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プロ野球に革命!?画像解析で野球が進化するトラッキングシステム

アマチュア野球の聖地と呼ばれ、数々の熱戦の舞台となった明治神宮野球場。
多くのドラマを目撃してきた歴史ある球場に新たなテクノロジーが加わった。

ソニーのグループの「Hawk-Eye Innovations」が開発し、テニスのイン・アウト判定やサッカーのVARなど、スポーツにおける判定サポートサービスが25種類以上の競技、世界90カ国以上、年間30,000回を越える試合やイベントで使われているトラッキングシステムだ。
今シーズンからMLB全球団のホームスタジアムにも設置され、データ解析ツール「StatCast」にも活用されている。

レーダーからハイフレームレートカメラへ

これまでのトラッキングシステムはレーダーを利用し、測定する場所に電波を照射し
反射波をキャッチすることでボールの位置、速度、回転などを測定していた。
これに対してホークアイのシステムはハイフレームレートカメラで撮影された映像をもとにトラッキングをおこなう。
カメラに写りさえすればトラッキングできるので、レーダー方式に比べデータをロスする確率が低く抑えられる。より正確でブレの少ないデータが取得できるのだ。
現在は4台のカメラで投手と捕手間をトラッキングしているが、今後カメラを8台に増やすことでフィールド全体をトラッキングできるようになるという。

どのような活用がされている?

ホークアイのシステムを国内で初めて導入したヤクルト球団のデータアナリスト永田俊紘さんに話を聞いてきた

ー導入のきっかけは?
MLBが2019年の途中からトラッキングシステムをホークアイのシステムに試験的に切り替え、2020年には完全に切り替えるという記事を海外のメディアで見つけたことです。
従来のシステムより正確性が優れている点から、今後広がっていく流れになると感じMLB関係者に話を聞きました。

ーホークアイのシステムと従来のシステムとの違いは?
まずはデータの正確性。あわせて結果だけでなく過程の部分をトラッキングできるようになった。
例えばこれくらいの回転数で、何センチホップして、何センチシュートするボールが数値的に良いとする。そういったボールを投げたいと考えても、従来のシステムでは結果のデータしか示せなかった。
ホークアイのシステムでは良いボールを投げたフォームとそうでないときのフォームを映像と数値の両面から比較でき、まずはデータの正確性。あわせて結果だけでなく過程どういうフォームで投げれば良いボールに近づけるのかが分かる。
こういった過程の部分をトラッキングできるのが従来のシステムとの大きな違い。
試合中の映像を解析し確認できるところも良い点です。

ー実際にどのような発見がありましたか?
リリースポイントが自分の感覚とそこまでずれているとは思わなかったという投手だとか、変化球の変化が小さくなった原因が投げ方が少し変わったことだと気づいた投手もいます。
投球フォームの小さな変更で球質が大きく変わるということを映像とデーターを並べて示すことで理解してもらえることもありました。

ー感覚を優先する選手にどのようにデータを伝えていますか?
選手の感覚を尊重しながらデータを融合していくことが大事だと思います。
今までは数値データだけを提供していましたが、ホークアイのシステムでは数値データと映像を合わせて提供できるので自身の感覚を重視する選手にもアプローチしやすくなったと感じます。

ープロ野球におけるデータ分析のポイントは?
データ分析では「いかに平均値から外れるか」ということが大事とされていて、バッターはこれまでの経験を元に投球をイメージしているので、抑えるためにはリリースポイントであったり、握りであったり、プレート位置であったりを日々観察しながら何が最善なのかを探っていく。
バッターのイメージから外れるボールが抑えられるボールだと考えています。

ープロ野球選手の感覚が映像、数値化されることでファンにもわかりやすくなる?
野球は打率、打点、ホームランだとか勝ち、負け、防御率といったような同じスタッツを何十年もフィーチャーしてきているなかで、セイバーメトリクスのような指標であったりキャッチャーのフレーミングであったりといった新しい評価基準も取り入れていかなくてはいけない。
そういった今まで数値化されていなかった部分を数値化することで見る人がもっと野球を好きになってくれるような野球中継であったり、メディアでの見せ方などを協力していけたらと思っています。

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こんな映像が観られる?

昭和、平成、令和と歴史を超えてお茶の間に興奮を届けてきたプロ野球。
ホークアイのシステムを使って投球が可視化されれば「キレのある変化球」「伸びのあるストレート」などこれまで感覚でイメージしていたことを映像でより分かりやすく伝えることで、プロ野球というコンテンツがさらに進化するはずだ。


HAWK-EYE

Hawk-Eye Innovations

CREDIT
Videographer :すえいし ただし
Videographer :町田知陽
Videographer :Tatsuhiro Toshima
SNS :にしまり


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