最高に怖くて「あったかい」リアルな戦場が味わえる 異色のFPS「Hell Let Loose」をプレイ

ハル飯田
公開: 2021-09-30

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皆さんは第二次世界大戦を舞台とするFPSタイトル「Hell Let Loose」をご存知でしょうか。最大50対50の大規模戦闘が味わえる壮大なスケールと、あまりにリアルに描かれた戦場が支持を集めているゲームです。

2019年にSteamでの早期アクセスが開始されたものの、日本語化に対応したのが2021年になってからとまだ日が浅いこともあって国内ではまだその名は広く知られていませんが、耳に届く評判は「銃を撃たなくても勝利に貢献できる」「最高の臨場感と緊張感」「下手なホラーゲームより怖い」と、およそ他のFPSでは考えられないものばかり。

これはもう、実際にプレイして確かめてみるしかありません。2021年7月27日に正式リリースし、年内にはPlayStation 5とXbox Series X|Sでも発売が予定されている「Hell Let Loose」をプレイして、その醍醐味を探りました。

2021年9月30日付、GAMEクロスに掲載された記事を転載しています

そこはあまりに危険な最前線

「Hell Let Loose」はロビーから任意のサーバーへと参加することでゲームがスタートします。互いに相手陣の制圧を目指す「会戦(Warfare)」ルールと攻守が完全に分かれた「侵攻戦(Offensive)」ルールの2種類が存在しており、プレイヤー数の埋まり具合を見るに「会戦」が人気な様子。人数に空きがあれば進行中のゲームへ途中参加も可能です。

どちらのルールでも参加手順は同じで、ドイツとアメリカから参加陣営を選択し空いている分隊の兵科とスポーン地点を選べば準備完了です。「よっしゃ、敵軍を殲滅するぞ!」と意気揚々と出撃したのも束の間、気付けばそこは銃声と爆発音がこだまする文字通りの「戦場」でした。

戦場の様子

事前にゲーム映像を確認はしていたのですが、実際にプレイしてみると想像以上の迫力と恐怖を感じました。飛び交う兵士の怒声と悲鳴と、それをかき消す轟音と共に次々と撃ちこまれる迫撃砲。揺れる画面に巻き上がる爆煙。聴覚と視覚に迫り来る情報の全てが「ここは危険だ!」と訴えかけるのですが、リアルタイムで進行する戦場には逃げ場などなく、ホラーゲームのようにメニューを開いて一旦休憩することもできません。

こうなると新兵の私にできるのは愚直な前進のみ。マップを見ながら激戦地らしきエリアを目指して走りますが、戦場はあまりにも広大で敵が50人もいるとは思えないほど接敵しないことも。にもかかわらず、慎重に進まないとすぐ撃たれてしまうくらいには緊張感が張り詰めています。

接敵してもどの方角から撃たれているのかわからず、とりあえず味方と同じ方向に射撃してみたり、グレネードを投げてみたりしている間に背後から一発で撃ちぬかれることもありました。

青が自軍エリアで赤が敵陣。中央左の黒く塗られたエリアが戦場の激戦区です

青が自軍エリアで赤が敵陣。中央左の黒く塗られたエリアが戦場の激戦区です

ゲームジャンルは間違いなくFPSではありますが射撃スキルを比べ合うような長い銃撃戦は少なく、ほとんどのデスが瞬間的な撃ち合いか砲撃によって生まれます。花火のような音が聞こえたら匍匐前進しながら直撃しないことを祈ることしかできず、戦術兵器の前に一兵卒は無力であることを痛感しました。

何度やられても勝利のために戦地へなだれ込め!

このゲームにチュートリアルや練習モードはなく、実戦あるのみ。筆者に限らず初心者はとにかくデスを重ねることになるでしょう。しかし、何度やられても「Hell Let Loose」では関係ありません。このゲームで陣営の勝利のために必要なのはエリアの占拠であり、マップ上の目的地で敵軍よりも「人数が多い」状態を維持すれば地点を制圧できるのです。

優勢だと画面上部のゲージが進み、最後まで押し切れば拠点を制圧できます。もちろん、逆もまた然り

優勢だと画面上部のゲージが進み、最後まで押し切れば拠点を制圧できます。もちろん、逆もまた然り

もちろん敵を倒せばリスポーン待機分の時間的な有利を作れますが、たとえ0キルでも拠点を制圧すれば戦線を押し上げられるので「銃を撃たなくても勝利に貢献できる」と言われる要因はここにあり。繰り返しスポーンしては激戦区に飛び込み続けることがプレイヤーに課せられた使命なのです。

「Hell Let Loose」の1マッチは圧勝劇でも20分以上、長ければ2時間近いロングゲームになり、その中でどんなプレイヤーも何十回とデスを重ねます。つまりこのゲーム、プレイヤー数こそ50vs50ではありますが、戦場に散る命は千を超えることも。どんなに優れたプレイヤーでも、たったひとりで戦局を変えることはできないのです。

戦場における最大の武器は「連携」と「コミュニケーション」なり

と、ここまではのリアル志向ゆえの恐ろしさと緊張感をお伝えしましたが、もちろん爆音にビビりながら前線へランニングするだけでは勝利は得られません。まず大事なのは自分の役割を果たすこと。求められる役割は出撃時に選択する自分の兵種によって決まります。

スナイパーや戦車兵など、大きな戦力となり得る兵種は同時に出撃できる人数に上限があります。まずは基本となる歩兵がおすすめ

スナイパーや戦車兵など、大きな戦力となり得る兵種は同時に出撃できる人数に上限があります。まずは基本となる歩兵がおすすめ

この兵種システムが「Hell Let Loose」のユニークなポイントで、どれを選ぶかによって戦場での過ごし方が大きく変わってきます。例えば「ライフル兵」なら主戦力として最前線での撃ち合いを担い、「衛生兵」なら味方の蘇生と回復のために身を隠しつつ生存し続けることが求められます。「機関銃兵」の制圧射撃は爽快ですが目立つために狙われやすく、相手の戦車を食い止めたいなら「対戦車兵」を選ぶべきでしょう。

そして役割を果たす際に不可欠なのが味方との連携です。交戦を担うにも単騎では索敵中に倒されるのが関の山で、衛生兵なんて蘇生する味方がいないと始まりませんからね。このハードコアな戦場を生き抜き陣営を栄光へと導くためには、最大で49人もいる頼もしい味方と力を合わせて役割を果たすことがとってもとっても重要なのです。

手軽に、それでいて通信・交流は忘れずに。それが「HLL」のコンセプト

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公式にも試合中は積極的にコミュニケーションすることが推奨されていて、マッチ中は分隊員専用のVC(ボイスチャット)や軍全体に向けたテキストチャットで意思疎通することができます。今はどの拠点を攻めるのか、それとも守るのか、何が足りていないのかを常に話し合いましょう。

エリア内に人数をかけることが必要なルールなので、とにかく同じ目的に向かって動くことが肝心です。この「個人の小さな力を合わせて大きな戦場を動かす」要素こそ「Hell Let Loose」最大の特徴にして魅力と言っても過言ではありません。

コミュニケーションが大事なゲーム性ゆえ、兵種の中での花形は分隊長にあたる「士官」でしょう。隊員だけでなく他分隊の士官とも通信が可能で、まさに連携の要となる存在です。士官は新たなスポーン地点を作成できるので配置によって味方全体に影響を与えられるのも魅力ですね。筆者も一度だけプレイしてみましたが、士官同士の通信を聞いてみると英語で激しい軍議が行われていたのでそっと士官の役を辞退しました。

ちなみに、そんな海外サーバーで言葉も通じない末端兵士となった筆者が好んでプレイしたのは「支援兵」でした。拠点やバリケードを作る時に必要な物資が入った「補給箱」を設置する能力を持っている兵種です。良さげな位置を探して箱を置き、それなりに戦闘し、チャットで要請されれば走って行ってまた箱を置きます。

めちゃくちゃ地味な役割だと思われるかもしれませんが、慣れてくると面白いんですよ。何度も倒されたり敵に破壊されたりすると部隊が物資不足に陥いるので、行動ルートや物資の配置を考える楽しみが生まれます。上手く前線に物資を設置して「nice」のチャットが飛んできた時には、言葉が通じなくともコミュニケーションが成立した達成感も味わえます。

戦場で箱を置く喜び

こうして段々ゲームに慣れると次第にデスもキルも気にならなくなってきます。だって何回死んだって味方が敵陣に突撃しているんだから自分も続かなければいけないし、何人倒すよりも隊長に物資を届ける方が大事ですからね!

箱を置く動作

とにかくサポートに徹するのは初心者が勝利に貢献するための手段ですので、もしやりたいことがあれば自由なスタイルでプレイしても良さそうです。チームメイトが50人近くもいるので毎回個性的なプレイヤーとの出会ってきましたし。

小まめに指示を出してくれる最高の士官に出会った試合は完勝でしたし、銃を乱射して敵をキルしまくっている機関銃兵も見かけました。「medic!(衛生兵!)」と叫びながら倒れゆく熱の入った兵士や、ずっと「Do you have ammo?(弾薬はある?)ammo! ammo!」と味方に話しかけていた兵士は今も元気にしているのでしょうか。

とにかく敵を倒すことよりも「上手く戦況を運ぶこと」が勝利につながるゲームなので、上手く味方を指揮したり苦境を乗り切るアイデアを考えてみたりする魅力はFPSよりも戦略シミュレーションに近い面白さと言えるかもしれませんね。

ちなみに分隊への参加をロックすることもできるので、知り合いだけの部隊で参戦したい方もご安心を。ソロプレイで一兵士の気分を味わうのも楽しかったですが、友達だけの分隊で突撃を繰り返すのも面白そうですよね。3人で戦車の車長・砲手・操縦手を役割分担している海外プレイヤーの動画も見たのですが、本当に楽しそうだったのでいつかやってみたいものです。

「Hell Let Loose」には究極にシビアでカジュアルな味わいがある

今回はリアルでハードコアなFPS「Hell Let Loose」について紹介してきましたが、実は最後にこのゲームのカジュアルさをどう表現したものか、今もすごく悩んでいます。

ランクマッチもありませんし、試合で何度倒されても構いませんし、敵を倒さなくたって勝てちゃいます。こう書くとかなりカジュアルな気もします。ただ、ゲームとして覚えることは結構あって敵をキルするハードルもそれなりに高いと感じました。こう書くとシビアですよね?

基本的な操作やセオリーはゲーム内の「野戦教本」で教えてくれます。親切設計

基本的な操作やセオリーはゲーム内の「野戦教本」で教えてくれます。親切設計

バンバン敵をキルしたい場合にはシビアな技術が要求されますが、100人規模の大戦を味わいたい方や戦略ゲームを好む方にとっては実にカジュアルで魅力満載のゲーム……という表現が筆者なりの結論になるでしょうか。

銃の挙動や兵器のビジュアルが忠実に再現されているので、リアル志向のミリタリーファンの方も楽しめる要素がありそうですね。

銃弾飛び交う光景を「映画みたいだ!」と感じたい方にも最適。映画と違って奇跡的に助かったりはしませんが

銃弾飛び交う光景を「映画みたいだ!」と感じたい方にも最適。映画と違って奇跡的に助かったりはしませんが

海外プレイヤーがいくつも満員のサーバーを作っている光景や、Steamに日本語でアップされている非常に親切で細かな解説(プレイ時の参考にさせていただきました!)などを見ると非常に愛されているゲームだなと感じます。コンソール版のリリースも年内に予定されているので、国内プレイヤーが増えて日本語でバリバリ連携できる戦場ができる日も近いのではないでしょうか。

戦場を駆ける瞬間の臨場感とスリル、そして国境を超えたプレイヤー同士が連携しあって勝利へ向かう楽しさなど、このゲームでしか味わえない楽しさが間違いなくあります。厳しい戦場だからこそ、味方を褒めあったり誤射を詫びたりする思いやりにあふれたコミュニケーションに大変ほっこりしました。

勝利画面

勝利画面

もし今回の記事で興味を持ったくださった方は、どうか「何度やられても立ち上がること」と「できるだけコミュニケーションすること」を大事にプレイしてみてください。きっと頼もしい味方が助けてくれるはずです。仲間と一緒に聞く勝利画面の凱歌は、格別の味ですよ。

【この記事を書いた人】
ハル飯田(ゲームライター・キャスター/GAMEクロスリポーター)

大阪在住のフリーライター。プレー経験の多さを活かしてキャスターとしても活動中。コンシューマ機を中心に幅広いジャンルをプレイするマルチゲーマーであり、「選手目線」と「ゲームの面白さを伝えること」を大事にしています。地方におけるeスポーツにも注目。

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