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海外ノマドワーカーのフィリピン下鳥です。
海外で一つの国に長く滞在しようと思うと、ビザが必要になります。
日本人は多くの国でビザなし(パスポートのみ)で入国できますが、その場合滞在できる期間は大体30〜90日程度。海外を拠点にするノマドワーカーにとっては悩みのタネでもあります。
そんななか、2020年8月から北欧の国エストニアで、新たに「デジタルノマドビザ」の運用が始まりました。
対象者は?発給条件は?期間は? 気になるデジタルノマドビザについて、詳しく調べてみました!
そもそもエストニアってどんな国?
エストニアは北欧バルト三国の一つ、ロシアの西隣に立地する、九州と同じくらいの面積の国です。日本人にとってはあまり身近な国ではありませんが、世界屈指のIT先進国であることは耳にしたことがあるかもしれません。
エストニアでは確定申告・入学申し込み・投票など、行政手続きのなんと99%が電子化されていて、「電子国家」の異名を持つほど。オンラインコミュニケーションツール「Skype」の発祥の地でもあります。
一方で、昔ながらの街並みが維持され、ヨーロッパらしい美しい景観が楽しめます。英語が通じやすく物価も比較的安いため、旅行者にも人気があり、移住先としても注目されている国です。
デジタルノマドビザってどんなビザ?
デジタルノマドビザはどんなビザなのか、エストニアで国内外にデジタルIDカードを発行している「e-Residency」のサイトで調べてみました。
Right for remote workers to temporarily stay in Estonia for up to 1 year.For digital nomads who can work online & independent of location
「リモートワーカーがエストニア国内に最長1年間滞在できる(場所を選ばずオンラインで作業できるデジタルノマド向け)」とあります。
ここでいうリモートワーカーとは
・エストニア以外の国の会社の経営者または社員
・エストニア以外の国のクライアントを持つフリーランサー
を指すとのこと。
日本人はエストニアへビザなし入国でも90日まで滞在できますが、これまでは1年滞在したい場合はロングステイビザが必要でした。
ロングステイビザの発行条件には、エストニア国内での就学や就労が含まれるため、リモートワーカーとして1年滞在できるというのは画期的です。
取得の条件は?
情報をまとめると、大きく以下2つが条件になるようです。
・エストニア国内で場所を選ばずリモートワークできること
・申請の半年前に3,504ユーロ(税込)以上の月収を証明できること
3,504ユーロ=約43万円なので、そこそこ高収入ですね……! ノマドワーカーなら誰でもというよりは、ある程度しっかり稼げている人に門戸を開いているビザと言えそうです。
ただ、語学力の証明や資格などは必要ないので、収入が唯一最大のハードルとも言えるかもしれません。
どうやって取得できる?
取得の流れは以下の通り。
1.エストニア外務省サイトでロングステイビザの申し込みフォームを入力する
2.入力したフォームを印刷して署名する
3.以下の必要書類と一緒にエストニア大使館に提出する
・リモートワークが可能であることの証明
・エストニア以外の国との仕事契約証明
・申請の6か月前の収入証明
・仕事内容の説明書類
・履歴書
4.審査(1ヶ月程度)を経てエストニア大使館で受け取る
取得方法自体は既存のロングステイビザと同じで、提出する書類だけ異なります。ビザ自体もロングステイビザと同じステッカーで発行されるそうです。
「リモートワークが可能であることの証明」はなんだか難しそうな気がしましたが、たとえば仕事の契約先にリモートワークが可能である旨を書面でしたためてもらうかたちでもOKとのことで、これなら比較的調達しやすそうです。
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収入基準がやや高めだったり、書類の準備が少し面倒そうではありますが、学歴・語学力・資格などの要件は一切ないので、取得のハードルは決して高くないビザだと思いました。
エストニア政府によると、今回デジタルノマドビザを開始した背景には、「電子国家エストニア」のイメージ強化と、エストニア国内の経済回復を図る狙いがあるそうです。
実は現在、他にもいくつかの国でこういったノマドワーカー向けの制度が準備・運用されています。
カリブ諸島の国バルバドスでは、リモートワーカーが1年間滞在できる「バルバドス・ウェルカム・スタンプ」の発行が始まりました。
北大西洋のイギリス海外領土バミューダでも、同じくリモートワーカーが1年間滞在できる「ワーク・フロム・バミューダ」の申請受付を開始しています。
さらに東ヨーロッパのジョージアも、近々リモートワークビザを始動予定と言われています。
今はまだレアなノマド向けビザですが、あらゆる面でグローバル化が進んでいる今、この動きは世界に広がっていくと考えられます。
これからはさらに、働く場所や住む場所の選択肢が、国境を超えてどんどん増えていきそうです。