〈プロ解説〉土鍋おすすめ14選 おしゃれなタイプや機能性に優れたものを紹介
鍋料理だけでなく、炊飯や蒸し料理を作るときにも活躍する土鍋。歴史ある萬古焼や伊賀焼のほか、ガスとIHの両方に対応している土鍋など、さまざまな商品があり、どれを選ぶべきか迷いがちです。
この記事では、土鍋選びのポイント3つと人気商品について、家事アドバイザー・料理家として活躍する河野真希さんに解説していただきました。ぜひ参考にしてください。
▼ 調理器具の役立つ情報を紹介
まずはプロおすすめ、土鍋7選
おすすめポイント
萬古焼の老舗である銀峯陶器のロングセラー商品。白とグレーのグラデーションに花の文様をあしらった伝統的なデザインと、その耐久性の高さから、土鍋の定番となるほど長く人気を保っています。料亭やレストランなどで使われることも多く、きっと誰もが一度は目にしたことがある土鍋でしょう。底が広く平らで、深さもあるため、食材がたっぷりと入って、吹きこぼれしにくいのが特徴です。また、直火だけでなく、オーブンや電子レンジで調理ができるのも魅力。サイズは1人用の6号から、5〜6人用の10号まであり、好みの大きさを選べます。花三島シリーズとして、とんすいやレンゲセットなどもあるので、あわせて揃えるのもおすすめです。
おすすめポイント
家庭用食器の人気ブランド・スタジオエムによる「ドゥーブ」は、和にも洋にも合うアンティーク風デザインの土鍋です。いわゆる和の鍋料理はもちろん、ポトフやシチュー、アクアパッツァなど洋風の料理にもしっくりとなじみます。直火、オーブン、電子レンジでの調理が可能なうえに、一般的に土鍋が苦手とする空焚きができるため、炒め物にも使えます。たとえばカレーや麻婆豆腐など、最初に具材を炒めてから煮込む料理も、これひとつで完了するので便利です。サイズは1人分のグラタン皿にもなる5号から、5〜6人の囲み鍋にちょうどいい10号まであります。アメと白の二色展開で、どちらも料理を引き立てる落ち着いた色合いです。
おすすめポイント
老舗の耐熱ガラスメーカー・HARIOならではの炊飯用土鍋です。土鍋でご飯を炊くと「ちゃんと沸騰しているのか」「火加減は合っているのか」と心配になることがありますが、こちらはフタが透明のガラスなので、中の様子を確認できます。さらに、途中で火加減を調整する必要がなく、火を止めるタイミングもホイッスルが教えてくれます。加熱する時間はわずか10分程度。難しい印象のある土鍋ご飯を、簡単に楽しめます。鍋は深さがあり、底はラウンド型。炊飯時にお米が対流しやすく、炊きムラのないふっくらとしたおいしいご飯が炊きあがります。サイズは1〜2合用と2〜3合用があります。目止め(水漏れなどを防ぐためにお粥を炊く作業)の必要がないので、購入後すぐに使い始められます。電子レンジや食洗器が使用できるのも便利です。
▼「フタがガラスのご飯釜」を紹介する公式動画がこちら
おすすめポイント
長谷園は江戸後期から続く伊賀焼の窯元で、耐火性・蓄熱性の高い伊賀の土を使った商品を製造・販売している会社です。さまざまな土鍋を作っていますが、その中でも「かまどさん」は炊飯用土鍋のベストセラーとなっています。特徴的なのは、中フタがあること。吹きこぼれを防ぐと同時に、二重のフタが圧力釜の機能も果たすため、お米がふっくらとおいしく炊き上がります。また、厚みのある鍋が熱をしっかりと蓄えて、緩やかに伝えていくので、炊いている最中の火加減の調整は不要。火を止めたあとも高い温度を保ったまま蒸らすことで、芯までじっくりと熱が伝わります。1合炊き、2合炊き、3合炊き、5合炊きの4サイズがあります。
▼「長谷園かまどさんの基本の使い方」を紹介する公式動画がこちら
おすすめポイント
おしゃれな調理家電で有名なBRUNOによる土鍋「IHセラミックポット」は、これまでにないデザインとカラーで、置いてあるだけでもキッチンや食卓が華やかになります。フタをはめ込むフチを深くした「落とし構造」が、吹きこぼれによるコンロの汚れや鍋の焦げ付きを防ぎます。セラミックのコーティングは汚れやニオイ移りの心配が少なく、目止めも不要。直火だけでなく、IHやオーブンなど幅広い熱源に対応しています。土鍋と同色のIHクッキングヒーターも販売されているので、あわせて購入すると、よりおしゃれなテーブルコーディネートが楽しめます。
おすすめポイント
「テーブルを囲んで美味しい時間をシェアする」というコンセプトを持った「KAKOMI」は、日々に寄り添う生活道具を提案するブランド・KINTOによる土鍋です。その見た目のスタイリッシュさに加えて、機能面も充実しています。まず、直火、IH、電子レンジ、オーブンなど、使用できる熱源が豊富。蒸し料理が簡単に楽しめる、すのこも付属しています。これをセットして調理すれば、余分な油分が落ちるため、おいしくヘルシーに仕上がります。また、土でできている土鍋は、一般的に吸水性が高く、ニオイやカビがつきやすいものですが、KAKOMIは吸水率が低いので、長く清潔に使えます。目止めをする必要がない点も便利です。サイズは1〜2人用の1.2Lと、3〜4人用の2.5Lがあります。
おすすめポイント
「Karl」は、プロユース向け食器ブランド・M.STYLEが、家庭でも気軽に安心して使えることを考えて作った土鍋です。一番の魅力はその軽さ。土鍋は重たくて、扱いにくいこともありますが、これは一般的な土鍋の半分ほどの重さなので、年配の方でも安心して使用できます。また、フチが深めなので吹きこぼれにくかったり、低い吸水率でニオイ移りがしにくかったりといった細かな気配りがある点もうれしいところ。サイズは1〜2人用の6.5号、2〜3人用の8号、4〜5人用の9号の3種類があります。カラーは鍋部分が黒なのに対して、フタがいずれもやさしい色合いのベージュとグレーの2色展開で、かわいくおしゃれな印象です。別売りで蒸し皿やとんすい、レンゲなどがあり、土鍋とあわせて揃えても素敵でしょう。
土鍋の選び方、Q&A
土鍋の選び方について、Q&A形式で3つ紹介します。
河野 真希さん
熱伝導率が低い土鍋での調理は、じっくりと食材に火が通ることから、旨みや甘みが引き出されたり、煮崩れしにくかったりといったメリットがあります。また、蓄熱性が高いため、余熱調理も可能。食卓に鍋ごと置いておけば、温かい料理を長く楽しめます。
Q1、土鍋選びで注目すべきポイントは?
Photo by iStock
河野 真希さん
土鍋を選ぶ際には、まず、どんな料理を作りたいのかを考えておくことが大切です。作りたい料理によって、適した鍋の深さや熱源が変わってきます。
冬の定番である鍋料理を作るのであれば、口径が広く浅型の鍋が使いやすいでしょう。具材が沈みにくく、中身がよく見え、大人数でひとつの鍋をつつきあうようなシーンに向いています。
一方、炊飯のほか、おでんやポトフといった煮込み料理には、深さのある土鍋がおすすめです。吹きこぼれにくいので、汁気の多い料理に向いています。
なお、炊飯がメインであれば、炊飯専用の土鍋も多く販売されています。口径が狭く、深型で鍋底が厚くなっていて火が均一に通りやすいため、ご飯がふっくらとおいしく炊けるのが魅力です。
また、直火だけでなく、クッキングヒーター(IH、ラジエント、シーズなど)に対応している土鍋もあります。土鍋を購入するときは、使用する熱源に対応しているかどうかを必ず確認しましょう。
さらに、オーブンや電子レンジで使える土鍋も増えています。オーブンでグラタンやケーキを作ったり、電子レンジで蒸し料理や炊飯をしたり、温めなおしたりするのにも便利です。
Q2、適切な大きさの土鍋を選ぶには?
マルミツポテリ スタジオエム ドゥーブ(筆者撮影)
河野 真希さん
土鍋の大きさは、一般的に号数で表されます。商品によって差はありますが、1号=約3cmで計算すると、その鍋全体のおおよその直径がわかります。5号(15cm)は1人用、6〜7号(18〜21cm)は2人用、8号(24cm)は3人用、9号(27cm)以上は4人用以上というのが目安です。
なお、号数はあくまで土鍋の直径を示しているにすぎません。同じ号数でも、浅型と深型では容量が異なります。「思ったよりも食材が入らない」といった失敗のないように、手持ちの鍋と比較して、容量が足りるか確認するとよいでしょう。
また、土鍋は大きくなればなるほど重量が増えます。あまりに重いものだと、運びにくく、収納に困ることも。持ち運びやすいか、収納する場所を確保できるかも検討してから購入することをおすすめします。
Q3、代表的な産地の土鍋の特徴は?
Photo by iStock
河野 真希さん
土鍋の産地によっても、その特性に違いがあるため、作りたい料理や使い勝手を考えながら選ぶとよいでしょう。
三重県四日市市の「萬古焼」は耐火性に優れていて、陶器が苦手とする直火や空焚きに堪えられる商品もあり、頑丈で安心感があります。
また、三重県伊賀市の「伊賀焼」は、蓄熱性が高く、じっくり食材に火を通すため、煮込み料理に向いているといわれています。土の風合いを残した自然なデザインも魅力です。
土鍋、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数ある土鍋の中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの商品を紹介します。
外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
重量 |
人数 |
対応熱源 |
---|---|---|---|---|---|---|
【筆者おすすめ】銀峯陶器 花三島 土鍋 8号 |
1970年代からのロングセラー品 |
幅27.5×高さ14cm/口径25cm |
2kg |
2〜3人用 |
直火・オーブン・レンジ・ラジエントヒーター |
|
【筆者おすすめ】マルミツポテリ スタジオエム ドゥーブ 8号鍋 |
和にも洋にも合うデザイン |
幅28.8×奥行23.9×高さ12.7cm/口径23.9cm |
記載未確認 |
2〜3人用 |
直火・オーブン・レンジ |
|
【筆者おすすめ】HARIO(ハリオ) フタがガラスのご飯釜2〜3合 GNR-200 |
ホイッスルの音で炊きあがりがわかる |
幅27×奥行23×高21cm/口径20cm |
2.45kg |
記載未確認 |
直火・レンジ |
|
【筆者おすすめ】長谷園 かまどさん四合炊き ACT-04 |
熱をしっかり蓄えて、緩やかに伝える |
直径24.5×高さ20cm |
4.5kg |
3〜7人用 |
直火・オーブン |
|
【筆者おすすめ】BRUNO IHセラミックポット BHK267 |
吹きこぼれにくい「落とし構造」 |
幅29×奥行24×高さ12.7cm(持ち手、フタ取っ手含む)/口径22cm |
2.4kg |
記載未確認 |
直火・IH・オーブン(フタは除く)・シーズ・ハロゲン・ラジエント・エンクロヒーター |
|
【筆者おすすめ】キントー(KINTO) KAKOMI IH土鍋 2.5L |
IHやオーブンなどさまざまな熱源に対応 |
幅31.5×高さ14.5cm/直径27.5cm |
約2.8kg |
3〜4人用 |
直火・IH・オーブン・レンジ・ハロゲンヒーター・ラジエントヒーター |
|
【筆者おすすめ】ミヤザキ食器 M.STYLE Karl(カール) IH軽量土鍋8号 KAL0308 |
家庭で気軽に使える軽い土鍋 |
幅29.2×高さ9.5cm/口径24.5cm |
1.22kg |
2〜3人用 |
直火・IH・オーブン・レンジ・ハロゲン |
|
佐治陶器(Saji Touki) 一器三役 |
煮る・炊く・蒸すができるアイテム |
幅27×奥行32×高さ17.5cm |
約3.7kg |
2~3人用 |
直火・オーブン・レンジ |
|
Francfranc 萬古焼 まるい土鍋 6号 |
シンプルで使い勝手のよい土鍋 |
幅21.5×奥行18.5×高さ11.5cm |
約1.027kg |
記載未確認 |
直火・オーブン(フタは除く)・レンジ(フタは除く)など |
|
イシガキ産業 吹きこぼれにくい土鍋 モダン 6号 |
フチが高めで吹きこぼれにくい形状 |
約奥行19×高さ11cm/直径23cm |
記載未確認 |
1~2人用 |
直火 |
|
モラトゥーラ(Molatura) bestpot 16cm BP-16 |
煮込み料理に使える土鍋。無水調理も |
約幅21(持ち手含む)×高さ13.5(フタ含む)cm/直径16cm |
2.1kg |
1~2人用 |
直火 |
|
永新陶苑 トウジキトンヤ Tstyle IH土鍋 金属板入 9号 91023 |
保温性・耐熱性に優れた萬古焼土鍋 |
幅32.5×奥行28.5×高さ14.5cm |
記載未確認 |
3~4人用 |
直火・IH・オーブン・レンジ |
|
TAMAKI 吹きこぼれにくい軽量IH土鍋 9号 カーサ |
IHに対応。高耐熱セラミックの本体 |
幅32.8×高さ16.5cm/口径28.5cm、底面18cm |
1.94kg |
4~5人用 |
直火・IH・オーブン・レンジ |
|
みのさらら ゴスハケメ 深鍋 10号 |
5~6人で鍋を囲むのにおすすめ |
幅35×奥行30.5×高さ18cm |
記載未確認 |
5〜6人用 |
直火・オーブン・レンジ |
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