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無数の極小カーボンナノチューブを「森」のように配置することで、光を当ててもほとんど反射しないほど黒い物質が「Vantablack(ベンタブラック)」だ。ブラックホールの色とも表現される塗料で、Surrey NanoSystemsが幅広い用途に活用するべく、開発を続けている。
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「ベンタブラック」はスプレーを吹き付けて塗装することができるが、厳密には黒い塗料や色素というわけではない。1平方cmあたり約10億ものカーボンナノチューブの「森」で形成されているため、深い森に光が届きにくいのと同様に、光を当てても反射しない。そのため、黒い塗料よりも黒く見えるという仕組みだ。
可視光線を99.965%吸収するため、「ベンタブラック」で塗装した物体は凹凸すら見えなくなり、まるで穴が空いていると感じるほど。不要な光の反射を制御できるため、高性能赤外線カメラ、宇宙衛星の外壁など、幅広い分野での使用用途が想定されている。
さらに、吸収した光を熱に変換する能力も備えているため、太陽光発電業界での活用も期待されているという。
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なお、「ベンタブラック」を見た人は触り心地を確かめたくなるそうだが、直接触ると壊れてしまうとのこと。つまり「世界一黒いクルマ」や「世界一黒い服」といった用途には向いていないようだ。
その一方で、ほとんど質量を持たないため、ロケット発射などの衝撃には耐えられる弾性を持ち合わせている。世界一黒い物質を使って、新しいテクノロジーが発展していく。
Surrey NanoSystems