映画「マトリックス」に見られるように、我々は古くから仮想現実というものにあこがれを抱いてきた。しかし、まだまだ仮想現実は視覚や聴覚にしか対応していないものがほとんどだろう。
そんな中、今回HaptX社が開発した「HaptX Gloves DK2」は、そんな現状を打破してくれそうだ。
仮想現実内で手触りや重さを感じられるVRグローブで、「リアルな仮想現実」という一見矛盾した言葉を実現してくれそうな期待をさせてくれる。
触覚フィードバック
「HaptX Gloves DK2」にはマイクロ流体技術を採用し、仮想現実内で触覚が反応すればグローブ内部が最大2ミリメートル動き、その反応で現実世界の感覚を再現する。130を超える触覚フィードバックが得られるので、仮想現実内でかなりリアルな触覚を体験できるだろう。
グローブの外骨格は空気圧によって負荷がかかり、VR空間でのリアルな触覚を実現している。片手あたり最大18キロまで抵抗力を与えられるので、マイクロ流体スキンと組み合わせてよりリアルに触覚を再現している。
例えば、仮想現実内で車のハンドルを握った時には、ハンドルに触れた感覚だけでなく、ハンドルを回した時の抵抗まで再現できるのだ。ハンドルの触感を得ながら、仮想現実をドライブするという、より現実に近い体験ができそうだ。
「HaptX Gloves DK2」によって、仮想現実内で触覚を感じられるようになったので、仮想現実をより有効に使える未来が予想される。仮想空間内でのトレーニングはより効率的だし、設計段階の機械のシミュレーションをよりリアルに行えるので、コストや工期の縮小にもつながることだろう。
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仮想現実を手触りで感じられるVRグローブ「HaptX Gloves DK2」。リアルな仮想現実の実用化で見えている世界だけが全てじゃなくなるかも?
エディター
たなかとおる
大阪から東京を夢見て上京したが、絶賛現実を突きつけられている大学生新米ライター。執筆をメインにたまに動画も制作中。音楽とメディアアートに興味を持つ。ICCにたまに出没します……。