ノートパソコンの処分方法7選 無料のやり方や、処分前の準備を解説
日常生活や仕事などで欠かせないものとなっている、ノートパソコン。故障や新型モデルへの買い替えを理由に、処分を検討している方も多いことでしょう。
ノートパソコンは、家電リサイクル法の対象品目です。そのため、適切に処分しないと罰則の対象となる場合があります。
また、処分する前に、保存データの消去やバックアップなども行っておく必要があります。
そこでこの記事では、ノートパソコンの処分方法と事前準備について、詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
ノートパソコンを処分する前に注意、「法律」と「データ消去」について
ノートパソコンを処分する前に、以下の2点について押さえておきましょう。
法律に従って処分する
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「資源有効利用促進法」は、リデュース(廃棄物の発生抑制)・リユース(再使用)・リサイクル(再資源化)といった、資源を再利用する取り組みを推進するための法律です。
ノートパソコンはこの法律の対象で、家電量販店やメーカー、リユース企業などの窓口を介して、適切にリサイクルすることが求められています。
もし不適切な処分方法を行うと、法律に違反する恐れがあります。例えば不法投棄した場合、「5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金またはその両方」が科せられるリスクがあります。
法律に従わない方法で処分を行う事業者に依頼した場合でも、間接的に法律に違反する可能性があります。例えば、無許可の廃棄物処理業者に依頼した場合、適切な方法で処分せず、不法投棄といった違法行為を行う可能性があるのです。
悪徳業者を利用した自身も、罰金や刑事罰の対象となる可能性があるので注意が必要です。都道府県知事による「産業廃棄物処理業」の許可証を得ているかなど、依頼する事業者の見極めが肝心です。
処分前に、データを確実に消去する
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ノートパソコンには、個人情報(氏名・住所など)や各種サービスのID・パスワード、クレジットカード情報といった重要なデータを保存している場合があります。そのため、手放す前にデータを確実に消去することが重要です。
データ消去は、原則として自己責任です。メーカーや販売店、回収業者などがデータを完全に消去してくれるとは限りません。
もし、データを消去せず処分してしまうと、個人情報が第三者に流出するリスクが高まります。仕事で使用していた場合は、業務上の機密情報漏洩のリスクがあります。
情報漏えいにより、金銭的損害やプライバシーの侵害など問題が生じる危険性に注意を払う必要があるのです。安全に処分するため、データの完全消去を怠らないようにしましょう。
ノートパソコンの処分方法7選
代表的な処分方法について、7つ紹介します。
パソコンメーカー
「PCリサイクルマーク」が付いているノートパソコンは、資源有効利用促進法に基づき、パソコンメーカーが回収してくれます。パソコンの引き取りや集荷には、ゆうパックを利用しているので、指定の場所に持っていく必要はありません。
もしPCリサイクルマークがない場合は、回収再資源化料金の支払いが必要です。メーカーに金額を問い合わせましょう。支払いの確認が取れてから回収する流れになります。
なお、PCリサイクルマークがあっても、メーカー自体が倒産や事業撤退している場合は、パソコン3R推進協会が代わりに回収してくれますが、同じく回収再資源化料金の支払いが必要です。
回収したパソコンはハードディスクを物理的に破壊しているとのことですが、情報漏えい対策としてより確実にデータを消去するためには自身で行うことが大切でしょう。
購入した家電量販店・パソコンショップ
平成25年4月1日に施行した「小型家電リサイクル法」に基づき、家電量販店やパソコンショップなどでもノートパソコンの回収を行っています。具体的には、以下のような家電量販店で受け付けています(※令和5年8月時点)。
- エディオン
- ケーズデンキ
- コジマ
- ジョーシン
- ソフマップ
- ビックカメラ
- ヤマダデンキ
- ヨドバシカメラ
ただし、これらの家電量販店の全店舗で回収を受け付けているとは限りません。ノートパソコン回収の有無や方法、料金についてはホームページや各店舗で確認しましょう。
自治体が連携するサービス
先述の小型家電リサイクル法に基づき、環境省・経済産業省から認定された事業者(リユース企業など)でも、ノートパソコンの回収を受け付けています。
中でも「リネットジャパン(リネットジャパンリサイクル株式会社)」は、全国の自治体と連携しています。回収料金は無料で、パソコンが動かなくても、ハードディスクが無くても回収可能です。回収までの流れは、ホームページや電話、FAXで事前に申し込み、段ボールに梱包したら、佐川急便が自宅まで集荷しにきてくれるので、手渡すだけです。
なお、リネットジャパンリサイクル株式会社では、ご自身でのデータ消去を推奨しています。しかし、自身で対応できない場合は、「おまかせ安全データ消去サービス」を1台3,180円(税抜)で利用することも可能です。同サービスでは、データ消去完了後に消去証明書を発行しています。
- リネットジャパングループ株式会社
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リネットジャパン
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国が認定している、パソコンや小型家電の宅配便回収サービス
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「小型家電リサイクル法」の認定業者として環境省・経済産業省から認定を受けています。
全国の宅配回収を行い、パソコン・携帯電話・ゲーム機・キッチン家電など400品目以上が対象です。
パソコンのデータ消去が不安な方は「お任せ安全消去サービス(有料)」を依頼できます。
自治体による回収
一般社団法人 小型家電リサイクル協会によると、全国でおよそ1,600もの市区町村が小型家電の回収を行っています。その回収方法は、主に「ボックス回収」「ステーション回収」「イベント回収」の3つです。自治体によって回収方法が異なるので、ホームページなどで確認するか直接問い合わせてみましょう。
例えば広島市では、公共施設や商業施設に小型電気製品専用の回収ボックスを設置しています。不要なパソコンをこのボックスに入れるだけで、手軽に利用できます。ただし、回収ボックスが設置されている施設が利用可能な時間帯に訪れる必要があります。
中古買取店
パソコンを買い取ってもらうことで処分費用を払わずに済みます。場合によっては、高値で買い取ってもらえることもあるでしょう。年式の新しいパソコンや、正常に動作するパソコンにおすすめの方法です。
例えば、「パソコン工房(株式会社ユニットコム)」は宅配買取サービスを行っています。ノートパソコンに限らず、タブレットやスマートフォンの買取も可能です。買取の流れは、ノートパソコンを集荷してもらい、専門スタッフが査定・データ消去をした後に銀行口座に代金が振り込まれる、という形で進みます。宅配だけでなく、店頭での買取も受け付けています。
ただし、「正常動作しないもの」「改造されたもの」「購入時のローン残債が残っているもの」などは買取の対象外となるので、注意が必要です。
- 株式会社会社ゲオストア
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ゲオの買取
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全国1,000店舗以上、宅配買取サービス
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パソコン以外にも、カメラやゲームなどの買い取りにも対応。店舗は全国に1,000店舗以上あります。
定期的に買取金額UPキャンペーンを開催しています。
フリマ・オークション
メルカリ、ヤフオク!などのフリマ・オークションサイトは、不要なパソコンを個人で販売する手段として人気があります。
自分でパソコンの状態が分かる写真・文章などを掲載して、希望価格とともに出品しましょう。買い手と条件交渉をして、取引が成立すると、商品を発送し、お金を受け取る流れになります。
ただし、出品や取引に際しては注意深く行いましょう。「入金してくれない」「商品発送後にキャンセルされた」といったトラブルを避けるために対策を講じる必要があります。
廃棄物処理業者・不用品回収業者
専門の廃棄物処理業者や不用品回収業者も、ノートパソコンをはじめとする電気製品の処分を受け付けています。特に大量の不用品を一度に処分したい場合や、外出するのが難しい場合は、出張回収サービスを利用するといいでしょう。
ただし、違法な手段でノートパソコンを処分する業者もいることから、業者選びには十分な注意が必要です。家庭の廃棄物を回収できるのは「一般廃棄物処理業の許可」を持つ業者で、「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」でノートパソコンを回収することは、法律で認められていません。
ノートパソコンを処分する前にやっておくべきこと
ノートパソコンを処分する前に、行うべき手順があります。これらの手順を忘れると、個人情報の漏えいリスクや必要な情報を失ってしまう可能性があります。
データをバックアップ・移行する
処分前に重要なデータをバックアップ・移行しておきましょう。具体的には、以下の方法が挙げられます。
- Windowsの転送ツールを利用する
- Macの移行アシスタントを利用する
- データ移行ソフトを利用する
- 外付けハードディスクやUSBメモリを使う
- クラウドストレージを利用する
- データ移行の専門サービスを利用する
データのバックアップ・移行は時間を要すため、ノートパソコンを処分するまでのスケジュールを、余裕を持って立てておきましょう。
個人データを消去する
一般的な個人データの消去方法として、「初期化する」「ゴミ箱を空にする」といった方法が用いられますが、これではハードディスク(HDD)上にデータが残ってしまいます。
一般的なハードディスクの場合、物理的な破壊や専用のデータ消去ソフトを使用して、データを完全に削除することができます。ただし、物理的な破壊では有害物質が飛散する恐れもあるので、扱いには注意が必要です。
SSDを使用している場合、物理的な破壊ではデータチップを完全に破壊できない可能性があるので、専用クラッシャーなどを利用する必要があります。
まとめ
ノートパソコンは、法律に従って適切な方法で処分することが重要です。無許可の事業者を選ぶと、法律に違反するリスクがあります。
また、データ消去は原則として自己責任です。消去せずに処分すると個人情報が流出する恐れがあるため、確実な方法でデータを消去しましょう。
具体的な処分方法として、メーカーや購入した家電量販店での引き取り、自治体の回収サービス、中古買取店の利用、フリマ・オークションサイトへの出品、廃棄物処理業者の利用などが挙げられます。
処分する前には、データのバックアップや移行、そして確実なデータの消去が必須です。個人情報の流出を防ぐため、データ消去の際には十分な注意が必要です。
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