ウイスキーとブランデーの違いとは?初心者に向けて楽しみ方もご紹介

三浦史織
公開: 2019-06-26

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ウイスキーとブランデーはよく比較される飲み物です。
確かにどちらも琥珀色をしていて、似たような瓶で売られています。
お酒に詳しくない人は、ウイスキーなのか、ブランデーなのか、ラベルを見ないと見分けがつかないでしょう。
見た目はよく似ていますが、ウイスキーとブランデーはまったく違う飲み物と言えます。
この記事では初心者の人でもわかるよう、ウイスキーとブランデーの違い、それぞれの魅力や楽しみ方をご紹介します。


ウイスキーとブランデーは何が違う?

ウイスキーとブランデーは素人目からすると、見ただけでは違いがわかりません。
見た目が似ていることで、よく同じようなお酒と思われていますが、味も香りも原材料も全く違います。
共通点があるとすれば、どちらも蒸留酒ということです。

蒸留酒とはどんなお酒のこと?

お酒は大きく分類すると、醸造酒・蒸留酒・混成酒の3つになります。
蒸留酒を知るために、まずは醸造酒についてから説明します。

醸造酒とは

醸造酒とは、原料に酵素や酵母を加え、その働きによりアルコール発酵させたお酒です。
わかりやすく言うと、酵母と呼ばれる微生物の力で、アルコールと炭酸ガスを作り出すことです。
それを発酵と言います。
大麦を発酵させたビール、ブドウを発酵させたワイン、米を発酵させた日本酒。
この馴染みのあるお酒たちが醸造酒です。

蒸留酒とは

蒸留酒とは、醸造酒をさらに蒸留させたものです。
蒸留とは液体を熱して蒸気となったものを、冷やしてまた液体に戻すことを言います。
醸造酒を蒸留すると、アルコール度数の高い液体が作られます。
ビールを蒸留するとウイスキーに、ワインを蒸留するとブランデーになるわけです。
醸造酒はアルコール度数が高くても20度程度ですが、蒸留酒は40度以上。
蒸留酒にはウイスキーとブランデーの他に、ジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、焼酎などがあります。

混成酒とは

混成酒は、醸造酒や蒸留酒といったベースとなるお酒に、ハーブや果実などを漬け込んで、糖分を加えたものです。
梅酒や、カクテルを作る時に使うリキュールが混成酒と言われています。

ウイスキーとブランデーの違いは原材料

ウイスキーの主な原材料は大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀類。
ブランデーの原材料はブドウなどの果物。
このようにウイスキーとブランデーには、原材料が違うという決定的な違いがあります。
見た目は似ていますが、まったく別物のお酒です。
さらに、ウイスキーとブランデーの中でも、それぞれたくさん分類があります。
とても細かく分かれていて、初心者の人は混乱してしまうと思いますので、今回は大まかな種類を紹介します。

世界5大ウイスキー

ウイスキーには世界5大ウイスキーと呼ばれる、5つの産地のウイスキーがあります。

BARに置かれているウイスキーの一部

スコッチウイスキー

スコットランドで製造されたウイスキーをスコッチといいます。
世界中で最も生産量が多く、日本のウイスキーはスコッチを手本にして作られました。
主な銘柄は、シーバスリーガル、マッカラン、ボウモアなど。

アイリッシュウイスキー

アイルランド産のウイスキーで、3回蒸留して作られています。
主な銘柄は、ジェムソン、ブッシュミルズなど。

アメリカンウイスキー

アメリカで製造されたウイスキーの総称が、アメリカンウイスキーです。
日本でも聞くことの多い「バーボンウイスキー」はアメリカンウイスキーの一種で、ケンタッキー州バーボン郡でトウモロコシを原料に造られています。
主な銘柄は、ジムビーム、I.W.ハーパー、フォアローゼス、メーカーズマークなど。

さらに、日本でよく飲まれ定番となっている銘柄「ジャックダニエル」も、アメリカンウイスキーです。
ジャックダニエルはテネシー州で造られているので、テネシーウイスキーと呼ばれ、バーボンウイスキーとは区別されています。

カナディアンウイスキー

カナダ原産で、飲みやすく初心者にもおすすめと言われるカナディアンウイスキー。
有名な銘柄と言えば、カナディアンクラブがあります。

ジャパニーズウイスキー

5大ウイスキーの中でも1番歴史が新しい国産ウイスキー。
朝の連続NHKドラマの「マッサン」のモデルで名を広めた、竹鶴政孝氏の功績により、1929年に国産第一号のウイスキーが造られました。
今では日本のウイスキーが世界でもうまいと認められ、5大ウイスキーと呼ばれるまでになりました。
主な銘柄は、角瓶、竹鶴ピュアモルト、響、白州、知多など。

日本でも見かけるブランデーの種類

ブランデーも多種多様で、とても細かく分類されますが、ここでは日本でも比較的見る機会の多いものをご紹介します。

コニャック

世界で最も知名度の高いブランデーがコニャックです。
フランス南西部のコニャック地方で造られたブドウのブランデーで、特に高級なものが多いです。
主な銘柄は、ヘネシー、カミュなど。

アルマニャック

フランスのボルドー地方にあるアルマニャック地方で造られたブランデーです。
コニャックに次いで日本で知名度のあるブランデーです。

カルヴァドス

こちらはリンゴが原料のブランデーです。
フランスのノルマンディー地方で造られており、日本でも見かけることのできるブランデーです。

ハイボールで復活したウイスキーブーム

ウイスキーは1983年をピークに、長い間売り上げが低迷し続けていました。
アルコール度数が高く、値段も他のお酒に比べ高く、中高年の飲み物というイメージから若者離れが続いていたウイスキー。
そんな低迷期を打破するため、サントリーが新しく打ち出したウイスキーの飲み方が、ハイボールです。
その飲み方とは、ウイスキーをソーダで割る方法です。
2008年に仕掛けた角ハイボールが、見事に広がりウイスキーブームが再来しました。
さらに2014年に始まった連ドラ「マッサン」の後押しもあり、国産ウイスキーの人気を決定付けました。

また、ウイスキーが人気の理由に低糖質という点があります。
醸造酒の時点では糖質がありますがそれを蒸留する過程によって、糖質は限りなく0に近づきます。
そして、カロリーは60mlで142㌍と言われ、ビールや日本酒に比べるとだいぶ低いです。
このように糖質がなく、低カロリーということから、お酒が好きでも健康志向な人とたちにウイスキーは好まれています。

ウイスキーのおすすめの飲み方

ウイスキーは飲み方によって、アルコール度数を調整できます。
水、ソーダ、ジュースなど好みの飲み物で割ることもでき、さまざまな飲み方を楽しめます。
まず、初心者の人におすすめしたいのが、オンザロックです。

BARで提供されるウイスキーのオンザロック

オンザロックとは、グラスに大きめの氷を入れ、ウイスキーを30ml程注ぎます。
マドラーで混ぜるなどして、好みの冷たさに調節して飲んでみてください。
氷の溶け具合によって味が変化していくため、自分にとってちょうどいい濃さになる時がきます。
自分の好みの溶け具合をぜひ見つけてください。

ブランデーは香りを楽しもう

ブランデーはバブルの時期に嗜好品として楽しむ人がたくさんいました。
そのためか、中高年が飲む高級なお酒というイメージが定着してしまい、気軽に手を出せないと思われている方が多いように思います。
確かにブランデーは安いお酒とは言えませんが、今や定番になっているウイスキーと価格帯はそこまで変わりません。
イメージだけでブランデーを避けているようでしたら、とてももったいないです!
ブランデーはフルーツからできているため、果実の甘い深みのある香りを感じることができます。
ブランデーを味わうのに香りは重要なポイントとなります。
アロマを楽しむ感覚が近いかもしれません。
ブランデーはゆっくり香りを味わいながら飲むものなので、1日1杯飲んでもボトル1本で1カ月を持つ、実はコスパのいいお酒と言えるでしょう。
少しでもブランデーに興味を持てたなら、ぜひ一度飲んでみてください。

ブランデーの基本の飲み方

香りが命と言えるブランデーは、ストレートで飲むことが基本とされています。

BARで提供されるブランデーのストレート

それは果実の芳醇な香りをストレートならじっくりと味わうことができるからです。
グラスに30分ほどで飲み終わる量を注ぎ、香りを楽しみながらゆっくりと飲みます。
適温は18~20℃と言われ、ブランデーの香りが最も際立つ温度です。
グラスを持つ手の温度でブランデーを温め、香りを立たせながら、少量を口に含み舌で転がすように飲みましょう。
アルコール度数が40度ととても高いため、水や炭酸水のチェイサーを用意して飲むことをおすすめします。

こんなところにブランデー

ブランデーはウイスキーと比べて、日本では需要がまだまだ低いです。
それは敷居が高いというイメージが強く、手を出しにくいと思う人が多いからでしょう。
売れる見込みがないと、メーカーも広告を打たないため、今日本でブランデーのCMを見ることはまずありません。
またサントリーがハイボールのように、新しく売り出してくれるのでは!?と期待して待っている人もいるようです。
なかなかウイスキーのように日の目を見ないブランデーですが、そのフルーツからくる甘い香りは、お菓子と相性がよく、ブランデーが使われた美味しいお菓子がいっぱいあります。
代表的なブランデーケーキはその名の通り、ブランデーの芳醇な香りを生かした大人のケーキと呼ばれ、その上品な味が多くの人を魅了しています。
日持ちもするため、ギフトに贈られることも多いようです。
さらにブランデーは生チョコとの相性もとても良いので、生チョコをつくることがあれば、ブランデーを使うことをおすすめします。

ブランデーは飲むだけではなく、料理やスイーツにアレンジされているので、口にする機会が意外と多いかもしれません。

ブランデーブームだった1980年代後半 - 1990年代初頭バブル景気時は、家の中に高級なブランデーを置いておくことがステータスだったそうです。
もしかしたら、実家にご両親がその当時大事にしていたブランデーが眠っているかもしれませんね。
蒸留酒は賞味期限の表示を省略することが法律で許されるくらい、品質が保たれるものです。
今やプレミアムがついているかもしれないので、未開封のブランデーを発見した時には、お酒の買取依頼をしてみてもいいかもしれません。
もしヘネシーの旧ボトルがあった場合、2倍以上の値が付くこともありますよ!

まとめ

ウイスキーとブランデーはどちらも歴史が長く、またその種類も数多く、とても奥深いものです。
少しでもウイスキーやブランデーに興味が出た方がいたなら、ぜひ一度その豊かな味わいを試してみてはいかがでしょうか。


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