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AIに一体何ができるのか。正直、わからないところも多いですよね。にもかかわずNECとコエドビールが、AIクラフトビールを開発しました。いや、ますますわからん!
クラフトビールをぐいっと一杯、ビール好きにとっては人生をひとときを彩る至高の瞬間です。NECとコエドビールの「人生醸造craft」は、AIで世代ごとのトレンドを味に変換するという、なんとも未来を感じるクラフトビールです。
「人生醸造craft」のからくりとは?
「人生醸造craft」は、AIによって世代ごとの人生の味わいを再現した20代・30代・40代・50代モデルが4缶セットになったクラフトビールです。NECのAI技術群「NEC the WISE」で小学館から提供された過去40年間分の雑誌データを分析することで、ビールづくりに役立てています。
例えば40代のトレンドを再現した「人生醸造craft ~40's YELLOW〜」の場合、40代の人が20代の頃に販売されたファッション誌「CanCam」から、AIによる画像分析でトレンドカラーを抽出しています。
このようにして各世代が読んでいた雑誌データを元に色・味・香りが数値化され、コエドビールがこの数値を元にクラフトビールを醸造。AIから「人生の味わい」が表現されているというわけです。
各世代ごとにビールを飲み比べてみた
各世代のトレンドが味わいへと変換されたクラフトビール、どんな味わいがするのか、20代・30代・40代から一人ずつ代表を立て、それぞれビールを飲んだ感想を話し合ってみました。
SNSに囲まれて育ったデジタルネイティブ世代の20代を代表するのは、ライターとして活動するユリサ(25)さん。20代のトレンドを分析した~20's PINK〜を飲んでもらいました。
ユリサ:缶のラベルもかわいいし、インスタにあげたくなっちゃう女子が多そう。このビールを例えるなら……背伸びしてる港区女子かな(笑)
20代のビールだから飲みやすいのかな?って思ってたんですけど、飲んでみたら酸味のあるグレープフルーツジュースというか、ロゼワインみたいな味わいですね。焼き肉とか油っぽい食べ物に合いそうですね。
昭和から平成と2つの年号を渡り歩いたミレニアル世代の30代代表としては筆者(32)が参加。~30's BLUE〜はグラスに注ぐとクラフトビールとしても珍しいブルーが目を引きます。大学卒業年度が就職氷河期のスタートだった筆者としては、大学時代を思い出させる色合いでした。
飲んでみると、フルーティーな香りかつ、ライトな口当たりです。どちらかというと、30代後半の渋い大人というよりは、20代からようやく30代になったばかりの30代前半が飲むのに適した味わいのように感じました。
「失われた10年」を経た団塊ジュニア世代の40代を代表したのは、同じく編集部に在籍のすえいし氏(42)。見た目はクラフトビールとしても一般的なブラウン系の「~40's YELLOW〜」を飲んでもらいました。
すえいし:めっちゃ飲みやすいね! 今までいろいろ苦労してきたけど、これまでの苦労が喉にチクチクッとくる感じがするね。
なお、「~50's RED~」は50代代表者が見つからなかったのですが、バブル世代の50代のトレンドを分析した結果、もっともアルコール度数が高いビールに仕上がっています。色合いは赤色に近く、これはAIが雑誌から真っ赤なボディコンスーツを読み取ったからかも?
世代間コミュニケーションを促すビール
AIを活用するという興味深いプロセスで作られた「人生醸造craft」。どんな経緯で作られたのか、このプロジェクトを先導したNECのマネージャー・志村 典孝さんに話を聞いてみました。
——開発のきっかけは?
志村:去年入った新入社員が、「上司や先輩とどうやってコミュニケーションをとっていいかわからない」という悩みを打ち明けてくれました。同じような悩みを持つ人が多くいると考え、コミュニケーションを活性化できるツールをAIを使って提供できないかと考えたのがきっかけです。
そこで時代や価値観を象徴している雑誌に着目し、AIを活用したクラフトビールが誕生しました。「人生醸造craft」を飲むことで、世代を超えて思い出を語り合うというようなコミュニケーションが生まれればと思います。
——製品への想いや出来映えについて
志村:非常に個性的なクラフトビールができたと思っています。特に30代の青色ビールは、コエドビール様でも初めての挑戦だったということで、特に個性的だったと感じています。弊社はAIが「30代は青色」と算出したデータをコエドビール様にお渡ししたんですが、青色をいかに自然原料だけで作るかというところを大変苦労され、「クチナシ」という原料に行き着いたと聞いています。
——今後の展望について教えてください
今回のクラフトビールは、「NEC the WISE」を使って、ブレンドコーヒーやチョコレートを開発した企画の第三弾になります。
今後の詳細はまだ決まっていませんが、今後もAIを使って人と人のコミュニケーションを助けるツールだったり、人をアシストする商品を提供できたらな、と思っています。
——AIを活用してチョコレートやビールを作る企画には、どいう想いがあるのでしょうか?
AIに対して「人間の仕事を奪う」「怖い」という印象を持っている人もいると思います。そういう方々にもっとAIを身近に感じてほしいし、AIは人間の生活や仕事を助けてくれるものだと知ってほしいですね。
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2020年7月15日に数量限定で発売された「人生醸造craft」は、多くの注目を集めて1日足らずに売り切れとなったほど。現在は製造のめどがつき、コエドビールのオンラインストアで追加分の予約注文を受け付けており、2020年9月下旬〜2020年10月中旬に発送される予定です。こちらも数量限定なので、気になる方はお早めにどうぞ。
各世代のトレンドの味がするかどうかは飲む人次第ですが、話のきっかけになるのは間違いないはず。筆者は帰省のお土産に両親にプレゼントしようかと思っています。
※[お詫びと訂正] 2020/08/11 11:34:記事および動画内で、NEC志村さまの氏名に漢字の誤りがあったため訂正いたしました。謹んでお詫びします。