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暗闇のステージで、派手なネオンダンスショーを繰り広げるのは、ウクライナのダンスグループ「Light Balance」。彼らは、アメリカの人気オーディション番組「America’s Got Talent」の出演により、今世界中の注目を集めているダンスグループである。
番組での辛口採点で有名なSimon Cowell氏をうならせ、The Black Eyed Peasのブレーン的存在であるwill.i.amも、“お気に入り”と語ったそのダンスと、背景にあるストーリーとは?
ダンスとテクノロジーの融合
「Light Balance」のパフォーマンス中は、ステージにライトが当たることはない。真っ暗なステージに突如浮かび上がるダンサーたち、現れては消え、消えては現れ…と、一体ステージ上に何人のダンサーがいるのかも分からない状態である。
ダンスとテクノロジーが融合して、繰り広げられるネオンダンスショーは一体どのようにして完成しているのだろうか。それは、蛍光塗料を塗布したワイヤーを張り巡らせた衣装を用いることで、音楽と光が融合した独特なパフォーマンスを可能にしているとのこと。
この衣装のおかげで、ダンサーの動きが「線」として暗闇に浮かび上がり、彼らのダンスのクオリティの高さを実感することができる。ネオンで輝くダンス姿は、まるで、真っ黒なキャンバスに描かれていくアートのような世界感だ。
衣装の他にも「Light Balance」は、独自のPCアプリを使い音楽と光の効果を正確に同期させ、コントローラーでタイミングを制御することで暗闇の中での鮮やかなダンスが表現することを可能としている。寸分違わず光や音楽と融合するダンスは、見ている人を“WOW!”と驚かせる。
故郷のためにダンスショーを作る
唯一無二のダンスショーを作り上げる「Light Balance」は、プログラマーと振付師、デザイナー、ダンサーから構成されている。彼らのダンスにはストーリー性があるものも多く、ストーリーを追いながらダンスを楽しむことができる。
また彼らを語る上で、故郷ウクライナの存在はとても大きなものだ。テクニカルディレクターを務めるMykyta Sukhenko氏の故郷では、人々が職を失い、食べるものに困ることもあるという。そんな故郷に家族を残してきた彼は、「Light Balance」がアメリカのテレビ番組に出演し、成功することでより良い生活を家族に送らせてあげたいと願っている。ダンスはまさに彼らの希望なのだ。
情熱がこもっているパフォーマンスは、人の心を強く打つ。「Light Balance」のパフォーマンスには、ダンスを愛する心と故郷を想う気持ちがこもっているのかもしれない。彼らの成功が、ダンスシーンだけではなく、ウクライナにとっても良い影響を与えることを願う。
Courtesy of Light Balance