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サステナブルな未来がそこに。スタートアップと大企業の良い関係とは? J-POWERらイベント開催

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未来を感じる動画メディア『bouncy』では、日々好奇心を刺激するプロダクトやサービスを紹介しています。今回は未来をワクワクさせる企業が集まったトークイベントの模様をお届け。

サステナブルな未来を描くスタートアップと、大企業がどんな形で「ヨノナカゴト」に関わっているのか。その一端が垣間見られました。

サステナブルな世界線に立つ企業

イベントは、スタートアップを支援するSpireteと、電力会社である電源開発株式会社(J-POWER)の共催によるもの。トークセッションにはJ-POWERが出資する、新日本繊維株式会社、circuRE act株式会社、株式会社Hydro-VENUSの代表が集まりました。

新日本繊維は、火力発電などで生じる灰やスラグと呼ばれる副産物を原料に工業繊維を生成する技術を持つ企業です。自身を物理学者と語っていた深澤裕社長は、同社の工業繊維「BASHFIBER」について、放射線耐性があり放射線を遮へいするため宇宙産業などに活用できると語りました。

circuRE actの塩原祥子社長は、長く化粧品業界にいた経験から化粧品には非常にたくさん石油が使われている現状を説明。微細藻類からSAF(サフ)と呼ばれる「持続可能な航空燃料」の研究を進めるJ-POWERに着目し、藻から生成されたオイルによる化粧品開発を行っていることを紹介しました。

Hydro-VENUSは、水流で発電する水力発電機を展開する岡山大学発のスタートアップです。上田剛慈社長は、海や川などに設置し、持続的に電力を生み出せる技術としてだけでなく、水量を管理するための流速計にもなるため、治水面でも効果的であるとアピールしました。

スタートアップが大企業とビジネスするには?

J-POWERは、火力発電、水力発電を軸に、風力や地熱発電も手がける電力会社です。戦後復興の電力を支えるために設立された国策企業でしたが、2004年に民営化されました。2024年4月にはイノベーション推進部が立ち上がり、投資やスタートアップとの協業を行っています。

火力発電から排出される副産物を新素材とする新日本繊維。石油の代わる自然由来の素材で暮らしに潤いや彩りを添えるcircuRE act。水流を資源とした新たなエネルギー開発を進めるHydro-VENUS。トークセッションに集結したスタートアップも、J-POWERらしい企業となっています。

では、これらスタートアップが大企業とビジネス展開していく上で、どのような課題があるのでしょうか。

新日本繊維の深澤社長は「スタートアップには必ず、トランジション(変化)が起こる。大企業と関わりを持つことで人材の出向を受けられる」と話しました。変わり者の多いスタートアップに、優秀な大企業のリソースが使える点をメリットと説明。その一方「フィーリングが合わない時にやめられるか。本当の友人になれるかが大事」としました。

circuRE actの塩原社長は、スタートアップと大企業のスピード感の違いを語り、研究開発や意思決定のスピード感は圧倒的にスタートアップにあるとしました。circuRE actでは、スピード感を理解してもらいながらJ-POWERへ微細藻類の大量培養を期待していると話しました。

「スタートアップは常にリスクを取っており、スピード感が必要」と語ったのはHydro-VENUSの上田社長。組織力に限界のあるスタートアップは、量産面や信用面で大企業と協業するメリットを紹介しました。

これを受けてJ-POWERイノベーション推進部の中嶋嘉昭部長は、Facebook(Meta)のザッカーバーグCEOの言葉を借りて「リスクを取らないのが最大のリスク。我々はスタートアップに選んでもらえる事業にしなければならない」と話しました。

大学発ベンチャーがピッチに登壇!

イベントではこのほか、多数のスタートアップがピッチを行いました。

信州大学のコロソニックは、企業や鉱山などの廃棄物や廃液から貴金属を回収し、利活用するプロジェクトを紹介。

石川県立大学の環境微生物研究所は、牛が草を食べてメタンガスを発生させることをヒントに、雑草や野菜くずなどからメタンガスを意図的に発生させ発電させる装置を説明。

このほか、北里大学の海洋生命科学部は、安価な飼料素材を配合することで養殖用の高級魚介飼料を生産するシステムの説明しました。

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