甘口の日本酒おすすめ8選!スーパーで買えるものから高級品まで
近年日本酒の人気が高まっており、その中でも甘口は初心者でも飲みやすい日本酒として人気です。ただ甘口だけでも多くの日本酒があるので、どれが自分に合う甘口の日本酒なのか迷ってしまうかもしれません。そこで自分好みの甘口が見つけられるよう、甘口の日本酒の選び方やおすすめの甘口をご紹介します。
目次
甘口の日本酒の見分け方とは?
日本酒の味わいを表現するときに「甘口」「辛口」といった表現をよく使用します。ただ日本酒の瓶に甘口などとは書かれておらず、どのように判別していいのか分からない方もいるのではないでしょうか。ここではまず甘口・辛口がどのように決まるのか説明したうえで、判断の目安となる指標をお伝えします。
甘口・辛口はバランスで決まる!
日本酒の甘口・辛口を決めるのは、糖や酸のバランスです。実は甘口や辛口の定義は明確に決まっておらず、個人の感覚によって異なります。ある人が甘口だと感じたお酒が、別の人にとっては辛口だと感じる場合もあるのです。ラベルに記載された数値だけでなく、製造方法や原材料などによっても味わいは変わります。
ただお酒によって例外もあるものの、ラベル等に記載された「日本酒度」と「酸度」の2つの指標の見方を知っておけば、ある程度甘口・辛口の判別ができるようになります。
日本酒度とは
日本酒度は、水に対する糖の比重を示しています。銘柄によって日本酒の瓶に記載されており、この指標が甘口・辛口の指標になります。
糖分が多く含まれるとマイナス、一方糖分が少ないとプラスと記されます。そのため甘口を飲みたい場合は、日本酒度がマイナスのものを選ぶようにしましょう。マイナスが高ければ高いほど多く糖分が含まれているため、「大甘口」のお酒になる傾向があります。
ただ日本酒度の数値だけで甘口になるとは決まりません。もう1つの指標「酸度」も一緒にみる必要があります。
酸度とは
酸度は、日本酒の製造過程で生まれる乳酸やコハク酸、リンゴ酸などの酸の量を示した数値です。これらの酸は酸っぱさを示すのではなく、日本酒の味わいにキレを与える効果があります。
同じ日本酒度のお酒の場合、酸度が低い方が甘口の傾向にあります。しかし酸度が高いからといって辛口とは限らず、酸度の高い甘口のお酒もあります。酸度も日本酒度も、あくまで目安としてご確認ください。
糖と酸のバランスで変わる「濃醇甘口」と「淡麗甘口」
日本酒の味わいは、ご説明した日本酒度と酸度のバランスで決まります。さらに甘口・辛口は、大きく分けて「濃醇(のうじゅん)」と「淡麗」の2種類に分類されます。
濃醇甘口は酸度が高く、お米本来の甘さを感じられる甘口です。どっしりとしたコクがあるお酒のため、おつまみは同じく甘みの強いすき焼きやクリームチーズ、チョコレートなどがよく合います。ます。しっかりとした甘みのある日本酒を飲みたい人にはおすすめです。
一方淡麗甘口は、酸度が低いお酒です。すっきりとした味わいで後味が甘く、飲みやすさが特徴になります。口に甘みが残りすぎないため、様々なおつまみとあわせられ
日本酒度や酸度にとらわれすぎるのはNG
ご説明した日本酒度や酸度は甘口のお酒を知る目安にはなりますが、どんなお酒にも当てはまる基準ではありません。原材料や製造方法、温度帯によって、さらに飲む人の感覚によって甘みの感じ方は変わってきます。
近年では、ラベルに日本酒度や酸度をあえて非公開にする蔵元もあります。数値を気にしすぎず、お酒の味を楽しむようにしてください。
「スパークリング清酒」で日本酒のイメージが変わる!
日本酒をあまり飲んだ経験がなかったり、悪酔いした過去がある方はなかなか日本酒がとっつきにくく感じるかもしれません。そんな方にぜひおすすめしたいのが、甘口の中でも女性を中心に人気がある「スパークリング清酒」です。
スパークリング清酒は発泡性の日本酒で、フルーティな味わいはスパークリングワインのようで、初めて飲むと「これが日本酒?」と驚く方も多いです。一般的な日本酒よりアルコール度数が低いため、悪酔いする可能性も低いです。
有名なスパークリング清酒だと、宝酒造の「澪」や一ノ蔵の「すず音」などがあげられます。これから日本酒に挑戦する方は、ぜひ甘口のスパークリング清酒をお試しください。
自分に合うのはどれ?甘口の日本酒の選び方
甘口の日本酒を選ぶうえでは、日本酒度や酸度だけではなく、他にも選ぶ基準となる条件があります。これらの条件もふまえて選べば、自分の求めている甘口に出会いやすくなります。ここでは代表的な2つの基準を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
①日本酒の製造方法や精米歩合で選ぶ
日本酒は原料やお米の磨き具合を示す精米歩合、製造方法によって分類されています。
まず日本酒を大きく分けると醸造アルコールを使った「本醸造タイプ」と、醸造アルコールを使わない「純米タイプ」に分けられます。そこから精米歩合の数値によって、下の図のように純米吟醸や純米大吟醸などとわけられていきます。
醸造アルコールはキレのあるすっきりとした味にする効果があるため、お米本来の甘みが強い純米タイプのお酒の方が甘口が多い傾向があります。特に純米吟醸や純米大吟醸はフルーティーな味わいで、飲みやすい甘口になっています。もちろん純米酒の辛口、本醸造酒の甘口もありますので、あくまで目安としてお考え下さい。
②酒蔵やお米の産地で選ぶ
日本酒は全国各地で造られており、酒蔵やエリア、銘柄によって強みやこだわりが異なります。
例えば米どころとして有名な新潟県では、日本酒に使われるお米として有名な「五百万石」の原産地です。かつては「久保田」や「八海山」のような淡麗辛口が主流でした。しかし2019年3月27日の朝日新聞デジタルの記事によると、近年では甘みを強調したフルーティーな甘口も多く生産されるようになっています。
また同じエリアであっても、酒蔵によって使用する酵母や熟成期間などが違えば、全く違った味わいになります。もちろんインターネットで情報を仕入れることもできますが、酒屋で直接聞くのがおすすめです。近年では酒屋が蔵元から直接仕入れるケースが増えており、それぞれの蔵元の情報もよく知っています。迷った場合にはお近くの酒蔵に行ってみてください。
酒屋厳選!本当においしい甘口の日本酒5選
本当においしい甘口を飲みたいなら、自分で選ぶよりプロに聞いた方が安心です。そこで多くの日本酒を扱っている横浜の酒屋におすすめの甘口をご紹介いただきました。ご紹介いただいたのは、全国の蔵元から直接57銘柄を仕入れる「徳丸商店」さんと、全国の蔵元を集めた「日本酒蔵元サミット」を主催する「丸十商店」さんです。
徳丸商店でおすすめの甘口として最初に紹介いただいたのが「たかちよ」です。新潟県の高千代酒蔵でつくられた「たかちよ」は、徳丸商店でも特に人気がある甘口の日本酒となっています。たかちよの特徴は、ある果実を想定して日本酒を作っている点です。この黄緑ラベルは「メロン」をイメージされています。「よく日本酒の甘みをフルーティーと表現しますが、たかちよはまさにフルーツそのもののような味わいです」とスタッフの方が教えてくれました。
お米のうまみが感じられるおりがらみによって、濃厚な甘みが感じられます。原料米や精米歩合、日本酒度、酸度などのスペックはあえて提供していません。数値にとらわれず、日本酒の味わいにまっすぐ向き合ってみてください。
米どころ山形県にある楯の川酒造がつくる、公式キャラクター「たてにゃん」が描かれた日本酒です。かわいらしい見た目の一方、中身の日本酒は華やかな香りが特徴の純米大吟醸です。
楯の川酒造では「100年後に世界中の高級日本食レストランで提供される日本酒になる」目標を掲げ、純米大吟醸酒だけを作る方針に切り替えました。かつ高級なイメージのある純米大吟醸でも身近に感じてもらうため、値上げは最小限に抑えたまま質の高い日本酒をつくりました。
ご紹介している「たてにゃん vol.8」は、2020年5月下旬より数量限定で販売されています。口当たりはソフトでも華やかな香りのする上品な甘口で、5度くらいの冷酒で味わうのがおすすめです。販売時期によってたてにゃんの絵柄や味わいが変わるので、何度飲んでも楽しめる甘口です。
人気のあまり東京都内ではなかなか手に入らない人気銘柄「十四代」の高級日本酒です。日本酒度の数値だけ見ると辛口に分類されるものの、飲んでみるとマスカットやメロンのような甘みを感じられるフルーティーな甘口です。
日本酒の名前にもなっている「龍の落とし子」は、山形県の高木酒造が18年かけて生み出した十四代のための酒造好適米です。貴重な十四代はプレゼントとして送っても喜ばれるはずです。独特の香りや力強いキレをお楽しみください。
フレッシュな香りが評判の純米生酒です。「東京発の旨い酒を全国に発信したい」という豊島屋酒造4代目の熱い思いによって生まれたブランド「屋守」は、果実のようにジューシーでフレッシュな味わいが特徴です。
上槽の中盤に出てくる中取りのお酒は安定した味わいが特徴で、ろ過などは行わないためお米のうまみがガツンと伝わってきます。「屋守」を代表する1本で、日本酒初心者でも飲みやすい甘口になっております。
岩手県盛岡市に蔵がある創業明治29年の赤部酒造は、「美味しくないお酒は絶対に出さない」をコンセプトに、2014年から「AKABU」の銘柄を新たに誕生させました。2011年の東日本大震災の津波の影響で蔵が倒壊してしまいましたが、2013年より場所を変えて「盛岡復活蔵」で日本酒の製造を行っています。多くの酒蔵が後継者不足で悩まされる中、赤部酒造の蔵人は20代の若者が多く働いています。
お米は岩手県産の「結の香」を使用し、岩手県産の酒米の最高峰と呼ばれる山田錦より雑味が少なく澄んだ味になっています。フルーティーな香り味わい、透き通るようなのどごしが特徴です。
スーパー・コンビニで買える!安いおすすめの甘口3選
自宅で日本酒を飲むとき、手軽に利用できるスーパーやコンビニでお酒を購入する方も多いと思います。ただ「日本酒は辛口」のイメージが根強いからか、販売されている日本酒の多くが辛口になっています。
そこで今回はスーパーやコンビニで販売されている日本酒を調査し、品ぞろえを確認しました。日本酒を購入したい際にはぜひ確認してみてください。
スパークリング清酒の中でも人気の高い「澪(みお)」は、多くのスーパーやコンビニで販売されています。アルコール度数は5%と低く、マスカットのようなフルーティーな甘さで女性を中心に人気の高い日本酒です。
飲みやすい小さめのサイズも販売されております。
大きめのセブンイレブンで販売されていた純米酒「菊姫 純米酒 金劔」は、お米のうまみや甘みのきいたやさしい味わいが特徴です。2~3年熟成されており、、柔らかく飲みやすい甘口です。常温と40~45度程度のぬる燗が最もおすすめの飲み方です。
多くのコンビニやスーパーで取り扱いのある菊水がつくる、甘口の生原酒です。累計3億本(2017年11月時点)を売り上げ、200mlの飲みやすい大きさで多くの人に愛されています。
ワンカップの日本酒は多くが辛口の中、菊水一番しぼりはブランデーのようなコクとフルーティーな旨口が味わえます。冷ややオンザロックがおすすめの飲み方です。
終わりに
甘口の日本酒は、お米の甘みやうまみが感じられ、初心者はもちろん日本酒通や辛口派の方にも飲んでいただきたいものがたくさんあります。カジュアルで安いものから高級なものまで様々ありますので、ぜひ自分好みの日本酒を探してみてください。
おすすめの甘口をご紹介いただいたお店
おすすめの甘口を教えていただいた店舗をご紹介します。
①徳丸商店
徳丸商店では店主が蔵元まで足を運んで厳選した57銘柄を、蔵元直送で取り揃えています。中には神奈川県内で徳丸商店だけが扱っている日本酒もあるため、遠方からも多くの方が来店しています。店内の照明は日本酒にやさしいLEDに切り替え、冷蔵庫の温度は0度に常に保つなど、保存状態にも最大限の気配りがされているので安心して購入可能です。
②丸十酒店
店内の棚や巨大な冷蔵庫にびっしりとお酒が並べられている丸十商店には、全国の日本酒を始めウイスキーや焼酎なども取り揃えています。1988年に創業した丸十商店には、数百種類のお酒が取り揃えられています。全国の蔵元の日本酒が味わえる「日本酒蔵元サミット」を定期的に開催しており、多くの蔵元とつながりがあります。たくさんの日本酒の中から自分にあう1本を選びたい方は、ぜひ足を運んでみてください。
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