〈プロ解説〉4K対応プロジェクター、おすすめ10選 超短焦点モデルにも注目
ネット配信サービスの普及で、映画やドラマを手軽に視聴できる時代。すでにスマートフォンやテレビで楽しんでいる方も多いことでしょう。とくに最近は、プロジェクターを使って大画面で鑑賞するのが人気のスタイル。
最近のプロジェクターは非常に進化していて、コンパクトで設置しやすいモデルが多く、しかも明るく鮮明な映像を楽しむことができます。また、種類が豊富で手頃なモデルも登場し、ひと昔前とは大違いです。
しかし、中でも高画質な「4Kプロジェクター」は価格が高めで機能も豊富。どれを選ぶべきか迷うことでしょう。
そこで今回は、4K対応プロジェクターの選び方とおすすめ商品についてご紹介します。最適なモデルを見つけて、好きな映像に包まれる楽しい毎日を過ごしてみてください。
目次
まずはプロおすすめ、4K対応プロジェクター3選
鴻池賢三さんがおすすめする、4K対応プロジェクターを紹介します。
① Dangbei DBOX02
昼夜を問わず、常に鮮やかなビジュアルを提供
おすすめポイント
世界ではじめてNetflixの公認を受けた、Google TV搭載の4Kレーザープロジェクターです。動画配信サービスを利用できるプロジェクターは増えていますが、本製品ならNetflixも安定して再生できるので作品により集中し、没入感を得られることでしょう。レーザー光源で最大2,450 ISOルーメン(lm)の明るさ性能は、100インチを超える大画面投写でも色鮮やかさを際立だせ、4Kの精細感もさらにアップ。機能性と画質の両面でおすすめできる先進モデルです。ほか、高音質で迫力を感じられるスピーカーシステムの搭載、美しい外観、リーズナブルな価格設定も魅力で、幅広いご家庭のリビングにマッチするでしょう。
② BenQ X3100i
臨場感あふれる映像を楽しめる
おすすめポイント
世界的に高いシェアを誇るBenQの、DLP方式のゲーミング向けHDR対応4Kハイエンドモデルです。最大の特徴は、業界最高水準の応答速度。フルHD信号入力時は最大240Hzのリフレッシュレート(応答速度4.16ms)を誇り、超大画面でもなめらかで、かつ残像感のない鮮明な映像表現を実現。FPSゲームファンからも高い支持を得ています。また、色の管理を徹底しており、映画やドラマの色再現は見事。専門家からも高い評価を得て、数々のアワードを獲得しています。映像もゲームもハイクオリティーで楽しみたいなら、本製品は賢い選択と言えるでしょう。4色のLED光源を採用し、DCI-P3 100%相当の鮮やかな色再現と、3,300 ANSIルーメンの明るさ性能も魅力です。
③ JMGO N1S Ultra 4K
レーザー光線で正確な色を投影
おすすめポイント
3色(RGB)レーザー光源を採用し、HDR時代の最新色域規格であるBT.2020比で110%もの広色域を達成した、ジンバル一体型のユニークな製品です。BT.2020比110%は、テレビ製品が未だ到達していない領域。広色域と相反する明るさ性能も3,000 ANSIルーメンを達成し、日中のリビングでも色鮮やかな映像を楽しむことができます。実際に映像を見ると、こうした性能を誇示するような極端な設定ではなく、映画の上質な映像も風合い豊かに再現されています。また、内蔵のスピーカーシステムは豊かな低域と迫力を備えた高音質で、プロジェクターでは最高峰と言えるもの。またジンバル構造によって映像の投写位置が自由に選択でき、台形補正もシームレスで、扱いやすさも兼ね備えています。はじめてプロジェクターを導入する方にもおすすめできる最先端モデルです。
「4K」画質のメリットとは? フルHDとの違い
Photo by iStock
映像は画素と呼ばれる小さなツブツブが集まって表現されます。一般的な「フルHD」と呼ばれる画質の場合、横1,920個 × 縦1,080個で合計約207万個の画素によって映像を表現します。
対する「4K」では、横3,840個 × 縦2,160個 で合計約830万個、フルHDの約4倍もの画素によって映像を表現します。ちぎり絵や貼り絵などをイメージするとわかりやすいですが、1枚1枚の紙片が小さく数が多いほど精細な画作りが可能です。
とくにプロジェクターの場合、100インチ級の超大画面サイズまで映像を引き伸ばして使用することも多く、一般的なサイズのテレビよりも画素が目立ちやすくなります。そこで活躍するのが「4Kプロジェクター」です。大画面に引き伸ばしても損なわれない、高精細な美しい映像表現が可能になり、高い没入感で映像を楽しむことができます。
価格の違いは? 安いプロジェクターを選ぶデメリット
ひと口に「4Kプロジェクター」といっても、10万円台から300万円を超える高級クラスまで実にさまざまです。では、価格帯によって何が違うのでしょうか?
答えはズバリ「画質」と「映像の明るさ」。詳細は別途解説しますが、同じ「4Kプロジェクター」でも、映像を作り出すパネルやレンズの精度により、画質は大きく異なります。
とくに要注意なのが、大手メーカー製ではない極端に安価な製品。「4K」の記載があっても、4Kの信号入力に対応しているだけで、実際の画質はフルHD未満というものもあります。
映像の明るさはスペック欄に記載の「ルーメン(lm)値」で知ることができますが、プロジェクターの明るさを示す業界標準規格「ANSI(アンシ) ルーメン」や国際規格の「ISO(アイエスオー)ルーメン」をチェックしましょう。
商品の中には規格に沿ったものではないルーメン値を表記することで、性能をよく見せている例も多く、近年問題になっています。「LED1,000ルーメン」をうたった製品を実際に測定したところ、30 ANSIルーメンしかなかったこともありました。
DLP方式と液晶方式の違い
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プロジェクターは映像を映し出す方式にいくつかの種類があり、画質や映像の見え方に違いがあります。
DLP方式|一般的なタイプ、幅広いラインナップから選べる
製品数として最も多いのは「DLP方式」で、画素数分の小さな鏡に光を反射させてスクリーンに映像を投影します。
比較的安価な家庭用製品(単板式)は、赤、緑、青の3色を高速に順次投写することで、脳内でカラー映像に感じさせるという仕組みです。単板式はコンパクトで低価格な製品に向いていますが、とくに字幕などの白い部分が虹のように見える「レインボーノイズ」と呼ばれる現象に注意が必要です。
液晶方式|明るさが魅力
「液晶方式(透過型)」は実質エプソンの「3LCD」方式しか存在しません。原理的に「レインボーノイズ」の発生がなく、白以外の色も明るく表示できるなどのメリットがありますが、製品の選択肢が限られます。マニア向けの高画質モデルでは、LCOS(反射型液晶)という方式が主流です。
映像の明るさ、ANSI・ISO規格について
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プロジェクターにとって明るさは非常に重要。一般的な家庭の場合、日中や、明かりがともるリビングで映像を見たいこともあるでしょう。
プロジェクターから投写される映像光は明るいほど見やすくなる一方、明るさが不足していると画質以前に何が映っているかわかりにくいこともあります。また、プロジェクターの特性として、映像を大きく投写するほど光が拡散してしまうため、明るさが不足しやすい点にも注意が必要です。
プロジェクターを使用する部屋の光環境によりますが、100インチ投写を考えた場合の最小スペックの目安は以下の通りです。
- 完全暗室:300 ANSIルーメン、ISOルーメン以上
- 日没後のリビング:1,000 ANSIルーメン、ISOルーメン以上
- 日中の明るいリビング:2,000 ANSIルーメン、ISOルーメン以上
プロジェクター映像の場合、「黒色の表示」と「部屋の明るさ」の関係に注目しましょう。映像の中で黒色がしっかりと引き締まって見えて、色鮮やかで高画質な映像を求めるなら、部屋をできるだけ暗く、可能であれば暗室に保つのが理想です。
超短焦点プロジェクターのメリット・デメリット
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近年のプロジェクターのトレンドは「超短焦点」です。設置場所の問題を解決する手段として注目されています。
通常のプロジェクターは、投写面に対して一定の距離を離して設置する必要があります。そのため、室内に設置できる場所が無い、または、投写中に人が横切って映像光を遮るなどの問題が起こりがちでした。
最近流行りの「超短焦点」タイプは、投写したい壁やスクリーンの真下にプロジェクター本体を設置します。映像光を上方に急角度で打ち上げるように投写する仕組みにより、プロジェクターの設置場所に悩まなくてすむのが大きなメリットです。
ただし、「超短焦点」タイプにも注意すべき点があります。映像を急角度で投写するため、壁面に凹凸があると映像がゆがんだり、影が大きく出てしまったりすることがあります。また、製品によっては映像の端でゆがみやピンボケが生じやすく、とくに安価な製品は画質面で注意が必要です。
あると便利な機能①|レンズ周りに注目
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ほかにもプロジェクター選びで注目したいのが、使い勝手のよい便利な機能です。まずはレンズ周りの機能についてご紹介します。
ズーム機能
光学的に映像の大きさをいくらか調整することが可能。そのためズーム機能搭載モデルなら、設置場所を選ぶ幅が広がります。
台形補正機能
上下(タテ方向)の補正と左右(ヨコ方向)の補正の2種類があります。タテ方向の補正はほぼ全ての製品が搭載していますが、ヨコ方向の補正に対応した製品は限られています。投写と設置場所の関係から、必要に応じて選ぶとよいでしょう。
レンズシフト機能
画質を保ったまま映像の位置を光学的に微調整する機能で、主に中上位モデルに搭載されています。
ピント(フォーカス)調整機能
手動と電動があり、設置場所の移動を想定した最近のコンパクトモデルでは、「オートフォーカス」を備えたものも増えています。
あると便利な機能②|ネット動画再生機能
最近ではWi-Fiに対応し、「ネット動画再生機能」を内蔵した製品が増えています。この機能があると、電源ケーブルだけのシンプルな配線で映像を楽しめるため、設置性が向上します。ただし、視聴したい動画配信サービスに対応しているか確認しておくことが重要です。
「スピーカー内蔵」も注目ポイント。映像だけでなく音声も出力できる製品が増えています。オーディオ機器を別途用意する予定が無い場合は、ステレオタイプで音質が良いモデルを選ぶとよいでしょう。
サブウーファー機能を含む2.1chタイプや、独自の広がりがあるサウンドをアピールしている製品もあります。
〈編集部PICK UP〉4K対応プロジェクター、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数ある4K対応プロジェクターの中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの製品を紹介します。
① Anker Nebula Cosmos Laser 4K D23505F2
高音質&高音質を大画面で
日差しが射し込む部屋の中でも、カーテンを開けたまま鮮やかな映像を映し出せるとうたうモデル。10Wのスピーカーと5Wのツイーターを2基ずつ搭載した、Dolbyオーディオ対応の3Dサラウンド音響を内蔵。
ディスプレイサイズは最大150インチに対応し、高音質で大画面の映像を楽しみたい人にぴったりです。
② XGIMI Horizon Pro
Android TV 10.0搭載
4K映像を最大200インチで投写可能。1,500 ISO lmで明るく、35msの低遅延を実現しています。
HDR10対応で、明暗のはっきりした没入感の高い映像を楽しめます。
③ エプソン EB-PU1008
エプソンの独自技術で高画質に補正
色再現性の高いレーザー光源を採用。偏光を調整する補正光学デバイスで、より表現力を高めたといいます。
長期間にわたって安定した明るさを維持する「輝度一定モード」を搭載しているので、プロジェクターを頻繁に使う方におすすめです。
エプソン独自の超解像技術とチューニングにより、フルHDの映像を4K相当にして投影できるのも特徴。レンズは別売りです。
④ エプソン dreamio EH-LS12000
6畳間でも80~100型サイズの投写が可能
エプソン独自の2軸シフトテクノロジーを搭載。これにより、近くで見ても精細で、粒状感のない美しい4K映像を実現するとうたっています。HDR10+に対応しており、明暗の差がより細かく表現された映像を楽しめます。
ゲームなどの表示遅延を軽減するので、レーシングゲームのような素早い動きを表示する作品でも快適にプレイできます。
⑤ LG CineBeam HU715QW
歪みを解消する超短焦点モデル
スタイリッシュでモダンなデザインのプロジェクター。わずか32cmの投写距離で120インチの大画面を映し出します。最小投写距離の11.8cmでも、80インチほどの画面サイズをキープ可能です。
画面の15か所で歪みを補正でき、凹凸や傾きのある壁でも映像が安定します。20W+20Wの内蔵ステレオスピーカーによる、本格的なサウンドも特徴です。
⑥ エイサー H6815ATV
最大300インチの大画面で4K映像を楽しむ
設置場所の傾きなどによる映像のひずみを補正できる台形補正機能と、4点コーナー補正機能を搭載したモデル。Acer独自の「Footballモード」を搭載。
輝度や彩度、シャープネスなどを最適化し、映像の臨場感を高めます。スポーツなどをよく見るという人にもおすすめです。
Android TVボックスが付属するので、ストリーミングサービスも楽しめます。
⑦ AWOL LTV-2500
最大10億色を発色するトリプルレーザーを採用
Amazon 4K Max Fire TV Stick専用の収納ポケットを備えた製品。本体を起動すると、自動的にFire Stickも立ち上がります。
Fire Stickを接続してホームシアターを置きたい人にぴったりです。
収納機構により本体裏側は最小限の配線で済むので、すっきりと収納しやすいのも魅力です。
外観 |
商品名 |
特徴 |
サイズ |
方式 |
明るさ |
投写距離 |
内蔵スピーカー |
---|---|---|---|---|---|---|---|
【プロおすすめ】Dangbei DBOX02 |
昼夜を問わず、常に鮮やかなビジュアルを提供 |
幅236×奥行201.5×高さ167mm(重さ:3.98kg) |
DLP |
2,450 ISO lm |
約1.68〜5.3m(60〜200インチ) |
12W×2 |
|
【プロおすすめ】BenQ X3100i |
臨場感あふれる映像を楽しめる |
幅272×奥行213×高さ259mm(重さ:6.8kg) |
DLP |
3,300 ANSI lm |
2.5mで約100インチ、3.8mで約150インチ |
5W×2 |
|
【プロおすすめ】JMGO N1S Ultra 4K |
レーザー光線で正確な色を投影 |
幅241×奥行203×高さ236mm(重さ:約4.5kg) |
DLP |
3,000 ANSI lm |
推奨投影サイズ:2.6〜4m(100〜150インチ) |
10W×2 |
|
Anker Nebula Cosmos Laser 4K D23505F2 |
高音質&高音質を大画面で |
約220×263×165mm(ハンドル部分を除く・重さ:約4.9kg) |
DLP |
2,200ANSI lm |
1.68~4.22m(60~150インチ) |
10W×2、5W×2(ツイーター) |
|
XGIMI Horizon Pro |
Android TV 10.0搭載 |
幅208.4×奥行218.4×高さ136.2mm(重さ:2.9kg) |
DLP |
1,500 ISO lm |
記載未確認(最大200インチ、推奨投影サイズは60~150 |
Harman Kardon 15W×4 |
|
エプソン EB-PU1008 |
エプソンの独自技術で高画質に補正 |
幅545×奥行436×高さ164mm(重さ:約16.3kg) |
液晶(3LCD) |
8,500 lm |
0.74~7.82m(100~1,000インチ) |
なし |
|
エプソン dreamio EH-LS12000 |
6畳間でも80~100型サイズの投写が可能 |
幅520×奥行447×高さ169mm(突起部含まず・重さ:約12.7kg) |
液晶(3LCD) |
2,700 lm |
1.78~18.99m(60~300インチ) |
なし |
|
LG CineBeam HU715QW |
歪みを解消する超短焦点モデル |
幅533×奥行315×高さ156.6mm(重さ:11.1kg) |
DLP |
2,500 ANSI lm |
11.8〜31.7cm(80〜120インチ) |
20W×2 |
|
エイサー H6815ATV |
最大300インチの大画面で4K映像を楽しむ |
約幅315×奥行258×高さ114mm(突起部含む・重さ:約3.1kg) |
DLP |
4,000 ANSI lm |
約1~10m(30~300インチ) |
10W×1 |
|
AWOL LTV-2500 |
最大10億色を発色するトリプルレーザーを採用 |
599×353×145mm(重さ:10.8kg) |
記載未確認 |
2,000 ANSI lm |
記載未確認(最大150インチ) |
記載未確認 |
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