スリングって何? 抱っこひもとの違いや使い方を解説
赤ちゃんや3歳くらいまでの子育てで抱っこ紐を購入する方も多いでしょうが、似た商品にスリングがあります。
シンプルな構造や見た目ですが、おしゃれなデザインのものも多く、また、小さくたたんでバッグなどに入れやすいのもメリットです。
今回は、3人すべての子育てにスリングを使ってきた筆者が、赤ちゃん用スリングの使い方や注意点などをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
▼ スリング選びに役立つ情報を紹介
赤ちゃん用スリングとは?
「スリング」という言葉自体は、医療用や登山用などいくつかの用途で使用されていますが、ここでは赤ちゃん用のスリングについてをご紹介します。
赤ちゃん用のスリングはベビースリングとも言われていますが、日本では商標登録されているため、商品に名づけることができません。
従来の抱っこ紐と異なり、片側の肩にかけて使用するのがスリングです。スリングに似ていますが、別のものとして扱われているものにベビーラップもあります。
ベビーラップは片側ではなく両肩に布を巻きつけて使用します。
赤ちゃん用スリングの発祥・歴史とは
元々赤ちゃんに限らず、重いものを運ぶ手段としてバスケットや布、革などが遠い昔から世界各地で使用されてきました。中でもハンモックのような網で赤ちゃんをおんぶしたり、木の枝や家の柱にひっかけておいたり、といったスタイルが現代のスリングに最も近い形と言えます。
女性が働きながら赤ちゃんの世話をするのが当たり前の時代、または文化の中では、両手がふさがらずに赤ちゃんを運ぶことができるというのが重要な要素でした。
商品化され始めたのは1960年代になってからです。アフリカやメキシコで当時使用されていた、赤ちゃんをくるんで身に着ける布をヒントに、スリングを販売目的で開発する会社が出てきました。
こうした流れの中、一大ブームを巻き起こしたのは1980年代のシアーズ博士による「アタッチメント子育て」理論によるものです。シアーズ博士はアメリカの小児科医で多くの育児書を著す権威です。
シアーズ博士が、ハワイで妻のためにリング式スリングを作った男性からそのアイデアを買い、赤ちゃんを肌身離さず身に着けることができるものとして推奨して以来、スリングはあっという間に世界各国に広がりました。
現在は大小さまざまな企業だけでなく、個人も多種多様なスリングを生み出していて、選択肢が広がりを見せています。
赤ちゃん用スリングのつけ方・使い方とは
同じスリングでもメーカーや赤ちゃんの月齢、抱き方によっても使い方が異なるので、実際に使用する際は取扱説明書などをよく読んで使用してください。
一例として公式サイトに記載されている使い方をご紹介します。
▼ 北極しろくま堂の公式動画を紹介
また、以下の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてください。
赤ちゃん用スリングの注意点とは
特に新生児でスリングを使用する際は、首が極端に折れ曲がることの無いようしっかりとスリングの縁で支えることが大切です。頭まですっぽりとスリングの中におさまってしまうと、首が曲がりすぎて窒息する危険があります。
また、新生児は股関節脱臼の危険性が高いため、脚を伸ばした状態で固定してしまうとよくありません。スリングに入れた際には脚がM字開脚になるように保つ必要があります。
ただし抱き方で股関節脱臼を予防することができます。詳しい内容については下記のリンク内動画を参照してください。
赤ちゃん用スリングと抱っこ紐との違いとは
赤ちゃん用スリングは、片方の肩にストラップをひっかけて使うのに対し、抱っこ紐は肩や腰など多くの場所に支点が分散されています。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
スリング | 布1枚または数枚でできていることが多く、通気性が高い 畳みやすく持ち運びしやすい | 片側にのみ支点があるため、バランス良い位置を見つけるのが難しい |
抱っこ紐 | 両肩や腰など多くの支点で支えるため、負担がかかりにくい | ストラップやベルトなどが多く、装着が面倒 クッションなどが使用されていて分厚いため、夏場は暑い |
厳選!人気の赤ちゃん用スリング4選
赤ちゃん用スリングは世界中で実に多くの種類が販売されているので、なかなか絞り込むのが難しいですが、安全性がしっかりとしたロングセラーを厳選しました。
手染め職人による染色で、一つひとつ微妙に違うタイダイパステルが素敵です。見た目のデザインだけでなく、アメリカの安全基準も満たしており、信頼性も高いのが特徴です。
- 北極しろくま堂
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キュット ミー! しじら織り さくら
- 税込み13,090円(楽天市場)
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日本人の体型と気候を考慮したスリング
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綿100%。PL保険加入。対象年齢:生後2週間目から16kg(約3歳)まで。
日本のメーカーが日本人向けに開発し、赤ちゃんの首を支える中綿が入っているのが大きな特徴のスリングです。しじら織りという日本独自の織物に強度を加えて改良しながら、より一層スリングにふさわしい形に仕上げています。
- LOVE RADIUS
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ベビースリング ベビーリトルラップ
- 税込み13,200円(楽天市場)
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LOVE RADIUS独自開発の新しいニット生地を使用
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ヨーロッパ規格NFEN13209-2の基準をクリア。日本化学繊維検査協会の堅牢検査、15kgの耐荷重検査をクリア。
ラブラディウスはフランスのメーカーです。こちらのリトルベビーラップは、他社のスリングと比較してストラップ部分が幅広く、重さが分散されるため負担がかかりにくいというのが特徴です。
キルトパッドがアクセントになっていますが、これは金属製のリングが直接肌に触れないための工夫でもあります。
オランダ生まれのミニモンキーは、2児の母が手作りしたスリングが始まりです。コアラ抱きまたは腰抱きが可能で、脚がM字開脚に保たれるため、股関節の異常を発生しにくいのが特徴です。
赤ちゃん用スリングの作り方とは
赤ちゃん用のスリングは首の座っていない新生児も使用できますが、手作りする場合にはそれなりに強度のある材料を使用しなければ、破れたり壊れたりして大きな事故にもつながりかねません。
逆に、安全性の保障された材料を使用すれば、かなり簡単に手作りすることができます。
手芸店やホームセンターで似たようなリングはたくさんありますが、実際スリングを手作りするとなるとどれを使ったらよいか困ります。ベビースリング用に開発されたリングであれば安心ですね。
作り方
強度を考え、手縫いではなくミシンで縫ってください。布が何重にも重なり合う部分を縫うことになるため、生地が厚いと針が折れることがあります。
① 長方形の布の長い二辺と短い一辺をほつれないよう三つ折り縫いにします。
② 三つ折り縫いしていない一辺の端から50cmほどのところまでを3回分ジャバラ折りし、最後に三つ折り縫いした側が外側になるようにします。
③ ジャバラ折りの部分をアイロンがけし、崩れないようにマチ針で留めておきます。
④ 端から20cmほどのところにリングを2個通し、内側に折ります。端を1cmほど折り返した状態で四角の中にバツがあるような形を糸を切らずに一筆書きの要領で縫っていきます。
まとめ
あんなに小さな布で運べていた子どもたちが今はもうこんなに大きくなって…とスリングの記事を書きながら回想してしまった筆者ですが、今となってはほんのわずかな期間でもその時その時に大切な育児があるということを感じています。
これから育児が始まるという方は、ぜひお子様にも自分にも優しい育児グッズを選択して、楽しんでいただけたらと思います。
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