【メーカーに取材】ウィスキーのおすすめ保存方法 開封後どう変化?

黒岩 ヨシコ
2020-08-14

※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がMoovooに還元されることがあります。

ウィスキーの保存方法が分からない、古いウィスキーを見つけたけど賞味期限は大丈夫なのか?そんなウィスキーの保存にまつわる疑問を解決するため、ウィスキーの保存方法のポイントと、ニッカウヰスキーの販売元であるアサヒビールさんに取材して聞いた内容をQ&Aにまとめました!(商品情報は最新ですが、取材は2019年に行いました)


ウィスキーの賞味期限と長期保存

ウィスキーボトルのアップ

ウィスキーは蒸留したお酒でアルコール度数が40度前後あるため、賞味期限がありません

そのため、ウィスキーは保存状態が良ければ保存期間が長くても品質を保つことができ、何年経っても風味の変化無く美味しく飲むことができます。

ただし、それは未開封の場合。未開封のウィスキーと開封後のウィスキーでは、状態も美味しく飲める期限も変わってきます。

未開封のウィスキーと開封後の違いとは

ウィスキーをボトルから注ぐ様子

未開封のボトルの中では密封状態を保たれていたウィスキーは、一度開封すると、きちんと栓を閉めていても少しずつ劣化していきます。

<未開封のウィスキー>
・賞味期限がない
・長期間品質、風味を保つことができる
・樽と違い、瓶詰後にさらに熟成することはない

※コルク栓の場合、未開封でも長期保存による収縮で蒸散やモレが生じることがある

<開封後のウィスキー>
・容器内の容量が減るので空気に触れる部分が増える
・わずかな瓶と栓の隙間からアルコール分が蒸散してしまう
・酸化が進み、ウィスキーならではの香り、味が変化してしまう


保存しておく環境を良くすればより長く美味しいウィスキーを楽しむことができるのは変わりませんが、開封されたウィスキーは未開封ボトルに比べるとぐっと保存状態が落ちると考えると分かりやすいです。

開封後のウィスキーの保存期限はどのくらい?

醸造酒であるワインや日本酒や、ビールや缶チューハイなどアルコール度数の低いお酒と比較すると、ウィスキーの開封後の風味の変化は緩やかです。しかし、開封後のウィスキーが少しずつ劣化していくことは明らかで、いつまで飲めるのかという明確な期限はありません。

カフェバーで働いていた経験のある筆者の個人的感覚では、だいたい数か月~半年を過ぎてしまうと味や香りの変化が顕著に表れだします。(季節や保存場所によっても変わります)

ちなみにアルコール度数の高い蒸留酒であるブランデーなどにも同じことが言えます。劣化が進む前に美味しく飲んでしまうのが一番なので、開封後のウィスキーはできるだけ早めに飲みきってしまうのが良いでしょう!

さらに余談ですが、食パンを保存する際、小皿に少しウィスキーを入れて食パンと一緒にタッパーに入れておくと長期間カビが生えないという裏技があります。これはウィスキーのアルコール分が蒸散してパンを保護してくれるから。アルコール度数が高いと劣化しにくい=雑菌が繁殖しにくいという特徴を活かした技なんです。

ウィスキーの保存方法4つの重要ポイント

では、その「ウィスキーを長く楽しめる良い保存状態」とはどんなものなのか?

ウィスキーを美味しく保存するための大切な4つのポイントがこちらです。

ウィスキーの保存方法ポイント1【日光】

夏の日差し

ウィスキーを良い状態で保存するために最も避けなくてはいけないのが日光です。直射日光が差し込み紫外線にさらされる場所に保存なんで持っての他!

ウィスキーにとってはできる限り光を遮断した方が良いので、箱入りボトルの場合はそのまま箱に入れて保存しておくのがおすすめです。専用の箱が無い場合は、保存用に代わりの箱を用意してあげましょう。

ウィスキーの保存方法ポイント2【温度と湿度】

温度計

ウィスキー保存の基本は「冷暗所」です。涼しくて、光があたらない暗い場所のことですね。

ウィスキーの場合、高温・高湿はもちろん、冷えすぎや急激な温度変化もその風味には悪影響です。そのため、ウィスキーを冷蔵庫で保存することはおすすめしません。電化製品の近くなども意外と温度が上がりがちなので気を付けましょう。

また、「アルコール度数が高いウィスキーなどのお酒は冷凍庫でも凍らないので、冷凍庫で冷やすと良い」という話をきいたことがありませんか?これは保存ではなく、飲み方のアレンジ方法として広まっているものなので勘違いしないように注意して下さいね。

ウィスキーの保存方法ポイント3【空気】

並んだ黒い瓶

ウィスキーの酸化を防ぐために、空気に触れさせないのも重要なポイント。

先にお伝えした通り、開封したウィスキーは瓶の中に隙間ができるので空気に触れる面積がおのずと大きくなってしまいます。風味を保つ策として、大きなボトルの内容量が半分以下になってしまったら小さい小瓶に移して保存するという方法もあります。

ウィスキーの保存方法ポイント4【臭い】

アロマオイル

ウィスキーというお酒の大きな特徴はその芳醇な香りにあるといえます。

石鹸やポプリ、防虫剤など、香りが強いものの近くに長期保存してしまうと臭いが移り、ウィスキー本来の香りを楽しむことができなくなってしまいます。ウィスキーを納戸やクローゼットなどへしまう場合は、保管場所の臭いにも注意して下さいね。

ウィスキーの保存方法をアサヒビール株式会社に聞いてみた!

その他、ウィスキーの保存に関する素朴な疑問について取材したところ、国産ウィスキーの中でも知名度が高いニッカウヰスキーブランドを販売されているアサヒビール株式会社さんに詳しくご回答いただくことができました。

早速、アサヒビールさんの見解についてご紹介します!

  • ニッカ
  • ブラックニッカクリア 700ml

  • 税込み705円
  • やわらかな香りとまろやかな味わい

  • ノンピートモルト(ピートを使用せず乾燥させた、ピート由来のスモーキーフレイバーのない大麦麦芽)を使用する事で、やわらかな香りとまろやかな味わいを実現しています。アルコール度数は37%です。ほかにも数多くの種類があります。

Q:温度や湿度が高い夏場は冷蔵庫に入れて保存しても良いのでしょうか?

A:ウィスキーは冷えすぎることも良くないので、冷蔵庫はおすすめしておりません。温度変化を防ぎ、紫外線を避けるためにも、箱に入れて冷暗所で保管いただくことをおすすめしております。

日本の夏は室内でも湿気と高温に悩まされます。「ウィスキーの保存は温度・湿度が低く直射日光が当たらない場所」という知識はあっても、常温で果たして大丈夫なのか、夏だけでも冷蔵庫に入れた方が良いのではと思い、こちらの質問をさせていただきました。結果、やはりウィスキーは夏でも冷蔵庫NGと考えたほうが良さそうです。

そもそも屋内が高温になるのは窓越しに入り込む日光によるところが大きいので、納戸や床下収納の中は意外と涼しかったりします。お答えいただいた通り、夏場は部屋の中でもできるだけ温度・湿度が高くならないような場所を見つけ、しっかり箱に入れて保存するようにしましょう。

Q:よくウィスキーをワインセラーへ保存するという話を聞きますが、横にしても大丈夫なのでしょうか?

A:コルク栓の場合は、立てて保管することをおすすめしております。コルク栓ではない商品は、未開封であれば横でも問題ないかと思います。

ウィスキーの保存について調べていると、「横にしてはいけない」という文面を見かけました。しかし、温度湿度調整ができるワインセラーはウィスキーの保存にも適しているという説もあります。一般的に、家庭用のワインセラーは商品を寝かせて入れるものなので、この疑問にたどり着いたというわけです。

しかし、コルク栓の場合は、天然素材であるが故に長期間の保存で収縮してしまうことがあり、隙間ができて中身が漏れる可能性があります。コルク栓のウィスキーは横にせず、立てた状態で保存するようにしましょう。

Q:ウィスキーの銘柄、種類によって保存方法に違いはありますか?

A:種類によって保管方法は異なりませんが、ノンチルフィルタード商品は冷却時に澱(おり)が出るため、ご注意いただくようお願いしております。

ウィスキーは製造方法によってスコッチやバーボンなどの種類がありますが、気をつけることや保存方法は変わるのかと思いお問い合わせさせていただきました。

「ノンチルフィルタード」とは、製造過程で白濁を防ぐための冷却濾過がされていない製品のことを言います。香味を損なわず原酒本来の味を愉しむことができますが、製品を冷やすことで白い澱(おり)という成分が現れることがあります。

ウイスキーの香味成分(高級脂肪酸のエチルエステル)の一部ですので、まったく心配はありません。寒冷地では、冬期にウイスキーが白濁することがありますが、これも「おり」で、温めると元にもどります。

出典:ウイスキーの「おり」って何? | お客様相談室 | アサヒビール

澱(おり)については、こちらのアサヒビールさんのサイトで詳しく説明されています。見た目が白くなるだけで、飲んでも身体には全く害が無いのだということなのでご安心ください。もし気になる方は、ウィスキーを注ぐ際にペーパーフィルターなどで濾してから飲むと良いでしょう。

ウィスキーの保存に便利なおすすめ商品

ウィスキーはしっかりと閉まっていても、長期保管している間に瓶との僅かな隙間から少しずつ空気が入ってしまうとお伝えしました。あまり頻繁にウィスキーを飲まない方や、長期保存の場合はどうすれば良いのでしょうか。

ウィスキーの栓の上からラップやアルミホイルを巻くことでも多少の違いはありますが、プロも使用しているグッズを使えば限りなく密封に近い保存状態にすることができるんです。

  • Bemis
  • エル・エム・エス パラフィルム

  • 税込み2,845円
  • 主に、実験室や研究室でフタつき容器を密封する用途で使われます。その高い気密性からウィスキーの保存にも最適です。

アメリカのメーカーで製造されている抜群の伸縮性と粘着性をもつ熱可塑性フィルムです。特徴としては以下のとおりです。

・伸縮性が高く気密性に優れている
・防水・無臭
・無色半透明
・無毒性のため検体や薬品にも影響しない


<エル・エム・エス パラフィルムの使い方>
①ウィスキーの栓をしっかり閉める
②カットしたパラフィルムを伸ばしながらぐるぐると巻きつける

セロハンテープのような接着性はありませんが、サランラップのように抑えるだけでピッタリとくっついてくれます。剥がす際も簡単なので、バーなど専門店でウィスキー保存にも使用されるおすすめグッズです!

ウィスキーの保存について まとめ

ウィスキーの保存について、本来の味を損なわないためのポイントとおすすめの保存方法をご紹介しました。

ちなみに、ニッカウヰスキーを水割りにした商品「ブラックニッカクリア&ウォーター」や山崎で有名なサントリー「サントリー特撰白角水割」、大容量ペットボトルウィスキーなどの保存方法についても、基本的なポイントは変わりません。

ウィスキーの正しい保存方法を抑えて、より長く美味しくて香り高いウィスキーを味わいたいものですね。

※価格はいずれも2020年8月時点のものです

ライター/Webデザイナー
黒岩 ヨシコ
インテリアショップ&カフェバー店員経験を活かした多ジャンルライター。兼、フリーランスWebデザイナー。インテリア・食べ物・植物には凝り性。たくさんの動物と共に育った千葉の田舎民です。

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