剪定バサミは、庭木や果樹の枝を切ることに特化した専用のはさみです。

バイパス型とアンビル型の2種類があり、太い枝や硬い木も楽に切れる電動式やラチェット式といったタイプもあります。

この記事では、初心者におすすめの剪定バサミの選び方と、人気メーカーのおすすめ商品を紹介します。

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庭木の剪定に必要な道具は？

庭木の剪定をスムーズに進めるには、木の太さや高さに合わせた道具（刃物）を使い分けることが大切です。

まずは、どのような道具があり、どんな役割を持っているのかを知っておきましょう。

最初に揃えたい「剪定バサミ」

剪定バサミは、庭木のお手入れに欠かせない万能な道具です。

片手で扱え、人の指くらいの太さである直径約1.0～2.5cm程度の生木を切るのが得意です。

伸びすぎた枝や混み合った不要な枝を根元から切り落とすなど、基本的な剪定作業でもっとも活躍します。まず最初に揃えるべき道具と言えるでしょう。

全体の形を整える「苅込バサミ」

苅込バサミは、生垣などの広い面積を均一に刈りそろえ、バリカンのように全体の形を整える役割をもつ道具です。

両手で持つ長いハンドルが特徴で、広範囲の細い枝葉（直径約1.0cm程度）を効率よく刈り取れます。

1本1本の枝を切るのではなく、全体の輪郭（アウトライン）をスピーディーに整えるのが得意で、生垣の天面や側面をまっすぐに仕上げる作業などに便利です。

また、苅込バサミを片手で扱えるよう小型・軽量化した「片手苅込バサミ」もあります。

太い枝の処理に使う「太枝切バサミ」

太枝切バサミは、剪定バサミでは歯が立たない太い枝の処理に使う道具です。

苅込バサミと同じように両手で持つ長いハンドルが特徴で、テコの原理を利用して直径約2.5～5.0cmの枝も少ない力で切断できます。

剪定バサミでは少し手強いという枝の処理に適しています。

ハサミ類では切断不可能な枝には「剪定のこぎり」

剪定のこぎりは、ハサミ類では切断不可能な太い枝や幹を切るための道具です。

ハサミと違って、枝が密集していても刃を差し込んで切ることができ、作業スペースが限られた場所でも活躍します。

切断能力は直径5.0cm以上で、製品によっては非常に太い幹まで対応できます。枯れて硬くなった枝の処理などにも適しています。

繊細な仕上げ作業には「植木バサミ」

植木バサミは、松の剪定や盆栽、玉散らしなど、日本庭園に見られるような繊細な仕上げ作業を得意とするハサミです。太い枝を切るのではなく、あくまで形を整えるための道具です。

刃が細く長いため、枝が込み合った場所にも刃先をスッと入れて、狙った小枝や新芽だけを正確に切り取れます。

切断能力は直径約1.0cmまでと剪定バサミには劣りますが、全体の形を美しく整えたり、風通しを良くしたりする緻密な作業に適しています。

このように剪定道具には、それぞれ得意とする分野が異なるため、庭木の状態や用途に合わせて使い分ける必要があります。

これから道具を揃えるなら、まず基本となる「剪定バサミ」を用意し、庭木の成長や作業内容に合わせて「太枝切バサミ」や「剪定のこぎり」を買い足していくのが良いでしょう。

そして、生垣など形を整えたいものができたら「苅込バサミ」を検討するという順番で揃えていくのがおすすめです。

剪定バサミの選び方

庭木のお手入れを始める初心者が「最初の1本」を選ぶなら、さまざまな場面で活躍する「剪定バサミ」がおすすめです。

ここからは、剪定バサミを選ぶ際にチェックすべき4つの重要なポイントを解説します。

剪定バサミの種類で選ぶ

剪定バサミは、刃の構造から「バイパス型」と「アンビル型」という2つの種類があります。切りたい枝や用途に応じて使い分けると良いでしょう。

生木を切るならバイパス型がおすすめ

上下の刃がすれ違うことで、枝をスパッと鋭く切るタイプです。

太くて硬い枝はやや切りにくい反面、切り口がきれいなため、木の成長を妨げにくく、生木を切るのに適しています。

市場に出回っている剪定バサミのほとんどがこのバイパス型です。

太い枝や硬い枯れ枝の処理にはアンビル型がおすすめ

片側が鋭利な1枚刃、もう片側が受け台（アンビル）になっており、包丁とまな板のような仕組みで切るタイプです。

太い枝でも切断しやすく、片刃のため、左利きの方にも使いやすいのが特徴です。

大量の剪定作業や硬い枯れ枝などの剪定にはアンビル型がおすすめです。

剪定バサミの機能で選ぶ

握力に自信のない方や、より効率よく作業したい方は、便利な機能にも注目しましょう。

少ない力で太い枝を切りたい方はラチェット式がおすすめ

ラチェット式は、ハンドルを数回握り直すことで、テコの原理を利用して段階的に枝を切断する機能です。

一度に力を込める必要がないため、握力に自信がない方でも、手強く感じる太い枝を楽に切断できます。

作業量が多い方には電動式がおすすめ

電動式は、トリガーを引くだけで刃が自動で動くタイプです。

作業負担が大幅に減るため、たくさんの枝を剪定する場合や、できるだけ力を使いたくない方に便利です。

ただし、剪定バサミと比べて本体が重くなることや、充電が必要な点も考慮しましょう。

手の大きさや軽さで選ぶ

剪定バサミは、自分の手長（てなが）に合ったサイズを選ぶことが、疲れにくさと安全な作業につながります。手長とは、中指の先から手首のしわまでの長さのことです。

一般的な剪定バサミのサイズは180〜220mmですが、目安として自分の手長と近い全長のハサミを選ぶと良いでしょう。

例えば、手長が約17cmなら全長180mm、約20cmなら全長200mmのものが適しています。

また、サイズと合わせて重さも重要です。軽量なモデルは取り回しがしやすく、長時間の作業でも腕の負担を軽減してくれます。

刃の材質・加工で選ぶ

刃の材質は、切れ味の持続性やサビにくさに大きく関わります。

どちらも優れた材質ですが、初心者には、お手入れが簡単な「ステンレス製」が扱いやすくおすすめです。

また、刃の表面に「フッ素コーティング」などが施されているものは、サビ防止になるだけでなく、木のヤニ（樹液）や汚れが付きにくいので、こちらもチェックしてみてください。

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