〈プロ解説〉ポータブル電源13選 キャンプや車中泊、災害への備えにおすすめ
キャンプや車中泊だけでなく、災害への備えとしても注目を集めているポータブル電源。スマホやPCだけでなく、家電製品にも使える高出力に対応した製品も豊富です。
ポータブル電源を選ぶなら、持ち運びのしやすさやサイズ、用途など、重視するポイントを考えて使い勝手のよい1台を手に入れたいところです。
この記事では、IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志さんによる、ポータブル電源の選び方やおすすめ商品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
▼ Jackery(ジャクリ)製ポータブル電源のレビュー記事はこちら
目次
まずは筆者おすすめ、ポータブル電源4選
- Jackery(ジャクリ)
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Jackery Solar Generator 240 ポータブル電源
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手軽に持ち運べるコンパクトサイズ
おすすめポイント
コンパクトで持ち運びがしやすく、1台目のポータブル電源としてぴったりのモデルです。定格容量241.9Whと容量は少なめですが、別売のソーラーパネルと組み合わせることでバッテリーの減りを抑えられます。AC×1、USB×2、DC(シガーソケット)×1の端子を備えています。スマホなら約14回フル充電ができ、液晶テレビであれば約3.4時間使用可能です。
おすすめポイント
容量と価格のバランスの良さが魅力です。定格容量375Whで、定格出力200Wの比較的コンパクトなモデル。上部のハンドルは折りたたみ式なので、重ね置きや収納にも便利です。入出力の差込口や各種ボタンは日本語表記で、端子ごとにエリアを枠線で区切ったわかりやすいデザインが特徴。AC×1、USB×2、DC(シガーソケット)×1の端子を備えています。別売のポータブルソーラーパネルからの給電も可能です。
- EcoFlow Technology
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RIVER Pro ポータブル電源
- 税込み73,500円(楽天市場)
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フル充電にかかる時間はわずか約1.6時間
- Amazonで見る(後継機)
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楽天ブラックフライデー開催中!楽天市場で見る
- Yahoo!で見る
おすすめポイント
定格容量720Whで、定格出力600Wと比較的大容量ながら、独自の「X-Streamテクノロジー」によって1時間で0%から80%まで充電が可能。フル充電も約1.6時間の速さで完了します。別売の専用エクストラバッテリーを接続することで、容量を1440Whへ倍増できるのもユニークなポイントです。出力端子はAC×3、USB Type-A×3、USB Type-C×1、DC(DC5521)×2、DC(シガーソケット)×1と充実しています。
おすすめポイント
定格容量1229Whと大容量で、UPS機能も搭載し、業務用途や災害対策にぴったりのモデルです。約19.9kgと重めですが、キャンプなどに持ち出せばパワフルにアウトドアライフを楽しめます。別売のソーラーパネルからも充電できるほか、独自の超急速充電技術によってコンセントから約1時間で80%まで充電が可能。フル充電もわずか1.5時間で完了します。
▼「Anker 757 Portable Power Station」の公式動画がこちら
ポータブル電源の特徴
ポータブル電源とは、大容量バッテリーを内蔵し、AC(交流)をはじめ、シガーソケットやDC(直流)、USBなど、さまざまな出力に対応する機器です。
屋内で使用する家電製品のほか、車内で使えるシガープラグタイプの電化製品、USBケーブルで給電できるモバイル機器など、1台で幅広い用途に使えます。
モバイルバッテリーのイメージ(Photo by iStock)
モバイルバッテリーと似ていますが、基本的にUSB端子しか搭載していないモバイルバッテリーに対し、ポータブル電源は、AC/DCなどさまざまな出力端子を備えているのが大きな違いです。
サイズや重さ、出力電圧も、製品によって大きく異なります。扇風機や電気毛布といった消費電力の低い機器を中心に使用できるコンパクトタイプから、炊飯器やドライヤーといった消費電力が高い機器も使用できる大容量な大型タイプまで、幅広くラインアップされています。
ポータブル電源の選び方、4つのポイント
ポイント解説
ポータブル電源を選ぶ際に注目したい4つのポイントをご紹介します。
① 定格容量と定格出力のバランスが最も重要
Photo by iStock
ポータブル電源を選ぶうえで最も重要なのが、定格容量と定格出力のバランスです。定格容量とはバッテリー容量のことで、「Wh(ワットアワー)」もしくは「mAh(ミリアンペアアワー)」で表示されます。1W×1時間の電力量が1Whです。
容量が大きいほど給電できる時間が長くなりますが、その分バッテリーが大型化するため、製品本体も大きく重くなり、価格も高くなります。容量が小さいとコンパクトで軽く、持ち運びやすくなるものの、長時間使用できないというデメリットがあります。
定格出力とは、安定して出力し続けられる電力(W)のことを指します。ポータブル電源には、定格出力が100W程度のものから1000Wを超えるものまで幅広くあります。1000Wを超える高出力モデルであれば、電気ケトルや炊飯器などの調理家電も使用できますが、低出力モデルの場合は、使用できる機器が限られるので注意してください。
ポイント解説
たとえば扇風機の消費電力は10~40W程度、電気毛布なら50~80W程度ですが、ドライヤーでは500~1200W、電気ケトルだと800〜1200W、炊飯器は最大で1000Wを超えるものがほとんどです。
Photo by iStock
ちなみにポータブル電源の仕様には、定格出力よりも大きい「瞬間最大出力」や「ピーク出力」といった表示もあります。これは瞬間的に対応できる出力のことで、継続的に対応できる出力ではありません。使用する家電製品の消費電力が、ポータブル電源の定格出力を超えないようにすることが重要です。
また、ポータブル電源の定格容量を、使いたい機器の消費電力で割れば、使用可能時間の目安を簡単に計算できます。たとえば定格容量1500Whのポータブル電源の場合、50Wの電気毛布を約30時間使用できるという計算になります。500Wのドライヤーなら、約3時間使用可能です。
ポイント解説
1500Whはかなり大容量ですが、消費電力の高い家電製品を使うとあっという間になくなってしまうので気をつけましょう。
② 家電製品を使うならAC出力の「波形」に注目
正弦波のイメージ(Photo by iStock)
ポータブル電源の出力端子はさまざまですが、家電製品をAC出力端子につないで使うのであれば、AC出力の「波形」も重要になります。
AC電源は家庭やオフィスなどのコンセントと同様に交流電源になっていて、1秒間に50回(東日本)もしくは60回(西日本)の頻度でプラスとマイナスが入れ替わるようになっています。ポータブル電源のバッテリーは直流出力のため、AC端子に出力する場合は「インバーター」という装置によって交流に変換されます。
ポータブル電源のほとんどは、なめらかに弧を描く「正弦波」と呼ばれる波形で出力されますが、低価格な製品の中には、「修正正弦波」と呼ばれる、正弦波を疑似的に再現した波形や、「矩形波(くけいは)」と呼ばれる角ばった形状の波形で出力される場合があります。
ポイント解説
発電所から送電される正弦波を前提に作られている家電製品は、修正正弦波や矩形波ではうまく動作しないことがあります。最悪の場合は、故障して使えなくなる恐れもあるので注意が必要です。
③ 入出力端子は多ければ多いほど便利
定格出力の制限はあるものの、入出力(特に出力)端子は、基本的に多ければ多いほど便利です。
コンセントタイプのAC端子のほか、シガーソケットタイプやDC6530などのDC端子、USB端子にもType-A・Type-Cといった形状があり、さらにはスマートフォンなどを置くだけで充電できる「Qi(チー)」という規格もあります。
ポータブル電源本体を充電するための入力端子もAC入力のほか、シガーソケットによるDC入力、USB入力など、機種によってさまざまです。キャンプや災害対策でソーラーパネルからも充電したいという方は、ソーラーパネルによるDC入力にも注目しましょう。
④ LEDライトやUPS、その他の機能もチェック
Photo by iStock
ポータブル電源の多くが搭載する機能として「LEDライト機能」があります。停電時やキャンプなどの真っ暗な状況で明かりとして使えるので、必要な方はチェックしてください。
そのほか、一部の機種には「UPS(無停電電源装置)」として使えるものがあります。UPSとは停電時にパソコンやサーバーなどを安全にシャットダウンできるように、一定時間電力を供給する機器のことです。UPS機能は、落雷やブレーカーダウンといった不意の電源トラブル時に頼りになります。
ポータブル電源の用途と容量の目安は?
ポイント解説
ポータブル電源の定格容量には「Wh」と「mAh」の2種類の表記があります。基本的にはWhの数値をチェックして比較するのがおすすめです。電気機器の消費電力は主にワット数(W)で表示されているため、1000Whなら100Wの機器を10時間使用できる、というように簡単に計算ができます。
普段使いや日帰りなら200~500Wh程度
スマホの充電がメインの場合や、小型扇風機などのそれほど消費電力が高くない機器を使用するのであれば、200~500Wh程度あれば十分です。
キャンプや車中泊で使うなら500~1000Wh程度
キャンプや車中泊などで、電気ケトルや小型冷蔵庫といった比較的消費電力が高い家電を使用する場合には、500Wh以上の定格容量を持つモデルを選ぶといいでしょう。
災害時の備えとして用意するなら1000Wh~
災害時の備えとして用意しておくのであれば、少なくとも1000Wh以上の大容量モデルをおすすめします。さらにUPS(無停電電源装置)機能を搭載するモデルなら、普段から家電をポータブル電源につなげておくことで、急な停電時に家電が故障するリスクを減らせます。
〈編集部PICK UP〉ポータブル電源、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数あるポータブル電源の中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの製品を紹介します。
- アンカー・ジャパン
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Jackery Solar Generator 1000 New
- 税込み83,880円(Amazon)
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大容量なのに軽量コンパクト
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1500Wの定格出力を備えた1000Whクラスのポータブルバッテリー。スマホやタブレットの充電だけでなく、電子レンジや炊飯器などの電源としても利用でき、災害時の備えに安心です。
重量は約10.8kgで、持ち運びしやすい大きな取っ手付き。メーカーによると、前モデルより約20%体積が小さくなっており、アウトドアシーンでも活躍します。
充電ケーブルの差し込み口を側面に配置して、狭いスペースでの設置や使用中の充電もしやすいモデルです。
▼以下の記事で、有識者によるレビューを紹介しています。あわせて参考にしてください。
- アンカー・ジャパン
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521 Portable Power Station
- 税込み29,900円(Amazon)
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長寿命バッテリーと高い耐衝撃性能が魅力
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モバイルバッテリーが人気の、Ankerが販売するポータブル電源。電池寿命が劣化しにくい高品質なリン酸鉄リチウムイオン電池を使用していて、バッテリーの最大容量が80%まで低下するまでの充放電サイクルは3,000回以上。メーカーによると、一般的なポータブル電源と比べて、約6倍の長寿命を実現しています。iPhone 13を約18回フル充電できる、256Whの大容量も魅力。アウトドア・災害時の電源として重宝するでしょう。
前面・背面に強化パネルを使用することで、耐衝撃性能も優れています。横長のLEDライトが搭載されているので、停電時も便利です。
- INBES
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Cubele IBP-200S
- 税込み20,880円(楽天市場)
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2.3kgの軽量設計、気軽に持ち運べる
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AC100Vコンセント、急速充電規格PDとQCに対応したUSB端子を備えた商品。コンセントが2口あるので、 ポータブル冷蔵庫や炊飯器といった家電を使うことができます。2.3kgと比較的軽量なので、持ち運びも楽々です。
本体の充電が早いのもポイントです。ACアダプターから充電すれば、フル充電まで約6時間。PDまたはQC対応のUSB端子からも電源につなげば、約2倍の速度で充電できます。またLEDライトが搭載されているので、防災用としても活躍するでしょう。
- Jackery(ジャクリ)
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ポータブル電源 1500 PTB152
- 税込み179,800円(公式サイト)
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Jackeryの高スペックモデル
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高出力・大容量を実現したモデル。3~6泊のキャンプや屋外でホットプレートなどの調理家電を使用するとき、災害時にしっかり備えたい場合におすすめです。
ツインターボシステムにより、ACアダプター2個で本体のフル充電がおよそ4時間で完了。ソーラーパネルと組み合わせることで、電気代を抑えた充電もできます。
外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
重量 |
容量 |
出力端子 |
充電方法 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 240 New |
手軽に持ち運べるコンパクトサイズ |
幅23.1×奥行15.3×高さ16.8cm |
3.6kg |
256Wh |
AC×1/USB-Ax1/USB-Cx2/DC(シガーソケット)×1 |
AC/シガーソケット |
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【筆者おすすめ】JVCケンウッド ポータブル電源 BN-RB37 |
日本語表記でわかりやすいデザイン |
幅23.1×奥行13.4×高さ16.8cm |
3.6kg |
375Wh |
AC×1/USB(Type-A)×2/DC(シガーソケット)×1 |
AC/シガーソケット |
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【筆者おすすめ】EcoFlow Technology RIVER Pro ポータブル電源 |
フル充電にかかる時間はわずか約1.6時間 |
幅28.8×奥行18.5×高さ25.3cm |
7.2kg |
720Wh |
AC×3/USB(Type-A)×3/USB(Type-C)×1/DC(DC5521)×2/DC(シガーソケット)×1 |
AC/シガーソケット |
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【筆者おすすめ】アンカー・ジャパン Anker 757 Portable Power Station (PowerHouse 1229Wh) |
業務用途や災害対策にぴったりのモデル |
約幅46.3×奥行23.7×高さ28.8cm |
約19.9kg |
1229Wh |
AC×6/USB(Type-A)×4/USB(Type-C)×2/DC(シガーソケット)×1 |
AC/シガーソケット |
|
Jackery Solar Generator 1000 New |
大容量なのに軽量コンパクト |
約幅32.7×奥行22.4×高さ24.7cm |
約10.8kg |
1,070Wh |
AC×3/USB(Type-A)×1/USB(Type-C)×2/シガーソケット×1 |
AC/シガーソケット |
|
ECOFLOW DELTA 2 Max |
最大15台を同時に充電 |
約幅24.2×奥行49.7×高さ30.5cm |
約23kg |
2,048Wh |
AC×6/USB(Type-A)×2/USB(Type-C)×2/DC×2 |
AC/シガーソケット×1 |
|
アンカー・ジャパン Anker 521 Portable Power Station |
長寿命バッテリーと高い耐衝撃性能が魅力 |
約幅21.6×奥行14.4×高さ21.1cm |
約3.7kg |
256Wh |
AC×2/USB(Type-A)×2/USB(Type-C)×1/シガーソケット×1 |
AC/DC/USB(Type-C) |
|
INBES Cubele IBP-200S |
2.3kgの軽量設計、気軽に持ち運べる |
幅19.0×奥行12.0×高さ17.7cm |
2.3kg |
222Wh |
AC×2/USB(Type-A)×3/USB(Type-C)×1/DC×1/シガーソケット×1 |
AC/USB(Type-C)/シガーソケット |
|
多摩電子工業 TL108OR |
軽量コンパクト設計で持ち運びが簡単 |
幅21.5×奥行16.0×高さ19.2cm |
2.7kg |
202Wh |
AC×2/USB(Type-A)×3 /USB(Type-C)×1/DC×2/シガーソケット×1 |
AC/DC |
|
AUKEY PS-RE03 |
コロンと丸いフォルムで部屋になじみやすい |
幅26.2×奥行16.4×高さ15.6cm |
3.7kg |
297Wh |
AC×2/USB(Type-A)×4/USB(Type-C)×1/DC×2/シガーソケット×1 |
AC/DC/USB(Type-C) |
|
AUKEY PS-ST04 |
スタイリッシュで470Whの大容量 |
幅28.0×奥行16.0×高さ20.3cm |
5.3kg |
470Wh |
AC×2/USB(Type-A)×3/USB(Type-C)×1/DC×1/シガーソケット×1 |
AC/DC/USB(Type-C) |
|
JVCケンウッド ポータブル電源 BN-RB62-C |
出力500Wの中型モデル |
幅300×奥行192×高さ193mm |
6.5kg |
626Wh |
AC×2/USB(Type-A)×3/DC×2/DC(シガーソケット)×1 |
AC/シガーソケット |
|
Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 1500 PTB152 |
Jackeryで一番の高スペックモデル |
幅355×奥行253×高さ265mm |
16kg |
1534.68Wh |
AC×3/USB(Type-A)×1/USB(Type-C)×1/USB(QC3.0)×1/DC(シガーソケット)×1 |
AC/シガーソケット |
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