【栄養士に聞く】ビールは太る?他アルコールとの比較や相性の悪いおつまみについて

mokada
公開: 2019-05-30

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お酒好きの方がどうしても気になるのはお腹周りの脂肪。毎日、毎週のようにお酒を飲んでいると、段々と脂肪がついてきているかもしれません。アルコール飲料の中で特にビールで太るというのは本当か嘘なのか、他のアルコールとのカロリーや栄養比較、太りやすいおつまみについて、現役栄養士のアドバイスを基に解説していきます。


ビールの中身とは

カロリー数と1日の適量

アルコールは、1gあたり7.1kcalを含んでいます。このカロリー数をそのまま体に吸収されるとは限りません。ただ、他の成分と比べてみると、糖質で1gあたり4kcal、たんぱく質で4kcal、脂質で9kcalです。アルコールは、脂質の次に高いカロリー摂取になります。ビールのレギュラー缶(350ml)に含まるアルコールは14g。つまり、1本あたり99.4kcalを含んでいます。ビールは、アルコール以外にもミネラルやビタミン群などを含んでいるため、350mlでおよそ140~180kcalになるようです。

厚生労働省の推進する「健康日本21」によれば、「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均で約20gと言われています。また、2013年に発表した「健康日本21(第二次)」では、「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を1日あたり純アルコール摂取量で男性40g以上、女性20g以上と定義しています。純アルコール20gのお酒は、ビールで500ml、日本酒で1合(180ml)。お酒好きには難しいかもしれませんが、この適量に抑えるのがベストだと言えます。

プリン体が健康に影響を与える

ビールを飲んだ際に、体内では代謝によってプリン体を生成します。そもそもプリン体とは、遺伝子(DNA)を構成する物質。遺伝子は、アデニン、チミン、グアニン、シトシンの結合により作られています。プリン体は、アデニンとグアニンの主成分であり、体内でも重要な存在です。
プリン体は、代謝の中間生産物で、糖を代謝する際に生成されます。プリン体は、肝臓で尿酸に分解され、体外へ排出されます。しかし、そのまま体内に蓄積すれば、高尿酸血症や通風などを招きかねません。

プリン体は、ビールなどのアルコール飲料に限らず、レバーや白子、エビ、イワシなどの食品にも含まれます。ビールのレギュラー缶には、12~25mgのプリン体が含まれています。レバーには100gあたり210~320mg、エビには210~270mgが含まれ、ビールのプリン体含有量は、多い訳ではありません。ただ、「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では、ビールは1日500ml以内が望ましいと言われています。プリン体の多量摂取は、高尿酸血症や通風をもたらす恐れがあります。

ビールは太る?太りやすいお酒をカロリーで比較

アルコール飲料に含まれるカロリー数は、アルコールの種類によって異なります。

100mlあたりのお酒のカロリー
アルコールの種類 アルコール度数 カロリー
ビール 4~5% 40kcal
ワイン 10~11% 73kcal
梅酒 13% 156kcal
日本酒 15~16% 103kcal
焼酎 25% 146kcal
ウイスキー 40% 237kcal
ブランデー 40% 237kcal

一見、ビールのカロリー数は、低く見えますが、100mlで比べた際の数値です。ビール以外の飲み物は、ロックやストレート、水割りといった飲み方になります。しかし、ビールは基本的に割ることなく、原液のまま飲むためカロリー数も高くなってしまいます。

居酒屋で通常提供される一杯分のカロリーについても比べてみましょう。

1杯あたりのお酒のカロリー
アルコールの種類(飲み方) カロリー
生ビール(中ジョッキ) 145kcal
ワイン(ワイングラス) 90kcal
ウイスキー 75kcal
ハイボール 70kcal
日本酒(1合) 200kcal
焼酎(ロック) 70kcal
梅酒(ロック) 95kcal

おおよその目安ですが、ビールのカロリー数は他と比べて高くなっています。ウイスキーやハイボール、焼酎などは、比較的カロリー数を抑えることができます。ウイスキーや焼酎などの蒸留酒は、糖質をほとんど含んでいません。ただ、コーラやジンジャーエールなど甘い飲み物で割って飲めば、カロリー数を高めることにもつながります。

ビールで太る理由とは?栄養士の語る太りやすいおつまみ

アルコール飲料以上に太る原因となりやすいのが、一緒に食べるおつまみです。どういったおつまみを食べると太りやすいのでしょうか。もし肥満状態を放置しておけば、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を招く恐れもあります。

ビールを飲んで酔っ払うと、油濃いもの、塩辛いものをつい食べたくなるでしょう。高カロリー、高塩分のおつまみを食べて、過剰なエネルギー摂取をすると太る原因になってしまいます。特にジャンクフードや揚げ物を食べたくなりますが、最も太りやすいおつまみです。栄養士のアドバイスを基に編集部でピックアップした太りやすいおつまみをいくつか紹介します。

揚げ物

・メンチカツ
牛肉や豚肉をミンチにして、玉ねぎやパン粉、卵をつけ、油で揚げるメンチカツは、高カロリー、高糖質の揚げ物。作り方によりますが100gあたり約200kcalと言われています。

・フライドポテト
油で揚げて、塩をまぶして食べるフライドポテトは、高カロリー、高塩分のおつまみ。材料のじゃがいもは、糖質を多く含んでもいます。塩辛いおつまみを食べると、喉も乾いてよりアルコールを飲みたくなりかねません。

・ピザ
ピザのカロリーを占める割合は、炭水化物が多い訳ではありません。油脂を多く含んでいることが問題です。ピザはトッピング次第でカロリー量も変化します。マヨネーズやミートソース、クリームソースといった油を多く含むピザには要注意。ソーセージなど、加工肉の多く乗ったピザも同様に太りやすいでしょう。

・シーザーサラダ
サラダであれば、低カロリーなイメージがあるかもしれません。しかし、シーザーサラダは、意外にも高カロリーなおつまみです。当然、野菜のカロリーは少ないですが、ドレッシングやトッピングは高カロリーになってしまいます。シーザードレッシングは、大さじ一杯で約80kcal。そこにクルトンやチーズが加わると、カロリーはさらに高まります。

・ラーメン
飲んだ後の締めに食べられるラーメンは、炭水化物で汁に多量の油を含んでいます。言うまでもなく高カロリーのおつまみ。飲み終わった深夜、寝る前に食べたくなったとしてもできるだけ避けましょう。

一部のおつまみを挙げましたが、ジャンクフードや揚げ物などは、特に太りやすいおつまみです。逆に太りにくいおつまみを積極的に食べることが望ましいでしょう。おすすめ料理は、お浸し、豆腐、枝豆、鍋物、酢の物など。旬の野菜を活かして、さっぱりとしたおつまみを食べると摂取カロリーを抑えられます。しかし、味気なさを感じる方もいるかもしれません。高カロリーなおつまみを食べるのが全くダメな訳ではなく、重要なのは適度なバランス。少量であれば、太りやすいおつまみを食べてもいいですが、アルコールで制御がきかなくなり、食べ過ぎてしまうことに注意してください。

まとめ

ビール自体のカロリーと一緒に食べるおつまみが相まって、太る原因となってしまいます。1日の適量を守り、高カロリー、高塩分のおつまみを食べすぎないよう注意して、晩酌や宴席を楽しんではいかがでしょうか。

今回、「季節の小料理屋 みや」を経営する現役栄養士の方に、取材にご協力いただきました。「季節の小料理屋 みや」では、旬の野菜を使ってあっさりとした料理を提供しています。お腹周りの気になる方に嬉しいメニューばかり。地元の家族連れや女性一人で気軽に来店できるアットホームな居酒屋です。お店は、カウンター席がメインですが、座敷も利用可能。材料さえ揃えば、急なリクエスト料理にも応えてくれます。

営業時間:18:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:火曜
住所:〒175-0092 東京都板橋区赤塚2丁目10−13
アクセス:地下鉄赤塚駅より徒歩5分、東武東上線下赤塚駅より徒歩3分
喫煙:店内禁煙(喫煙所あり)


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