Culture

12世紀の要塞型集合住宅「土楼」をリノベーション。すたれゆく伝統が現代によみがえる

中国福建省にある「土楼」と呼ばれる住宅。12世紀ごろ、盗賊から身を守るための砦を起源とする要塞型巨大集合住宅だ。

中国の伝統的概念「外に閉じ内に開く」に従って設計されている。外部は周囲を厚い土壁で覆われ、通常1つしかないその入口も鉄板で頑丈に補強された板戸で守られている。中に入ると建物中央には共同スペースの中庭があり、それを囲むように居住スペースが積み上げられている。

土楼には一族で住み、生活を送るため対等な共同生活をおくるという考え方をもつ。すべての部屋は同じサイズ、材料、内装、同じ窓や同じドアで造られている。
基本的に1家族で1階から最上階まで垂直区分で所有し、大きな家族になれば、2つか3つの区分を所有する。風呂、トイレ、洗面所は共同となる。
こういった土楼が福建省内には今でも2万棟以上が点在している。その中の46棟がユネスコの世界遺産として登録されている。

このように長い歴史を持つ土楼。しかし移りゆく時代の中で土楼を取り巻く環境も変化してきた。
建築当時は重要な要素であった「防衛」という意識が薄れ、より住居としての「利便性」に重きが置かれるようになった。そういった変化の中で住民は土楼に住みやすいように改修を加えたり、放置され荒廃するものも出てきた。

そんな現状を憂う学生が若い感性でリノベーション

こうした背景の中「Rural Urban Framework」は、香港大学や「Hong Kong Design Institute」の学生と共同で土楼を見つめ直し、改めてみんなが一緒に暮らすことができるように空間の改装を実施。
伝統的な建造物である土楼に現代のニーズを反映したリノベーションを加えることでプロトタイプ建築を作り上げた。

壁に取り付けた新しいエントランス「プラグイン」

「プラグイン」は木製の階段になっている。エントランスとしてだけでは無く、あるときはひな壇になったり、またあるときは座れる読書スペースだったり休憩できる日陰になったりもする。マルチな空間として利用されている。

中庭の共有空間を再考した「タワー」

「タワー」は上空へと開かれた木製のらせん階段で、階段のリズムや大きさを変えることで、お茶を飲んだり、橋の上を歩いたり、バルコニーから景色を眺めたりできる。

時の流れの中に取り残された伝統的な建造物である土楼に、現代のアイデアを反映し新しい価値を見いだす。これが歴史、伝統と共存し未来へと歩んでいく一つの答えなのではないだろうか。

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あなたも歴史、伝統に新たなアイデアを加えれば次のステージへとアップデートできる!!

土楼

Rural Urban Framework 

CREDIT
Videographer/writer :すえいし ただし
Curator :Masaaki Ishino
SNS :にしまり

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