対面だから面白い！ボードゲーム大好き芸人が遊び倒すボードゲームの魅力とは【Moovooモノ語り】

いけだてつや

公開: 2020-10-06

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一瞬で心奪われた運命のボードゲーム

気づけば6時間経過、超マイナー文化部状態に

人と人が直接会うからこそ楽しい

連載

Moovooモノ語り

その道の専門家や著名人が愛用品へのこだわりと、それにまつわる物語を綴る連載「Moovooモノ語り」。第14回目は、ボードゲームをこよなく愛する、お笑い芸人のいけだてつやさん。今回は、人と人が直接会うことの大切さに気づかせてくれた、ボードゲームの素晴らしさについて語ります。自宅には数え切れないほどのボードゲームを所有しているんだとか。アメトークでも「ボードゲーム大好き芸人」として出演するほど、ボードゲーム愛が止まらない！

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ボードゲーム芸人

いけだてつや

熊本県出身の37歳。スクールJCA10期生。アメトークの『芸人持ち込み企画若手プレゼン大会』にて「ボードゲーム大好き芸人」としてプレゼンするなど無類のボードゲーム好き。また高校野球、燻製料理についての知識も豊富。YouTubeチャンネル「いけだてつやチャンネル」にて配信中。

一瞬で心奪われた運命のボードゲーム

１８歳で上京して人力舎のお笑い養成学校に入ったとき、同期の芸人に「ボードゲームやるけど家に来ない？」と誘われたのが、昨今のボードゲームとの出会いでした。

正月でもないのに人生ゲームとか集まってやるものなの？プレステじゃないの？と思いながらも同期の家に行くと、「スコットランドヤード」という見慣れないドイツのゲームが。

そのゲームはロンドン市内を逃げ回る怪盗か刑事になって、捕まえるか怪盗側で逃げ切るかというテーマで僕の知っているいわゆる「ボードゲーム」ではありませんでした。

教えてもらいながら遊んでみると、これがボードゲームなのか！？運だけじゃなく戦略もあるんだ！めちゃくちゃおもしろい、もっといろんなゲームやってみたい！ボードゲーム最高！(お笑いやれ！)

と、一瞬で心をつかまれました！

ボードゲーム「スコットランドヤード」の怪盗Xのアイマスクをつけたいけだてつやさんの写真

怪盗Xになった時につける視線を隠すサンバイザー

ただこんなゲームどこで買うの？

同期も人にもらった物だそうでした。日本じゃ手に入らないのかな？

そう思いながら当時、事務所があった最寄りの JR 高円寺駅のホームでぼーっと景色を見ていると「ボードゲーム販売店」という看板の文字が！いや近所にあるんかい！！

これは運命とばかりに飛び込んだそのお店は、当時はまだ珍しかった海外のボードゲームをとり扱う、ゲームショップ「すごろくや」さん。

店内は見たことのないゲームばかりで、海外のカラフルできらきらしたデザインは、ゲームと呼ぶにはあまりにおしゃれで心躍りました！

気づけば6時間経過、超マイナー文化部状態に

何の知識もなかった僕は店員さんにオススメを紹介してもらい、「モダンアート」というゲームと出会いました。しかし店員さんに聞いた説明は、「画商になり新人画家の作品を競り落とすゲーム」とのこと。

しぶい。

ドラゴンが出てきたりロボットで戦ったりする感じじゃなく、画商になる？？これおもしろいのか？とは思いつつも、ゲーム初心者の僕は黙ってオススメを買っておこうとすぐさま購入しました。

早速遊び始めた「モダンアート」は、想像をはるかに上回る面白さでした。(疑ってすみません)

新人画家の作品を様々な方法で競売にかけ、画家の価値を上げながら取引をしていくという内容は、戦略の面白さに運の要素も含まれていて誰にでもチャンスが訪れるワクワク感で、気が付けば何度もプレイしていつのまにか６時間ほどたっていました。

テレビゲームと違い人と対面して遊ぶボードゲームはゲーム自体もさることながら、会話の楽しさが格別でおしゃべり好きな芸人の間ですぐにブームになりました。

そこからいろんなゲームを集めるようになったんですが、当時はまだまだ海外ボードゲームの世間の認知度も低く、仲のいい数人と細々と遊んでいました。ボードゲームの数は増えていくんですが遊ぶメンツはいつも変わらずで、超マイナー文化部のような感じで過ごしていました。

人と人が直接会うからこそ楽しい

10 年以上たったあるとき、テレビ朝日の「アメトーーク！」で若手プレゼン大会という企画オーディションがあり、自分で考えた企画を持っていけると聞きダメもとで「ボードゲーム大好き芸人」という企画を持って行ったところ、まさかの合格！ボードゲーマーとしてメディアに出れることになりました！

そこで紹介したのは「エミーラ」というゲームで、アラビアの豪族になり自分の宮殿に女性を集めてハーレムを築いていくという男性の夢のようなテーマですが、集まる女性の性格が一癖も二癖もあり終始四苦八苦するという一風変わったゲームでした。

この放送後 SNS で「なんだそのボードゲームｗｗ」「私もボードゲームやってましたけどこれやったことないです」「前から興味あってやってみたかったんです」など、ボードゲーマーやボードゲームに興味を持っている方々から沢山のメッセージをいただきました。

アメトーークの影響もあって、ボードゲームの仕事も増えていきました。おかげで今まで数人で遊んでいたのが、様々な人に出会い様々なゲームで遊ぶ機会が増えました。

そこで気が付いたのは、遊ぶ人が変われば今までやってきたゲームも全く違ったプレイ感になるということでした。人と人が直接会わなければできないからこそ産まれる楽しさという事を、人前に立つ仕事をするものとして学びました。

近年少しずつですがボードゲームが日の目を浴び始め、ボードゲームショップやボードゲームカフェもでき手軽に触れられるものになってきました。

顔を合わせなくても生きていける世の中にはなってきていますが、顔を合わせる楽しさが多くの人に広まって、僕の遊び相手が増えるのを願っています。