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クセ者4人が熱弁を振るった「常識の更新」とは|bouncyオンラインイベント

bouncyが定期開催しているファンイベント「bouncy Lab.」が12月10日夜に開かれた。オンラインでの開催としては4回目。今回のテーマは「常識を更新せよ。多様化する社会の新ルールブック」で、個性豊かな4人をゲストに迎えた。

「大クセ者」と表現したくなる4人を五十音順で紹介する。鈴木涼美さん(東大院卒の元AV女優・社会学者)▽鎌田實さん(医師・ラジオDJ)▽山田ルイ53世さん(髭男爵・芸人)▽吉藤オリィさん(ロボットコミュニケーター)。山田さんがMCとなり、bouncy編集長の津田啓夢が進行役を担当した。

会場、大爆笑に

冒頭、鈴木さん、鎌田さん、吉藤さんの服装が「黒」で揃ったことで盛り上がった。鈴木さんが「私の人生は喪に服している」と切り出したのに対し、吉藤さんは「黒い白衣」だと説明。山田さんがお笑い芸人らしいMC力を発揮し、鎌田さんを含めたゲスト3人に遠慮なく突っ込みを入れる。登壇者や運営スタッフも含め、時折、会場が爆笑に包まれた。

ゲストたちが語り合ったのは、大きくは2テーマで「常識の変化」と「新時代の新ルール」。「新時代の新ルール」では、山田さんをのぞく3人が事前にキーワードを用意し、その意味を説明した。

鎌田さん「『競争』から『協働』へ」

トップバッターとなった、鎌田さんは「『競争』から『協働』へ」を掲げた。今秋出版した「それでも、幸せになれる」(清流出版)にも書いたとした埼玉県秩父市の「みやのかわ商店街」を引き合いに出した。

シャッター商店街が各地で問題になる中、同商店街も隣り合う店舗同士が競争していた頃は客が来なかった。ところが、今は「むちゃくちゃ元気」。商店街にサンバが出現するイベントを仕掛けたり、老人ホームを訪ねて「出張商店街」を開設したり。おもしろいことをやっているうちに、商店街に人が集まるようになった。

「これまでの時代は競争、競争と言っていたけど、協働、一緒に働く時代が来る」

「助け合うことが結局自分たちを生かす。世界がそういう方向に知らず知らずのうちに、アフターコロナに向かって動くと、もうちょっと住みやすい社会ができてくるのかな」

この鎌田さんの発言に対し、他のゲストたちが「競争」のあり方について考察し合う場面もあった。

吉藤さん「サードライフの生き方戦略」

次の吉藤さんは「寝たきりのあとのサードライフの生き方戦略を考える」。 遠隔操作で社会参加できる分身ロボット「OriHime」を開発している立場からの発言だ。

吉藤さんは、まず自身が考える「死ぬことよりも怖いこと」を説明した。それは「役割を失い、何もできなくなって、他人から世話をされ続けて、生きながらえること」。

「モデルとよく言うけど、中学校なら高校、高校なら大学生、次のステップがあこがれだったはず。引退した後、地方に住んだりとかのやりたいことを言うこともあるけど、体が動くことを前提に考えている」

しかし、人生最終盤の「モデル」が描けていないとした。男性の健康寿命は約70歳なのに平均寿命は約79歳。この9年間の過ごし方が問題となる。

「どうするかを想像できない。なぜかというと、そういう友達がいないから。街中で出会うことがないから」

「そういう(寝たきりの)人たちがどんどん発信していって、スターが生まれる社会があり得ると思っています」

これに対し鎌田さんが長野県で長年、医療現場の最前線に立ってきた知見などを語った。

鈴木さん「くゆらせる自由」

鈴木さんは「くゆらせる自由」を掲げた。自身の体感として感じている時代の変化としては、金髪になる、タトゥーを入れることには「だんだん許容してくれる社会になりつつある」。さらに「ある程度フェアな平等みたいなものが少しずつ広がっている」との所感を述べた。

他方、同時に進行している事態についても言及した。「多様性を重んじたり、共生することにフォーカスしていくと、駆逐していくことがある。その人の自由を守ろうとすると、私の自由が侵害される。私のやりたい主張や言葉を言うと誰かを傷つけるとか」

鈴木さんは、原稿を書くときにタバコを手放せない「超喫煙者」だという。昨今は、電子タバコの害の少なさも訴えにくくなっているそうだ。そうした状況から、タバコ問題は「どっちかの価値を守るとどっちかの価値がつぶされる時を考える」のに「分かりやすい例え」になるとの認識を示した。

鈴木さんが提唱したタバコ問題について、吉藤さんが解決策を提起した。「人が譲り合えない時に解決してくれるのは、テクノロジーです。単純に、タバコを吸って煙が出るその臭いを吸引してくれるものがないだけ」。

テクノロジーで新しい世界を切り開いている、吉藤さんらしい発言だった。

山田さん「前向きにならなくても」

MCを務めた山田さんも見解を語った。

その言葉は、「前向きにならなくてもええんじゃないか」「もっとおおっぴらにため息をつきたい」。引きこもり経験のある、山田さんだからこそのネガティブワードや脱力の大切さの訴えだ。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、今年は緊急事態宣言が出され、ステイホームが呼びかけられる異常事態になった。その時にネット上に上がっていた「#こんな時こそ頑張ろう」の「こそ」に違和感を感じたという。

「この『こそ』の使い方すごいなと。いつ落ち込んだら、ええねん。脅迫的な『こそ』。『こそ』製の銃で『前向きになれ」と言われている感覚がすごくあった。そんなに前向きにならなくてもいいじゃないかと、すごく思った」

これに対し鎌田さんも「こんな時こそ頑張らない、と逆に言えればいいんだよね」と反応。再び引き取った山田さんは、昨夏に第2子が生まれた子育て経験と絡めて発言した。

「子育てはすごくめんどくさいし、しんどいのですよ。でも、あんまりそんなことは言えないじゃないですか。親になったとたんに、すごく徳が高い人間みたいに振る舞わないとダメなので、もっとおおっぴらにため息をつきたい」

視聴者「濃いです!」

「常識を更新せよ」のタイトル通りに、既存の価値観を揺さぶる言葉のラリーが続いた。そこに笑いのエッセンスもまぶされているため、視聴者も興味深く視聴して頂いたようだ。

「濃いです!」「このイベント無料でええのん?? めちゃ楽しい」などのコメントが寄せられた。

イベント動画のアーカイブは、bouncyのbouncyのYouTubeチャンネルまで。bouncyでは引き続き、皆さんの未来を豊かにするオンラインイベントを開催予定にしている。

視聴者がグラレコ(グラレポ)を描いてくれました!

CREDIT
Writer :高野 真吾
SNS :にしまり

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