子どもから大人まで楽しめる、おすすめ望遠鏡9選 選び方や人気メーカーを紹介
望遠鏡は「鏡筒(きょうとう)」と呼ばれるメインとなる筒の部分と、その筒を安定させて自由に動かすための「架台」、それらをしっかり支える「三脚」で構成されています。どんな場所で何を見たいかによって選び方は変わるので慎重に選びたいですよね。
そこでこの記事では、子どもと一緒に楽しみたい方や入門機では満足できない方へ、おすすめの望遠鏡を紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
仕組みを知れば天体望遠鏡の選び方が分かる!
Photo by 写真AC
あなたは天体望遠鏡をどのように使いたいと思っていますか?天体観測だけではなく、写真撮影をしたい。望遠鏡を持って移動したいなど、目的に合わせて選ぶことが重要です。選び方を失敗しないよう、天体望遠鏡の仕組みと一緒に選び方のポイントを解説します。
望遠鏡のメイン「鏡筒(きょうとう)」の主な2種類とその違いについて
望遠鏡の筒の部分「鏡筒」は、星からの光の集め方によって形が異なります。ここでは「屈折式」「反射式」の2種類を説明します。
- 屈折式
星の光を集めるのに対物レンズ(凸レンズ)を使用し、光を1箇所に集めます。鏡筒の後ろから覗いて見るので、見る方向が望遠鏡の向きと同じで分かり易いです。初心者におすすめです。
- 反射式
凹面鏡を使って光を集めるタイプになります。 鏡筒の内部は、密閉された屈折式と異なり開放されているので、内部と外部に気温差があると内部気流が発生して使用できません。外で使用する際は外気温に慣らす時間が必要です。また、覗き口は望遠鏡の横から出ているので、望遠鏡の向きが見ている方向と違うことから、対象物をとらえるのに慣れが必要でしょう。
ポイントは明るさを左右する口径
暗い夜空を見るのですから、明るさが重要です。光を集める対物レンズや反射鏡(主鏡)の口径を有効径と呼び、有効径が大きいほど明るさを取り込み天体はよく見えます。ですが、大きくなれば重量は増すので扱いにくく、価格も上がります。
扱いやすく、求めている観測ができるかどうか、明るさを表すF値を確認してみてください。値が小さいほど明るい望遠鏡になります。
F値の求め方は、対物レンズや反射鏡(主鏡)の中心から、屈折もしくは反射した光が一点に集まる焦点までの長さ「焦点距離」を対物レンズや反射鏡の「有効径」で割ってください。
何を見たいかで変える倍率(拡大率)をチェック
例えば月を観測する場合、月全体を見るのとクレーターなどの月面の形状を見るのとでは、倍率(拡大率)を変える必要があります。望遠鏡の倍率を決めるのは、鏡筒の焦点距離と接眼レンズです。接眼レンズを交換することで、倍率は自由に変えることができるので、付属の接眼レンズの種類もしっかりチェックしましょう。
倍率の出し方は、対物レンズや反射鏡(主鏡)の焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割ります。
事前に確認しよう!望遠鏡によって異なる適正な倍率
倍率を変えることで、観測対象が広がることは分かりました。しかし、見え方は倍率だけでなく望遠鏡の対物レンズ口径(有効径)も関係しています。そのため、天体望遠鏡にはそれぞれ「適正な倍率」があるのです。
適正な倍率とは、有効径の大きさ(ミリ数)を約2倍にした値までです。有効径が100ミリの天体望遠鏡の場合、約200倍までの倍率が適正といえます。もしそれ以上の倍率となる接眼レンズを使った場合は、像が暗くぼやけてしまい、よく見えない状態になるので注意が必要です。
架台(マウント)の選び方は?「経緯台式」と「赤道儀式」の違い
架台のタイプは大きく分けて「経緯台式」と「赤道儀式」があります。
- 経緯台式
操作が上下左右と単純なため、初心者に向いています。地面に対して水平方向と垂直方向に動き、観測前のセッティングなどをする必要がありません。デメリットとしては天体の追尾をしたいとき、上下方向と左右方向の微動ハンドルの両方を操作しなければいけません。
- 赤道儀式
星の日周運動を追いかけるために作られたため、動きが水平垂直ではなく、天球の軸となる赤緯・赤経に合わせて動きます。観測する前に、極軸といわれる回転軸を地球の自転軸と並行になるよう、極軸望遠鏡を使用してのセッティング作業が必要です。
慣れてくれば、赤緯に合わせて動かすだけで天体を追尾することができるため、長時間の天体観測や天体写真の撮影には適しています。ただ、赤道儀式には決まった積載重量があるので、鏡筒の重量に注意して選んでください。
〈編集部PICK UP!〉初心者の方や子どもにおすすめの入門機5選
Moovoo編集部
ここからは、望遠鏡を初めて購入する方や、子どもへのプレゼントを探している方に、入門機としておすすめ望遠鏡を紹介します。
世界各国にファンをもつアメリカの老舗望遠鏡メーカーMEADEの望遠鏡。初心者でも扱いやすい屈折式で、大きめの70mm口径レンズを採用。光を集めやすく観察しやすいのがポイントです。
架台はセッティングが不要な経緯台式で、軽量のアルミ製三脚も魅力です。
接眼レンズ3種類とスマートフォンアダプター、エレクティングレンズ(正立画像用レンズ)も付属している商品。月のクレーターをしっかり観測でき、スマホで天体撮影も行え、地上観測まで楽しめます。
扱いやすい屈折式で架台タイプは手軽な経緯式。伸縮可能なアルミ製の三脚はしっかりした安定感があります。
初心者や子どもにとって、操作が手軽に行えるのは重要なポイント。微動ハンドルを備えているので、細かい動きにも対応できて便利です。
見たい星を探すための補助望遠鏡の役割をするファインダーも標準装備。初心者からベテランユーザーまでカバーする望遠鏡です。
スコープテックは、初心者のための天体望遠鏡ブランド。学校の授業や科学館などでも採用されている信頼のあるメーカーです。
使いやすさの中でも、特徴的なのは「のぞき穴ファインダー」。一般的な光学式ファインダーと異なり、調整不要なシンプルな造りになっています。手前の穴を覗き、筒先にあるもうひとつの穴の中心に目的の対象物を入れれば、望遠鏡にも見たい星が入るといった仕組みです。
初めての天体観測といっても、月や木星、土星、金星に星雲や銀河など、様々な天体を手軽に十分楽しめるモデルです。三脚もセットになっていますが、望遠鏡では珍しく、カメラ用の三脚や微動雲台の使用も可能。付属のスマホアダプタで撮影する時などは、細かな向きの調整もできます。
アウトドアにもオススメ!入門機では物足りない方への望遠鏡4選
初心者だけでなくベテランの方にも満足いただける、高性能でアウトドアにもおすすめの望遠鏡を紹介します。
アウトドアに必ず持参したくなる望遠鏡。高さは三脚も含めて約40cmと非常にコンパクトです。レンズの大きさは50ミリで屈折式タイプ。付属にバローレンズ(3倍)があるため、使用すれば高倍率での天体観測も可能になります。
そして、天体観測だけでなく、地上観察用のアダプターを使えばフィールドスコープとして利用もできるので、バードウォッチングといったアウトドアの楽しみ方を広げられるモデルです。
軽量でありながら、対物レンズは70ミリと大口径で明るい視界が広がります。三脚はワンタッチ式で、鏡筒もネジを締めるだけの工具が一切不要な簡単な組み立て。地上・天体兼用なので用途は幅が広く、一日中使用できます。1.5kgの望遠鏡ですから、付属の専用バックに入れてどこへでも気軽に移動できるのは魅力です。
特徴は自動追尾モードの搭載。簡単な設定で、見たい天体を長時間の観測でも容易に行えます。角度を読み取るエンコーダーが回転軸に内蔵されているので、モーター駆動時だけでなく、手動で動かしたときにも角度を読み取り、観測のタイミングを外しません。移動時や保管の際も場所を取らない卓上式ですが、別売りで専用三脚の用意もあります。
望遠鏡で広い宇宙を身近に楽しもう!
何気なく普段から見ている景色ですが、望遠鏡から覗く景色はいつもと違う世界に映ることでしょう。望遠鏡は子どもだけでなく、大人もワクワクできるアイテムです。お気に入りの望遠鏡を手に入れて、果てしなく広がる宇宙の中から自分が見たい天体を、好きな場所で自由に楽しんでください。
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