Social Good

嫌なことは「嫌だ」と言う。子供向けの『同意』を伝える絵本が大人にも刺さりまくる。

集英社から2020年10月に発行された絵本「子どもを守る言葉『同意』って何?YES、NOは自分が決める!」は、子供にわかりやすく「同意とは」を教える本。

著者のレイチェル・ブライアンさんは「性的同意」を紅茶にたとえてわかりやすく説明した動画「ティー・コンセント(お茶と同意)」の共同制作者の一人です。
かなりネットでバズった動画なので、見たことがある人もいるかもしれません。

その後彼女は娘の体験をもとに子供向けの動画『consent for kids』を公開。
その内容をさらに詳しくまとめたものがこの本です。

嫌だと思う境界線は人によって違う

本書はポップなイラストと文で「バウンダリー(境界線)」や「同意」などを解説します。この言葉たちは健やかな人間関係を育むための基本の知識。

大切な子供達だけでなく大人にも、自分を守り人を傷つけないための「知恵と勇気」を与えてくれます。

この本について、翻訳者の中井はるのさんに話を伺いました。

中井さんが翻訳者、そして親として思うのは「読んでみて大人でも気づきが多い」「親や周りの人もこの本を読んで変わると子供も変わり、社会全体も変わる」ということ。
大人にとってもボリュームがあり、色々と考えさせられる本のようです。

大学生が読んでも刺さりまくった

この本を、まだぎりぎり成人していないので大人とは言い切れないけれど、だからといって子供でもない(希望的観測)、19歳の大学二年生の筆者が読んでみました。

ちなみに、場の雰囲気に流されやすく、空気を読んで「YES」と言ってあとでくよくよしてしまい、後悔するタイプです。治したい。
この本はまず前提として、「キミは『キミ』という「世界にたったひとつだけの国」の王様」だということが書かれています。
まず、この言葉が私にぐっさぐっさと刺さりました。
最近、私も実はこのことにうすうす気付き始めていたのです。
「あれ?今までの自分の人生、他人の視線を気にしすぎでは?」と、いうことに。

このことに気づく前の自分は、
「この選択をしないと他人から見ると変だよね、だからこうするべきだよね」
という風に他人の目をめちゃくちゃ気にしていました。着る服などの小さなことから、進学先など大きなことまでも。

この本を読んで過去を振り返ってみると、その原因の一つは自分のバウンダリー(境界線)を決めずに選択を他人基準にしていたからかもしれません。

本来踏み込んで欲しくないことに踏み込まれても言えずにモヤモヤしたり、相手の求めることに無理やり合わせたりしていました。
自分の人と話せる1日の体力を超えていても誘いを断れず、結局自分も相手も楽しくない時間を過ごしたり。今思えば相手に申し訳ないです。


バウンダリー(境界線)を決めないということは、例えると隣の国との国境が明確ではないということでしょうか。山や川、海など、なにか具体的な形をとる国境がない隣り合った国同士の歴史を振り返ってみましょう。

大抵の国は、争いが絶えないと思います。
いわば国境を決めていなかった過去の私が、人間関係に疲れてしまうのは当たり前かもしれません。

そして、そもそもバウンダリーという概念がなかったために「人からNOと言われた=拒絶された」という捉え方をして、悲しくなったり失望したりしていました。
その人のバウンダリーのことを深くまで考えず、表面の言葉だけ受け取っていたからです。
バウンダリーという概念が浸透すれば、相手は嫌なことを「NO」と言いやすくなるし、受け取る側も多大なショックを受けることはなく、WIN-WIN!

そして、同意について。
大人の世界でも、同意を得ないで行動して相手に嫌な思いをさせることは度々問題になっています。
身近な例で言うと、アルハラやセクハラが該当しますね。
同意を得ないでボディタッチしたり、無理にお酒を勧めたり。
自分は受けたことないなあ、という人でもそれを目撃したことのある人は少なくないかもしれません。
実際私もセクハラを目撃したことはありますし、その時何もできなかったことをたまに思い出しては後悔します。
この本は相手と自分の同意についてだけでなく、困っている人の助け方も書かれています。
誰か困っている人を助けるのはとっても勇気のいることですが、本書の内容を覚えているとその行動の後押しをしてくれると思います。

空気を読んで本当は嫌でも耐え忍ぶのが美徳、目上の人が言うことは絶対、といった雰囲気が日本にはまだまだ残っているように感じます。

その雰囲気は相手に不快な思いをさせにくいかもしれないけど、とても疲れるし個人個人の
意思は軽視されがちで、子供など弱い立場の人は尊重されません。

この本は子供向けの本ですが、
「自分は同意やバウンダリーをちゃんと尊重できていたかな?」と、大人が自分に問いかけるよいきっかけになります。
自分のことも相手のことも大切にできる、素敵な社会にしていきましょう!

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