長友選手が語る『脂質をエネルギーとして使いやすくする』秘訣とは

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長友選手が語る『脂質をエネルギーとして使いやすくする』秘訣とは

長友選手が語る『脂質をエネルギーとして使いやすくする』秘訣とは

日清オイリオグループ株式会社
2019-09-20

~MCT(中鎖脂肪酸油)を活用した ファットアダプテーション~

三大栄養素の一つ、脂質をスポーツでどう活用するか。
食を通じた体づくりにこだわるサッカーの長友佑都選手と、スポーツ栄養学が専門の寺田新・東京大学准教授が語り合った。2人が注目するのは、脂質の中でもMCT(中鎖脂肪酸油)。
トップアスリートのパフォーマンス向上ばかりでなく、日常の暮らしでも健康に役立つ可能性が明らかになりつつある。そのメリットとは。

スポーツ栄養学における 脂質の重要性

寺田 スポーツ栄養学にはトップアスリートの食事を科学的に検証する側面もあります。きょうは興味深いお話が聞けそうです。
長友 僕のポジション、サイドバックは攻撃にも行くし、守備にも戻らないといけない。特に運動量が求められます。僕は今年で33歳になります。疲労やケガからのリカバリーが難しくなってきますが、今後も世界で戦える選手として生き残りたい。そこで食事を考えるようになり、今のファットアダプトな食事法にたどり着きました。おかげで今は若い時以上にいいコンディションで戦えています。
寺田 運動中のエネルギー源には糖質と脂質がありますが、それぞれ特徴があります。糖質をエネルギーにすると短距離走のように瞬発的な運動に適しているけれど、体内に蓄えられる量は少ないから枯渇しやすい。一方、脂質は持久走のように長時間の運動の際にエネルギーとして使われ、体内に大量に蓄えられています。その脂肪をいかに有効に活用するかが長時間の運動時に重要になってきます。

体に与える運動と栄養素の役割

長友 科学的には「ファットアダプテーション(※1)」とはどういうことなのですか?

(※1)ファットアダプテーション
食事中の脂質の摂取割合を増やすことで体脂肪をエネルギーとして使いやすい状態にする食事法。

寺田 持久的なトレーニングによって脂肪の利用が高まり、長時間運動時のパフォーマンスが向上することは知られています。同じように、体が脂肪をエネルギー源として使いやすくするために、食事からの脂質の摂取を増やす方法、これをファットアダプテーションといいます。これまでのファットアダプテーションは、糖質を極端に減らして脂質を増やすことで、食事の脂質エネルギーの比率を70~80%まで高めるものです。ここまで極端に脂質を高めると、肝心な時に糖が使えない体になるデメリットが知られています。長友選手の食事法は、糖質3:脂質4:たんぱく質3ですね?(重量比であり、脂質のエネルギー比率は50〜60%)
長友 そうです。実は、糖質をゼロにする食事を試したこともあるんですよ。でも、体がどんどん痩せていって、練習の時からエネルギー不足を感じる状態。これは自分に合っていないなと。
寺田 長友選手の場合はマイルドなファットアダプテーションなのだろうなという印象があります。サッカー選手では、長時間運動中に脂質もエネルギー源として使いながらも、状況に応じて糖質を上手に使う必要があります。他の競技でも有効かどうかはまだ分かりませんが、サッカー選手にとっては理にかなった食事であるかもしれません。

MCTを活用したファットアダプテーションによる持久力向上

長友 僕の体は、糖質と脂質の両方とも上手くエネルギー源として使えるんですよね。僕らも90分の試合の中で、全部、ダッシュすることはできないし、ダッシュしている回数はそこまで多くない。脂質をエネルギーとしたパワーを使えると、90分間いい状態というか、バテない体ができるのではと思っています。感覚的に今の食事法に出会ってからすごくいい状態なんです。

研究広がるMCTのメリット。日常生活や高齢者にも

寺田 具体的にはどのような食事をされていますか?
長友 血糖値のコントロールとともに、肉や魚のたんぱく質と、そこに含まれる脂質をしっかりとることを大事にしています。オリーブオイルやアマニ油、MCTオイルといった良質な食用油も意識してとっています。
寺田 MCT(※2)は消化吸収が速くエネルギーとして消費されやすいので、体に脂肪がつきにくいというデータがあります。また、先ほどお話ししたような極端なファットアダプテーションをすると脂質をエネルギーとして使いやすい体になる半面、糖が使いにくくなってしまうデメリットがありますが、MCTオイルにはそうしたデメリットを減らせるかもしれないという研究結果が得られつつあります。

(※2)MCT
Medium Chain Triglyceride=中鎖脂肪酸油。一般的な油より脂肪酸の長さが短いので、素早く消化吸収され、エネルギーとして消費されやすい。ココナッツやパームフルーツに多く含まれるほか、人の母乳や牛乳などにも含まれている。

長友 僕はMCTオイルをスムージーに混ぜたり、野菜にかけたりしています。ゼリータイプもよく食べていますね。MCTが一本で6グラム、だいたい2本くらいですかね。多いと3本食べます。おいしいですよ。
寺田 長友選手のようなトップアスリートだけでなく、体に脂肪がつきにくい点は日常生活においてもメリットです。また、MCTの摂取により高齢者の筋力や筋量の低下を予防できそうな可能性が最近の研究で示されています。アルツハイマー型認知症の予防や改善につながる可能性も報告されています。

発信したい食事の大切さ 科学的な裏付け深めていく

長友 僕、昔からトレーニングはストイックにやっていたのですが、以前は食事にはアプローチしていなくて。それが食事を見直して、ケガが減ったということを含めて本当に自分の体がよくなっていったんです。これをきっかけに食事の大切さをスポーツ選手だけでなく、広くたくさんのみなさんに知ってほしいと、SNSや著書で発信し始めました。
寺田 スポーツにおける食事の重要性って、私たち研究者が訴えてもなかなか気付いてくれないことが多いです。長友選手のようなトップアスリートの方から食事によっても体を大きく変えられるという発信があると、日本のスポーツ界全体にいい効果が波及していくと思います。
長友 僕はピッチの中での結果がすべてです。このような食事の工夫をしっかりと結果につなげられるように、MCTオイルを使ったマイルドなファットアダプテーションの食事で自分をアップデートしていきたいと思いますね。自分のやっていることが本当に正しいか、エビデンス(証拠)の裏付けが出てきたら、もっと説得力が増すなって思います。
寺田 がんばります(笑)。それが、私たち研究者の仕事なので。
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