対戦中に略語を使えば、スピーディーな意思疎通ができます

「GLHF」?「GOAT」? ゲームでよく使う英語の略語 eスポーツ通訳者が解説します

公開: 2020-10-06

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英語でコミュニケーションを取る機会も多いオンライン対戦。スムーズなやり取りに欠かせない便利な略語を、ポーランド人のプロeスポーツ通訳者ビクトル・マルチク(Wiktor Marczyk)さんが紹介します。
2020年10月6日付、GAMEクロスに掲載された記事を転載しています

みなさんはじめまして、ビクトル・マルチク(@WiktorMarczyk)です。

様々な国のゲーマー間で共通の言語となりやすいのは、間違いなく英語ですよね。日本のゲーマーの方々も、チャットで英語に触れたことがあると思います。

しかし、ゲームで使われる英語はみなさんが学校で習った英語と大きく異なります。「GG WP」は日本でもよく使われていますが、他にも「GLHF」や「GZ」など様々な略語が存在します。

ゲームではコミュニケーションに速さが求められます。eスポーツとしてプレーするなら、なおさら。だからこそ、略語や略称を正しく使えることが非常に重要なのです。

今回は対戦で使える簡単な略語を、シチュエーション別に覚えていきましょう!

試合が始まる前に「GLHF」

「VALORANT」試合前のチャット。「Gaukievich」は私です

「VALORANT」試合前のチャット。「Gaukievich」は私です

チームメイトであれ対戦相手であれ、良い関係を築けたらより楽しくゲームをプレーできます。だから対戦が始まる前に「GLHF」と言ってみましょう。GLHFは“good luck, have fun”の略で、日本語で「頑張って!楽しんでください!」という意味です。

気軽に声をかけることで対戦をもっと楽しめるようになりますし、新しい友達ができるかもしれません。なかには優しくないプレーヤーがいるのは事実ですが、試合が始まる前にこちらからコミュニケーションを取れば心を開いてくれる可能性だってあるはずです!

ぜひ、試合が始まる前に使ってみてください。

例文

あなた:GLHF everybody! 「みんな、頑張って!楽しんで!」
Aさん:Thx, GLHF. 「どうも(Thx = Thanks)!頑張って!楽しんで!」
Bさん:u2! gl! 「あなたも(u2 = you too)!頑張ってね!」

試合中に離席するときは「AFK」

急用が入ったり、両親に呼ばれたり、試合中にどうしてもゲームから離れないといけない場合もありますよね。チームメイトに迷惑をかけることになるため、離席する時は一言「AFK」だけでも伝えるようにしましょう。これは“away from keybord”という意味で、日本語では「キーボードから離れる(=ゲームから離れる)」となります。

離席する前でも、戻ってきた後でも使えるので、協力やコミュニケーションが大事になるゲームでは意識して使うようにしましょう。

例文

あなた:Sry, going afk. Back in a sec. 「ごめん、(sry = sorry)ちょっと離れる。すぐ戻る」
Aさん:Sure, np. 「分かった、気にしないで(np = no problem)」

メッセージの意味を聞きたいときは「WDYM」

様々な国のプレーヤーが入り乱れてコミュニケーションを取っていると、時々メッセージの意味が分からないこともあります。相手も英語を勉強中の場合は、なおさら意思疎通が難しくなるでしょう。「これはどういう意味?」と尋ねたいときは「WDYM」と聞いてみてください。“What do you mean?”の略で、相手がより詳しく説明してくれるはずです。

例文

Aさん:Hey, don't c9! 「おい!C9するな!」
あなた:c9? wdym? 「C9?どういう意味?」
Aさん:Don't leave the objective! 「目標エリアを離れるな!」

豆知識:チーム名が元になった「C9」

「C9」は絶対に覚えておきたい略語というわけではありませんが、とても面白い由来があります。日本でも話題になったFPS「オーバーウォッチ」の米プロチームであるCloud9(C9)が、2017年の大会で起こした「事件」が元になっています。C9は目標エリアを離れてしまい二連続でポイントを失い、最終的に試合に負けました。以降、「目標を離れる」という意味で“C9”が使われるようになりました。「オーバーウォッチ」でよく見る略語ですが、他のゲームでも使われることがあります。

面白いと思ったら「LOL」「LMAO」「ROFL」

細かなニュアンスは異なりますが、「LOL」「LMAO」「ROFL」はおかしいこと、ファニーなことが起こったときに使う略語です。

「LOL」は“Laughing out loud”の略で「大きな声で笑う」という意味。他にも「LULZ」「LEL」「KEK」と言う場合もありますが、全て同じ意味です。

「LMAO」は“Laughing My Ass Off”の略語。直訳すると「お尻が外れそうなほど笑う」です。日本語にすると変ですが、要はめちゃくちゃ笑うという意味ですね。ときどき「LMFAO」と書くこともあります。Fはfatのことで「大きなお尻が外れそうなほど笑う」となります。

「ROFL(ROTFLとも)」は“Rolling On The Floor Laughing”を指し、「床で転げ回りながら笑う」となります。

「(笑)」「www」「草」くらい使い勝手が良い略語で、どのゲームでも一番よく見かける言葉だと思います。英語に慣れている若者であれば、ゲーム以外の場面でも使います。かくいう私も、母語のポーランド語で友達と話すときにもよく使います。

例文

あなた:Have you seen that? lol 「へえ、これ見た?www」
Aさん:Yeah, that was weird! rofl 「おかしいよね!(笑)」
Bさん:LMAO XD 「草」

伝えたことを取り消したいときは「NVM」

間違ってメッセージを送ってしまったり、ピンを立ててしまうこともありますよね。そんなときはたった三文字の「NVM」がとても便利です。“Never mind”の略で「気にしないで(忘れて)」という意味で、伝えたことを取り消すときに使えます。

例文

あなた:I need help! 「助けて!」
あなた:Ok, nvm. 「あ、気にしないで」

お礼のやり取りは「THX」「SRY」「NP」「DW」

対戦中に略語を使えば、スピーディーな意思疎通ができます

対戦中に略語を使えば、スピーディーな意思疎通ができます

「THX(TYとも)」「SRY」「NP」「DW」の4つの略語はそれぞれ異なる意味ですが、お礼のやり取りでよく使う言葉です。

まず“Thanks”や“Thank you”の略である「THX」「TY」は、感謝の意を表したいときにできるだけ使いたい言葉です。優しい言葉を使えば使うほど、ゲームは楽しくなりますから。

もし自分が間違っていたり、よくないプレーをしてしまった場合は“Sorry”の略「SRY」を使います。

そして、感謝されたり謝られたりしたときは「NP」や「DW」と返してあげましょう。「NP」は“No problem(問題ないよ)”の略、「DW」は“Don’t worry(気にしないで)”の略です。微妙なニュアンスの違いがあって、「DW」は相手の謝罪の気持ちが強い場合に使います。たとえば相手がミスをして、こちらが助けてあげたあとに「THX」と言われたら「DW」と答えてあげると良いでしょう(もちろん「NP」でも大丈夫ですが)。

お願いするときは「PLS」

“Please”の略である「PLS」は、一番使い勝手が良い言葉かもしれません。日本語にすると「お願い」「頼むよ」になります。色々なシチュエーションで使えますので、「THX」「SRY」と並んで三大頻出略語でしょう。

例文

あなた:Help, pls! 「助けて!お願い!」
Aさん:Coming! 「行くよ!」

褒めたいときは「GJ」

ゲームが終盤になると使われる言葉で、“good job”の略です。日本語で一番近い言葉は「さすが」「よく頑張った」「いい感じ」など。ゲームジャンルは関係なしに、相手を褒めたいときに積極的に使いましょう。チームメイトのおかげで勝利できたときなどに使いやすいですね。

例文

Aさん:I won! 「勝ったぜ!」
あなた:GJ! 「よく頑張ったね!」

めでたいときは「GZ」「GRATZ」「CONGRATZ」

「GZ」「GRATZ」「CONGRATZ」はどれも“congratulations”の略で「おめでとう」という意味です。チームメイトにも対戦相手にも言えますが、仲間に対して使うことの方が多いですね。同じチームやクランのメンバーのランクが上がったり、Steamの実績を解除したりしたときなど、何かを祝いたいときに使ってみてください。

大会でライバルのチームが優勝したときにも使えますね。とても優しくて、気持ちの良い言葉です。

マッチ・試合が終わったら「GG WP」

ポジティブなコミュニケーション、大事です!

ポジティブなコミュニケーション、大事です!

さて、対戦も終わりに近づいてきました。どれほど熾烈な戦いであっても、対戦が終わったら相手にお礼を言わなくてはなりません。英語では対戦後に「GG」や「GG WP」と言って相手に感謝の気持ちを伝えます。“Good game, well played”の略語で「いい試合だった、よくやった」という意味です。

最近ではほぼ「GG」のみで使うことが多いですが、しっかり「GG WP」まで覚えていたほうが良いでしょう。プレーヤーだけでなく、eスポーツ大会の運営スタッフなども試合が終わったあとで「お疲れ様」というニュアンスで「GG WP」と言うことがあります。

例文

試合が終わった。ブルーチームの勝利!

あなた:gg! 「いい試合だった!」
Aさん:ggs! 「いい試合!」(時々sをつけて複数形でも使われています)
Bさん:GG WP! 「いい試合だった、みんなよく頑張った!」
Cさん:GG, thx! 「いい試合だった、どうも!」

豆知識:「EZ」は使ってはダメ

ときどき「GG WP」ではなく「GG EZ」という人もいます。「EZ」は“easy”、つまり簡単だったという意味です。どれだけ実力差があったとしても、相手は精一杯がんばったはず。一生懸命に努力した相手に対して「EZ」というのは、とても失礼なことです。

絶対に使ってはいけませんし、もし使っている人がいたら相手にしないほうが良いでしょう。

最高のプレーヤーがいたら「OP」「GOAT」

最後に、めちゃくちゃ尊敬していることを表す「OP」「GOAT」を紹介したいと思います。Twitterなどでもよく使われますね。

「OP」は“over-powered”のことで、「強すぎる」という意味です。試合であまりにも活躍した人がいたら、敬意を表して「OP」だと伝えましょう。ただしこの言葉は、悪いニュアンスにも使えます。「このキャラ/武器が強すぎる!」と文句を言いたいときですね。

反対に「GOAT」は「史上最高」のみを表す言葉です。“Greatest of all time”の略ですね。「GOAT」は小文字で書くと動物の「ヤギ」を指すので、ときどきヤギの絵文字で表されることもあります。対戦中のやりとりで見かけることはあまりありませんが、TwitterやReddit(英語圏で人気の投稿サイト)などでよく使われます。かわいいヤギの絵を見かけたら、めちゃめちゃ強いプレーヤーの話だとすぐに分かります。

英語でコミュニケーションをとろう!

少し長くなりましたが、以上です!

略語は、ゲームにおける英語でのコミュニケーションで基礎となるものです。英語が苦手な方も、略語を使うだけでチームメイトや対戦相手と簡単なコミュニケーションを取ることができます。対戦だけでなく交流もできたら、試合はより楽しくなるはず。海外に友達ができる可能性だってあります。

これからも、みなさんがゲームを通して英語を覚えられるよう、少しずつ単語やフレーズを紹介していきたいと思います。ひとつでも覚えたら、できるだけゲーム内で使ってみてください!

もし分からないことがあったら、ぜひ私に連絡してください。私のTwitterアカウントがありますので、みなさんの意見や質問をワクワクしながら待っています。

ではまた! GG!

ビクトル・マルチク

ゲーム分野に特化した通訳者。幼いころからゲームや外国語が好きで、ワルシャワ大学では日本語を学んだ。現在はポーランドで日本語の教師をする傍ら、「レインボーシックス シージ」「PUBG Mobile」「Fortnite」など様々な国際大会を通訳として支えている。

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