ビールは何からできるの?ビールの原料や作り方を解説します!
皆さんは、次の質問に答えられますか?
「ビールは、何からできているの?」
「ビールは、どうやって作るの?」
ビール好きを名乗るためにも、しっかり答えたい質問ですよね。
しかし、「麦芽とホップ」、「発酵させている」といったように何となくは分かるけど、細かいところは自信がないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、ビールの原料と作り方を詳しく解説していきたいと思います。
ビールに関する知識が増えれば、これまでよりもっと美味しく飲めるようになるかもしれませんよ。
ビールの主な原料
さっそくビールの主な原料を解説します。
ビールの主な原料は次の4つです。
・「麦芽」
・「ホップ」
・「水」
・「酵母」
それぞれの材料について詳しくみていきましょう。
①麦芽
1つ目の原料は、「麦芽」です。
麦芽というのは、文字通り麦が発芽したもののことです。
ビール好きな皆さんなら聞いたことがあることでしょう。
麦芽の製造方法はとてもシンプルなもので、発芽した大麦を乾燥・焙煎させて製造します。
このときの乾燥や焙煎の仕方によって、様々な種類の麦芽が作られます。
種類によって、色や香り、味に違いが出るそうです。
私たちが普段飲んでいるような国産ビールの原料は、淡い麦芽が主流となっています。
麦芽は、ビール以外では、ウイスキーなど他のお酒や水あめの原料としても使われています。
ちなみに国産ビールの製造では、「二条大麦」という品種が使われています。
この二条大麦は別名「ビール大麦」とも呼ばれていて、ビール作りに最適な次のような特徴を備えています。
・穀粒の大きさ、形状が均一で大粒であること。・穀皮が薄いこと。・でんぷん含量が多く、たんぱく含量が適正であること。・発芽力が均一で、しかも旺盛なこと。・麦芽にした際、酵素力が強いこと。・麦芽の糖化が容易で、エキスの発酵性がよいこと。
中でも、ひとつひとつの粒が大きく均一であるという特徴は重要なポイントです。
均一な大粒の管理のしやすさが、ビールなどのお酒作りに採用されている理由のひとつなのです。
ちなみに、二条大麦の名前の由来は、6列の穂のうち2列のみに種子が実ることによります。
2列にしか実らない分、収穫できる粒数は少なくても、大きく均一な実を収穫できるのです。
②ホップ
次は、「ホップ」です。
ビールの宣伝広告でもよく使われる言葉なので、皆さんも聞いたことはありますよね。
しかし、「ホップってなに?」という質問に正確に答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか。
ここからはホップについて解説していくので、ビール好きを名乗るためにもホップの正体をちゃんと覚えておきましょう。
ホップは、アサ科に分類されるつる性多年生草です。
和名を「西洋唐花草(セイヨウカラハナソウ)」といいます。
北緯35~55度の地域で生産される植物で、日本では北海道や東北地方などで栽培されています。
ドイツやチェコなどヨーロッパからの輸入品の使用がほとんどで、国産ホップから作られたビールはそれほど多くありません。
そんなホップは、実はとても重要な役目を持った原料です。
第一に、ビールの苦みや爽快感は、ホップが生み出しています。
また、ビールの泡立ちを良くしたり、澄んだものにしたりといった役割も担っています。
そして、雑菌の繁殖を抑えるという衛生面でも大きな貢献をしているのです。
ビール以外では、民間薬の材料としても使われています。
③水
3つ目の原料は、「水」です。
当たり前だと思う方も多いかもしれませんが、水も美味しいビールを作るためのとても大事な原料のひとつなのです。
清潔で美味しい水がないと、高品質なビールを製造することができません。
そのためビール工場は、ビール製造に適した「無色」「透明」「無味」「無臭」という条件を満たした水を確保できる場所に建てられています。
ちなみに、淡い色合いの国産ビールは軟水が適しています。
④酵母
4つ目の原料は、「酵母」です。
原料を混ぜ合わせた熱麦汁(製造過程については後ほど詳しく解説します)に、酵母を加えて発酵させないとビールは作れません。
酵母は糖類を分解する働きがあります。
その働きによって、アルコールと炭酸ガスが生まれます。
アルコールも炭酸もビールには欠かせない要素ですよね。
ビールの副原料
ここまで解説してきたように、「麦芽」、「ホップ」、「水」、「酵母」が主なビールの原料です。
しかし、これだけでビールが作られるわけではありません。
まず、ビールの味を向上させる副原料が必要です。
副原料には、次のようなものが使われています。
・米
・コーン
・スターチ
こうした副原料によって、ビールの味が調整されるのですね。
また、発酵させてアルコールと炭酸ガスを取り出すために糖類も加えられています。
糖類もビールの大切な原料のひとつです。
ビールの定義
日本では、酒税法によって「何がビールなのか」が定義されています。
ビールは、
「麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの(麦芽の使用割合100%)」「麦芽、ホップ、水及び麦、米や果実、コリアンダーなどの香味料等の特定の副原料を使用して発酵させたもので、麦芽の使用割合が50%以上のもの」
とされています。
一方で、ビールと同じように麦芽や麦から作られたお酒でも、
「麦芽の使用割合が50%未満のもの」「ビールの製造に認められない原料を使用したもの」「麦芽を使用せず麦を原料の一部としたもの」
は、「発泡酒」として定義されています。
この区分によって、税率などが変わります。
ビールの製造工程
私たちが日ごろ口にしているビールが、一体何から作られているのかはお分かりいただけましたね。
原料が分かると、次は、「どうやって作っているのか」が気になってきませんか?
そこで、ここからはビール作りの工程を詳しく解説していきます。
①製麦
まずは、麦芽作りから始まります。
先ほども説明したように、発芽した大麦を綺麗にして乾燥させます。
その後、焙煎して麦芽が完成します。
麦芽の焙煎によって、ビールの香りや味わいが大きく変わるとても重要な工程です。
②仕込み
大麦の乾燥と焙煎が終わったら、次は「仕込み」という作業です。
まずは、麦芽を粉砕して細かくします。
その後、温かい水と副原料(米やコーン、スターチなど)、細かくなった麦芽を混ぜ合わせていきます。
時間をおくと、でんぷんが糖に変化します。
この糖化した液体をろ過してから、ホップを加えます。
これを煮沸して、仕込みの工程が完了です。
仕込みの工程で得られた液体を、「熱麦汁」と言います。
③発酵
仕込みの工程で作られた「熱麦汁」を冷却し、その後酵母を加えます。
酵母の働きで発酵を促していきます。
発酵工程によって、糖分がアルコールと炭酸ガスに分解されます。
どちらもビールには欠かせないものですね。
7~8日間と時間がかかる作業ですが、どうしても必要な期間なのです。
④貯酒
「発酵」の工程が済めば、ほとんどビールは完成しています。
しかし発酵直後のビールは、まだまだ味や香りが不十分な「若ビール」です。
この若ビールを数十日間置いておくことで、ビールがより美味しくなります。
「貯酒」の工程では、0℃程度の低温でビールの熟成を進めます。
これでビールの完成です。
ここまで2~3ヵ月ほどを要します。
⑤容器詰め
完成したビールは、容器に詰められて出荷されます。
こうした、樽やビン、缶などに詰められたビールが私たちの元に届くのです。
まとめ
これで皆さんは、いつビールの原料と作り方を聞かれてもバッチリ答えられますね。
麦芽やホップ、水をはじめとした原料が様々な工程を経てビールになります。
手元にあるビールがどうやって生まれたのかを知っていれば、これまでよりも美味しく飲めるかもしれませんね。
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