プラスチックや樹脂を材料として立体を造形できる3Dプリンターは、製造業における試作はもちろん、低価格化により個人用途での使用も増えるなど幅広く普及するようになった。
この素材で3Dプリンティングすることで、今までにない柔らかさを持った立体物を造形することが可能となる。
何がすごいの?
これは RICOHの複合機やプリンター用インクで培った材料技術を応用し、水分や無機材料、有機高分子をナノレベルで混ぜ合わせることで実現された特長である。
さらに複合機やプリンターのインクジェット技術と組み合わせることで、今までは困難とされていた中空構造(内部に空洞がある構造)といった複雑な造形も可能に。
既存の3Dプリント技術の限界を超える技術は、多くの分野から注目され、期待が寄せられている。
医療分野で進む活用
ソフトマテリアル3D造形技術にいち早く注目したのが医療の分野だ。
ハイドロゲルは質感や物理的性質が人体や人の器官に似ていることから、手術前のシミュレーションやトレーニングで使用される臓器モデルとしての活用が始まっている。
技術開発に協力している横浜市立大学 医学部 准教授 槙山和秀氏にお話を伺った。
例えば患者さんがいて、患者さんは自分の体で手術の練習をされたくないですよね(笑)
だから私たちは、実際に手術をする前に、知識面でも技術面でも手術ができる状態になっていないといけない。
そういう意味でも、手術の練習というのは非常に大事なんですね。
手術の練習っていろんなやり方があるのですが、その一つとして、動物や遺体を使って練習をする方法が挙げられます。
ただ、動物や遺体を使った練習の機会ってそんなに多くはないんですね。非常に費用がかかりますし、感染症などの問題や倫理的な問題も伴います。
しかし、臓器モデルを使った練習であれば、毎日できますし、とことんまで追求できますから、これから需要が高まると思います。
今使っているものは腎臓に腫瘍が付いたモデルで、腫瘍を切り取り、その患部を縫い合わせる、という練習に使っています。この場合、本物と同じような感覚で切れるか、本物と同じように縫い合わせることができるか、というのが大事になってきます。
欲を言えば、出血を止める練習をするモデルなど、いろんな手術のシーンに適した臓器モデルが開発されるといいなと思います。
臓器だけでなく、人間の体自体をモデル化できるようになれば、新しい手術方法の発見や医療機器の開発にもつながるのではないか、と思います。
そういう期待も込めて、臓器モデルの役割は大きいですね。
ところで
こういった新しい技術を見ると、スパイ映画に出てくるような他人になりすますマスクや、指紋付き手袋などSF的な活用を妄想してしまうのはbouncyだけだろうか?
あなたなら柔らかさを自由に造形できる3Dプリント技術でどんなものを出力してみたい?