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〈プロ解説〉スピーカーのインピーダンスとは? おすすめスピーカー10選も

生形 三郎(オーディオ評論家/録音エンジニア/音楽家)
2022-03-30

巣ごもり需要やサブスクリプションサービスの充実などで注目を集めているのが、音楽やテレビを高音質で楽しむためのスピーカー。販売店やECサイトでもそうしたニーズに応えるため、高い音質を手頃な価格で楽しめる優れた製品を積極的に取りそろえています。

しかし、数ある中から自分にあったモデルを選ぶのは簡単ではありません。そこで、重要な要素のひとつ、インピーダンスをはじめとするスピーカー選びで押さえておきたいポイントについて紹介します。

聞き馴染みのない方も多い「インピーダンス」ですが、基本を理解するのは難しくありません。また、記事の後半では厳選したおすすめスピーカー10選をご紹介しますので、スピーカー選びにお役立てください。

オーディオ評論家/録音エンジニア/音楽家
生形 三郎
東京藝術大学大学院修了。現在は洗足学園音楽大学講師をしています。各種オーディオアワード審査員を歴任し、書籍や雑誌の執筆から、スピーカーの設計、音楽ソフトの録音や作曲など、音や音楽に対して多方面から関わっています。

スピーカーの注目ポイント

スピーカーのインピーダンス、音質との関係は?

スピーカーから音が出るイメージ

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インピーダンスとは、交流信号における抵抗成分のことを指し、Ω(オーム)という値で表されます。一般的に「スピーカーのインピーダンス」が意味するのは、以下の通りです。

  • インピーダンスが低いスピーカー:電気が流れやすい
  • インピーダンスが高いスピーカー:電気が流れにくい

スピーカーとは、電気信号を空気の振動に変換するものだといえます。

その仕組みである、音を発するスピーカーユニット部分の材質や構造、またはスピーカーキャビネットの構造やクロスオーバーネットワークと呼ばれるものの設計など、数々の抵抗要素を備え、それによって電気の流れやすさがさまざまに変化するのです。

そうしたスピーカーにとってのインピーダンスとは、あくまでも電気的な抵抗としてスピーカーを測る数値なので、インピーダンス値がスピーカーの音質を直接的に定義するわけではありません

インピーダンスが高い・低い、どう違う?

音波のイメージ

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インピーダンス値の高さによって、電力を与えたときにスピーカーから再生される音量が変わることになります。

例えば、インピーダンスが高いと同じ電力でも電気が流れにくく、そのため音量は小さくなりますが、反対にインピーダンスが低ければ電気は流れやすくなり、音量が大きくなるのです。

後述しますが、スピーカーには「能率」と呼ばれる値があります。仮に4Ωで85dB、8Ωで85dBのスピーカーがそれぞれある場合、4Ωで85dBの方が少ない電力で大きな音を出せるのです。

アンプとの相性、インピーダンスに注目

音量を操作するイメージ

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現在市販されているほとんどのスピーカーは、インピーダンスが4~8Ωになるよう設計されています。同様に、スピーカーを駆動する「アンプ」もインピーダンスが4~8Ωのスピーカーに対応しているのが一般的です。

つまりほとんどの場合、スピーカーとアンプの組み合わせで問題は起きないといえます。とはいえ、出せる音量の大きさはスピーカーとアンプの組み合わせによって変わるのです。

スピーカーのインピーダンス、音量との関係

アンプとスピーカー

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消費電力を意味するW(ワット)数が大きければ、それだけ大きな音量を出すことができます。

例えば、アンプの仕様表に「100W(8Ω)」と表記があれば、「8Ωのスピーカーをつないだときに100Wの出力を確保できる」と理解することができるのです。

インピーダンスが低ければ電気が流れやすくなり、それだけ確保できる消費電力が大きくなります。 そこで、大きな音量が出せるように見せるため、抵抗が低めの4Ωのスピーカーに対する消費電力をあえて仕様表に記載するアンプメーカーが増えているのも事実です。

また、スピーカーメーカーでもその流れにあわせて、比較的に廉価な製品で4Ωと表記している製品が増えている印象があります。

スピーカーやアンプを正しく選ぶためにも、以下の点に注意しましょう。

  • 使用するスピーカーは何Ωか
  • 接続するアンプが何Ωに対応しているか
  • スピーカーのインピーダンスに対して、アンプ側からどれだけ出力できるか

スピーカーの選び方

生形 三郎

ポイント解説

スピーカーのインピーダンスについて解説してきましたが、次にスピーカーを選ぶ際に押さえておきたいポイントについて紹介します。

手持ちのアンプに対応するスピーカーとは

アンプとスピーカーのイメージ

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インピーダンスの解説でも述べましたが、多くのアンプやスピーカーは4〜8Ωに対応するように作られています。そのため、いずれの組み合わせでもその範囲内であればまず問題は起きません。 

しかし、例外的なケースがあります。以下のようなスピーカーを使用する場合は注意しましょう。

▼ 4Ω以下の極端にインピーダンスが低いスピーカー

必ず4Ω以下の駆動にも対応しているアンプとつなげて使用するようにしましょう。
▼ 標準インピーダンス値に加え、あえて「最小インピーダンス値」や「推奨アンプ出力」の記載があるスピーカー

メーカーが推奨しているインピーダンス値や「推奨アンプ出力(W)」の記載がある場合、それに沿った性能のアンプとつなげて使用しましょう。
生形 三郎

ポイント解説

ここで述べたような例外的な場合でも、使用するアンプを正しく選ぶことでスピーカーの性能を十全に発揮させることが可能です。

音圧レベルに注目

音量のイメージ

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先に紹介した例外的なケースを除けば、あとは「どれだけの音量を出したいか」によってアンプとの組み合わせを考えるとよいでしょう。

▼ スピーカーの能率(音圧出力レベル)とは

スピーカーの「能率」とは、1Wを入力したときにスピーカーから1m離れた地点でどれだけの音圧を得られるか示したものです。「dB(デシベル)」という単位で表し、値が大きくなるほど大きな音を得られます。

dBは対数表記の単位で、例えば比較して6dBの差があれば約2倍、10dBの差があれば約3倍も音量が異なるため、大きな違いになるのです。

一般的な小型タイプのスピーカーでは、1Wを入力したときに85dB前後の能率があります。スピーカーのサイズがより大きくなると、能率も上がる傾向にありますが、85dBあれば一般家庭で鳴らす分には十分です。

生形 三郎

ポイント解説

能率の大まかな目安は以下の通りです。

・トランジスタアンプと組み合わせる場合:80dB以上
・出力の低い真空管アンプと組み合わせる場合:85dB以上

▼ パワーのあるアンプが必要な場合も

能率の目安について紹介しましたが、厳密にいえば目安よりも高い能率が必要になるケースもあります。

例えば、低い音は能率が下がるため、聞こえる音が小さくなりやすい特性があります。そのため、低い音もしっかりと聞けるように、音楽ソースによってはより高いパワーを求められることがあります。

パワーが足りないと音が歪んでしまったり、音が途切れたりすることも。とはいえ、市販されているアンプは数十W程度の出力パワーを持つものがほとんどで、まず問題は起きないといえるでしょう。

ただし、真空管アンプの場合、出力が数ワット程度の低いものが多いため、能率が低いスピーカーとの組み合わせには注意が必要です。

生形 三郎

ポイント解説

大きなパワーが求められる音楽ソースの代表的なものは、小さな音量から大きな音量までが含まれているクラシック音楽や古い録音などです。こうした音をある程度大きな音量で楽しみたい場合は、出力パワーに余裕のあるアンプを用意しましょう。

一方で、音量が大きくて一定のポップスやロックを楽しむ場合は、比較的小さなパワーでも十分な場合が多いです。

スピーカー選びのポイント

スピーカーを設置したイメージ

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スピーカー選びで注目したいポイントについて、以下にまとめて紹介します。

▼ 購入前に音質傾向をチェックしておくと安心

スピーカーはオーディオ機器の中で、もっとも音に影響する要素です。とくにスピーカーユニットの材質や構造によって音が大きく変わるので、そのスピーカーがどのような音質傾向を持っているか実際に自分の耳でチェックしておくと、安心して選択できるでしょう。

▼ 見た目も大事、インテリアや好みにあわせて選ぶ

部屋の中で目に触れることの多いスピーカーは、部屋の印象に与える影響も大きいです。自分にとって心地よいデザインであることも重要なポイントだといえます。

▼ 使用する環境にあったサイズかどうか

大きなスピーカーは概して迫力豊かな低音を出すことが可能ですが、大音量を楽しめるような広さのある空間など、使用する環境も重要です。部屋の広さにあったスピーカーの選び方について、目安を紹介します。

  • 6畳以下の部屋:ブックシェルフスピーカー
  • 8~12畳くらいの部屋:中型のフロア型スピーカー
  • 12畳よりも広い部屋:大型のフロア型スピーカー

部屋の大きさに適したスピーカーを使用することで、スピーカーの能力が適切に発揮されやすくなります。

▼ アンプの価格を基準にスピーカーを選ぶ方法

どの程度のクオリティを備えたスピーカーを選ぶべきか、アンプの価格を基準にしてみるのもひとつの手です。定価ベースでアンプと同じか、2~3倍程度までの価格帯から選ぶと、アンプとスピーカーのクオリティバランスが取りやすいでしょう。

続いて、筆者が選ぶスピーカー10選

生形さんおすすめ①
  • FOSTEX(フォステクス)
  • スピーカーシステム P804-S(ペア)

  • 税込み21,580円
  • コンパクトながら力強く豊かな低音が魅力、ハイレゾ対応

生形 三郎

おすすめポイント

自作スピーカー用のユニットやキット、そしてヘッドフォンでもおなじみ、フォステクス製エントリースピーカーです。

小さな口径のウーファーユニットを活かした小気味よいサウンドと、40kHzまでの超高域再生にも対応する本格仕様が魅力的。コンパクトでデスクトップにもぴったりのサイズ感とサウンドを備えています。
サイズ:幅140×高さ264×奥行172mm(1本、ターミナル含まず)
重さ:2.33kg(1本)
インピーダンス:
出力音圧レベル(能率):80dB/W(1m)
許容入力:最大60W
生形さんおすすめ②
  • DALI(ダリ)
  • ブックシェルフ スピーカー(ペア)SPEKTOR1

  • 税込み26,730円
  • Hi-Fiサウンドを追求したコンパクトなブックシェルフ型スピーカー

生形 三郎

おすすめポイント

日本でも大人気、圧倒的なコストパフォーマンスを実現するデンマークのスピーカーブランドDALIのNEWエントリーモデルです。

シルク繊維をベースにしたシルク・ドーム・ツィーターならではのナチュラルな表現と迫力ある低域により、オールマイティに活躍してくれる実力を備えています。

フロア型やセンタースピーカーもラインアップし、ホームシアターでも活躍してくれることでしょう。
サイズ:幅140×高さ237×奥行195mm(1本)
重さ:2.6kg(1本)
インピーダンス:
出力音圧レベル(能率):83dB(2.83V/1m)
許容入力:40〜100W(推奨アンプ出力)
生形さんおすすめ③
  • DENSO TEN(デンソーテン)
  • ECLIPSE TD307MK3

  • 税込み27,500円
  • 上位モデル同等の技術を採用、正確な音の再生にこだわったコンパクトモデル

生形 三郎

おすすめポイント

タイムドメインと呼ばれる、時間領域での音の応答性を追求した卵形状のスピーカーです。

小型で低音の量感は若干控えめですが、ひとつのスピーカーユニットのみによる明晰で明快な音楽描写は極めて高いピュアネスを楽しませてくれます。

角度調節も容易なほか、専用取付ブラケットなしで天井や壁に取り付け可能です。
サイズ:幅135×高さ212×奥行184mm
重さ:約2kg
インピーダンス:
出力音圧レベル(能率):80dB/W(1m)
許容入力:12.5W(定格)、最大25W
生形さんおすすめ④
  • Paradigm(パラダイム)
  • Monitor SE Atom(ペア)

  • 税込み54,998円
  • 1992年に初代がリリースされてから第8世代となる人気シリーズ

生形 三郎

おすすめポイント

北米大陸で大きなシェアを誇る、カナダのパラダイム社から発売されたエントリーモデルです。

上位シリーズで培った技術をふんだんに盛り込み、価格を上回る性能とオールジャンルをカバーする正確な音楽描写力を備えています。その実力の高さは、まさに戦略的ハイコストパフォーマンスモデルと呼ぶにふさわしい内容です。
サイズ:幅180×高さ320×奥行270mm(1本)
重さ:5.4kg(1本)
インピーダンス:
出力音圧レベル(能率):89dB
許容入力:最大50W
生形さんおすすめ⑤
  • KEF(ケーイーエフ)
  • HiFiスピーカー Q150(ペア)

  • 税込み59,400円
  • 音の鮮明度を向上するために、内部構造を改良したQシリーズ最新版

生形 三郎

おすすめポイント

世界に先駆け、コンピューター解析によるスピーカー設計を取り入れたKEF社のエントリーモデルです。

英BBCモニターで培った小型スピーカー技術を現代的に昇華した同社の顔ともいえる製品で、同軸配置という優れた定位描写の実現や充実した低音のボリューム感を備えています。聴き心地は至って上質です。
サイズ:幅180×高さ307(ゴム脚込み)×奥行278mm(1本)
重さ:5.6kg(1本)
インピーダンス:
出力音圧レベル(能率):86dB(2.83V/1m)
許容入力:10〜100W
生形さんおすすめ⑥
  • JBL(ジェービーエル)
  • STUDIO 620 JBLS620WJN(ペア)

  • 税込み77,592円
  • 高音質コンプレッションドライバーを搭載、鮮明なサウンドを再現

生形 三郎

おすすめポイント

日本でも圧倒的な知名度と人気を誇るスピーカーブランド、JBLのエントリーモデルです。

JBLの代名詞ともいわれるコンプレッションドライバーを搭載し、エネルギッシュで迫力あるサウンドを広いリスニングエリアへと届けます。迫力溢れる音を活かして、ホームシアターシステムにもぴったりなスピーカーです。
サイズ:幅190×高さ312×奥行240mm(1本)
重さ:6.9kg(1本)
インピーダンス:
出力音圧レベル(能率):84dB(2.83V/1m)
許容入力:最大100W(最大アンプ出力)
生形さんおすすめ⑦
  • POLK AUDIO(ポークオーディオ)
  • Polk Signature Elite ES50

  • 税込み39,600円
  • 超高音域40kHzの再生を可能、ハイレゾ対応で高精細な音質を実現

生形 三郎

おすすめポイント

ポークオーディオは2021年に日本再上陸を果たしたアメリカのスピーカーブランドです。日本を遥かに上回る市場規模を持つアメリカ国内で高いシェアを誇っています。

高精細でナチュラルながらも、音楽をダイナミックに楽しませるアメリカンサウンドを備えた実力機。ひとつ上のRESERVEシリーズもおすすめできるスピーカーです。
サイズ:幅191×高さ950×奥行262mm
重さ:14.5kg
インピーダンス:
出力音圧レベル(能率):88dB(2.83V/1m)
許容入力:40〜200W(参照:取扱説明書
生形さんおすすめ⑧
  • B&W(バウワース アンド ウィルキンス)
  • 607 S2 アニバーサリーエディション(ペア)

  • 税込み110,000円(メーカー価格)
  • コンパクトながらパワーを備え、ホームシアターシステムにもぴったり

生形 三郎

おすすめポイント

アビーロードスタジオが採用していることでもお馴染み、世界中のスタジオでモニタースピーカーとしても活躍するイギリスB&Wによるエントリーモデルです。

同社エントリーモデル600シリーズの小型ブックシェルフモデルで、モニター的で明晰なサウンドには音の情報量が豊富。しかもクリアな描写で、その性能はクラス随一といえます。
サイズ:幅165×高さ300×奥行207mm(1本)
重さ:4.7kg(1本)
インピーダンス:8Ω(最小4Ω)
出力音圧レベル(能率):84dB(2.83V/1m)
許容入力:30〜100W(8Ωでクリップしない状態で)
生形さんおすすめ⑨
  • Sonus faber(ソナス・ファベール)
  • Lumina I(ペア)

  • 税込み118,800円(正規取扱店価格)
  • 新たにカスタマイズされたドライバーユニット、緻密でナチュラルな音の再現性を実現

生形 三郎

おすすめ解説

大人気のイタリアンスピーカーブランドが放つ、ハイコストパフォーマンス・ブックシェルフスピーカーです。

木材やレザー素材を巧みに使用した仕上げが実に美しく、この価格帯にはない高いインテリア性を実現しています。もちろんサウンドも素晴らしく、色彩的で生き生きとした音楽描写が魅力的なスピーカーです。
サイズ:幅148×高さ280×奥行220mm(突起部含む)
重さ:4.5kg(1本)
インピーダンス:
出力音圧レベル(能率):84dB/W(1m)
許容入力:30〜100W(クリッピングなし)
生形さんおすすめ⑩
  • FOCAL(フォーカル)
  • Chora 806(ペア)

  • 税込み161,632円
  • フランスで開発・製造されたデザインのモダンさが際立つモデル

生形 三郎

おすすめポイント

フランスを代表するスピーカーメーカーによる新たなエントリーモデルです。フォーカルは、フランスらしく優美かつ颯爽としたサウンドを備えた製品を提供しています。

同社の顔でもある逆ドーム型のメタルツィーターによるクリアで上品な描写力と、迫力豊かでなおかつ抜けの良い爽快な低音が融合したブックシェルフスピーカーです。
サイズ:幅210×高さ431×奥行270mm(1本)
重さ:7.35kg(1本)
インピーダンス:
出力音圧レベル(能率):89dB(2.83V/1m)
許容入力:25〜120W(推奨アンプ出力)

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