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未来の当たり前をつくるパナソニックのGame Changer Catapult、4つのプロトタイプが登場

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日本を代表する家電メーカーであるパナソニック。実は幅広い暮らしの課題を解決する「未来のカデン」をつくる取り組みをしていることをご存じですか? 

Game Changer Catapult(ゲームチェンジャー・カタパルト)」という名のついた本プロジェクトは、2016年にスタート。パナソニック社内からアイデアを募り、従来の家電製品の枠に縛られない、未来の当たり前をつくっています。
最近話題の、できたてを待たずに受け取れるおにぎり店「ONIGIRI GO」もGame Changer Catapultから生まれた取り組みのひとつ。2017年度の社内公募に選ばれ、SXSW 2018にも出展を果たした「OniRobot」のプロジェクトから生まれたビジネスです。

ONIGIRI GOは、パナソニックの炊飯器で炊かれたお米をロボットが握って、お客さんはアプリで事前注文と決済を行うという次世代型のおにぎり専門店。ロボットそのものを製品化するのではなく、ロボットを使ったビジネスとしてスタートしています。

掲げているビジョンは「待ち時間ゼロ、添加物ゼロ、廃棄ゼロ」。省スペースで少人数でも運営できる店舗を目指しています。新しい家電製品をつくるのではなく、技術を活かした形で新しい店舗形態をつくっている面白い取り組みです。

そんなGame Changer Catapultから、新たに4つのプロトタイプが発表されました。開催中止となったSXSW 2020にも出展予定だった「AiryTail」「DrawNet」「nafeee」「Swallowee」。未来の当たり前になるかもしれないプロジェクトを紹介します。


AiryTail(エアリーテイル)


AiryTailは、バイクライダー向けに開発されたパーソナル空気清浄マスク。本人の吸う空気を浄化すると同時に、周りの空気もキレイにするという環境貢献機能がついた未来のカデンです。

AiryTailは2種類のフィルターが空気を濾過して、PM2.5や花粉、粉塵など、大気中の粒子状汚染物質などを取り除きます。同時に、マスクについているファンが濾過した空気を放出。1回の走行で、約30人分の呼吸量に相当する空気をキレイにします。

また、走行時に受ける風を利用して首元が涼しく感じられる工夫や、99%UVカットや撥水加工なども対応しており、使用者の快適さにもこだわった仕様です。

ほかにも、AiryTailはアプリと連動しており、フィルターの交換時期や、浄化した空気の量がわかります。さらに、浄化した空気の量に応じてポイントが貯まり、フィルターの交換や、ほか商品やサービスとの交換も予定しているとのこと。

プロジェクトリーダーの山中香苗さんは、AiryTailを「地球家電」と表現します。

「個人を豊かにすると同時に、環境貢献機能もつけた地球の家電。AiryTailはその第一号です。AiryTailは使う人が増えれば増えるほど環境に貢献できます。お客さまが気付かないうちに、空気がキレイになったり、水が綺麗になったりする社会を目指しています」


DrawNet(ドローネット)


DrawNetは、お絵描きを通じて子どもの自由な発想を引き出すオンライン教育サービス。幼少期にクリエイティブ教育を受けることは、後の成長に影響をもたらすといわれています。DrawNetは、今後ますます重要となる能力として注目されている「クリエイティビティ」を育むことに貢献します。

DrawNetはプロのクリエイターやアーティストなどが先生となり、専用アプリから親子でオンライン上のレッスンに参加します。先生とのマンツーマンレッスンから複数のグループレッスンなど好みに合わせたレッスン形態が選択可能。子どもが描いた絵を先生や他のお友だちと見せ合い、コメントし合える仕組みです。

DrawNetはタブレットやスマートフォンに直接絵を描くのではなく、画用紙などに描いた絵を写真に撮って送る形式。お絵かきの技術を高めるモノではなくクリエイティビティを育むサービスなので、先生によっては毛糸などを使って立体物もつくるそうです。対象年齢は4歳~8歳の未就学児から小学低学年を想定。

プロジェクトリーダーの勝山雄介さんは、従来のオンライン教室との違いを「双方向でコミュニケーションがとれること」と言います。

「絵を描くのは成果物をつくるのが目的ではなく、そのプロセスの中での気づきが大切です。DrawNetでは先生や同じレッスンを受けているグループの子の絵を見たり見せたり、双方向でのコミュニケーション行うインタラクティブなプロセスを重要視しています。DrawNetを通して、自分の考えや気持ちを表にだす行動に自信をつけてもらい、未来の新しい価値を生み出す子どもたちになっていってほしいと思っています。」


nafeee(ネイフィー)


nafeeeは、ジェルネイルのオフ(除去)に着目したソリューション。特徴は、通常30〜40分かかるジェルネイルのオフを5分に短縮できること。有機溶剤や爪の研磨も不要で、爪へのダメージも少なくなり、よりネイルアートが身近になります。

nafeeeはネイルサロンでの使用を想定して開発されています。ネイリストがジェルネイルを行う工程に大きな変化はなく、既存のベースコートの代わりにnafeee BASE COATを塗るだけ。ジェルネイルをオフするときは研磨機などのマシンを使う必要はなく、nafeee NAIL LAMPで特殊UV光を5分間照射して待っているだけで爪の上に気泡が発生し、ジェルネイルを簡単に剥がせる状態になります。

nafeee NAIL LAMPはジェルネイルの硬化も可能です。施術したてのネイル画像はインカメラで自動で撮影してクラウドに保存され、nafeeeのアプリでいつでも見ることができます。また、nafeeeのアプリではnafeee取り扱い店舗の検索や予約も可能で、デザイン履歴がネイリストに自動で共有されるので、好みのデザインテイストを伝えやすくなります。

プロジェクトリーダーの甘利啓太郎さんは、「ネイルプリンターをつくろうとしていた」と経緯を語ってくれました。

「当初はネイルプリンターをつくろうとしていました。ただ、ユーザー調査の結果わかったことは、ジェルネイルをオン(つける)するほうは皆さん困っていなかったんです。困っていたのは、爪が傷つく、時間がかかる、といったオフのほうでした。それで180度方向転換をしてnafeeeのコンセプトにいきつきました。nafeeeはすべてのネイリストさんが簡単に使えるものを目指しています。」


Swallowee(スワロウィー)


Swalloweeは、嚥下(えんげ)障害をサポートするケア家電。嚥下障害というのは、病気の症状であったり、後遺症であったり、加齢による筋肉の衰えなどにより飲み込み(えんげ)がうまくできなくなってしまうこと。嚥下障害は、水を飲むのも飲み込みのタイミングが合わなく気管に入ってしまうことがあり、とろみをつけた飲み物を飲みます。

Swalloweeはそのとろみ飲料を自動で調理して、嚥下障害を持つ方、そのご家族の飲料を飲む際の負担を取り除きます。適切なとろみ具合の飲料をつくるにはとろみ調整食品の銘柄、飲料の種類や温度、かき混ぜる時間などに配慮する必要があり難しい作業です。

ですが、Swalloweeは最適なとろみ調整食品の量を自動で計測して、とろみ調整食品の投入からかき混ぜる動作も自動で行います。

使い方も簡単。専用のコップに飲料をいれて、コップにマドラーをセットして、とろみ具合を選ぶだけ。また、出来上がるまでにあいだ、Swalloweeによる音声案内で発声トレーニングをすることで、飲み込むために必要な筋肉をほぐして誤嚥防止にも貢献します。

プロジェクトリーダーの原田彩乃さんは「介護の未来の当たり前を変えたい」と思いを語ります。

「私たちが最終的に実現したいは、介護する側される側といった関係性がなくなる社会です。とろみ飲料をつくるのって現状本当に難しいんですね。混ぜるときにダマになってしまうことも多く、それが窒息のリスクをあげてしまうこともあり、介護する側される側どちらにも負担がかかりストレスになっています。Swalloweeを使うことで、誰でも手軽に簡単にとろみ飲料をつくることが可能です。

Swalloweeのようなケア家電を増やしていくことで、介護が必要になってもこれまでの生活と変わらないような状態で生活できる社会になればいいなと思っています」


製品化するにはフィードバックが大切


「AiryTail」「DrawNet」「nafeee」「Swallowee」は、どれも従来の家電の枠に囚われていない価値を提案する「カデン」です。こうした「カデン」は、わたしたちが実際に使い、改善していくことで、製品化や事業化につながります。

冒頭で紹介した「ONIGIRI GO」は、元々は「OniRobot」というおにぎりを自動でつくるロボットのプロジェクトでした。しかし、期待する顧客が実際に体験して、フィードバックすることで、店舗出店までにいたりました。

今回ご紹介したカデンは、まだスタートしたばかり。皆さんの声次第で、近い将来、あなたのもとで活躍する可能性があります。気になったプロトタイプがあれば、ぜひ、想いをぶつけてみてください!

各プロジェクトについて、詳しくはGame Changer Catapultサイトにアクセスしてご確認ください。

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