〈プロ解説〉Nintendo Switchのプロコン、純正品やHORI製品を比較
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がMoovooに還元されることがあります。
Nintendo Switchの人気シリーズ最新作「スプラトゥーン3」は、発売後3日間で国内での販売本数が345万本を突破しました。それにともない「Nintendo Switch Proコントローラー(プロコン)」の需要が高まっているほか、世界的な半導体不足の影響もあり、2022年秋時点では品切れ状態が続いています。
もちろん、Nintendo Switchに付属しているJoy-Conグリップを使用したり、携帯モードでプレイしたりすることはできますが、やはりプロコンの操作感には敵いません。
そこで、今回は任天堂以外の会社から発売されている非純正品(サードパーティ製)が、純正プロコンの代替品として使用できるか、実際に操作して検証してみました。
目次
純正品とサードパーティ製の違いは?

今回検証するのは、まずは無線・有線に対応する純正品「Nintendo Switch Proコントローラー」。さらに、リーズナブルな価格帯で連射機能を搭載している「ホリパッド for Nintendo Switch」、ジャイロセンサー搭載モデルの「CYBER ジャイロコントローラー」、ともに有線タイプの商品を用意しました。

外観 |
商品名 |
金額(税込み) |
サイズ |
重量 |
有線/無線 |
特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
![]() |
任天堂 Nintendo Switch Proコントローラー |
7,670円 |
縦10.6×横15.2×高さ6cm |
約246g |
無線/有線 |
・Bluetooth 3.0/NFC(近距離無線通信) |
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ホリ ホリパッド for Nintendo Switch |
2,618円 |
約縦11×横15.5×高さ6.25cm |
約245g(ケーブル含む)、約170g(ケーブル除く) |
有線 |
・十字ボタンつけ外し機能 |
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サイバーガジェット CYBER・ジャイロコントローラー 有線タイプ |
3,380円 |
約縦12.5×横15.5×高さ8cm |
約167g(ケーブル除く) |
有線 |
・加速度センサー/ジャイロセンサー |
サードパーティ製のプロコンには、大きく分けて2つの機能の有無があります。ひとつは無線対応の有無。有線の場合、充電の手間や電池切れの心配はありませんが、ケーブルで繋ぐため、Nintendo Switch本体から一定の距離以上離れることができず、取り回しがしにくくなります。
もうひとつは、コントローラーの傾きを検出するジャイロセンサーの有無です。ゲームタイトルによって、ジャイロセンサー対応かどうかは異なります。ゲームのタイプによっては使用する機会がない機能でもあり、対応しているゲームでも、ジャイロ操作を使わずに遊ぶことは可能です。
▼「ジャイロ操作」について紹介するNintendoの動画がこちら
純正プロコンの特徴|無線対応・ジャイロセンサー搭載
まずはNintendo Switch Proコントローラーについておさらいします。プロコンは無線接続ができ、2つのアナログスティックと十字ボタンのほか、A、B、X、Y、L、ZL、R、ZRの8つのボタンがあります。これに加え、キャプチャーボタンとHOMEボタン、+と−のボタンもあります。
USB Type-AとUSB Type-Cの変換ケーブルによって、本体とプロコンを有線でも接続でき、充電しながらプレイすることが可能です。また、本体正面中央部にNFC(近距離無線通信)機能があり、amiiboなどをタッチしてデータを読み書きできます。

画像は「スプラトゥーン2」特別デザイン(筆者撮影)
加速度センサーとジャイロセンサー、HD振動機能があり、Joy-Conでできる操作はプロコンでもできるようになっています。モーションIRカメラの機能はついていないので、モーションIRカメラを使用したゲームで遊ぶ場合は、Joy-Conを使う必要があります。
本体下部にプレイヤーランプを搭載しているため、プロコンがどのプレイヤーに割り当てられているかわかります。また、Nintendo Switchがスリープ状態のときに、何かしらのボタンを長押しすることで、スリープを解除できます。
ホリパッド|連射や十字ボタンの着脱が可能
ホリパッドの有線タイプです。アナログスティックや十字ボタン、各種ボタンはプロコンと同じ配置ですが、+と−ボタンがそのまま+と−の形状なので、指で触るだけでもわかります。プロコンは+と−、HOMEボタンがすべて円形で判断しにくいため、この違いはありがたい点です。
また、十字ボタンの付け外しが可能で、Joy-Conのように方向ボタンとしても使用できます。

プロコンにない機能としては、連射機能があります。秒間約5/12/20回の3段階の連射が可能です。ボタンを押したあとに手を離しても連射を継続する、連射ホールド機能もあります。
連射と連射ホールド機能が設定できるボタンは、A、B、X、Y、L、R、ZL、ZR。十字ボタンは連射ホールドには非対応で、連射なら設定が可能です。

ポイント解説
加速度センサー、ジャイロセンサー、モーションIRカメラ、HD振動、プレイヤーランプ、NFCは搭載していません。つまりアナログスティックや十字ボタンで操作するゲームに適していると言えます。
CYBER・ジャイロコントローラー|マクロボタンを搭載
CYBER・ジャイロコントローラーの有線タイプです。プロコンと比べて、+と−、HOMEとキャプチャーボタンの配置が大きく変わっています。
CYBERはHOMEボタンが大きく中央に鎮座しているのが特徴です。使用頻度の高いHOMEボタンが特別仕様になっているのは使いやすいと言えるでしょう。
ただ、プロコンやJoy-Conでは+と−、HOMEとキャプチャーがシンメトリーに配置されているので、純正品を使用していたプレイヤーには多少の慣れが必要です。特に、プロコンではHOMEボタンのある場所に、TURBO/MACROボタンが配置されているので、操作を間違えそうになります。

ボタンの配置(筆者撮影)
背面にはM1、M2、M3、M4というプロコンにはないマクロボタンがあり、最大16カウントまでのコマンドを入力できます。長押しやタメ撃ち、格闘ゲームなどの必殺技コマンドといった複雑な操作も、あらかじめ設定しておけばワンボタンで発動できて便利です。
マクロを登録していないときは、M1にY、M2にB、M3にA、M4にXボタンが割り当てられていて、ボタンの同時押しや、同じボタンでの連射と非連射の使い分けができます。

マクロボタンM1、M2、M3、M4(筆者撮影)
連射機能が使えるのはA、B、X、Y、L、ZL、R、ZRと背面ボタン4つ。連射速度調整はなく秒間13連射のみで、連射オンかオフのどちらかとなります。また、連射ホールド機能もついていません。
加速度センサーとジャイロセンサーを搭載していますが、モーションIRカメラ、HD振動、プレイヤーランプ、NFCは非搭載です。

ポイント解説
ホリパッドとCYBER、どちらのコントローラーも、モーションIRカメラ、HD振動、NFCを搭載していませんが、いずれもJoy-Conが対応しているので、それらの機能が必要な場合は、Joy-Conを使用することで対応できます。
実際にゲームをプレイして検証
次に実際にゲームをプレイしてその使い勝手を検証してみます。検証で使用したタイトルは、筆者がプロコンを購入するきっかけとなった「スプラトゥーン2」の続編である「スプラトゥーン3」と、十字ボタンの操作が激しい「パックマン99」です。
「スプラトゥーン3」ではアナログスティックの操作感と、あれば加速度センサーやジャイロセンサーの具合、「パックマン99」では十字ボタンの精度を試します。
① ホリパッドはボリュームを感じる握り心地

ホリパッド for Nintendo Switch(筆者撮影)
まずはホリパッドです。ホリパッドはプロコンに比べてサイズがひとまわり大きくなっています。
ひとまわりと言っても、全体的な大きさはほぼ変わりませんが、ボディ部分の体積が大きく、流線型の形状から背面のグリップも若干太めです。そのグリップの太さが、コントローラーを持ったときに見た目以上のボリュームを感じさせます。
筆者は、体も手も比較的大きいほうなのですが、それでもプロコンに比べてグリップしにくい印象がありました。子供が使用するのであれば、持ちにくく感じてしまうと思われます。

太いグリップの形状(筆者撮影)
▼アナログスティック|操作が少し柔らかめ
まず、「スプラトゥーン3」で、ゲーム操作について検証します。ホリパッドは加速度センサーとジャイロセンサーを搭載していないので、メニューのオプションからジャイロ操作をオフにします。
ジャイロ操作で行っていた上下の視点移動は、右のアナログスティックで行うことになります。個人的には初代「スプラトゥーン」からプレイしていて、ジャイロ操作に慣れているので、ジャイロ操作ができないコントローラーはそれだけで選外となります。
ただ、多くのプレイヤーにとって必須の操作というわけではありません。人によっては右のアナログスティックでの操作のほうが合っていると感じる人もいます。ジャイロ操作が苦手な人や、「スプラトゥーン3」から始めた初心者は、ホリパッドを選んでもマイナスにはならないでしょう。
アナログスティックの操作感覚としてはプロコンよりも柔らかめの印象ですが、比較しないとわからない程度の違いです。基本的にはプロコンと同じような感覚で使えます。

操作部のアップ(筆者撮影)
▼十字ボタン|アクションゲームには不向き
次に「パックマン99」で十字ボタンを試してみました。十字ボタンはホリパッド独自の着脱式となっています。
まず十字ボタンを装着した状態でプレイしてみました。プロコンよりもボタンが大きめなので、指触りはホリパッドのほうが良さげです。十字ボタンは指に沿う形状ですが、ベースは円形のため、斜め方向への入力がしやすくなっています。
ただ、「パックマン99」の場合、斜め入力は必要なく、上下左右の4方向での操作のため、この斜め方向への入りやすさが操作ミスに繋がることが多かったです。特に追い詰められたとき、急場の方向転換などは思った方向と違う方向に入ることが多々あり、倒されることも。

方向ボタン使用時(筆者撮影)

ポイント解説
確実に4方向しか入らないように十字ボタンを取り外し、方向ボタンだけで操作してみましたが、十字ボタンのように指を滑らせて押せないため、咄嗟の操作が必要なアクションゲームには不向きと言えます。
② CYBERはボタンの大きさや固さに違い

CYBER・ジャイロコントローラー 有線タイプ(筆者撮影)
次にCYBER ジャイロコントローラーです。プロコンとほぼ同じサイズで形状も近くなっています。L(CYBERではL1)、ZL(L2)、R(R1)、ZR(R2)ボタンはプロコンよりもサイズが大きめです。
プロコンはLとZLのボタンの高さに違いがありますが、CYBERは物理的な大きさを変えることで押し間違いを少なくしています。

L1、L2、R1、R2ボタン(筆者撮影)
▼マクロボタン|複雑な操作を短縮できる
背面にある4つのマクロボタンは、マクロ機能により好きなボタンに設定し直すことができます。設定できるのは、十字ボタン、A、B、X、Y、L、ZL、R、ZRです。
例えば「スプラトゥーン3」であれば、十字ボタンの下と上をマクロボタンに登録しておけば、ナイスやカモンの連絡を左アナログスティックから指を離さずにできるようになります。
レギュラーマッチやバンカラマッチなどで仲間が「ナイスダマ」を撃つときに、相手チームと交戦中で左アナログスティックから指を離せないという場面でも、しっかりナイスを押すことができるわけです。

ポイント解説
「スプラトゥーン3」においてはマクロ機能が活かせる場面は多くありませんが、ほかのタイトルだとかなり役立ちそうなものはあります。ただ、マクロが機能するタイトルほど、オンライン対戦ではチートもしくはチートに近い扱いとされるので、あまり重視しないほうが良いかもしれません。
▼アナログスティック|素材・操作的にもかため
アナログスティックはプロコンが柔らかめの素材を使っているのに対して、CYBERはかためです。プレイ時間によっては指にあとがつくほど。また、操作的にも多少かため、重めではあります。素材的なかたさと操作的なかたさが相まって、少し指に力が入りがちです。
「スプラトゥーン3」の場合は、ジャイロセンサーの感度をあげ、アナログスティックの抵抗を増やすことでエイム力(照準を相手にしっかり合わせる力)がアップするとも言われているので、その面では良いとも言えます。
加速度センサーとジャイロセンサーについては、プロコンと比べて大きな違いは感じませんでした。微細な差があったとしても、ゲームのメニューからジャイロセンサーの感度の設定ができるので、特に問題はないかと思われます。
▼十字ボタン|柔らかく、咄嗟の操作ではミスも
十字ボタンは打って変わって軽く、柔らかめです。ホリパッドほどではないですが「パックマン99」においては、咄嗟の操作時にミスが起こりやすいと言えます。
これも斜め方向に入りやすい形状から、真上、真下、真横などの操作を入れようとしたとき、ほかの方向に入りやすくなり、操作ミスに繋がっている感じです。
ホリパッドとCYBER、どちらも十字ボタンには難ありといった印象ですが、そもそもプロコンの十字ボタンもそこまで精度の高い操作ができるとは言えません。ただ、Joy-Conを使うよりは操作性が向上するのは間違いないでしょう。

ポイント解説
今回は比較的リーズナブルなモデルでの比較となりました。使い勝手や機能を考えるとやはりプロコンを選びたいところですが、しばらく品薄が続きそうな気配がします。とりあえずコントローラーで遊びたい人は、リーズナブルなモデルで試しつつ、プロコンが購入できる日を待つのが良いでしょう。
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