2型2色覚に対応して色が調整された「ぷよぷよ」の画面

「ぷよぷよができる!」と喜びの声 色調整で色覚多様性に対応 「ぷよぷよeスポーツ」が大型アップデート

GAMEクロス編集部
公開: 2020-09-28

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パズルゲーム「ぷよぷよeスポーツ」で大型アップデートが無料で行われました。Nintendo Switch、PS4、Steamのいずれも更新されています。他のプレーヤーの対戦を観戦できる「かんせん」モードや隠しキャラクターなど大幅に機能が追加されています。なかでも特筆すべきなのは、マイデータのオプションに「色ちょうせい」機能を追加し、「色覚多様性」の対応に取り組んだ点です。

2020年9月28日付、GAMEクロスに掲載された記事を転載しています

細山田プロデューサー「技術的に解決できるので挑戦した」

大型アップデートされた「ぷよぷよeスポーツ」

大型アップデートされた「ぷよぷよeスポーツ」

色を感じる細胞の働きが弱い人や機能していない人もいます。以前は「色盲」「色弱」「色覚異常」と表現されていました。しかし、実際には日常生活に大きな不便さもないことから2017年に日本遺伝学会の用語改訂で「色覚多様性」と呼ばれるようになりました。

色の見え方は人によってさまざまです。セガの「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀さんは「もともと課題としてありました。今だと一番解像度が低い機種でも、フィルターで対応できるようになり、技術的にも解決できるということで挑戦しました」と説明します。

ただ、色覚への対応は今回が初めてでした。色の見え方の確認のために特殊なメガネなども使いましたが、フィルターの反映具合が実際どれくらいあるのかは分かりにくいものでした。「ぷよぷよeスポーツ」ディレクターの中島玄雅さんは「手探りでした。人間が見たときの方が、人間の目の方が正しいのでは、ということで、色覚多様性の当事者の方に見ていただいて監修していただきました」と話します。

色だけでなく形状にも課題

監修したのは、様々な商品やサービスを実際に色覚多様性者の目で確認して改善の提案を行っているNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)。伊賀公一副理事長によると、日本人男性の約5%、欧米の白人男性では8~10%いるとされている先天性の色覚多様性者に何が困るかというインタビューをすると、「ぷよぷよができない」と話題にのぼることがよくあるといいます。

CUDOが検証した結果、落ちてくるぷよの色が同じ色に見えて区別ができないことが原因であることが確認されました。また、ぷよの形状によっては見分けやすさに差があることや点滅によって見分けにくくなることも分かりました。

これを受けて今回開発されたのが「色ちょうせい」機能です。画面全体の発色を10段階で微調整し、ぷよが落下中の点滅効果も削減しました。「フィルター」をONにすることで、色覚の特性に対応して4つのパターンの色調整(「3色覚」「1型2色覚」「2型2色覚」「3型2色覚」)や「色のつよさ」を設定することができます。色だけでなく形状での判別のため、ぷよの形状も16種類にしました。

1型2色覚に対応して色が調整された「ぷよぷよ」の画面

1型2色覚に対応して色が調整された「ぷよぷよ」の画面

2型2色覚に対応して色が調整された「ぷよぷよ」の画面

2型2色覚に対応して色が調整された「ぷよぷよ」の画面

3型2色覚に対応して色が調整された「ぷよぷよ」の画面

3型2色覚に対応して色が調整された「ぷよぷよ」の画面

細山田プロデューサーは「なるべく広く対応したつもりです。しかし、欧米人はまた見え方が違うんです。今後も細かい意見を拾っていきたいと思います」と語ります。

「当事者による検証が大切」

一方、CUDOにはアップデート版を実際にプレーした色覚多様性者や検証に参加した色覚多様性者から「ぷよぷよができるよ!ずっとできなかったのに。色を変えることができたんだ!」というメッセージが届いているといいます。

自身もプレーできるようになったという伊賀副理事長は「大事なのは実際に色覚多様性者に見てもらって検証してあるかどうかです。理論と実際は異なっていることも多く、せっかくコストをかけて搭載しても機能が役に立っていないようでは意味がありません。私は人間社会はゲームのみならず多様な色覚に対応することで、誰もが安全で安心な生活ができるものとなり、どのような色覚型の人も自分の色覚型に誇りを持って生きられるようになれば良いと思っています」と話しています。

主なアップデートの内容

今回のアップデートでは、このほかにも多くの機能が追加されました。

「かんせん」モードを追加

「かんせん」モードを追加

【「かんせん」モードの追加】

「インターネット」内の「きがるにたいせん」モードで行われている、他のプレイヤーの試合を観戦することができます。また、試合開始前に「かんせんまちうけ」で応援スタンプを送ったり、対戦中のプレイヤーを応援することができます。

ゲームスピードも変更可能に

ゲームスピードも変更可能に

【ゲーム設定に「ゲームスピード」変更機能を追加】

試合中のゲームスピードをゆっくりにすることができます。「×1.0(通常設定)」「× 0.7」「×0.5」の3つから選ぶことができます。

「フィールド」変更機能を追加

「フィールド」変更機能を追加

【試合前設定に「フィールド」変更機能を追加】

「ひとりでぷよぷよ」の2人対戦時に、使用するフィールドを設定することができます。1 P(通常設定・画面左側のフィールド)と 2 P (画面右側のフィールド)のいずれかをえらぶことができます。

「オートプレイ」機能も追加

「オートプレイ」機能も追加

【「オートプレイ」機能の追加】

「ハンデせってい」で「甘口」か「激甘」に設定する、もしくは「インターネット」内の「きがるにたいせん」の「しあいせってい」で、「オートプレイ」を設定することができます。

隠しキャラクターも追加

隠しキャラクターも追加

【隠しキャラクター「ラフィソル」「パプリス」追加】

「ぷよぷよクロニクル」や「ぷよぷよクエスト」に登場したキャラクターが、特殊な操作をすることで、「ぷよぷよeスポーツ」で隠しキャラクターとして登場します。

(C)SEGA

【この記事を書いた人】
GAMEクロス編集部

GAMEクロス編集部のスタッフがeスポーツに関する様々な記事を発信します。

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