〈プロ監修〉日本酒の作(ざく)とは? おすすめ9選と魅力を紹介
日本酒の銘柄には、日本酒好きなら誰もが知る有名なものから、入手困難な一品までさまざまです。その中から今回紹介するのは、「幻のお酒」「アニメファン注目の日本酒」として名高い作(ざく)です。
作にも種類があり、「作を飲んでみたいけど、どれを選べばよいのかわからない」という方もいることでしょう。
そこでこの記事では、唎酒師・日本酒ライターとしても活躍されている、若松屋酒店(東京・板橋)の三代目 小林健太さん監修のもと、作のおすすめ商品と魅力について紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
まずは、小林さんおすすめの「作」2選
小林さんのおすすめポイント
作(ざく)らしい華やかな上立ち香と、フレッシュな味わいを楽しめる火入れの新酒。火入れのお酒ですが、まるで生酒のような、みずみずしい味わいを感じられます。ラベルデザインは毎年一新され、見た目でも楽しめる純米大吟醸酒です。
小林さんのおすすめポイント
「神の穂」は、三重県のオリジナル米として2010年に品種登録されています。神の穂で作られた日本酒はまだ少なく、三重の酒「作」が三重の米「神の穂」をどう表現しているかで、三重の日本酒の方向性が決まるかもしれません。上立ち香は抑え目ながら、口に含むと華やかな香りが駆け抜けます。やわらかで滑らかな甘味から、爽やかな旨みを堪能し、最後はやや複雑さのある余韻を楽しめます。
作(ざく)」とは、どんな日本酒?
「作」は日本酒の中でも知名度の高いお酒ではありますが、名前の由来や風味が気になります。作に関する基本情報をみていきましょう。
ガンダムファンにも注目された、入手困難な日本酒
「サク」と読んでしまいそうですが正しくは「ザク」と読みます。日本を代表するアニメの一つである「機動戦士ガンダム」に出てくる「ザク」と同じ名前として、アニメファンから注目を浴びています。
作の蔵元である清水清三郎商店(三重・鈴鹿)が、日本酒の需要が減少する中で酒蔵の生き残りをかけ2000年に立ち上げたのが作ブランドです。
名前はガンダムを意識したわけではなく「お酒の価値はみんなで作るもの」との思いが由来なのだそうですが、名前でガンダムファンから注目を集めたことが知名度を上げるきっかけにもなりました。
小林さんのおすすめポイント
かつて日本酒といえば「灘の酒」が求められる時代がありました。当時は各蔵で製造できる量に制限があったため、灘に比較的に近い三重の蔵の多くは、製造した日本酒を灘の蔵に販売し、灘の酒として流通させていました。その後、各蔵での製造制限が解除されたことで、三重の酒はその独自性だけでなく流通先も失い、多くの蔵が廃業に追い込まれてしまったそうです。「作ブランド」の確立は、地元の酒造りの悲願の成果とも言えるかもしれません。
伊勢志摩サミットでの乾杯酒として採用されブレイク
作は販売から徐々に人気を集め、さらに2016年の「G7伊勢志摩サミット」で乾杯酒として採用されたことから、国内はもちろん海外でも一気にその名を知られるようになりました。
清水清三郎商店では需要拡大に応えるため生産量を拡大、一年の中で酒造りをする期間も長くなり、ほぼ通年で酒造りを行う四季醸造体制で製造されるようになりました。
数々の日本酒審査会で賞を受賞
国内外からの人気を集める作は、アメリカで開催される「全米日本酒歓評会」や、出品数が世界最多の「SAKE COMPETITION」など国際的な審査会でも多くの賞を受賞しました。
とくに2017年のSAKE COMPETITIONでは、純米酒部門で「作 穂乃智(ほのとも)」「作 玄乃智(げんのとも)」がそれぞれ1位、2位を受賞したことから、さらに注目sされるようになりました。
風味の調和と透明感にこだわりぬいた作(ざく)は、種類の多さも特徴です。フルーティな味わいを楽しめる軽めのものから、どっしりとした旨みを味わえるものまで、自分好みのお酒を選べます。
小林さんのおすすめポイント
作(ざく)は「香りと味わいの両方がしっかりと主張し、キレ良く、後味に透明感のある酒」を目指して造られました。そうした中で、華やかな香りと旨みを味わうタイプ「雅乃智(みやびのとも)」「雅乃智中取り(みやびのともなかどり)」、お米の旨みを味わいうタイプ「穂乃智(ほのとも)、奏乃智(かなでのとも)」、すっきりとしたバランスの良いタイプ「恵乃智(めぐみのとも)」といった種類があり、好みにあわせて選べます。
「清水清三郎商店」のこだわり
シンプルな旨味を極めた酒を目指し多くの酒蔵を巡りながら改善を重ねた作は、小さなタンクで生産することで、酒造りの工程や温度調整においてきめ細やかな管理を行っています。
大きなタンクで一度に仕込むよりも手間がかかりますが、当たり外れのない綺麗な味わいを目指しています。こだわりの一つに「透明感」とあるように、すっきりとした飲みやすいお酒が多い点も特徴的です。
小林さんのおすすめポイント
作(ざく)の定番酒シリーズは特定の酒米を使うのではなく、その時その時で、造りのコンセプトに合う最も良い米が使われます。そんな蔵でも年に何度か特定の酒米を使った純米吟醸酒が発売されます。「愛山(あいやま)」「雄町(おまち)」「山田錦(やまだにしき)」「神の穂(かみのほ)」など、酒米とビンテージ年が書かれたシリーズでは、「酒米の個性」と「作の個性」が醸し出す、特別な味わいを楽しむことができます。
〈編集部PICK UP〉作(ざく)、おすすめ人気商品7選
Moovoo編集部
数ある作(ざく)の中でも売れ行き好調な、人気商品を紹介します。
作を初めて飲むならおすすめしたいのがこちらです。ほのかな甘みと喉を通る切れの良さから、食中酒としてはもちろん、お酒だけでいただくのにもピッタリな日本酒です。
辛口寄りですっきりしており、初心者でも比較的飲みやすいお酒です。フランスで開催される日本酒コンクール「KURA MASTER 」の2017年純米部門でプラチナ賞を受賞しました。
透明感を感じるクリアな味わいのお酒です。後味の酸味が少し強めですが、この酸味があるからこそもっと飲みたいと思わせるお酒でもあります。
香りは控え目で、日本酒を普段飲まない方でも飲みやすい一本だといえます。キリッと冷やしていただくのがおすすめです。
2018年度の「SAKE COMPETITION」で金賞を受賞したお酒です。完熟したフルーツを思わせるような豊かな甘味が特徴的なお酒で、口に入れた瞬間に芳醇な旨みを感じることができるでしょう。
米本来の甘みを感じる、しっかりと濃い味わいなので、冷やはもちろん熱燗でも楽しめる日本酒です。
「透明感と調和」という清水清三郎商店が目指すバランスを実現した日本酒です。いつまでも飽きないすっきりした味わいを楽しむことができます。
甘み、旨み、キレ、酸味のバランスが良いお酒で、全体が丸くやわらかにまとまり、どちらかというとフルーティーさが目立つお酒なので甘口寄りと言えます。
〈編集部PICK UP〉一度は味わいたい、プレミアムな作(ざく)2選
続いては、作(ざく)の中でもプレミアムな日本酒を見ていきましょう。流通している数量が限られ、入手困難な一品です。
精米歩合40%まで磨かれたお米で作る、柔らかさとクリアな風味を兼ね備えたお酒です。角のない柔らかな甘味を感じるので、甘めが好きな方向けの日本酒ともいえます。
低温熟成によってゆっくりと醸された日本酒で、お米本来の甘さをしっかり堪能できます。
- 清水清三郎商店
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筰(ざく)クラウン 大吟醸 杜氏特撰秘蔵酒 三重県産 750ml
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数ある「作」の中でも最上位のお酒
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作の中でも高額な「筰 クラウン」。清水清三郎商店の内山杜氏が精魂込めて作った秘蔵の日本酒で、華やかな香りと奥深さを感じられる複雑な味わいが特徴です。
選び抜かれた材料と細部まで手を抜かない繊細な仕込みで、杜氏が持てる技術のすべてを注いだ数量限定の日本酒です。ぜひ一度はいただいてみたい一本です。
作の新たな挑戦「IMPRESSION」シリーズ
- 清水清三郎商店
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作 インプレッションG 純米酒 720ml
- 税込み1,750円(Amazon)
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生酒のようなフレッシュさと微発泡が楽しめる
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ブラックフライデーセール開催中!Amazonで見る
- 楽天市場で見る
- Yahoo!で見る(750ml)
酒質の変化を止めて製品の安定性を確保するため、清水清三郎商店のお酒は全て加熱処理をする「火入れ」ですが、「火入れしない生酒のようなフレッシュな味わいを、火入れのお酒で造れないだろうか」と試行錯誤して誕生したのが新しい作「インプレッション」シリーズです。
シリーズには「G」の他にも「M、H、N」の4種類があります。これは作のレギュラー商品の中でも人気の「玄乃智:げんのとも」「恵乃智:めぐみのとも」「穂乃智:ほのとも」「(雅乃智:みやびのとも)中取り:なかどり」の頭文字をとったもの。
それぞれ違う特徴を残しながら、よりフレッシュな味わいを楽しむことができる軽やかさが特徴的なすっきりといただける日本酒です。
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日本酒「作(ざく)」はどこで手に入る?
特約店や、近隣の酒屋さんなどに置いてある場合もありますが、ECサイトでの購入がもっとも手軽に手に入れやすい方法です。ECサイトでも在庫切れで購入できない場合はあるものの、簡単に確認できるのはメリットです。
中には季節限定品などもあり、売り切れてしまうと、しばらく待たないと買えない商品もあります。こまめにチェックすることで、作(ざく)でしか味わえない特別なひとときを楽しんでみてください。
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