AIで要約、PLAUD NotePinデビュー 文字起こし対応の次世代ボイスレコーダー
Nicebuild LLC社（ナイスビルド エルエルシー、本社：アメリカ）は23日、Open AI社のGPT-4oを搭載した次世代ウェアラブルAIメモリーカプセル「PLAUD NotePin」の予約販売を開始した。
音声を録音・保存するボイスレコーダーとしての機能に加え、AIを活用して自動で文字起こしや要約をしてくれる利便性の高さが魅力。会議や営業現場などのビジネスユースはもちろん、教育や医療など幅広い場での活用が期待されるツールだ。
この記事では、記者発表で公開された新商品「PLAUD NotePin」の詳しい情報をいち早く紹介します。
目次
Nicebuild LLC社とは
Nicebuild LLC社は2021年に設立された、AIオーディオとソフトウェアの設計・開発会社。AIデバイスの展開と、それにひも付くAIエージェントサービスを行っている。
2023年には、高性能AIボイスレコーダー「PLAUD NOTE(プラウドノート)」をリリース。日本でも今春からAmazonや楽天市場などのECサイトで販売を開始し、現在は家電量販店の主な店舗でも展示販売も行っている。今年9月時点で、全世界で25万人以上のユーザーを獲得し、売上高は50億円を超えている。
PLAUD NotePinの概要
写真はいずれも編集部撮影
PLAUD NotePinは、AIを活用して自動で文字起こしをしてくれるスマートデバイス。「PLAUD WEB」に登録することで、ブラウザとスマートフォンアプリの双方と連携することができ、録音したデータをクラウドとシームレスに同期させ、要約や編集をしたり、フォルダで管理したりすることができる。
また、録音や要約したデータをワードなどで簡単に共有できることもポイント。他の人とシェアする際にも便利な仕様になっている。
現在59カ国の言語に対応しており、話者の識別や段落分けも自動的に行ってくれる。「講義」「インタビュー」などのテンプレートの中から、会話にあったものを選んで要約し直すことができるほか、AIがうまく識別できなかった文言は手動で修正することももちろん可能だ。
PLAUD NotePinの特長
PLAUD NotePinについて説明するWatson.Zhang氏
会場で行われたデモンストレーションでは、新製品の説明を録音して、PC上で要約する様子が披露された。
録音開始の操作は、PLAUD NotePin本体をワンタッチするだけでスタートする。録音したデータは「PLAUD WEB」上で確認することができ、文字起こしされた内容はワンクリックで要約される。AIの精度は高く、説明のポイントを短時間で箇条書きで表示。修正が必要な箇所はほとんどなかった。
入力された文字を手動で修正する場合には、一つ一つ手作業で修正することができる。担当者によると、人名などの固有名詞の識別がやや苦手なようなので、人名が誤って入力されてしまった場合は修正に少し手間がかかりそうだ。
デザインはコンパクトでウェアラブル
PLAUD NotePinは約縦51x横21X厚さ11mmのコンパクトサイズ。カラーはグレー、シルバー、パープルの3色から選ぶことができる。
付属のトラップを使ってネックレスのように身につけたり、クリップで上着のポケットに挟んだりして使用できるほか、リストバンドを使って腕時計のように装着することもできる。
写真のように、ジャケットに装着すればビジネスファッションのアクセントにもなる。
毎月300分の文字起こしが無料
PLAUD NotePinを購入して「PLAUD WEB」に登録すると、「スタータープラン」が無料で利用できる。毎月300分の文字起こしのほか、データの要約やAI解析、9種類のスタンダードテンプレートなどの基本機能を使うことができる。
さらに長時間の文字起こしを利用したい場合には「プロプラン」（12,000円／年）が用意されている。毎月1200分の文字起こしが利用できるほか、20種類以上のテンプレートの中から好きなものを選ぶことが可能。月払いの場合は1,980円／月なので、長期間使う場合は年払いがお得だ。
|
文字起こし時間 |
300分／月 |
1200分／月 |
|---|---|---|
|
利用可能なテンプレート |
スタンダードテンプレート:9 |
プロフェッショナルテンプレート:20 |
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料金 |
無料 |
12,000円／年 |
長寿命バッテリーを搭載
バッテリーは270mAhの長寿命タイプを搭載しており、40日間のスタンバイと20時間の連続録音が可能だ。頻繁に充電する必要はなく、事前に充電しておけば大切な会議中に録音が途切れてしまう心配もないだろう。
正式販売開始は12月上旬
正式な販売開始は12月上旬の予定。公式サイトでは先行して、予約受付が始まっており、注文した商品は12月上旬に発送される。
希望小売価格は税込み28,600円。
「PLAUD NOTE(プラウドノート)」も人気
なお、同社の商品としては「PLAUD NOTE」も販売されている。こちらもワンタッチで音声を録音して文字起こしや要約ができるAIボイスレコーダーだ。
今年3月に、ChatGPT3.5からChatGPT4.0へとアップデート。1時間ごとにが分断されていたひとつあたりの録音データが、最大5時間まで集約できるようになった。
PLAUD NotePinとPLAUD NOTEの違い
編集部撮影
PLAUD NOTEは厚さ約0.29cmの薄型タイプで、専用マグネットケース付き。スマートフォンの背面にマグネット吸着をして通話を録音することができる。ハイエンドマイクを二つ搭載しており、ノイズの少ない高音質な録音が可能となっている。
PLAUD NotePinには通話録音機能はないので、主に通話や会議の録音をしたい場合はPLAUD NOTEがおすすめ。一方でPLAUD NotePinは身につけて使えるので、会議だけでなく教育や医療など様々な現場や、日常的にも利用しやすいのが特長だ。
PLAUD NotePinは様々なシーンで使えるAIデバイス
PLAUD NotePinは一般的なボイスレコーダーとは異なり、録音したデータをクラウドと連携してAIで解析。文字起こしや要約をワンタッチでしてくれる便利なツールだ。装着方法を選べるので、ネックレスや腕時計のように持ち歩けるのもポイント。会議はもちろん、学校や医療といった様々な現場での活用が期待される。
Nicebuild LLC社は、日本での展開にも注力しており、今後の展開も楽しみだ。
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