〈プロ解説〉日本酒にあう「おつまみ」とは、おすすめ5選を紹介
日本酒を好きになると、次は食べ物との相性が気になるところですね。かつてはワインに習い、”マリアージュ”と呼んでいた日本酒と食べ物の相性ですが、最近では”ペアリング”と呼ばれることが多くなりました。
そこでこの記事では、日本料理家であり、日本酒利き酒師でもある入江亮子さんに、日本酒にぴったりな食べ物や、「ペアリング」について解説いただきました。ぜひ参考にしてください。
ペアリングの基本
入江 亮子さん
お酒と食べ物との相性を意味する「ペアリング」について、4つのポイントを解説します。
① 同調
お酒と食べ物とを合わせたい時に、一番簡単なのが「同調」です。似た味や香りのもので合わせます。
フルーティな吟醸酒に、桃や梨、メロン、バナナ、苺といったフルーツ。甘いお酒に甘みのある料理や和菓子。
生酛(きもと)や山廃系の乳酸由来の香りや酸味がある酒にチーズ。複雑な味や香りをもつ熟成酒に、スパイス料理などが挙げられます。
② リフレッシュ
最も日本酒に合わせることの多い料理が、お刺身ではないでしょうか。脂の多いトロや青魚の刺身には、吟醸香があまりないキリッとした辛口のお酒が適しています。
特に醸造アルコール添加の本醸造酒などは、魚の臭みなどをすっきりと洗い流してくれる効果があります。
また、純米の辛口と脂肪分の多い魚を合わせると、純米ならではの馥郁(ふくいく)とした米の旨味と脂のもつ滑らかさが口内で一体となったあとに、洗い流しとはまた別の、最後にすっとキレる瞬間が楽しめます。
③ パワーバランス:酒か料理、どちらかをよりおいしくさせる
濃い味わいの鰻のかば焼きなどに、甘口の芳醇な純米酒。お酒の旨味と甘味が料理にさらに乗り、益々料理がおいしく感じる例です。
お酒をおいしく進ませる例としては、さっぱり目のシンプルな料理…冷奴や茹で枝豆が挙げられます。
④ でこぼこでマリアージュ
対局にある味を持ってくる例です。合う数は少ないですが、バシッとはまるペアリングです。例えば甘い貴醸酒と塩気のきいたブルーチーズなどが挙げられます。
上記以外にも、「旬合わせ」も楽しいペアリングの一つです。
さっぱりとした、酸が比較的高い夏酒とカマスやキスといった夏の白身魚の塩焼きや、トマトのカプレーゼなどは、とてもしっくりくる食べ合わせです。
さて、蒸したトウモロコシは…焼きならどうなんだろう、どんなお酒が合うのかなと色々食べ合わせを楽しんでみてください。
入江 亮子さん
ペアリングの例を記しましたが、あくまでも嗜好品ですので、個々の好き嫌いが優先されます。カメムシみたいで苦手という方にこの日本酒とパクチー合うんですといっても、無理ですよね。また、日本酒は1万種近くは市場に出回っているので、一口に辛口といっても幅広いですし、温度帯でも、抜栓時期でも、飲む量でも変わります。どうぞお気に入りの1本と、この料理!というマイペアリングをご自身で見つけてみてください。
続いては、筆者が選ぶ「日本酒のおつまみ」5選
入江 亮子さん
ゆっくり自分で作った料理と食べ合わせるのも楽しいですが、仕事から帰ってきて、すぐに頂ける便利な酒肴は、ありがたいもの。通販で買えるおすすめの肴をいくつかご紹介したいと思います。
- 木の屋石巻水産
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金華さば(170g)
- 税込み9,288円(楽天市場、24缶入り)
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石巻港で獲れた金華さばを、鮮魚のまま加工した缶詰
おすすめポイント
石巻港で獲れた金華さばを、冷凍することなく鮮魚のまま加工し、缶詰にした商品。かねてから人気商品であったにもかかわらず、震災の影響で10年も生産できず、やっと2021年生産が復活しました。他の商品と比べ、こってり甘じょっぱい感じではなく、食材の持ち味を生かしたあっさりした仕上がりとなっています。ネット通販以外でも、酒屋さんなどにも置いてある所がありますので、HPからチェックしてみてください。サイトでは売り切れでも、案外お店には置いてある場合もあります。味付けの種類は、水煮(2種)、味噌煮、醤油煮があります。日本酒とのセットもあるので、ぜひそちらも試したいところです。
おすすめポイント
日本酒とチーズは実はとても合います。10年くらい前から言われ始め、最初は抵抗のあった方もいましたが、今では常識になりつつあります。まず旨味の相乗効果があり、チーズの油脂が口中でうまく酒を纏(まと)めてくれるのです。フレッシュタイプの牛の乳のチーズ…例えばリコッタやフレッシュモッツアレラに、マーマレードや苺ジャムをつけて吟醸酒と合わせてみてください。さて、日本でチーズといえばフェルミエですね。各国からの美味しいチーズを紹介して、我が国の食卓をリッチにしてくれました。もちろん国産チーズも扱っており、一番よい状態の食べごろのチーズが手に入ります。駅ビルなどにもいくつか支店はありますが、通販はとても便利です。まだお好みのものが決まっていない方は、今回ご紹介しているビギナー応援セットをまずは試してみて、好きなタイプのチーズを探してみてください。
おすすめポイント
昭和初期創業の三之助豆腐。ブランド名”三之助”は創業者の名前からきています。豆腐は、薬味を変えるだけで変幻自在な食品!いつもの葱や生姜に加えて、揚げ玉や刻んだハーブ、生ハム、ハリッサなど、お好きなトッピングで楽しんでほしいです。また生でも煮てもいいですし、タンパク質がたっぷりなので、ヘルシーな肴でもあります。多少価格は高めですが、シンプルな食品ゆえ、上質な材料を使ったものを選びたいですよね。豆腐もさることながら、揚げ油にもこだわった油揚げや厚揚げ、たまねぎがんももおすすめです。
おすすめポイント
干物も古くから愛されてきた肴ですね。余分な水分を塩で抜き、干すことで旨味を凝縮させた、日本人の智慧の結晶した調理法と思います。丸赤の干物は、旬の飛び切りの材料で、塩も吟味した天日塩を使用しており、満足度の高い商品ばかりです。今回はあじの干物をご紹介していますが、ほかにもしらす干しや鰯の丸干しなどもとても美味です。焼いてそのまま食べてもいいですが、身をほぐして胡瓜と和えたり、揚げ物にしても。迷ったら、こちらも詰め合わせをチョイスして、いろいろ味見をどうぞ。
おすすめポイント
八海山でおなじみの八海醸造の千年こうじやには、甘酒をはじめ、魚や肉の味噌漬けなど、発酵食品を使った酒の肴アイテムがたくさんあります。今回おすすめする「醤油麹漬け もちぶた」は、新潟のブランド豚、もちぶたを醤油麹で丁寧に漬けた一品。麹由来の自然な優しい甘さが肉のうまみを増し、肉も麹のプロテアーゼで柔らかくなっているので、とても食べやすく、お酒とともにいただくと、口内で溶けあい、素晴らしいペアリングになります。冷凍なので長期保存も利く便利もの。常備しておきたいですね。
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