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7月18〜19日に開催された「SoftBank World 2019」に行ってきました。SoftBank Worldでは近年「AI革命」を打ち出していますが、どこまで来ているのでしょうか? 取材してきました。
「もし、われわれに未来を語ってくれる水晶玉があったら、すごいと思いませんか?」ーーそんな孫正義氏の言葉から、今年のSoftBank Worldは始まりました。
毎年目玉となるのが、孫正義氏の基調講演。孫さんは次のように続けました。
「人類は、空を飛ぶ鳥をみて、あんなふうに飛べたらいいなと、飛行機の原型をダヴィンチが生み出しました。天空を舞う星空をみて、もしかしたら空が動いているのではなく自分たちが立っている地面が動いているのではないかと考えた人物がいました。当時はタブーとされていたコペルニクスの地動説は、人間のものの考え方を根底から変えました。このように、人類はいろんなものを推論しながら進化をしてきました。この推論するという力は、進化のもっとも大きな源泉になっています。そこに欠かせないのがデータです。人類の進化は、私はさらに加速すると思っています」
そんなはっとさせられるような言葉のあとに、AIの重要性を続けて語りました。
「もう実験室の中での実験は終わりました。それらの武器を、ビジネスに使うときです。SoftBankはその分野の世界一、最低でもその地域の1番ばかりに投資しています。働く人の90%が農業をやっていた時代は、2000年続きました。それが機械化されて、それ以外の仕事が生まれ、人間が進化していきました。AIに全てをやらせようというのは間違いです。人間もそうであるように、AIも適材適所なのです」(孫氏)。
そして、昨年と同じ質問を会場に投げかけました。
「自分の会社にはAIに特化したエンジニアが1000人いるという会社はいますか?」ーー同じ質問が投げかけられてから1年経った今も、会場にいる日本の会社からは1人も手が上がりませんでした。「私はインターネットがはじまったとき、とても興奮していろいろな企業を買ったり自分で事業を始めたりしました。今回のAI革命は、そのとき以上の興奮があります」と、孫さんはとてもわくわくしながら話し、そして他の会社がここに取り組まないことを不思議そうに「なぜやらないのか」と会場に問いかけました。
また、自動運転についても述べました。「自動運転車は、最大のロボットに値します。車が自動化されて、事故の起きない世界が生まれていく。われわれ人類はこれまで、多くの自動車事故を起こしながら、それでも妥協してこの文明の利器である車を使ってきました。しかし、この事故が100万分の1に削減できたらーーそんなふうに私は思います」(孫氏)。
SoftBank World 2019では、そんな孫氏の思いが少しずつ具現化されていたように思いました。
ソフトバンク