【黒フレ筆者に聞く】TOEIC おすすめ参考書&勉強法 最短で目標スコアへ!
大学生から社会人まで幅広い世代が受験するTOEIC。TOEICには年に約10回ある公開テストや、会社や大学などが団体ごとに実施するIPテストなど数多い受験機会があり、受験者は年間で200万人以上を数えます。受験機会が豊富なことで自分のスコアを更新するチャンスが多いのが利点です。
そこで今回は、自分が目指すスコアに合わせた勉強方法について、TOEICで常に満点の成績をあげている藤枝先生にインタビューを行いました。
最短でTOEICの目標スコアを達成する教材選びと勉強方法についてお聞きしましたので、初めてTOEICに挑戦する方や、スコアが伸び悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
TOEICに向けて最高のスタートを切るために
どんな試験に向けた勉強でも、まずは自分に合った参考書を手元に置くことが肝心です。TOEIC学習において、自分に合った参考書とは自分の英語レベルに合った目標設定がされている参考書です。
TOEICはご存知の通り990点が満点です。TOEICの参考書の多くは「600点を取る!」とか「900点を目指す」といったスコア換算で難易度を表しています。自分のレベルとかけ離れた参考書と向き合っても、学習意欲が落ちてしまってTOEICの受験自体を辞めてしまうことにもなりかねません。
すでにTOEICを受験したことがある方であれば、TOEICでの自身のスコアレベルが分かりますが、初めてTOEICに挑戦する方はどのように現在のレベルを判断したら良いでしょうか?
TOEIC未経験者の方は以下の判断方法でTOEICレベルを判断できます。
1、TOEICを試しに1回受けてみる
2、公式問題集に挑戦してみる
3、書店で参考書を手にとってみる
最も手軽な方法は、書店で手にとって実際に中を見てみることでしょう。ただ、自分のレベルに合った参考書は一冊だけではありません。
数ある参考書の中からどういったポイントに気をつけて選べば効率よくTOEICの成績を上げていけるのか、「黒のフレーズ」の著者である藤枝暁生(ふじえだあきお)先生に参考書選びのポイントをお聞きしました。
TOEIC参考書選びのコツと用意すべき教材3種類
藤枝先生は、受験者が最初に悩む参考書選びについて、失敗しない選び方のコツやおすすめの教材を紹介してくれました。
TOEICの参考書選びで注意するポイントはどこですか?
教材選びには4つのポイントがあります。
① TOEICに特化した筆者であること
TOEICに特化しているとは、最近のTOEICを受験していることや満点を取っていることなどがあげられます。
「今」のTOEICに精通している著者であれば、これから受験する方に対してより学習効率の高い情報を提供できます。私が執筆しました「特急シリーズ」には、TOEICを受験し続け、満点を取り続けている中で得られた知見を詰め込んでいます。これから受験する方をサポートする参考書に仕上がっています。
② TOEICが扱わないトピックを掲載していないこと
TOEICで効率よく目標スコアに達したい方であれば、TOEICが扱わないトピックやテーマを学習するのはおすすめできません。実は、これまでの傾向でTOEICが扱わないトピックが存在することが分かっています。それは「戦争、宗教、妊娠中絶、核問題」などです。
参考書を手に取ったら、こうしたトピックに触れているか確認しましょう。もし触れている短文や長文が見つかればすぐにその参考書を棚に戻しましょう。
③ 実際の試験問題に近い構成になっていること
TOEIC試験の経験者の多くが苦手意識を持つのは「長文読解問題」です。試験用紙の「Part7」で登場することから、「Part7対策」「Part7の解き方」などと参考書でも呼んでいたりします。試験の中で特に時間を削られる問題で、Part7を解いている間に時間切れになってしまう方が多くいます。
Part7をクリアするカギは、「ダブルパッセージ」や「トリプルパッセージ」と呼ばれる2つや3つの文章を読んで5つの設問を解く問題です。どちらも文章をくまなく読んで理解していないと正解に辿り着けない構成になっています。
Part7の対策書を選ぶ際は、実際の問題を解く流れに近い構成になっているかどうかを確認しましょう。
④ 相性も大事
参考書の帯に書かれたキャッチコピーをただ信じるのではなく、自分と相性が良いかどうかが学習を続けるうえで重要です。一冊手に取ってみて、まずは3つのポイントに注意して中身を見てみましょう。問題なければ、少し読み進めてみて学習を続けやすそうか感触を確かめてみましょう。
繰り返し学習がしやすい参考書を手に入れるようにしましょう。
TOEICに向けた参考書は何冊必要ですか?
用意すべき教材は3種類です。
1つ目はETSから出版されている公式問題集です。TOEICのテスト開発をしているETSが作成した、まさに「本番」さながらの練習用模試が2回分収録されています。
2つ目はナビゲーション本です。自身の得点レンジや目標スコアごとの総合対策書です。TOEICがどんなテストかということや、解き方などが載っている総合対策書です。
3つ目は分野、パート別の対策書です。分野別というのは単語や文法、パート別というのはリスニングパートとリーディングパートのことです。Part1~7への対策や、苦手な分野に直接アプローチできる教材です。
3種類の参考書が必要な理由は何ですか?
1つ目の公式問題集はETSから出ていることもあり、本物のTOEIC試験に最も近い問題が掲載されている教材です。しかし、解説などがあまり詳しくありません。そこで必要となるのが、ナビゲーション本です。
ナビゲーション本には目標スコアに達成するためにはどうしたら良いのか、問題の解説などが詳しく書かれています。
公式問題集とナビゲーション本でTOEICテストの全体像をつかんだら、「分野、パート別の対策書」で苦手問題をつぶしていきましょう。
3種類の参考書を使って、どのように学習したら良いですか?
基本的には、3種類の参考書を同時並行で学習しましょう。ただし、スコアレベルに応じて使用する参考書の割合に注意しましょう。
TOEIC初級者(300〜500点台)であれば、単語帳とナビゲーション本をメインに学習し、まずは語彙力を高めつつ、TOEICがどんなテストなのかということを知りましょう。
単語帳やナビゲーション本が仕上がってきたら、ナビゲーション本を使用した学習比率は下げて、公式問題集や苦手な問題にフォーカスした分野別の参考書の比率を上げて取り組んでいきましょう。
ある程度、学習が進んでいる方は公式問題集や分野ごとの参考書を中心に、自分の苦手分野をつぶしていきましょう。その際には、何となく解答している問題について一つずつ検討し、確信を持って問いに答えられるようにしていくことが大切です。
どのレベルの学習者においても共通して言えるのは、勉強していく中で自身の実力や習熟度はどんどん変化していきます。同じ教材で同じ勉強方法を続けているだけでは、効果的に実力を伸ばすことは出来ません。
実力の変化に伴って、常に勉強方法や内容、計画を振り返り、学習の質や量、割合を改善しながら進めていきましょう。PDCAサイクルをしっかりと回し、自分だけの学習メニューをカスタマイズできるようになればスコアを順調に伸ばしていくことが出来ますよ。
藤枝先生のおすすめ「TOEIC公式問題集」
では、藤枝先生がおすすめする参考書や問題集について、ジャンルで分けてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは公式問題集をご紹介します。公式問題集はTOEICのテスト問題を制作しているETSが出版している参考書で、これまでに1~7までの計7冊が発売されています。中には練習用の模試が二回分収録されていて、実際に近い試験問題に触れることができます。
「公式問題集」に取り組む際の注意点や活用方法について
公式問題集について紹介してきましたが、注意点や購入した後の活用方法についてもご紹介します。
【注意点】
① 初心者の方や、自信がない方は後回しでも良い
まずはナビゲーション本や単語帳に取り組んで、実力をつけてから公式問題集に挑戦しましょう。
また、本番で到達しないPart7のトリプルパッセージにさっそく挑戦するのは非効率的なので、本番で必ず向き合うPart5やPart6だけなど、ある程度絞り込んで学習することをおすすめします。
② 最新の問題集から始めて、古い問題集へとさかのぼる
実施するのは最新の「公式問題集7」から降順(7、6、5、4・・・)に、新しいものから昔のものへとさかのぼっていきましょう。公式問題集は1~7で難易度の差はないものの、まずは優先して最新の問題集に挑戦することで、最近の問題傾向を知っておきましょう。それから古い問題集へ取り組んでみるのが無駄のないやり方です。
【活用方法】
① 試験当日と同じ時刻、同じ制限時間で問題集をスタート
午前受験は10時20分、午後受験なら15時00分開始で、制限時間は120分です。
② 解答の答え合わせをする
間違えた箇所に印を付けて後で見直しができるようにしましょう。
③ 間違い箇所のチェック
間違えた箇所については、ただ正しい答えに書き直すのではなく、どのように正しい答えが導き出されるのか他人に完璧に解説できるようにしてようやくチェック完了です。正解していた問題についても、答えへのプロセスがあっているか確認しましょう。
藤枝先生のおすすめ「ナビゲーション本」
続いてご紹介する教材は、ナビゲーション本です。現在の実力に合わせて選ぶのも良いですし、目標スコアに合わせて選ぶのも一つの手です。目標スコアと現在の実力がかけ離れている場合は、段階的にいくつかのナビゲーション本を活用してみるのをおすすめします。
「ナビゲーション本」の活用方法
学習に行き詰まってしまった方や、何から学習したら良いのか分からない方など、悩みを抱えた時におすすめなのがナビゲーション本です。TOEIC学習に自信が無い方は、まずはナビゲーション本から学習をスタートしてみるのが良いでしょう。
ナビゲーション本の冒頭にどのように進めていくべきか道標が示されているので、それに従うだけでスムーズに学習を進めていけます。
ある程度TOEICに向けた学習が進んだ方や、点数が上がるなど目に見えて結果が出てきた方は、公式問題集や分野別の参考書を使った学習時間を増やしていきましょう。学習の進行具合によって重点的に取り組む参考書を変化させていくことが大切です。
藤枝先生のおすすめ「各パート・分野別教材」
続いて、各パート・分野別のおすすめ教材をご紹介します。
「各パート別の参考書」は試験問題に繰り返し取り組む中で見えてきた「自分の苦手分野」を解消するのに役立ちます。「分野別の参考書」は、文法や単語など、英語の基礎を固めるのに役立ちます。
単語帳おすすめ活用方法
単語帳のおすすめ活用方法についてご紹介します。
効率的な単語学習は、同じ単語にさまざまな機会で触れることです。脳に定着しやすく、理解も深まります。
単語帳について詳しくはこちら↓↓↓
分野別教材の活用方法
分野別教材のおすすめ活用方法をご紹介します。
今回、特急シリーズのパート別の対策書を三冊ご紹介しましたが、その他のパートや難易度の参考書もあるので自分のレベルや苦手な箇所に合わせて選んでみてください。
詳しくはこちら↓↓↓
レベル別、目標別に自分に合った参考書を揃えて、三種類の教材をうまく併用しながら効率的に学習を進めていきましょう。
TOEIC勉強 Part○○から始めるのがコツ!
効率的な学習方法や、おすすめの教材について藤枝先生からお聞きすることができました。しかし、実際に教材を開いた時にどこから手をつけたら良いのか迷う方もいるでしょう。
そこで、リスニングとリーディングでどのPartから始めるべきか、さらに実践的なところをお聞きしました。
リスニング学習はどこから始めるべきですか?
リスニングはまずPart2から始めるのがおすすめです。なぜなら、Part2は問題の形式的にもリスニングの基本となる問題だからです。
Part2はまず最初に短い英文を聞き取ります。さらに、その短い英文に対して3つの英文を聞き取り、正しいものを選びます。Part2の英文は短いので対策がしやすく、落とせない問題です。
ただし、問題は一度読まれるだけなので、少しの聞き逃しも許されません。続くPart3、Part4も一度しか英文は読まれませんが、英文にある程度の長さがあるのと、解答の選択肢が問題用紙に書かれているため、少し聞き逃したとしてもカバーしやすいのが特徴です。
そのため、Part2の対策はリスニングセクション全般の学習につながります。初心者の方はもちろん、リスニングの勉強に行き詰った方もぜひPart2からスタートしてみてください。Part2の正答率が上がれば、Part3、4の正答率も上がってくることでしょう。
リーディング学習はどこから始めるべきですか?
リーディングパートは、まずPart5から学習するのがおすすめです。Part5は短文の中に空所があり、語彙と文法を理解しているかどうかが問われる問題です。
Part5の短文が集まって出来たものが、続くPart6やPart7だとも言えます。重要な語彙や文法事項が集積した短文をしっかりと理解することで、Part6、7の長文も正確に読解できるようになります。
穴埋め問題は少しでも疑問に思った箇所や文構造が取れないところを徹底的に洗い出して復習しましょう。
苦手意識のある方もいるかもしれませんが、英語の重要事項が詰まった短文なので苦手だからと避けないようにしましょう。
目標スコア別、教材一覧・やるべきこと一覧表
TOEICを主催しているETSが発表している「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」という五段階のレベルがあります。
こちらのレベル別に、今回記事で紹介した参考書を、実施するべき内容とともに表にまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
単語帳 |
ナビ本 |
公式問題集 |
勉強方法 |
|
---|---|---|---|---|
A(860) |
・黒のフレーズ |
・TOEIC L&Rテスト 860点 奪取の方法 |
・公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7,6,5・・・ |
公式問題集の比率を多めにして、細かいところまで読める・聞けるようにしていく。 |
B(730) |
・金のフレーズ |
・TOEIC L&Rテスト 600点奪取の方法 |
・公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7,6,5・・・ |
ナビ本と公式問題集にバランスよく取り組む。難しめの単語帳に挑戦して語彙力を強化する。 |
C(470) |
・銀のフレーズ |
・TOEIC L&Rテスト 470点奪取の方法 |
・公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7,6,5・・・ |
ナビゲーション本を中心に出来る所、確実に得点したいパートを重点的に公式問題集で対策する。単語帳を反復して語彙力を固める。 |
D(220) |
・銀のフレーズ |
・TOEIC L&R TEST 初心者特急シリーズ |
・公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7,6,5・・・ |
まずは語彙力を得るために単語帳を実施する。そしてナビ本を中心に取り組む。公式問題集はパートを絞って、2と5から実施する。 |
E(220以下) |
・銀のフレーズ |
・TOEIC L&R TEST 初心者特急シリーズ |
・公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7,6,5・・・ |
初心者特急のパート2とパート5から取り組む。単語帳をとりあえず一周する。 |
ぜひ、表を参考にして参考書を揃えてみてください。
以上の教材を使用して勉強しつつ、自分の苦手箇所が判明したら、パート別・分野別の教材を取り入れて勉強していけば万全の対策になります。一つずつ着実に課題をクリアしていきましょう。
まとめ
TOEICのおすすめ教材とその活用方法について解説しました。ご自身の現在のスコアや目標スコアに合わせて教材を選んでみてください。効率的に学習を進めることで、最短で目標スコアを達成できるよう目指しましょう。
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