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那覇市の中心街・国際通りの牧志周辺には、古くから続く多数の商店街が集積している。いずれも戦後の復興期に、自然発生的に集まった露店が起源。ウチナンチュ(沖縄の人々)の活気に満ちた風景が、今もなお継承されている。
「市場本通り」は第一牧志公設市場へ続く、界隈随一の繁華街。60軒ほどの店舗が軒を連ね、入口付近は前述の二つの商店街とともに、観光客向けのみやげ店が集まり活気がある。
もとは菓子を扱う店が多く、盆や正月といった祭事の時期には、餅や郷土菓子を買い求める地元客が足を運ぶことでも知られる。
先代の建物は1972年(昭和47年)築で、レトロな風情で活気にあふれていた。裸電球の下でアンマー(お母さん)が包丁を手に肉や魚をさばき、露店ではコーレーグース(唐辛子漬け)やスクガラス(小魚の塩漬け)の瓶詰めがアートのように積み上げられた風景も。
地元客はもちろん、観光客にも人気があったが、老朽化により惜しまれつつも改築。2023年(令和5年)3月に、現代風の食品マーケットに変貌した。
精肉店街の店頭には、沖縄の食卓には欠かせない豚肉がずらり。沖縄では「豚は鳴き声以外すべて食べる」といわれるほどで、テビチ(豚足)やチラガー(豚の顔の皮)が、そのままの姿でドンと並んでいるのは、なかなかの迫力だ。
2階は食堂街で、1階で購入した食材を持ち込み、調理代を支払って料理してもらえる「持ち上げ」というシステムが人気。魚やエビを丸一尾持ち込めば、刺身と煮物や焼物と味噌汁など、残すところなく料理に仕立ててもらえる。
鞄や靴や化粧品の店が見られる「市場中央通り」。衣料品市場に隣接していた名残で婦人服の店が密集する「新天地市場本通り」。ガーブ川の上には水上店舗が建っていて、アジアテイストな雰囲気も漂っている。
これらの商店街を結んで、路地のような小さな商店街も錯綜。「八軒通り」は平和通りと市場中央通り方面を結ぶ商店街で、『日本一短い商店街』がキャッチフレーズ。歩いて24歩で通り抜けられるとあり、ファッションや雑貨を扱う個性的な店舗が集まっている。
市街の中心部に縦横に広がる、個性豊かな商店街の数々。それらを巡り歩けば、昔から続く那覇市民のリアルな暮らしを、垣間見ることができるはずだ。