編集部撮影

Galaxy S25 Ultraをレビュー カメラやAI機能がさらに進化したサムスンのフラッグシップ機

Taniguchi Munenori
最終更新日: 2025-07-17

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サムスンは長年にわたり、Androidスマートフォンの代表格とも言える人気スマートフォンGalaxyシリーズを展開し、米国市場においてはアップルのiPhoneに次ぐ人気を誇っています。

日本国内では、IDC Japanの調査による2024年の出荷台数ベースの市場実績ではアップル、シャープ、Google、レノボに遅れをとっているものの、高性能な製品を中心に展開して高い収益性を確保する、堅実な販売戦略が評価されています。

そして2025年6月現在、そのGalaxyスマートフォンの中でも最上位に位置する⁠のが、2025年2月に発売された「Galaxy S25 Ultra」。

今回編集部では、サムスン電子ジャパンからこのフラッグシップ機「Galaxy S25 Ultra」の無償貸与を受け、スマートフォンに詳しい編集部員による実機レビューをお届けします。

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  • サムスン(Samsung)
  • Galaxy S25 Ultra 256GB

  • 税込み199,800円(Amazon)
  • 広角も望遠も鮮明な写真表現


外観と第一印象

Galaxyシリーズ

左:Galaxy S25 Ultra 右:iPhone 16 Pro(筆者撮影)

Galaxyシリーズのラインアップは、アップルのiPhoneシリーズほど単純ではないものの、製品名でその機種の特徴がわかる仕組みになっています。

Galaxy S25 Ultraの場合は、Galaxyに続く「S」の文字(Super Smartの意とされる)が、Galaxyシリーズのなかでもっとも高性能なモデルであることを意味し、続く数字が発売年、そして最後の「Ultra」が、大画面および一部のスペックを強化したモデルであることを表しています。

前年のモデルであるGalaxy S24 Ultraは、側面フレームに丸みを持たせたデザインを採用していました。一方、Galaxy S25 Ultraは、側面を含めたすべてを平面だけで構成し、ベゼルレス感を高め、より洗練された雰囲気になりました。

Galazy S25 UltraとiPhone 16 Pro(上)の側面の形状(筆者撮影)

手に持ってみると、切り立つような側面の手触りが剛性の高さを感じさせます。また、フレーム部分はS24 Ultraで初採用したチタニウム素材を使用し、画面サイズのわりに軽い印象も受けます。

前年モデルのGalaxy S24 Ultraも、フレームにはチタニウム素材を採用しているものの、Galaxy S25 UltraはS24 Ultraよりも15g軽い218gに抑え、持ったときの重量バランスも良いように感じられます。

背面は手触りの良いマット仕上げになっています。しばらく使ってみても指紋が目立つようなことはなく、見た目の清潔感が損なわれることもありません。

全体の操作感については、アプリの起動や操作したときの画面遷移、アニメーション表示などが非常に高速で、処理速度の高さが感じられます。ゲームなどをプレイする際にもストレスを感じることはなさそうです。

仕様と性能

Galaxy S25 Ultraは、6.9インチ 120Hz駆動のQHD+(3120 × 1440px)解像度Dynamic AMOLEDを搭載しています。

表面はコーニング社のGorilla Armor 2 ガラスパネルを新たに採用。メーカーによると、パネルはS24 UltraのGorilla Armorと比較して、耐破損性が29%向上したとのこと。ディスプレイ輝度が最大2600ニトなのは、S24 Ultraから変わっていません。

スマートフォンの頭脳となるSoC(System on a Chip。統合プロセッサー)には、クアルコムのSnapdragon 8 Eliteを採用。このSoCは内蔵するCPUコアがArm CortexベースだったSnapdragon 8 Gen 3からアーキテクチャーを一新し、クアルコム社が基礎設計から手掛けた高性能チップです。

さらに12GB RAM、256GBのストレージ、Qi2ワイヤレス充電対応5000mAhバッテリーを搭載しています。

背面カメラは、レンズが「ト」の字に並んだ4カメラシステムで、解像度はそれぞれメインカメラが200MP(2億画素)、超広角が50MP(5000万画素)、超望遠が50MP(5000万画素)、光学3倍望遠1000万画素という構成。超望遠用のカメラは光学5倍と、最大100倍のデジタルズーム(写真の場合。動画は最大20倍⁠)で撮影できます。

超広角カメラが、S24 Ultraの1200万画素から大きく高精細化した一方、自撮り用のフロントカメラは12MP(1200万画素)で変化がありません。⁠

その他の特徴として、Wi-Fi 7への対応、5G UWB、IP68定格、超音波指紋リーダー、顔認識といった機能を備えています。⁠仕様表に記載されていない従来モデルからの進化として、ベイパーチャンバーと呼ばれるヒートシンクが40%も大型化し、CPUの熱をより効率的に逃がせる設計になったことで、スマホ本体の発熱を抑える効果が期待できます。

iPhoneユーザーの筆者が見たGalaxy S25 Ultra

左がGalaxy S25 Ultra、右はiPhone 16 Pro

左:Galaxy S25 Ultra 右:iPhone 16 Pro

画面サイズはiPhone 16 Pro Maxとほぼ同じではあるものの、iPhone 16 ProのSuper Retina XDRディスプレイは解像度が2868×1320pxであるため、数値上、画素の密度ではGalaxy S25 Ultra(3120×1440)に軍配が上がります。

ただ実際には、どちらの製品も非常に高精細なため、肉眼でその違いを認識するのは困難です。

テーブルの上にGalaxy S25 Ultraと、iPhone16 Proを並べて置き、同じウェブページを表示してみると、Galaxy S25 UltraのディスプレイはiPhoneよりも青が強めに見えます(手持ちのiPhone 15 Proと比較しても同様の印象でした)。

左がGyalaxy S25 Ultra、右がiPhone 16 Pro。それぞれデフォルトのカメラモードで撮影した画像を比較

左:Galaxy S25 Ultra 右:iPhone 16 Pro(デフォルトのカメラモードで撮影)

青が強いのは撮影した画像も同様で、梅雨の合間に現れた青空をGalaxy S25 UltraとiPhone 16 Proで撮影し、それぞれをPCに取り込んで比較してみると、Galaxy S25 Ultraで撮影した画像はiPhoneで撮った画像に比べて、空の青さが鮮やかに見えます。

左は1倍、右は100倍デジタルズームで手持ち撮影した写真

左:1倍 右:100倍ズーム(手持ちでの撮影)

また、Galaxy S25 Ultraのカメラは、強力な手ぶれ補正機能によって、手持ちでの望遠撮影でも鮮明な画像が撮れます。

上の写真を撮影した同じ海岸では、はるか遠くに釣り人がいるのを見つけたので、1倍と100倍ズームでどのように写るかを比べてみました。

生成AI編集「Galaxy AI」に驚く

左上下がGyalaxy S25 Ultra、右上下がiPhone 15 Pro。iPhoneの修正箇所にはやや不自然な歪みが見えます。

左:Galaxy S25 Ultra 右:iPhone 16 Pro(アサガオの花をAI編集で除去)

つづいては、AIを使用した画像編集機能を試してみます。海岸の遊歩道のわきの茂みに、ひとつだけぽつんと咲いていたアサガオを撮影し「生成AI編集」機能で消してみることにしました。

iPhone(iOS)には、同じ機能として「クリーンアップ」があるので、今回は手持ちのiPhone 15 Proで比べてみます。

花を消す処理にかかった時間は、iPhoneのほうは1~2秒ほどですぐに終わりましたが、Galaxy S25 Ultraのほうは体感で5秒前後かかりました。ただ、結果はご覧の通りで、iPhoneの編集結果は背景の葉っぱがやや不自然に歪んでいるところがある一方、Galaxyのほうはよく見てもそれほど違和感を感じない出来映えに仕上がりました。

(なお、この比較の画像は逆光の条件下で撮影したのですが、Galaxy S25 Ultraのほうがコントラストの補正がうまく効いています。iPhoneのほうも、同じような逆光で撮影した他の写真では補正が効いているものもあるため、何らかの条件でホワイトが強く出てしまったと考えられます)

もうひとつ、こんどは通りかかった無人駅のフェンスに掲示されていた「津波避難」の掲示物を消してみて、そのビフォーアフターを見てみます。

左側がGalaxy S25 Ultra、右側がiPhone 15 Pro

左:Galaxy S25 Ultra 右:iPhone 16 Pro(掲示物をAI編集で除去)

まず、iPhone 15 Proでクリーンアップ処理を行った結果を見ると、掲示物を消したあとに金網は再現されたものの、金網の先に見える景色が不自然です。

そして、Galaxy S25 Ultraの生成AI編集を試したのですが、この結果は良い意味で期待を裏切るもので、フェンスの金網を再現しつつ、その背後にある見えないはずの遮断機のボックスやコンクリートの溝蓋までもが描き込まれ、ちょっと見ただけなら不自然さがありません。

Galaxy S25 Ultraの生成AI編集の精度の高さを実感しました。

写真になにかを加えたいときは「AIスケッチ」

AIスケッチで写真をかんたんに加工

撮影画像(左)の葉の上にカタツムリを合成

Galaxy S25 Ultraには、Sペンと呼ばれるスタイラスペンが付属し、ちょっとした落書きやメモを取る操作が素早くできます。指先での操作だと、小さなソフトウェアキーボードの入力をミスしやすい人などは、Sペンを使ってみてください。

さらに、「AIスケッチ」と呼ばれる機能を備え、写真に足したいものをSペンで描き加え、AIでリアルに合成できます。

数ステップで落書きレベルのカタツムリが本物のようになりました

数ステップで落書きレベルのカタツムリが本物のように

上の写真は、ギャラリーにあった小さな花の写真を使い、葉っぱの上にカタツムリを描き加える様子です。操作も簡単で、写真を選んで画面下中央にあるAI編集用のアイコンをタップ、Sペンでかんたんにイラストを描いて、「生成AI編集」のボタンをタップするだけです。

楽しめるスマートフォン

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  • サムスン(Samsung)
  • Galaxy S25 Ultra 256GB

  • 税込み199,800円(Amazon)
  • 広角も望遠も鮮明な写真表現

まとめ

iPhoneユーザーの目線でGalaxy S25 Ultraを試してみたわけですが、率直な感想を言えば「これひとつでいくらでも楽しめる」という感じです。

大きく鮮やかなディスプレイは、寝転がったり好きな姿勢でYouTubeやAmazonプライム・ビデオのような動画サービスを視聴するのにちょうど良く、またカメラ機能ちょっとした日常の風景も色鮮やかに切り取ることができます。

さらに、写真に⁠生成AIで編集加工を加えるのもSペンを使って直観的にできるため、できあがった画像をSNSなどに⁠投稿するのが楽しくなりそうです。絵心のある人なら、いつでもどこでも、ポケットからスッとGalaxy S25 Ultraを取り出して、いくらでも描いて楽しむことができるでしょう。

サムスンのGalaxy向けユーザーインターフェース「Une UI 7」は、各種AI機能のためによく考えて作られている印象を受けました。機能が多彩で何から使えばよいか迷うほどでした。

次に、Galaxy S25 Ultraのある生活をより便利で豊かにするためのおすすめアイテムを紹介します。

〈PICK UP!〉おすすめの周辺機器

PICK UP➀
  • サムスン
  • Galaxy Buds3 Pro

  • 税込み38,500円(公式サイト)
  • サムスン純正の完全ワイヤレスイヤホン

  • Galaxy AI機能に対応し、音声で音楽や電話への応答などが可能です。Galaxyスマートフォンとの組み合わせにより、まるで通訳のように外国語の音声をリアルタイムで翻訳して聞くこともできるため、海外へ出かけることが多い人に便利かもしれません。

    アクティブノイズキャンセリング(ANC)も搭載しているため、地下鉄など騒音の大きな場所でも音楽や動画の音声に集中できます。サムスン独自のScalableコーデックにより、最大96kHz / 24bitのハイレゾ相当の音質で音楽を楽しめます。

形状:カナル型、完全ワイヤレス
接続方式:Bluetooth 5.4
対応コーデック:SBC、AAC、Scalable(サムスン独自)
防水・防塵性能:IP57
最大バッテリー持続時間:ANCオン6時間、ANCオフ7時間
PICK UP②
  • サムスン
  • Galaxy S25 Ultra Sペン

  • 税込み8,140円(公式サイト)
  • もしもの時の予備に

  • Galaxy S25 Ultras専用のSペンです。イラストを描いたり、文字入力に使ったり、PCのマウスのようにGalaxyの各種操作を行えます。ソフトウェアキーボードの入力でミスタッチが多いなら、Sペンでの入力のほうが快適に感じられるかもしれません。

    旧機種からはBluetooth機能が省略されており、カメラ撮影時のリモコンシャッターとして使うことはできなくなりました。それでも、Galaxy S25 Ultraの使いやすさの一端を担うデバイスであるため、万が一、紛失したときのために1本は予備があると安心です。

筆圧検知性能:4096段階
ペン先サイズ:0.7mm
サイズ:5.8 x 105.6 x 4.35 mm
重さ:2.92 g
防水・防塵性能:IP68
PICK UP③
  • エレコム
  • W-QS11BK

  • 税込み7,194円(公式サイト)
  • 動画を視聴しながらでも充電できるスタンド型

  • ワイヤレス充電規格Qiに対応する充電器。スタンド型なので、スマートフォンを充電中も動画を視聴したり、充電中に時計表示ができるスマートフォンなら置き時計のようにも使えます。

    出力は最大12Wで、3つの充電コイルを内蔵しているため、スマートフォンを縦に置いても、横置きでも充電が可能。AirPodsの充電にも対応します。

対応充電規格:Qi 5W、アップル 7.5W、サムスン 10W / 同12W(EPP)
ワイヤレス充電規格:Qi (EPP)
入力:最大5V/2A、9V/2A、12V/1.5A、USB PD対応
入力端子:USB Type-C
サイズ:約74 × 88 × 115mm
ライター兼クリエイター
Taniguchi Munenori
ライター。ガジェット全般、宇宙、科学、音楽、モータースポーツetc... 電気・ネットワーク技術者。
実績媒体:TechnoEdge、Gadget Gate、Engadget日本版、Autoblog日本版、Forbes JAPANほか

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