カメラマン直伝!ポートレートの撮り方

南谷 有美
公開: 2020-02-10

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カメラや携帯を使って人を撮影するとき、「もっと上手に撮れたらいいな」と思うときはありませんか?特別な機材を買わなくても、ちょっとした方法で素敵な写真を撮影することができます。現役カメラマンである筆者が、そのちょっとしたコツをご紹介します。


ポートレートとは

ポートレートイメージ画像

ポートレートとは肖像という意味で、人物を被写体とした写真のことを意味します。近年ではポートレート機能が搭載されているスマホやアプリも一般的になってきたため、馴染みのある方も多いかと思います。人物にピントをあて、背景をぼんやりとぼかした写真が一般的なものになります。

ポートレート撮影で大切なこと

ポートレート撮影をするときに意識した方が良いことをご紹介します。

光画像

ポートレートを撮るときに気をつけた方が良いことは、光です。光のあたり方で、写真の仕上がりが全く異なるものになります。屋外では太陽の位置、室内では照明の位置に注意するようにしましょう。
光には、順光・逆光・横光・斜光・半逆光の5種類があります。被写体に均一に光が当たる順光、背景がキラキラして被写体が引き立つ逆光、明暗がはっきりした写真に仕上がる横光、光と影のバランスが良く証明写真などでも使われる斜光、立体感のある印象的な写真に仕上がる半逆光。それぞれ違ったイメージの写真に仕上がります。どういうイメージで撮影したいかを考え、その光が当たるように被写体やカメラ位置を調整することが大切です。以前、Moovooで執筆した記事に詳細が書かれています。こちらも参考にしてください。

距離

次に大切なことが、距離です。スマホのカメラだとそんなに影響はないと思われますが、一眼レフのような大きなカメラを持って至近距離で構えられると被写体は緊張してしまいます。それが小さな子どもだった場合は、泣いてしまうこともあるかもしれません。それを避けるために、ポートレートの時は望遠レンズで撮ることをおすすめします。それだけではなく、望遠レンズには背景がボケやすくなるという効果もあり、人物がより際立つ写真を撮ることができます。

アングル

ハイアングル画像

アングルとは、被写体に対してのカメラ位置のことです。ポートレートを撮るときに、こちらもおさえておきたいポイントです。アングルには3つの種類があり、それぞれ特性があります。臨場感や迫力のある写真に仕上がるハイアングル、正面からきっちり撮りたいときに使われる水平アングル、スタイルが良くみえる効果があるローアングル。カメラ位置によって、同じ被写体でも違った印象に仕上がります。こちらの記事に図や実例を交えてご紹介していますので、是非参考にしてください。

コミュニケーション

コミュニケーション画像

最後にご紹介するのは、被写体とのコミュニケーション。これがポートレートを撮影する上で、最も大切なことになります。写真には、目には見えないその場の空気感も写ります。緊張した雰囲気のときは緊張感のある写真が、和やかなムードのときは微笑ましい写真が、楽しそうな場所では笑顔溢れる写真となります。
親しい間柄であればこのようなことで悩むことはないと思いますが、筆者のように写真を撮る仕事をしていると、お客様のほぼ全員が初対面です。顔合わせから数分で撮影に入るということも多々あります。そんな状況の中で、筆者が特に意識していることを2つご紹介します。一つは、会話をしながら撮影するということです。自分の好きなことを話す人の表情はそれだけで輝いてみえます。相手がカメラがあるということを忘れてしまうくらい話題をどんどん振り、自然な笑顔を引き出しましょう。もう一つは、撮影を楽しむということです。楽しさというものは相手にも伝わるものです。楽しんで撮影をして、相手の笑顔も引き出しましょう。

こんなときどうする?ポートレート撮影Q&A

ポートレートを撮影するときに「これで大丈夫かな」と思う場面が多々あると思います。現役カメラマンの筆者が、その疑問にお答えします。

Q. 逆光のときは、どのように撮影すれば良いのでしょうか?

逆光失敗例

A. 撮影時に逆光になってしまうとき、考えられる対処法は2つあります。
一つは、被写体の位置もしくはカメラ位置を移動することです。被写体の顔に光が当たるような位置に移動しましょう。

逆光成功例

もう一つは、被写体に光を補うことです。ストロボやレフ板などを使って、顔に光が当たるようにします。そのように聞くと難易度が高い感じがしますが、次に紹介する話を聞いて、良い機材が揃ってなくてもできることだと思うようになりました。私の知人で、必ず白い服を着てポートレートの撮影する方がいらっしゃいました。カメラマンというと黒い服というイメージを持っていた私は、不思議に思ってその理由を尋ねてみました。すると、「白い服で被写体の光を補っているんだよ」と教えてくれました。被写体はカメラマンの方を必ず見ます。そのカメラマンが白い服を着ていると、被写体の目にはキャッチライトが入り、顔も自然と明るくなるということです。このようなちょっとした工夫で、人物を明るく撮影することができます。是非お試しください。

Q. 大人数での撮影のときに気をつけるべきところは?

大人数画像

A. 大人数の撮影で気をつけるべきことは、画角絞りです。順番に説明します。
光は、太陽が撮影者の後ろ・被写体の正面に位置する順光、もしくは太陽が撮影者の斜め後ろ・被写体の斜め前に位置する斜光で撮影するようにしましょう。その理由は、被写体に均等に光があたるためです。
画角は、50mm以上で撮影することがおすすめです。その理由は、広角で撮影すると端の人が歪曲して写ってしまうためです。もしどうしても50mm以上で撮影することが難しい場合は、広角で広めの画角で撮影し、後でトリミングするようにしましょう。

Q. 初対面の人を撮影するとき、どのような流れで撮影すれば良いでしょうか?

A. 実際に私が初対面の人を撮影するときの流れをご紹介します。

撮影イメージ

①どのようなイメージで、どんな写真に仕上げたいかヒアリングする
これをもとに、撮影場所や光の向きなど、撮影の大まかな流れを組み立てます。
②顔のパーツをみて、どちらが利き顔か判断する
人にはそれぞれ利き顔があります。どちらの向きが美しいか、見て判断します。これはヒアリング中に行っていることが多いです。
③撮影
いよいよ撮影に入ります。
撮影中に一番大切にしていることは、被写体とのコミュニケーションです。カメラの設定・撮り方・構図などを頭の中で考えながら、被写体との会話を楽しみます。短時間でどれだけ距離を縮められるかということがポイントになってくるので、会話の内容にも注意を払っています。一番よくしている方法は、共通点を探すということです。共通点が見つかることで距離が縮まり、そして共通の話題で話すこともできます。そのほかに意識していることは、被写体と目を合わせるということです。カメラをずっと構えているのではなく、基本的には持っている状態で、良い表情になってところでシャッターを切るようにしています。そのことによって自然な笑顔をおさえることができます。
撮影時間はその内容にもよりますが、30分〜1時間以内で終了するように心掛けています。
④写真の確認
被写体の方が最も気になる、写真の出来栄え。モニターを確認して良い写真が撮れたと思った時は、そのまま被写体にも見せるようにしています。そうすれば、被写体の気分も上がるし、万が一気に入らないことがあればこの時点で修正することができます。写真の確認は、被写体とのコミュニケーションツールの一つです。良いものはどんどん共有し、楽しい雰囲気で撮影を進められるようにしましょう。

Q. 赤ちゃんや子どもを撮影するときに気をつけた方が良いことは?

子ども画像

A. まず第一に、ストロボは極力使わないということです。ストロボの強い光は、子どもの目には刺激が強すぎます。自然光を使って撮影できるような環境を設定することが大切です。
次に意識すると良いことは、子どもは長い間じっとしていられないということです。いかに短時間で写真を撮れるかが大切になってきます。連写機能を使ったり、シャッター速度は速めに設定して、良い瞬間をおさめることができるようにしましょう。
最後に大切なことは、無理強いはしないことです。機嫌が悪く泣いている場合は、時間を少しおいてみて、それでも難しい場合は日を改めるようにしています。写真撮影が子どもにとって良い思い出となるように、配慮しています。

携帯でも大丈夫!ポートレート撮影のコツ

ポートレートは一眼レフだけではなく、スマホでも十分楽しむことができます。この写真良いねと友達に言われる、撮影のコツをご紹介します。

人物にしっかりピントをあてる

ピントイメージ画像

画面をしっかりタップして、ピントをしっかりあてるようにしましょう。

ボケやすい背景をセレクトする

背景イメージ画像

情報量が多い背景だと、視線が分散されてしまいます。人物が際立つような、すっきりした背景を選んで撮影しましょう。

望遠で撮る

広角よりも望遠の方がボケやすいということは、一眼レフだけではなくスマホでも有効です。レンズが複数ついているスマホの場合は、望遠の方のレンズを。レンズが一つのスマホの場合は、一歩下がって手動でズームする機能を使って、撮影をしてみましょう。

グリッドで構図を決めてみる

グリッドイメージ画像

カメラ画面でグリッドを表示させます。そのグリッドを使って、被写体の位置を定めます。おすすめは、三分割構図。画面を縦横にそれぞれ三分割して、そのライン上に被写体を配置するという構図です。被写体がどちらかの端に寄るため、反対側に余白が生まれます。この余白を使うことで、バランスの良い写真に仕上げることができます。

動く被写体の時は、LIVEをオンにする

あまり馴染みがない方も多いかと思いますが、LIVE撮影をすることができます。カメラ画面を起動すると上段の真ん中にあるボタンを押します。動画と静止画の間のような形です。一定区間撮影した箇所から一番良いショットを切り取って写真にできるという機能です。動きの予測がしづらい場面や被写体ときに使うと、便利です。

LIVEイメージ画像

LIVE機能が搭載されているスマホの方は是非使ってみましょう。

ポートレート撮影を楽しもう

ポートレート撮影についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?ちょっとしたコツと被写体とのコミュニケーションで、誰でも素敵な写真を撮影することができます。思い出をより濃いものにしてくれる、写真。大好きな人達との時間を、記録していきましょう。

フリーランスカメラマン
南谷 有美
フリーランスのカメラマン。物撮りやブライダル、学校写真などその内容は多岐に渡るが、現在は広告系がメイン。カメラマンの前は保育士を5年、その他にはファスティングコンサルタント、カラーセラピストの資格を所有し、トレーナー育成経験も有り。

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