Nikonエンジニア渾身のZ6II、Z7II!開発秘話を聴いてきた!ユーザーの意見貪欲に取り込み進化!【UZUMAX電気店】
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UZUMAX電気店
今回は、新しく発売されるNikon Z6II、Z7IIについてUZUMAXさんが、開発者の方に直撃インタビュー。今までのモデルとの違いや、その魅力は何なのかを徹底的にお聞きしました。Nikon Z6II、Z7IIが気になっている方は必見です!
今回紹介するのはこちら!
Nikon Z6、Z7がさらに進化したモデル、Nikon Z6Ⅱ、Z7Ⅱ。
開発に至るまでどんな苦労があったのか、果たしてどのような点がパワーアップしているのかを開発に携わった三人の方に直撃インタビューしました。開発者ならではの視点で、Nikon Z6Ⅱ、Z7Ⅱの魅力をお伝えします。
『Nikon Z6、Z7』と『Nikon Z6Ⅱ、Z7Ⅱ』
今回、お話を伺うのは右から順に、構造設計担当・濱崎さん、Z6IIプロジェクトマネージャー・土谷さん、Z7IIプロジェクトマネージャー臼井さん、のお三方です。(以後、敬称略)
Nikon Z6、Z7を発売したときのユーザーの反応は?
土谷:わが社といたしましては、小型軽量、ラウンジバック、マウントそれを生かしたレンズを投入して、最高画質を謳ってきましたが、一般のお客様からは、やはり今までの一丸で培った中で、「こういった部分があった」「こういった部分がなかった」という様に様々な反響がありました。
UZUMAX:様々な反響がありましたよね、特にニコンファンの方はニコンにかける思いが強いのは自分も知っていますので、あの時は私も楽しく色々と見させていただきました。
Nikon Z6、Z7の反応を受けて、Nikon Z6Ⅱ、Z7Ⅱの制作にあたられたと思いますが、どのような点を気を付けて制作したのですか?
臼井:二年前に第一世代のフルミラーレスZ6、Z7を世に出させていただいたわけですけども、当時としては精いっぱい渾身のものを作りました。しかし、その一方で、当時としては賢明だったところが、お客様から見ても、私達が振り返りながら見ても、「もうちょっとここがこうだったらいいな」「もうちょっとあそこがかゆいところに手が届けばいいな」という所を、現在のNikon Z6Ⅱ、Z7Ⅱでファームアップ、キャッチアップしております。限られた二年間という期間の中で、精いっぱいそういったネガティブなところ、当時としては頑張ったんですけども、足りない、というところを一生懸命、出来る限りのことをさせていただいたのがZ6Ⅱ、Z7Ⅱということになります。
開発の方は普段から自社のカメラを使って撮影をしたりするんですか?
土谷:自社のカメラを持ち出して、かなり撮影に行きますね。社内では撮影をするチームというのもありますけれども、我々は有志で撮影をしに行くチームというのも立ち上げていて、私としても普段から写真が趣味なので、写真撮影に行ったりします。
UZUMAX:すごく良いですね。使う側の気持ちが分かるっていうのもやはり大事ですもんね。
土谷:そうですね、やはり撮る人間にしか分からないこと、しかしながら作る人間にしか分からないこともあります。その二つを橋渡しすることが、ある意味、我々の役目ではないかなと思っています。
他のモデルよりもシャッター音が小さい気がしますが、こだわりなどありますか?
濱崎:Z6Ⅱ、Z7Ⅱはもちろんなんですが、ニコン全体のシャッターの音に対する考え方といたしましては、時代の流れからシャッター音は抑える方向に向かっています。ただ、シャッター音が静かすぎてしまいますと、撮っているときの臨場感などがなくなってしまいますので、そこはバランスを考えながら、うるさくなく、写真を撮っている感じを出すということで、ある一定の基準を設けてシャッター音を決めています。
デュアルエンジン搭載のZ6Ⅱ、Z7Ⅱ
UZUMAX:今回のZ6Ⅱ、Z7Ⅱは新しい映像エンジンではなく、Z6、Z7に使われていた映像エンジンを二基搭載するという形をとっている様ですが、その点についての苦労したお話、魅力のポイントを聞けるとありがたいのですが。
濱崎:今回デュアルエンジンというのは、ニコンとしては初の試みでした。なので、そこのニコンのエンジンを使った同期をとって何かカメラの操作の処理をするという所にたくさん苦労がありました。なかなか上手く、同期して動いてくれないとか、すぐハングアップしてしまうエラーがあってそこをクリアするのにかなりの時間を要してしまいました。
土谷:今回のエンジンというのはこのエクスピードのエンジンのパッケージ自体としての性能は非常に良いものでした。Z6、Z7でも好評でした。今回、デュアルエンジンにするということは、この素性の良いエンジンを使ってさらに良くしようという発想ですね。しかしながら、デュアルエンジン内部構造的にはかなり複雑になっておりまして、ほぼ新規と言っても過言ではないレベルなんですね。今回、エンジンを変えなかったというよりは、良かった部分に関して底上げをするパワーアップを行ったという認識でいてもらえると嬉しいです。
UZUMAX:今回、実際に使った私を含め、評価している人がいるが、連写のレスポンスやオートフォーカスの精度がすごく快適になった、とほとんどの方が高評価をされている。ここから、デュアルエンジンがすごく役立っていることが分かります。
キャッチコピーに込められた思い
UZUMAX:今回、私もニコンの新しいカメラが出るというのをネットで先に見かけていて、発表前のサイトで「ザ・ネクストキャプチャー」というキャッチコピーを掲げられていたんですがあれには、どういった思いが込められていたんでしょうか?
土谷:今回、Z6、Z7の反省点、ユーザーの声を頂き、反映したのがZ6Ⅱ、Z7Ⅱです。我々がお客様に自信を持ってお勧めできるなという自信、それからやはりレンズですね。レンズが大三元揃いました。そういったところから、今回からもう一度、再度トライしていなということでこれからが新章だというところの意気込みを、ユーザーに伝えたいという思いがあります。
UZUMAX:本体にかける思いと、レンズにかける思いが合わさったという意味での「次のキャプチャーへ」という意味だったんですね。
土谷:そうですね、やはり初代Z6、Z7の頃はレンズ本数も少なかったということもあり、なかなか遡及するのが難しかったなというのはあります。
UZUMAX:今見ても、サイトの充実感が増えてきていますよね、レンズのラインナップを見ても。
土谷:今は、単焦点からズームレンズ、今は様々な面白い特徴を持ったレンズが揃ってきています。
Z6Ⅱ、Z7Ⅱの位置づけは?
UZUMAX:現在、ニコンのレンズはバリエーションが増えてきていて、Z6系、Z7系、あとは、Z5、そしてZ50があります。それらのなかで、Z6Ⅱ、Z7Ⅱはニコンのカメラの中でどういった立ち位置、役割だとお考えなのでしょうか?
土谷:私からはZ6Ⅱのポジショニングについてお話させていただきたいと思います。Z6Ⅱは価格帯については、真ん中から少し上くらいなんですけれども、そういったところで、ハイパフォーマンスながら過剰な部分は削ぎ、かつ、静止画と動画のハイブリッド化というのを狙っております。今の時代、静止画だけではなく、SNSなどを見ると、ムービーを上げている方が多いですよね。そういったニーズをとらえて価格とのバランスを取ったのが、Z6Ⅱというポジションだと思っています。
UZUMAX:価格帯を良いんじゃないかって言っているユーザーは多いですよね。スペックに対して納得されている方が多いですよね。
臼井:私の方からはZ7Ⅱについて、ラインナップにおける位置づけと、価格のことも触れさせていただきたいと思っております。Z7Ⅱは趣味はもちろん、お仕事でも使っていただける機種です。具体的には、ポートレートや風景、初夏に天の川を撮りに行かれるような、そういう星系写真、そういった分野でのお客様がメインで、45メガという高画素でありながらリズミカルにとれる、先ほどのエンジンの余裕があったりするところなどから、高画素で情報量は多いが、撮りたい瞬間がリズミカルにとれる。縦位置でポートレート撮影にも対応できる、お仕事にも対応できる。あとは、今、申し上げたようなシーンの中で、細かい要望などをブラッシュアップした様な製品になっております。価格付けに関しましては、競合さんや今まで出してきた機種と比較した中で、この値段ならお買い求めいただけるだろうという価格設定になっています。モノに対する価格重要度をじっくり見て設定させていただきました。
UZUMAX:日光で、山あいを撮ってみたときに、Z7Ⅱを使ったんですが、解像度がすごく高くて、トリミングはもちろん、ファインダーに映ったそのままを切り取れるという意味で、感動できるレベルのカメラだと思いました。撮るテンポ感などでレスポンスもすごく良いのを感じられました。
ユーザー待望の縦グリップ
UZUMAX:Z6Ⅱ、Z7Ⅱは縦グリップがありますが、ここに関しても多くのニコンファンが望んでいたことだと思います。縦グリップを用意した経緯と、魅力を教えてください。
土谷:経緯といたしましては、縦位置撮影されるお客様に関しては、Zシリーズでも欲しいというお声がたくさんありました。Z6、Z7では縦位置の接点がありませんでしたので、縦位置が欲しいという声が大きかったのが理由です。この縦位置バッテリーパック、今回、我々、土谷と濱崎がプロジェクトマネージャーも兼任しております。ですので、本体側と同じような持ち心地というのを実現しております。さらに、動画撮影に特化させるために、様々なバッテリーのフォトスナップ機能も搭載しました。ですので、静止画撮影のユーザーにも動画撮影のユーザーにも使える、しっかりとしたバッテリーグリップを提供できていると思っております。
濱崎:今回、縦位置バッテリーパックを作るにあたって、正位置と縦位置、操作性が河原に様にということを意識して、制作しました。また、カメラにつけたときの一体感、親和性、をデザイン部と綿密な打ち合わせをして決めてきました。揃えた縦位置のグリップ性能ですが、皆さんに、ぜひ店頭で触ってほしいのですが、とてもこだわって作ってます。電池が二個入っているのですが、電池二個を入れつつ、グリップ性を確保したというところが、かなり苦労しました。ぜひ皆さんに触っていただきたいところになります。カメラ側に関しましては、新しい接点を設けて、通信を行っているんですが、電池ボックスの中に新しい接点を設けることで、サイズを変えずに、なんとか達成することが出来ました。この辺りはかなり苦労して、様々な方に協力していただいたことになります。ぜひ、縦位置バッテリーパックをZ6Ⅱ、Z7Ⅱと合わせて使ってみてください。
土谷:補足です。今回、良いところが二つあります。縦位置バッテリーパックも受給電対応しております。この縦位置バッテリーパックは、外していただいた状態で、USBケーブルで充電することが出来ます。電池を二個入れた充電器としても使えます。さらに、装着していただいた状態で、縦位置側の給電にケーブルを挿していただき、本体側はパソコンとつないでいただくことで、実は受給電しながら、ヘザー撮影をすることが出来ます。そういった形で、様々なワークフローを想定してこの縦位置バッテリーパック、拡張するバッテリーパックとして今回、企画しています。
UZUMAX:うず:それ聞くと縦位置バッテリーパック、欲しくなりますね。結構、今回、色々入っているんですね。
土谷:そうですね、入れられる仕様は全部入れました。
UZUMAX:私の知り合いのカメラマンでも縦位置があるかどうかでカメラの購入を決められるカメラマンもかなり多いので、すごく重要ですね。今回、そこはしっかり用意されましたね。
土谷:ユーザーの苦労を考えて、しっかりと使える縦位置パックを企画しております。
濱崎:さらにポイントがもう一つあります。先ほど、ホットスワップのお話がありましたが、今回、縦位置バッテリーではホットスワップ機構というのを採用しております。電池排出のつめが二つあるのですが、黄色い爪を押していただくと、外側の電池が取り外せます。中にもう一つ電池が残っているんですが、そちらの電池を使うように、電気的な制御が切り替わります。新しい電池を入れますと、また新しい電池の方に、電池制御が切り替わって、ずっと電池が使えるという仕様になっております。また、フォルダータイプになっておりますので、電池二個も取り外すことが出来まして、置く側の電池も取り出すことの出来る使用になっております。なので、縦位置バッテリーパックを使うと、より長い間、電力を供給できるという仕様になっております。ぜひ、これも試してもらいたいところの一つとなっております。
進化したAFと動画機能
UZUMAX:今回、実際に使っていて、オートフォーカスが特に素晴らしいと感じたんですけども、Z6Ⅱ、Z7Ⅱのオートフォーカスについて教えてください。
濱崎:今回、Z6Ⅱ、Z7Ⅱでは、それぞれ低輝度時のオートフォーカスの性能をアップしております。Z6Ⅱでは、マイナス4.5EVまで、Z7Ⅱでは、マイナス3EVまで対応となっております。さらに、ローライトエールという機能を使うと、Z6Ⅱでは、マイナス6EVまで、Z7Ⅱでは、マイナス4EVまで使えるような仕様となっております。なので、より暗いところでの撮影に適したカメラとなっております。さらに、低輝度だけではなく、動物AFや瞳AFなども設定の仕方が変わりました。より直感的に、メニューから選択できるようになりましたので、数値には出てこないところですが、ぜひ使い勝手を体感していただきたいと思っております。
土谷:あともう一つ補足なんですけども、今までだと夕方ごろからローライト効き始めたと思うんですけども、それがなくなったと思っております。それが顕著に表れているのが室内撮影ですね。今まで室内撮影だと微妙だったところもあったかもしれないんですけれども、Z6Ⅱからは室内でもAFが起動していることを実感していただけると思っております。
UZUMAX:実際に私も使っていて、室内の暗いところでもAFが合いやすくなった感覚はありますね。最初にすごく感じました。
UZUMAX:Z6Ⅱ、Z7Ⅱの動画に関してお伺いしてもいいですか。
土谷:今回、動画に関してZ6Ⅱをベースに話させていただきます。ニコンは、ずっと動画作りを意識した機能を搭載しています。まず一つが、フラット、それからニュートラルですね。それから新しく入った、クリエイティブピクチャーコントロール。こちら、実は、動画で使えるようにという思いを込めて入れているモノでもあります。やはり、動画、あとから編集ということで、絵作りを使用と言った時に大変だなと言ったところから、このクリエイティブピクチャーコントロールを動画で適用することで、シネライクな動画が撮れるようにということで入れているんですね。幅広いフォーマットに対応していく予定です。レンズに関しても、第一世代から動画に配慮したレンズというのを謳っております。なので、レンズに関しても動画に配慮した清音性、フォーカス、それからF1.8シリーズ、広角から望遠までそろってきましたけれども、同時期に出たということもありまして、絵作りが一定になるように作られています。私としては、動画をまだ撮影したことが無い方も動画機能を試していただきたいんですね。フォトショップで静止画を現像する感覚で、動画を一枚フレームを抜き出して現像する感覚で動画を撮っていただきたいなと思っております。本当に、静止画の感覚でスナップを短秒で繋げて一本の動画することから初めて欲しいんですね。それをやることで、静止画の世界から動画の世界へ拡張することが出来るんじゃないかなと思っております。そういった意味ではハイブリッドミラーレスの中で、Z6Ⅱは静止画と動画、こういった両面を持った懸け橋になる機種じゃないかなと思っております。
ニコンからユーザーへの思い
UZUMAX:最期に、他に伝えたいことなどありましたらお願いします!
土谷:もう少し思いを伝えたいなと思っていて、このカメラを作るにあたって、プロジェクトマネージャー自身が、カスタマーセンターに届けられた様々なユーザーさんの声、すべてに目を通しました。それから、ネットやユーチューブの書き込みを見たり、プロのユーザーから直接意見を貰ったり、自分自身もフォトグラファーですので、自分自身の経験なども元に精査し、何を改善するのか、入れるのかというのを考えました。皆さんの中から、「これがあればいいな」というのも拾って来たんですが、やはり「ここをもう少し直してほしい」などの声が一番切実に届いてきていたんですね。ユーザーの声をしっかりと拾って、使えるカメラにしたい、という思いで、普段使いしやすい、相棒と言われるようなカメラを目指して作っています。皆さんの声は、しっかりと我々に届いています。なので、ユーザーとしっかりと向き合って出来上がったカメラだと思っております。
UZUMAX:私も、お勧めされたレンズ二本と一緒にZ6Ⅱ、Z7Ⅱをお借りして使っていますが、本当に映りの違いをすごく良く感じます。本当にすごかったです。最後にニコンからのメッセージをお願いします。
土谷:今後も我々ニコンはユーザーに寄り添いながら、しっかりとやっていきたいと思っております。Zシステムはレンズとボディ両方合わせたものです。この両方を合わせて皆さんに最高の体験を実感していただきたいと思っております。レンズも素晴らしいものになっているので、ぜひ体験していただければと思います。
土谷・濱崎・臼井:今後ともニコンをよろしくお願いいたします。
まとめ
「自分も三週間ほどじっくり使わせてもらって、そのすごさというのを体感した」とUZUMAXさん。これから、カメラを始めたいという方にはかなりハイスペックなカメラになると思いますが、一度使っていただくとその凄さが身をもって分かると思うので、触れる機会があればぜひ試してみたください!
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