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国際社会が協力して2030年までの達成を目指す「SDGs(持続可能な開発目標)」を通して、中学3年生が「きたる未来」を考える授業が、このほど都内で開かれた。
英語から日本語へ翻訳してSDGsに関係したコピーを作ることや、どんな社会課題の解決に向け資金を集めたいかなどについて専門家の助けを借りながら知恵を出し合った。
次世代を担う若者たちがつかんだものは、大きかったようだ。
大和証券 全面サポート
授業があったのは私立の青山学院中等部(東京都渋谷区)。選択授業「ソーシャルイノベーション入門」で2週にわたり、75分ずつの時間を使った。男女23人の生徒が参加した。
中学3年生の段階では通常、資金集めなど「お金」について学ぶ機会は少ない。また、SDGsそのものを理解する上でも、専門家の助けがあると助かる。
そのため、証券会社大手の大和証券が全面的にサポート。特別講師が教壇に立ったり、生徒たちが4班に分かれて実施したグループワークで社員たちがサポート役に回ったりした。
「証券会社のSDGs」学ぶ
授業は9月中下旬に行われた。1週目の授業では「証券会社のSDGs」を学ぶ時間が
あった。大和証券グループ本社で経営企画部SDGs推進室長を務める川那部留理子さんが、話をした。
そこで生徒たちが学んだのは、「SDGs債」。証券会社が投資家とSDGsプロジェクトを結びつけ、新たなお金の流れを生む仕組みだ。社会課題解決のために使われる特徴がある。福祉や教育などのほか、環境問題の解決に資するグリーンプロジェクトのための資金調達も、このSDGs債に含まれる。
オリジナルのコピー作り
2週目の授業ではまず、4班ごとに割り当てられたターゲットのコピー作りに取り組んだ。SDGsでは、17の目標と169のターゲットが設定されている。英語で書かれているこの169のターゲットを、自分たちなりに翻訳してみようという試みだ。
もちろん機械的に翻訳するのではない。数人のグループに分かれた生徒たちは、それぞれのターゲットが目指していることを踏まえ、自分たちなりの日本語コピー作りに励んでいた。
グループワークの最中には、大和証券の社員が時にアドバイスをしたり、新たな視点を提供したりした。生徒の1人がホワイトボードに書き留めつつ、時間を意識しながら、最後は画用紙にコピーを記した。
債券のアイデア出せるまでに
また、1週目で習ったSDGs債の新しい債券案を考えることにも挑戦した。
「途上国の教育(学校の先生の数)」発展に寄与するものや、「さまざまな再生可能エネルギー普及をサポートする制度をつくる 」「風力発電所をつくる費用に充てる」などのアイデアが出た。
班を代表した生徒の発表が終わると、毎回、生徒たちからは拍手が起きた。
1週目の授業で「SDGs債」の話が出たときは、そもそも債券になじみがない生徒たちには、ちょっととまどったような表情も見られた。2週目の授業までの1週間で、理解を深め、具体的なアイデアを出せるまでになっていた「学ぶ姿勢」に好印象を抱いた。
生徒「新鮮」「意識が大事」
2週目の授業終わった後、生徒2人と担当した教諭に話を聞いた。
泉谷(いずたに)汐音さんは、「SDGsについて話すことは日常ではないので、その場を設けてもらって話し合ったり意見交換したり、考えていることを共有するのが新鮮で、それが良かったかなと思いました」。
石原弘さんは、「(用意された)資料自体もわかりやすかったし、話しもユーモアがあり楽しく受けられた。物事を重く考えないで気軽にやってみることで、世界はちょっとずつ変わっていくので、意識が大事だなと思いました」。
教諭の三好文子さんは、「色々な気づきをさせてもらったなと思っています。生徒もそうですし、私もそうですし。刺激を受けられた、ありがたい機会でした」。「心にとめておいて将来的に何かに結びつけるとか、そういうところに(中学)3年生で学ぶ意味がある」。
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世界の課題に目を向けた今の中学生たちが、2030年の世界を動かすようになるかも?
※青山学院中等部の取材では、bouncy編集部の2人は常時マスクを着用し、ソーシャルディスタンス確保に努めました。また、インタビュー中の教諭と生徒は、表情を伝えるためマスクを外していますが、周囲に他の生徒たちがいない三密回避の状態を確保しています。
日本語コピー募集中
「SDGs169ターゲットアイコン日本版制作委員会」は、全国の子どもたちから169ターゲットの日本語コピーを募集しています。学校単位でも、個人単位でも応募できます。
締め切りは11月末。こちらからご応募ください。