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身体改造の最先端の現場に立ち会って、20年以上。今回は、サイボーグになりたい改造人間ラス・フォックスを紹介する。
まずは彼の驚くべき身体改造から見ていこう。
額にはツノのようなインプラント、舌は2つに割れたスプリットタン、顔面の半分にはホワイトタトゥーで電子基板の模様が彫られており、ブラックライトで蛍光色の光を発する。
そればかりか、彼はマイクロチップ、マグネット、電子機器などを埋め込む「ボディハッキング」を実践者しており、「サイボーグになりたい改造人間」として世界的に有名である。
そんな彼の近未来生活を覗くため、カナダ・バンクーバーを訪ねた。
マイクロチップがある近未来生活
ラス・フォックスの両手には、複数のマイクロチップやマグネットが埋め込まれている。
LEDが点灯する機器ノーススターを胸部に埋め込んでいたこともあった。その外観はまるでウルトラマンだ。
ノーススターとは、ボディハッキングの先駆者ティム・キャノンが開発したもので、五百円玉程度で、マグネットを近づけると約10秒間LEDが点灯する。充電機能はないので、約2年間でバッテリーが切れてしまう。そのため、ラスもその機器はもう取り出してしまった。
さっそく、彼の自宅を訪問した。玄関はスマートロック、チップを埋め込んだ手をかざすと鍵の開閉が可能だ。愛車のバイクもチップで起動できる。自宅の家具に仕込まれた護身用銃もチップで即座に取り出せる。
もちろん、チップには個人情報が入っており、初対面の人との名刺がわりに。そればかりか、非常時のために重要パスワードやファイナンス情報もすべてチップに入れてあるが、極秘情報のチップを身体のどこに埋め込んでいるかは内緒だ。
彼の仲間たちもボディハッキングを実践
ラスの仲間たちもボディハッキングの実践者だ。
取材に訪れた際には、近所に住むコスプレ好きのイラストレーター、ビンキーがマグネットを埋め込む現場に立ち会うことができた。
ピアッシング専門店を営むラスは、ボディハッキングの希望者のサポートもしているのだ。
「これで、私もサイボーグよ」と、彼女は意気揚々と、街中に消えていった。ここバンクーバーでは、ボディハッキングは身近なものとして受け入れられている。
ラスの親友というマグネット・マジシャンは、マグネットを埋め込んで人気者になった。あえて、マグネットの埋め込みを最初にバラしておいて、磁石不要の手品と織り交ぜて行うことでその変幻自在ぶりが引き立つのだ。
バンクーバーから車で2時間半、カルガリーに近い街でアンティークショップを営むゴールディは、自然豊かなカナダの山道を歩くのが大好きで、北を向くと振動する機器「ノースセンス」を装着している。この機器は、サーフェイスピアッシングの要領で台座を皮膚下に貫通し、皮膚から飛び出したヘッドに機器を固定するタイプのものだ。機器の振動に敏感に反応できるのは身体と一体化するように装着されているからである。
「普段から北を意識して生活するようになったわ」と彼女は、東洋思想にも傾倒しており、寝るときは北枕を避けているという。
実用性だけに着目すると、まだまだ実験段階だが、新しいボディハッキングのアイディアを自らの身体でいち早く体験してみることこそが彼らのプライドであり、楽しみなのだ。
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2021年6月、ラス・フォックスとZoomによる最新のインタビューを行った。
「パンデミックの影響で長い巣篭もり生活が続いていたけど、お陰で新しいボディハッキングのアイディアがたくさん生まれているよ」と彼はいう。
たとえば、LEDが点滅する高性能なマイクロチップ、手の動きを読み取る埋め込む機器、太ももに設置するハードディスクなど、実用面を強化した機器が試されている。
具体的な最新情報が得られたら、随時ご紹介していきたい。
お見逃しなく!
Body Modification Artist