スキーブーツおすすめ10選 初心者でも分かるフレックスやラスト幅の選び方
スキーブーツ選びは、フレックス、ラスト幅、フィッティングなどのポイントを押さえると失敗のリスクを減らせます。
とくに初心者や中級者は、自分のスキースタイルや足の形に合った1足を選ぶことでパフォーマンスの向上が期待できます。
この記事では、スキーアイテムに詳しい編集者が、スキーブーツの選び方のポイントと人気ブランドのおすすめ商品を紹介します。
タケダナオヤ
日本人の足型に合わせてつくられた国産ブランドのモデル。扱いやすさも魅力です。
スキーブーツの構造と性能
スキーブーツは、さまざまなパーツで構成されており、購入前に必ずチェックしておきたい大事な性能(スペック)があります。
まずは、基本的なスキーブーツの構造と役割を見てみましょう。
スキーブーツの構造と役割
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スキーブーツは、シェル、インナーブーツ、インソール、バックル、パワーストラップなど、複数のパーツによって構成されています。
シェル(外装)
シェルは、外側の硬い部分で、ブーツの上部をアッパーシェル、下部をロアシェルと呼びます。主にポリウレタンやポリエチレンなどの樹脂が使われており、耐久性と剛性を備えています。
インナーブーツ/インナー
インナーブーツは、シェル内側のやわらかいパッド状のブーツです。薄めのインナーは雪面からの反応をダイレクトに感じ取れ、厚めのインナーはクッション性が高く、保温性にも優れています。
インソール
インソールは、ブーツの中敷きです。パワー伝達タイプから保温性タイプまで、さまざまな機能をもったインソールがあり、好みに応じて別売りのインソールにも交換可能です。
バックル
スキーブーツには3〜4本のバックルが付いており、フィット感を調節できます。一般的にはバックルの数が多いほど、より細かくフィッティングを調節可能です。
パワーストラップ
ブーツ最上部にあるパワーストラップは、バックルだけではサポートしきれないすね周りを固定するために使われます。
ソール
ソールは、ビンディングと接続する部分で、ブーツ全体の安定性を左右します。多くのスキーブーツは、ISO規格に基づいたソールを使用しており、標準的なスキービンディングに適合します。
スキーブーツの性能とスペック
次に、スキーのパフォーマンスや快適さに大きな影響を与える、スキーブーツのスペックを見てみましょう。
フレックス(硬さ)
スキーブーツの硬さのことを「フレックス」と呼びます。これはブーツが前方にどれくらい曲がるかを示す指標で、数値が大きいほど硬く、数値が小さいほどやわらかくなります。
- 硬いフレックス:上級者やスピードを求めるスキーヤーに適しており、ブーツがあまり曲がらないため、安定性や正確な操作が可能です。ただし、動きに対する許容範囲が狭く、高いターン技術が必要とされます。
- やわらかいフレックス:初級者や中級者など、快適さを重視するスキーヤーに向いています。許容範囲が広く、操作がしやすいため、リラックスした滑りや、スムーズなターンがしやすくなります。
ラスト幅
スキーブーツの横幅のことを「ラスト幅」と呼びます。ラスト幅はブーツのもっとも広い部分にあたる前足部分の横幅を指します。
狭いラスト幅から広いラスト幅まであり、操作性や履き心地に影響します。
- 狭いラスト幅:タイトなフィット感のため、足との一体感が高まり、正確な操作が可能です。上級者やパフォーマンス重視のスキーヤ―に適しています。
- 広いラスト幅:ゆったりとしたフィット感で、長時間の使用でも足が痛くなりにくく、初心者やレジャースキーに適しています。
カフの高さ
スキーブーツの足首からふくらはぎにかけての部分を「カフ」と呼びます。カフはアッパーシェルの一部で、足首の動きをサポートし、スキー中の動きを伝える役割を果たします。
- ショートカフ:カフの高さが低いブーツのことで、ショートカフまたはローカフと呼びます。足首の可動域が広がり、柔軟な動きがしやすくなります。初心者やリラックスした滑りを好む人には、ショートカフのブーツが適している場合があります。
熱形成タイプ
熱形成タイプとは、足の形に合わせてインナーブーツまたはシェルを熱によって成形できるスキーブーツのことです。より高いフィッテイングが期待できます。
- 熱でインナーブーツを足の形にフィットさせるサーモインナーは、バックルを強く締めたときも痛みが少なく、長時間滑っても足の疲労を軽減する効果が期待できます。
- 熱成型に対応したシェルもあり、より自分の足の形に合わせたカスタマイズが可能です。
カント調整
足首の可動範囲や足の形に合わせて、ブーツの角度を調節できるモデルがあります。これは、ブーツを最適な位置に調節するための機能です。
タケダナオヤ
カント調整はブーツの左右の傾きを調節する機能です。これにより正しいエッジング角度を得られ、ターンのパフォーマンスやバランスを向上させる目的があります。
ウォークモード
ウォークモードとは、スキーを担いで歩いたり、ハイクアップ(斜面を登る)する際に、ブーツをより快適に動かせるように設計された機能です。
スキーブーツの後部にあるレバーやスイッチでウォークモードに切り替えるとカフが解放され、足首の動きが自由になります。
- スキー固定モード:カフが固定されるため、スキー滑走時の操作性が向上します。
- ウォークモード:カフの可動域が広がり、足首が動きやすくなります。これにより、歩きやすくなります。
また、一部のバックカントリーやフリーライド用のブーツには、歩行時の滑りにくさをサポートしたグリップソールがあります。
スキーブーツの主な種類
スキーブーツには、滑走スタイルに応じていくつかの種類があります。以下に代表的なものを紹介します。
オールラウンド(レジャースキー向け)
もっとも一般的で、整備されたゲレンデを滑るために設計されたブーツです。安定性と操作性に優れており、初心者から中級者まで幅広い層に適しています。
フレックスの選択肢も多く、ユニセックス、メンズ、レディース、ジュニア向けサイズも広く展開しています。
デモ(基礎スキー向け)
スキー検定を目指す、技術志向のスキーヤーのために設計されたブーツです。
正確なターンのため、レジャー向けよりもブーツ自体が硬めで、ラスト幅も狭くなっています。
オールマウンテン(バックカントリー向け)
バックカントリーや山岳スキーに適したブーツです。オフピステでのスキーに対応するために設計されており、オールマウンテンブーツ、バックカントリーブーツ、ツアーブーツなどと呼ばれます。
ほとんどのモデルに、足首の可動域が広くなって歩きやすくなるウォークモードが搭載されています。
フリースタイル(パーク向け)
パークやハーフパイプ、ジャンプなどのフリースタイルスキー向けに設計されたブーツです。
足首の可動域も広く、ジャンプやトリックでの衝撃を吸収するなど、柔軟性が求められる場面での操作性に優れています。
レーシング(アルペン競技向け)
スピードと正確なコントロールが求められる、スキー競技向けに設計されたブーツです。
非常に硬いフレックスを持ち、フィット感も非常にタイトです。インナーブーツも薄いためレスポンスが高く、最大限の力の伝達とコントロール性を追求しています。
スキーブーツの選び方
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スキーブーツ選びは、サイズだけでなく、フレックス、ラスト幅、インソールの形状、なども重要な要素です。
初心者や中級者が注目すべき、スキーブーツ選び方のポイントを解説します。
足に合った正しいサイズの選び方
スキーブーツ選びで最も重要なのは、実際の足の長さに合ったサイズを選ぶことです。
なぜなら、スキーブーツのサイズは、実際の足の長さを基準にしており、足の最大長をセンチメートル単位で測定した「モンドサイズ(モンドポイント)」で表示されるため、普段履いている靴のサイズと異なる場合があるためです。
スキーブーツは通常の靴に比べて非常にタイトなフィット感が求められるため、正しいサイズ選びが滑走時の快適さに直結します。
必ず足のサイズを正確に測り、自分のモンドサイズを確認しましょう。
また、メンズモデルとレディースモデルでは、人間工学的な視点からカフなどの形状が異なります。とくに女性はレディースモデルを選んだほうが良いでしょう。
ラスト幅(足幅の広さ)の選び方
自分の足の形に合ったラスト幅を選びましょう。
ラスト幅が狭すぎると足が圧迫され、疲れやすく痛みが生じます。逆に幅が広すぎるとブーツの中で足が動いてしまい、エッジコントロールが難しくなります。
以下がラスト幅の目安になります。
- ナローフィット:92〜98mm。
タイトなフィット感を重視する上級者向け。デモやレーシングモデルに多く見られます。
- ミディアムフィット:99〜102mm
多くのスキーヤーにフィットする標準的なラスト幅。オールマウンテンブーツにも多く採用されています。
- ワイドフィット:103〜106mm以上
ゆったりとしたフィット感で、長時間の使用でも快適。エントリーレベルや足幅の広いスキーヤー用に設計されたブーツで多く見られます。
タケダナオヤ
技術レベルや滑走スタイルに応じて、フィット感とパフォーマンスのバランスを考慮して選ぶことが大切です。初心者はラスト幅が100mm以上のモデルを選ぶと良いでしょう。
フレックス(硬さ)の選び方
フレックスはスキーヤーの技術レベル、滑走スタイル、体重に応じて選ぶことが重要です。一般的に、やわらかいフレックスほど自由度が高く、硬いフレックスほど正確な操作が必要とされています。
以下がフレックス値の目安になります。
- やわらかいフレックス:60〜80
足首や膝を曲げるのが容易で、初心者でもバランスを取りやすく、スキーの基本技術を学ぶのに適しています。また、軽量のスキーヤーにも適しています。
- 中間のフレックス:80〜100
多くのスキーヤーが快適に使用できるバランスの良い硬さです。オールマウンテンにも向いており、中級者や技術を磨きたいスキーヤーに適しています。
- 硬めのフレックス:100〜120
より高度な技術やスピードに対応しており、ターンやエッジ操作がより精密に行えます。上級者やスキー検定を目指すスキーヤー、体重の重いスキーヤーに適しています。
- 非常に硬いフレックス:130以上
主に競技スキーヤー向けです。
タケダナオヤ
初心者にはやわらかめのフレックスが適しています。一方、スピードや正確なエッジコントロールを求める中級者や上級者は中間以上のフレックスを選ぶと良いでしょう。
試着時に確認すべきポイント
スキーブーツはスキー道具の中でもブーツはとくにフィット感が重要なため、スキーブーツを選ぶ際は試着をおすすめします。
試着時に確認すべき具体的なポイントを紹介します。
かかとが浮かないか確認する
足にぴったりとフィットするようにバックルを締め、かかとがブーツ内で安定しているかを確認しましょう。
滑走中にかかとが浮いてしまうと、ブーツ内で足が動いてしまい、スキーの操作性が低下します。かかとがしっかり固定されているブーツは、操作性も高まります。
バックルの調整範囲を確認する
スキーブーツには複数のバックルがあり、これらを調整することで最適なフィット感を得られます。とくに足首周りが確実に固定できるかどうかを確認することが重要です。
また、バックルが緩みやすくないか、締め込んだ際に痛みがないかもチェックしましょう。
実際に歩いてみる
スキーブーツを履いたまま軽く歩いてみて、つま先やかかとに痛みがないか、全体のフィット感に問題がないかを確認しましょう。
つま先部分に余裕がありすぎると操作性に影響するため、足全体が適度に包まれていることが重要です。
〈編集部PICK UP〉スキーブーツ、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
ここからは、スキーアイテムに詳しい編集者が、数あるスキーブーツの中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気のおすすめ商品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
外観 |
商品名 |
特長 |
タイプ |
フレックス |
ラスト幅 |
重さ |
---|---|---|---|---|---|---|
ROSSIGNOL(ロシニョール) EVO 70 |
快適さと操作性を追求したエントリーモデル |
オールラウンド(メンズ) |
70 |
104mm |
1,620g (26.5cm / 片足) |
|
ATOMIC(アトミック) HAWX PRIME 85 W GW |
女性に最適化されたオールラウンドモデル |
オールラウンド(レディース) |
85 |
100mm |
1,750g (24.5cm / 片足) |
|
HEAD(ヘッド) EDGE LYT 80 HV |
快適さとパフォーマンスを両立する初心者モデル |
オールラウンド(ユニセックス) |
80 |
102mm(26.5cm) |
記載未確認 |
|
REXXAM(レクザム) RC-90 |
ワイドラスト設計で、1日中ストレスフリー |
オールラウンド(ユニセックス) |
90 |
98~105mm |
1,755g (26.5cm / 片足) |
|
NORDICA(ノルディカ) HF 100 |
簡単に脱ぎ履きできるリアエントリーブーツ |
オールラウンド(ユニセックス) |
100 |
102mm |
1,750g (26.5cm / 片足) |
|
K2(ケーツー) MINDBENDER 100 |
バックカントリーを目指す中級スキーヤーに |
オールマウンテン(メンズ) |
100 |
100mm |
1,796g (27.5cm / 片足) |
|
DALBELLO(ダルベロ) IL MORO 110 3DWrap |
フリースタイルやパーク向けに設計されたモデル |
フリースタイル(ユニセックス) |
110 |
99mm |
記載未確認 |
|
REXXAM(レクザム) R-EVO 120S |
自動でラスト幅を調節するオートフィット機能 |
デモ(ユニセックス) |
120 |
92-96mm |
2,175g (26.5cm / 片足) |
|
ATOMIC(アトミック) REDSTER CS 130 |
高レベルのフィット感とパワー伝達性を実現 |
デモ・レーシング(メンズ) |
130 |
96mm |
2,357g (26-26.5cm / 片足) |
|
LANGE WORLD CUP RS ZA |
レースに特化したハイパフォーマンスモデル |
レーシング(ユニセックス) |
130 |
92mm |
記載未確認 |
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