にしてみてください。

【種類ごと】味わいの傾向
生酒:一切の火入れ(熱処理殺菌)をしていない日本酒。フルーティな香りや搾りたての新鮮さを楽しむことができます。

ひやおろし:2回ある火入れの内、瓶詰直前の火入れ工程をしない物。フレッシュさとまろやかさが同居した初心者さんでも飲みやすい日本酒。

無濾過:もろみを搾った後、透明な日本酒にするための濾過をしていない日本酒。薄く黄色い酒色と、お米の甘さやうまみが濃いことが特徴。

古酒:出来上がった日本酒を長期熟成させてできる日本酒。熟成期間によって変わりますが、スパイシーな香りと濃い甘みが特徴的。

「吟醸」の意味を深く知ってみる

一番簡単に選ぶ方法は特定名称を参考にすることだと言いましたが、では名称の中にある「吟醸」とはどういった意味なのか少し詳しく見ていきましょう。

吟醸造りによってつくられたお酒

2本の一升瓶

吟醸酒や大吟醸酒のように「吟醸」とついているお酒。純米酒は「お米でできているお酒なのかな…?」と何となく漢字から推測できますが、吟醸の意味は、2つのポイントを覚えてしまえば簡単に理解できます。

1つ目の意味は、日本酒の作り方の一つである「吟醸造り」を指しています。吟醸造りとはしっかりと磨いたお米を、10度前後の低温でじっくりと発酵熟成させていくお酒の作り方。

低温で醸すことでお酒の香りがもろみの中に凝縮でき、繊細な工程を経てちょうどよいうま味や色つやを持つ日本酒が出来上がるのです。このもろみの中に閉じ込められることによってできるのが「吟醸香」と呼ばれる日本酒特有の香りです。

2つ目のポイントは、「醸造アルコール」を添加しているか否かの違い。日本酒にはざっくり分けた際に2つの種類があり、お米と水、米麹だけを用いた「純米酒」とお米と水、米麹のほかに醸造アルコールを添加した「吟醸酒」に分かれます。

よく誤解している方がいますが、別途アルコールを添加するといっても水増しをしているわけではありません。蔵ごとに用いるアルコールは違いますし、門外不出となっているアルコールもあるのだとか。

純米酒よりもキリッとした辛みを楽しめるので、熱燗よりも冷酒に適したお酒だといえるでしょう。

大吟醸・純米吟醸との違いはどこにある?

では吟醸酒と大吟醸の違い。純米吟醸とはどんな日本酒になるのか。ここからはほかの種類に関しても一気に見るために、吟醸酒も含めて表で見ていきましょう。

特定名称で見る日本酒の分類
特定名称 原材料 精米歩合
純米酒 米・水・米麹 精米歩合の規定なし
純米吟醸酒 米・水・米麹 60%以下
純米大吟醸酒 米・水・米麹 50%以下
特別純米酒 米・水・米麹 70%以下
吟醸酒 米・水・米麹・醸造アルコール 60%以下
大吟醸酒 米・水・米麹・醸造アルコール 50%以下
本醸造酒 米・水・米麹・醸造アルコール 60%以下又は特別な製造方法
特別本醸造酒 米・水・米麹・醸造アルコール 60%以下又は特別な製造方法

上記でわかるように、大吟醸酒とつくお酒は精米歩合が50%以下のものを指します。しっかりと磨かれた米を使った日本酒だけが大吟醸になるのですね。

また純米吟醸は、醸造アルコールを使っているのではなく「吟醸造り」で作られた純米酒のことを指します。ちょっとややこしいですが、特定名称だけでも味わいの傾向がつかめるので、ぜひ覚えてみてくださいね。

精米歩合の違いについて知りたい方は、以下の記事もご参考ください。

<編集部PICK UP>日本酒8選

女性顔イラスト(検証コメント用)

Moovoo編集部

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純米酒おすすめ
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純米酒らしくお米の味わいをそのまま感じられるような、美味しい日本酒。香り自体は控えめなので、純米酒が苦手な方でも飲みやすいのではないでしょうか。単体で飲む際のおつまみは濃い味付けのものがよく合いますよ。

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純米吟醸はお米のうまみと吟醸造りのまろやかさ、そして香りの華やかさを楽しめるもの。冷酒はもちろん、日本酒の香りが好きな方ならぬる燗でいただいて見てほしい1本ですよ。

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  • 精米歩合は45%としっかりと磨かれたお米でできた日本酒です。キリッと冷やした美味しさは、初心者さんから玄人さんまで満足できる1本になるでしょう。

言わずと知れた獺祭。現在では美味しい日本酒の代名詞にもなっていますね。日本酒に使われているお米は磨けば磨くほど、雑味のないすっきりとした味わいを実現します。華やかな香りも相まって、食中酒としてよりは単体で飲む方がおすすめです。

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知名度こそそこまで高くありませんが、海外の日本酒好きな人からも絶賛されている日本酒の一つ。バランスのよいキレと辛みがあるので、初めて日本酒を飲んだ、なんて方からも美味しいという言葉を聞くことができますよ。

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きつすぎない辛みやキレが特徴的。喉の奥にガツンと来るようなインパクトはありませんが、ついついいつもこの1本を選んでしまうなんて方も多いはず。安心して飲めるバランスの良さを持った日本酒ですよ。

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  • ふっくらと立ち上がる米のうまみを感じながらも、すっきりした後味を実現。お酒の香りは控えめなので、初心者さんは冷酒、玄人さんは熱燗がおすすめ。

醸造アルコール自体もお米から作られている珍しい醸造酒。酸味や辛み、甘みや苦みまでしっかりと調和している非常にバランスがよい日本酒だといえるでしょう。精米歩合が少し高めなので、優しいお米の香りも楽しめますよ。

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端麗な味わいでありながら、非常に柔らかな印象を持たせる日本酒だといえるでしょう。後味に感じるわずかな苦みや酸味が、米の持つ甘みを引き締めてくれるので飲みやすさがアップするのでしょうか?冷酒でも美味しいですが、熱燗のおいしさを堪能してほしい1本です。

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まとめ

今回は日本酒のランクに関して紹介してきました。等級付けや種類、作り方の違いなどさまざまな面から日本酒を見ることができたのではないでしょうか?

一言で日本酒といっても、銘柄はもちろん味わいも非常に多岐にわたります。だからこそ新しい出会いを楽しめるお酒だともいえるでしょう。今まで飲んでいた日本酒を楽しむこともよいですが、これを機会にまた違った日本酒にもチャレンジしてみてくださいね!

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