背後に迫る車に検知されやすくなる自転車用レーダー反射板「Wingman」

Moovoo編集部,Taniguchi Munenori
公開: 2025-05-10

※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がMoovooに還元されることがあります。

facebook xPost lineLINE copyCopy

自動運転車や、自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)システムを搭載する自動車は、前方の障害物を検知するためにLiDARやミリ波レーダーを使用します。

しかし、これらの衝突回避システムは決して完全に事故を防げるというものではなく、夜間や雨天時、検出機器の汚れやくもりなどで誤作動や完全に動作しないことがあります。さらにバイクや自転車など、路上を走行する幅の狭い物体の検知能力は、自動車ほど高くはありません。

LiDARはレーザー光パルスを発信し、その反射波を受信します。一方、レーダーは電波を発信し、その反射波を受信して、その方向にある障害物を検知します。つまりどちらの場合も、大きく反射率が高い物体ほど検出しやすいわけです。一方、自動車に比べて前後からの投影面積が小さい自転車は、検出しにくい障害物なのです。


特殊な反射板を採用した安全アイテム

Radian社が開発した「Wingman」と名付けられた特殊な自転車用反射板は、サイクリストに背後から迫る自動車が搭載する、LiDARのレーザー光、レーダーの電波、通常の光を反射する、独自に開発した再帰反射蛍光複合材を採用したシンプルなソリューションです。

再帰反射というのは、ただ光を反射するのではなく、どんな方向から光が当たっても、その光を光源に向かって反射するよう光学的に工夫した反射方法のことです。そして、Wingmanは立方体の箱から3面を切り取ったような形状により、車両システムからの電波やレーザー光を自動運転車や自動ブレーキ搭載車、コンピュータービジョンを使用する自動車に向かって効果的に反射し、検知される可能性を高めます。

充電不要で機能する

Wingmanの最大の特徴は、これが単なる反射板だということです。電源も入らなければ、スマートフォンアプリとの連携も必要ありません。自転車のサドルシートポストに取り付けるだけで機能します(安全性を高めるための点灯テールライトと、正しい取り付けのためのミニ水準器が付属しています)。

Radian社はWingmanのその他の特徴として、軽量で耐久性のある素材と空気力学的なデザインの採用をうたっていますが、空気力学的なデザインというのは、設置位置的にあまり意味が無く、多少盛ったPRポイントかもしれません。

Wingman

自動運転車の追突を防止

これから新車として販売される自動車には、先進運転支援システム(ADAS)搭載車や、完全ではないにせよある程度の自動運転機能を搭載する車が増えていきます。これまではドライバーの視認性を高めるためのテールランプや一般的な反射板で事足りていたかもしれませんが、機械がある程度運転制御を担うようになれば、自転車も機械に発見されやすくなる必要があります。

さらに、日本では2026年4月から自転車の交通安全法規遵守に関する取り締まりが強化され、これまでは警告で済んでいた違反に罰金が適用されることが、最近報じられました。歩道走行の取り締まりなども厳しくなることが考えられるため、自転車での車道走行の安全性を高めるWingmanのようなアイテムは、これから需要が高まるかもしれません。Radian Wingmanは価格119.95ドル(約17,150円)で同社のウェブサイト*で販売中です。

さて、Wingmanは自動運転車などに自らの存在を検知させることを目的とするものですが、下に紹介するアイテムはそれ自体がレーダーを搭載し、サイクルコンピューターやスマートフォンなどに自動車接近の警告を出すことも可能なアイテムです。いずれも以下では、自転車の安全を高めるためのおすすめアイテムですので参考にしてください。

〈編集部PICK UP!〉自転車の安全性を高めるおすすめアイテム

1. Garmin 「Varia RCT715」

PICK UP!
  • Garmin
  • Varia RCT715

  • 税込み62,800円(Amazon)
  • 自転車版ドライブレコーダー

  • Varia RCT715はサドルポストに取り付けるテールライトに、最大140m後方からの自動車の接近を検知するリアビューレーダーを搭載。さらにカメラと事故検出機能によって、後方映像を自動録画することも可能な多機能アイテムです。

    専用のスマートフォンアプリだけでなく「Ride with GPS」のようなサードパーティアプリ、Garmin製ウェアラブルなどと連携でき、充電バッテリーで最大12時間連続使用できます。Garminには他に、カメラ機能を省略したVaria RTL515、リアビューレーダーのみの製品Varia RVR315があります。

特徴1:テールライトでドライバーに存在をアピール
特徴2:後方レーダーで自動車の接近を検知
特徴3:事故検出・後方自動録画カメラ搭載
特徴4:ANT+、Bluetooth LE、Wi-Fi対応、IPX7防水性能

2. iGPSPORT「SR30」

PICK UP!
  • iGPSPORT
  • SR30

  • 税込み13,460円(Amazon)
  • 1マイル先から視認できる強力テールランプ

  • 日中環境下で最大1.6km・角度220度という広範囲に視認可能なテールランプを搭載。加速度センサーにより、ブレーキをかけると自動的に発光パターンを調整する機能を備えます。

    後方レーダーで最大150m以内に近づく自動車を検出、サイクリストに警告を発します。自動車の接近情報はスマートフォンやサイクルコンピューターのディスプレイに表示することもできます。充電バッテリーで最長25時間連続の使用に対応(テールランプ消灯設定時)します。

特徴1:視認性の高いテールライトで存在をアピール
特徴2:後方レーダーで自動車の接近を検知
特徴3:加速度センサーによるブレーキ時発光パターン調整
特徴4:ANT+、Bluetooth 5.0 LE 対応、IPX7防水性能

3. Blyton「Gardia R300L」

PICK UP!
  • Blyton
  • Gardia R300L

  • 税込み18,480円(Amazon)
  • 遠くの自動車もレーダーで検知

  • 最大190mの範囲で後方から接近する自動車を検知可能な自転車用レーダー製品。ANT+やBluetoothでサイクルコンピューターやスマートフォンの専用アプリと連携してサイクリストに警告できます。

    内蔵するテールランプは5つの点滅パターンをサポートします。車両を検知すると自動点滅し、ドライバーに自転車の存在を知らせます。さらに加速度センサーにより自転車のブレーキランプとしても機能し、追突被害の予防に役立ちます。一度の充電で最長24時間連続で使用できます(テールランプを使用しない設定の場合)。

特徴1:5つのパターンで発光する自動テールランプ
特徴2:最大190m先の自動車検知する後方レーダー
特徴3:加速度センサーによるブレーキランプ
特徴4:ANT+、Bluetooth 5.0 LE 対応、IPX7防水性能

こちらの記事もどうぞ

ライター兼クリエイター
Taniguchi Munenori
ライター。ガジェット全般、宇宙、科学、音楽、モータースポーツetc... 電気・ネットワーク技術者。
実績媒体:TechnoEdge、Gadget Gate、Engadget日本版、Autoblog日本版、Forbes JAPANほか

  • LINEの友達登録をお願いします!

    LINE限定で、毎週の人気記事を配信します!

    友だち追加

    XでMoovooをフォロー!