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VRで未来の映画館?SXSW 2018の「Virtual Cinema」

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ゲームプレイとは異なり、主に視聴をメインに作られた次世代のVR映像で、2018年は16作品のワールドプレミアが上映されたSXSWの「Virtual Cinema」。拡張現実でストーリーテリングをつづる映像の視聴体験を可能にする「VR映画館」では、数百人が待機するほどの注目を集めていた。

VR×ストーリーテリング

「Virtual Cinema」は3日間のみの開催で、フロアではワールドプレミアを含む様々なVR映像を体験できるブースが出展されている。いずれも5〜40分程度の短編作品となっており、大がかりなアトラクションを使った作品も見られた。

人気作品には行列ができ、待機リストに200人以上が登録していることも。いずれもVRとストーリーテリングの融合に挑戦した次世代の映像作品となっており、著名な監督やVRクリエイターが手がけた最先端のVR映像を体験することが可能だ。

Chorus

SXSWを含む世界中のVRに関するアワードを受賞した「Chocolate」のVRクリエイターTyler Hurdの最新作「Chorus」。映像作品ながら6人同時で体験するというコンセプトで、ハンドコントローラーによる操作も可能なゲーム寄りの作品。

自らが女性戦士になり、不思議な空間を移動しながらモンスターに立ち向かう。周りを見ると他のプレイヤーが動く様子がわかり、ボイスチャットで会話することも可能だ。音楽はフランスのエレクトロデュオ「Justice」が担当し、迫力ある映像と音楽をインタラクティブに楽しめる内容となっている。

https://www.youtube.com/watch?v=JjS2C5bkQRg

Aeronaut

VRヘッドセットを装着すると、仮想現実でピアノを演奏するグラミー賞受賞アーティスト、ビリー・コーガンのライブが始まる「Aeronaut」。精巧に作られた3Dモデルのビリー・コーガンは臨場感抜群で、本当にライブを訪れたかのような没入感が得られる。

また、視聴中にハンドコントローラーを動かすと、手から灯籠が出てきて空に飛ばすといった操作性も加えられている。周囲の環境も幻想的な世界から、桜散る和風の世界に変わっていくなど、ライブ映像の新しい表現を提案する作品となっていた。

制作を手がけたのはMTVなどを放送するメディア・コングロマリットViacomのスタジオ「Viacom NEXT」であるため、将来的にはMTVなどの既存のメディアとコラボレーションが組まれる可能性もあるそうだ。

Living With Jaguars

動画メディア「VICE」のブースでは、野生のジャガーが出没するブラジルの農村部を描いたドキュメンタリー「Living With Jaguars」のワールドプレミアが上映されていた。没入感の高いVRでジャガーの危機にさらされる人々の生活を垣間見ることで、まるでその場にいるような緊迫感を味わうことができるのだ。

なお、「Virtual Cinema」開催期間の最終日である15日には、別の場所でNHKが「8K+3D Sound Theater」の上映を行った。4K(3,840×2,160)の2倍となる8K(7,680×4,320)の超解像度プロジェクターと、22.2ch(スピーカー24個)という配置で、サカナクションのライブ映像や東京各地のタイムラプス映像を上映した。

NHKは、2018年12月からは世界初の8K放送を開始する予定で、VRとは異なる方向性の新しい映像の鑑賞体験が提案されていた。

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最先端のVR映像で未来の鑑賞体験を可能にする「Virtual Cinema」。近年ではより鮮明な巨大なスクリーンや音響を強化した「IMAXシアター」で、まるで映画の中にいるような没入感を得ることができ、IMAXフォーマットで撮影された映画も存在する。

一方で、VRヘッドセットは装着するだけで、IMAXに匹敵するといっても過言ではないほどの没入感が得られる。VRとストーリーテリングの融合は、映像作品がたどるべき一つの道筋なのかもしれない。

Virtual Cinema

▼開催期間:

2018年3月13日〜15日

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