韓国映画選びのおすすめポイントと日本人向けの韓国映画10選

浅川幸陣
公開: 2020-06-19

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韓国映画選びのおすすめポイントは日本人との親和性と日本人として観ておきたいこと

映画撮影用カメラ

韓国映画のおすすめポイントのひとつが朝鮮半島情勢を反映した映画の視点です。現実に戦争中の敵と対峙している国の映画には、日本作品とは違った気づきがあります。また、韓国作品には日本人の感性にピッタリマッチする脚本、演出を施したものが少なくありません。おすすめの10選を参考に韓国映画を探すのも良いでしょう。

韓国映画を選ぶにあたっておすすめできるポイント

韓国映画には日本映画とは異なる点があります。韓国は現在も休戦中の国家であり、現在も戦時体制にあるからこそできる、現在も続く戦争を主題にした作品群があるということです。

日本の戦争映画は基本的に過去の出来事を描いているものです。しかし、韓国の戦争映画ではスクリーンの中に今も戦っている敵の姿が描かれます。

一方で、民主化後の韓国映画は日本的なラブストーリーも多く、戦争を主題にした映画には馴染みがないという人でも見やすい作品となっています。

休戦中国家の戦争観を垣間見る韓国映画

韓国映画には38度線に関連した作品が多くあります。その理由として考えられるのは、北緯38度で引かれた軍事境界線で南北に分かれていることです。しかし、単に分断国家であるだけでなく、先述したように、現在も戦争中の国家であるということが大きいでしょう。韓国、つまり大韓民国と北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国の間で行われている朝鮮戦争はいまだ休戦状態であり、終わってはいないのです。

休戦協定後も戦死者が出るような小競り合いは続いており、韓国映画の中に休戦中国家の戦争観を垣間見ることができます。韓国の対北朝鮮観なども含めて、朝鮮半島についてを考えるうえで38度線絡みの作品は必見といえます。もちろん、あくまでも娯楽作品であり事実関係を確認する資料ではありません。

泣ける恋愛映画もコメディも韓国映画ならでは

泣けるラブストーリーもコメディも韓国映画には独特の世界観があります。また、韓国映画では単純にラブストーリーやコメディとして分類できないタイプの作品が少なくありません。ホームドラマであったり戦争映画のようでもあったりとさまざま。

もちろん、ラブストーリーも人間模様を描くものであり、周囲との摩擦や交流が必要です。したがって、家庭や社会、時代といった舞台設定の中で進行します。その中にコメディ要素が盛り込まれていることもあります。

韓国ドラマのラブストーリーやコメディの多くは複数の楽しさを見つけることができます。韓国映画選びで迷ったら、男女2人が主人公の作品を選ぶとよいでしょう。

人気俳優や有名キャストで選ぶ韓国映画

テレビドラマにもいえることですが、映画を見て楽しい、面白いと感じられるのは俳優や女優の演技が一定以上のレベルにあるからです。ストーリーはよくできているのに、演技が下手でつまらなかったと感じれば、映画に費やした時間が無駄になってしまいます。韓国映画に造詣が深いユーザーは別にして、多くの日本人は韓国の俳優をよく知らないでしょう。考えてみれば、日本映画でも新人のよく知らない出演陣が出ている映画より、演技派や人気俳優の映画の方に目が行くものです。

そこで、韓国映画への入り口としては日本でも知名度の高い人気俳優を起用した作品がおすすめです。知らないキャストの作品より安心して鑑賞できます。演技派、人気俳優によって韓国映画の面白さを感じられれば、次は選択肢を広げるとよいでしょう。

日本人の嗜好や感性にマッチするおすすめの韓国映画10選

韓国映画の中には日本映画の雰囲気によく似た作品が少なくありません。その分、入り込みやすいといえます。もちろん、外国映画のため日本映画とは異なるタッチが前提です。その中からより日本人の嗜好に合う作品、鑑賞しておきたいおすすめの韓国映画10選を紹介します。

おすすめ①
  • アミューズソフトエンタテインメント
  • シルミド / SILMIDO [DVD]

  • 税込み2,980円
  • 南北分断国家の問題作

  • 「シルミド」は、韓国で実際に起きた特殊部隊の反乱を題材にした問題作です。金日成暗殺計画という部隊編成の目的以上に、その結末には国境を越えて考えさせられます。

「シルミド」は日本でも知名度の高い韓国映画の代表的作品です。朝鮮半島が南北分断国家であることを印象付ける話題作で、北朝鮮の金日成を暗殺するために編成された韓国空軍の特殊部隊の姿を描いています。この部隊が実は正規の軍人によるものではなく…。

本作は実話をベースに描かれた作品ではあるものの、事実と大きく異なる部分があるなどの指摘もあり、あくまでも映画として楽しむことをおすすめします。ただ、悲劇的な事実が戦時中国家の現実であることも認識できる作品です。

おすすめ②
  • 東芝デジタルフロンティア
  • JSA [DVD]

  • 税込み3,940円
  • あり得ないことだから引き込まれる

  • 「JSA」は、朝鮮半島の38度線、軍事境界線の共同警備区域で任務にあたる南北の前線兵士が秘密裏に交流して意図せぬ銃撃戦に発展し、その真相を究明するストーリーの韓国映画です。

「JSA」は、38度線そのものをメイン舞台として題材にした兵士たちの人間模様と南北、東西の対立を描く韓国映画の力作です。物語は軍事境界線上の区域JSAを警備する韓国側と北朝鮮側の兵士の交流を中心に進行します。現実にはあり得ないことですが、あっても不思議ではないと思わせる魅力的な場面展開です。

その中で起きる突発的な銃撃戦で北朝鮮の将校が死亡。後半は事件の調査に部隊を移します。イ・ビョンホンやイ・ヨンエといった日本でもお馴染みの実力と人気を兼ね備えた出演陣にも注目です。

おすすめ③
  • ショウゲート
  • 猟奇的な彼女 [DVD]

  • 税込み1,527円
  • 猟奇的の文字とパッケージ写真がマッチ

  • 「猟奇的な彼女」は、気弱な大学生が偶然かかわりをもってしまう猟奇的な彼女と一緒に繰り広げるコメディを楽しめる韓国映画です。純粋なラブロマンスではないためご注意。

「猟奇的な彼女」は、どこにでもいる韓国の大学生が地下鉄車内で居合わせた酔っ払い女性と関係を深めていく(巻き込まれていく)フィクションとしてはありがちなストーリー設定の作品です。これがヒット作となったのは、彼女の性格が猟奇的だという目新しい要素があるからでしょう。

相反する性格の2人だからこそ、その絡みが面白いといえます。もちろん、ただ無難に最後まで進まないのはお約束で、エンディングまで目が離せない韓国映画です。

おすすめ④
  • ギャガ
  • 私の頭の中の消しゴム [Blu-ray]

  • 税込み1,400円
  • 日本人にとくにおすすめのラブストーリー

  • 「私の頭の中の消しゴム」は、悲しいラブストーリーとしては王道ともいえる展開の韓国映画です。多くの日本人の感性にもマッチした作品といえるでしょう。

「私の頭の中の消しゴム」は、韓国映画の中でもとくに日本人好みといえるラブロマンスです。歌の文句ではありませんが、切なさと愛しさを抱きしめるような作品に仕上がっています。

家庭環境に恵まれたお嬢さんと、そうではない男性が運命的な恋に落ち、幸せに満ちた生活を送る日々が続くかのように思わせておいて…。こちら側としてはわかっている展開なのに見てしまうといった感じでしょうか。いまを精一杯生きることを再認識させられる映画です。

おすすめ⑤
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 僕の彼女を紹介します 通常版 [DVD]

  • 税込み4,980円
  • 衝撃的な場面展開は必見

  • 「僕の彼女を紹介します」は、ラブコメディファンにも純愛や悲恋路線を好むユーザーにもおすすめできる韓国映画です。猟奇的な彼女と両方を観るとより楽しめるでしょう。

「僕の彼女を紹介します」は、「猟奇的な彼女」で熱演したチョン・ジヒョンが再び好演を披露したヒット作です。この2作品は監督も同じであるためか、似通った部分があります。そこがヒットの要因になったとの指摘もありますが、安心感を求めるユーザーの支持を受けたのでしょう。

ストーリー展開としては前作を思わせるような男女の出会いを描く立ち上がりから、絶望へと突き落とす流れです。コメディと純愛を一度に楽しみたいニーズに応える仕上がりともいえます。

おすすめ⑥
  • ツイン
  • 国家が破産する日 [DVD]

  • 税込み4,227円
  • そのとき何が起きていたのか

  • 「国家が破産する日」は、韓国で実際に起きた1997年の通貨危機をテーマとした社会派のヒット作です。登場人物がそれぞれの立場で事態に向き合います。

「国家が破産する日 」は、1997年に起きた韓国のIMFによる救済を題材とした作品です。そのとき、それぞれのポジションで何が行われていたのか、この状況をどう見ていたのにスポットを当てた問題作です。中央銀行と政府の対立、混乱する市場と目の前に迫った国家破たんに向けて奔走する登場人物を描きます。

2018年の公開作で、過去の通貨危機というよりも、厳しさを増すといわれている現在進行形の状況を鑑みた人々によってヒット作へと押し上げられた一面もあるでしょう。

おすすめ⑦
  • アメイジングD.C.
  • 韓半島 [DVD]

  • 税込み2,850円
  • 日本人なら見ておきたい韓国映画の大ヒット作

  • 「韓半島」は、日本を悪として描いた大ヒット作品です。日本人から見れば荒唐無稽な内容ですが、この作品が支持される点に韓国の一面を見ることができます。

「韓半島」は、日本の劇場やテレビではほぼ公開できないタイプの韓国映画です。単純な反日映画といった種類の作品ではないものの、現代日本を悪と設定し韓国を収奪しようとする話で、それに対抗する韓国に対して自衛隊が出撃し開戦目前になるという荒唐無稽な内容だけにオープンにはできないでしょう。

それだけなら見る価値はないかもしれませんが、韓国政府内部を描く場面で韓国の考え方や実は正確な事実認識があることもわかります。普段はアンタッチャブルな分野でもあるからこそ、必見の作品だといえます。

おすすめ⑧
  • TCエンタテインメント
  • 無垢なる証人 [DVD]

  • 税込み3,218円
  • 真摯に向き合う姿が印象的な作品

  • 「無垢なる証人」は、弁護士として生きる主人公が殺人事件の証人となる自閉症の少女と向き合うヒューマンストーリーです。主人公が自分の側へ少女を引き入れるのではなく相手の中へ入っていく姿が印象的。

「無垢なる証人」は、韓国映画や韓国ドラマをいくつか見たことがあれば顔を覚えているくらい人気の高い俳優、チョン・ウソンの主演作です。ある殺人事件の弁護人を務める主人公は、被告人の無罪を勝ちとるため奔走します。無実を証明するカギを握る目撃者は自閉症の少女でした。

意思の疎通も難しい中、どうしても法廷で証言してもらう必要があるのですが、やがて2人は心が通じるようになり…。派手なアクション作品やラブストーリーとは違うよさがある作品です。

おすすめ⑨
  • ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 四月の雪 ディレクターズ・カット完全版 (初回限定生産) [DVD]

  • 税込み8,863円
  • 切なさ漂うラブストーリー

  • 「四月の雪」は、日本でも抜群の知名度を誇るペ・ヨンジュンが主演のラブストーリー。2人が出会うきっかけはお互いの配偶者の不倫という切ない設定です。

「四月の雪」は、韓国ドラマというカテゴリを日本に浸透させた「冬のソナタ」でおなじみのペ・ヨンジュンが主演を務める悲しいラブストーリーです。舞台照明の仕事をする主人公は妻の交通事故の知らせを受けて病院へ向かいます。そこで、妻の不倫と、同乗していた不倫相手との事故であるという事実を突きつけられます。

そして、主人公が出会ったのは不倫相手の妻です。裏切られた者同士が親密になるのに時間はかからず…といったストーリーです。出会った2人の切ない関係が心を揺さぶってくるでしょう。

おすすめ⑩
  • TCエンタテインメント
  • ワンナイト・カップル [DVD]

  • 税込み2,680円
  • ワンナイトから落ちる恋もある

  • 「ワンナイト・カップル」は、夜だけの関係から始まった2人がやがて本当の恋に落ちる過程を描いた韓国映画です。ドタバタと嫉妬心も交えたコメディとしても楽します。

「ワンナイト・カップル」は、男女関係の軽いノリを取り入れながらラブロマンスに仕立てていくコメディタッチの娯楽作品です。主人公の男女2人は、それぞれの元カレと元カノの結婚式で出会います。そこで一夜を共にするだけのワンナイト・カップルの関係となった2人は…。

貞操観念のしっかりしたユーザーにはおすすめできませんが、あくまでも他人事として楽しむことはできるでしょう。

戦争絡みの作品からラブストーリーまで選択肢は豊富

韓国映画に合う夜の街

日本で話題になる韓国映画には、戦争絡みのものが少なくありません。おすすめで紹介したシルミドやJSAは現在進行形で北と対峙している現実を示してくれます。また、知名度は低いものの韓半島は隣国関係について考えさせられる作品です。一方で、波乱万丈の人生やラブストーリーにも力作が揃っています。好きなジャンルにこだわるのもよし、広い分野の作品を楽しむのもよしです。


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