日本酒のラベルはデザインだけじゃない!味わいのヒントを読み解こう

nagiy
公開: 2019-06-10
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日本酒に限りませんが、お酒のラベルにはカッコいいもの、ハイセンスなものが多いと感じませんか?
古くからあるものはもちろん、昨今の日本酒ブームを受けて女性向けに発売されたものなど、よりかわいらしいデザインのものも多くなっています。

実は日本酒のラベルのセンスの良さは古くから注目されており、日本酒を飲むだけではなくラベルをコレクションしている。
こんな方も珍しくありません。
ラベルのコレクションはただデザインを眺めるだけではなく、お酒にまつわる思い出を一緒に保存しておける点も嬉しいポイントといえるでしょう。

またラベルデザインよりも日本酒は飲んでこそ!なんて方にも是非ラベルには注目してほしい理由があります。
それはラベルを確認することで、その日本酒の味わいのヒントを見つけることができるから!

今回は、ちょっとマニアックな日本酒のラベルの秘密。
そしてコレクターさんには、おすすめの素敵なラベルを持つ日本酒について紹介していきます。


ラベルを見て日本酒の味わいを予想

4合瓶とお猪口

最初に軽く触れましたが、日本酒のラベルはカッコいいだけではなく味わいを判断するための情報も記載されています。

どう読み解くのか、どこに注目すべきなのか?
初めて知った方はもちろん、すでに知っていた方もおさらいしていきましょう。

ちなみにここで言うラベルとは、日本酒の名前が表示されている表側はもちろん、裏側のラベルも含まれています。

原料のお米の「種類」でヒントを見出す

日本酒は基本的にお米と水からできたシンプルなお酒。
だからこそ、原料の種類とお米の精米歩合で味わいが大きく変わってきます。

簡潔に「米」とだけ記載されている場合は、複数のお米をブレンドした日本酒のこと。
お米のブランド名が書かれている場合は、その日本酒に使われているお米の50%以上がブランド米からできていることを表します。

そして使われているお米によって、香り高さや切れ味も変わってくるもの。
日本酒の味わいを確認したいなら、一つの目印としてお米の名前を確認してみましょう。
ちなみに日本酒に使われているお米の代表的な名前は以下のものになります。味わいのヒントと一緒に紹介しておきますね。

・山田錦:酒造りに使われる際のお米としては最も有名なもの。粒が大きいことから高精米の日本酒に選ばれやすく香り高くまろやかな味わい。
  代表的な日本酒:獺祭
・五百万石:作付面積がトップクラスであることから、さまざまな日本酒の原料となっているお米。切れ味がよく端麗な味わいのお酒を生み出す。
  代表的な日本酒:謙信 越乃景虎  
・雄町:山田錦と同じく酒造りに適したお米。品種改良を経たお米ではなく、岡山県で偶然発見されました。お米自体がふっくらとした濃い味であることから、奥行きの深い芳醇な味わいに。
  代表的な日本酒:喜平

精米歩合で香り高さの傾向を確認

では「精米歩合」とは日本酒のどんな味わいのヒントになってくれるのでしょうか?

そもそも精米歩合とはお米の磨き具合を表す言葉。
お酒造り以外に、私たちが普段食事で食べる「ご飯」も磨かれているお米ですよね。
ご飯になるお米の精米歩合はおよそ90%ほどと、ごく表面だけを磨いた状態です。

しかし、日本酒に使われているお米は、一般的に70%前後まで磨かれたものになります。
ただでさえ小さな米粒をより小さくしてしまえば、お酒を造るのにどれだけのお米が必要になるのか?とちょっと心配になってもきそうですね。

何故日本酒を作る際にこれほどお米を磨くのかといえば、実はお酒造りにはお米に含まれている栄養素であるたんぱく質や脂質が邪魔になるから。
栄養豊富な方がうまみのある日本酒が作れるのでは?と考えがちですが実は反対なんですね。
精米歩合が低ければ低いほど香り高く、雑味がないすっきりとした日本酒になります。

ただ困ったことに、精米歩合が低いほどおいしい日本酒なのか。と聞かれてしまうとこれもまた違うんです。
旨みを排除した状態ともいえるので、芳醇な味わいが好みの場合は精米歩合が低すぎない方がおすすめ。こんな複雑さも日本酒の魅力だといえるでしょう。

ちなみに精米歩合は日本酒の分類方法である「特定名称」にもかかわってきます。ここからちょっと詳しく見てみましょう。

・吟醸酒:精米歩合60%以下の物
・大吟醸:精米歩合が50%以下の物

これに「純米酒」か「醸造酒」の違いが重なってきます。純米酒はお米と米麹、お水だけで作られた日本酒、そして醸造酒はこの材料のほかに醸造アルコールが添加されているかいないかの違いです。

純米酒はお米の味わいを感じやすいお酒であることから、ふっくらとした甘みやうまみを持つどちらかといえば重ための日本酒。対して醸造酒はすっきりとした日本酒、また香りが華やかである特徴があります。

したがって純米酒と醸造酒の特徴、吟醸酒と大吟醸の特徴を組み合わせることで、味わいのヒントをつかむことができますよ。

味のヒントは成分表記の確認が便利

米と日本酒

日本酒の味わいを表す際に、辛口、甘口なんてものがあります。
実際に飲んでみれば何となく違いも判りますが、初心者さんからすれば銘柄だけを言われても困ってしまう…なんてことが多いでしょう。

しかし、これもラベルを見ただけで傾向が確認できるんですよ。

ここで言うラベルとは瓶の裏側に貼られているもの。
成分表記をされている場合は、「日本酒度」「酸度」を確認してみましょう。

どちらも数値が大きいほど辛口の日本酒になるので、自身の好みに合わせて選びやすくなりますよ。
日本酒度はその数値の大きさによって、大甘口から大辛口までの目安があります。

-6から+6までが一般的に用いられている数値であり、-の数字が大きいほど甘口になり+の数値が大きいほど辛口に。
これに酸度を掛け合わせて、よりその日本酒の味わいの傾向をつかんでいきましょう。

製造年月日も大切なポイント

最後は日本酒の味わいの中でも熟成に関係してくる、製造年月日にスポットを当ててみましょう。

年月日が記載されていると、ついつい普段の癖で「賞味期限かな?」なんて感じてしまうものですが、基本的に日本酒に賞味期限はありません。
日本酒における製造年月日とは、その瓶に日本酒が詰められた日のことを指すもの。

麹菌が生きたまま詰められている日本酒は、時間が過ぎればその分まろやかで口当たりの良いお酒になります。したがって詰め込んだ時のフレッシュなおいしさを味わいたいなら、製造年月日から1年以内のものを選ぶようにしましょう。

もちろん長期的に熟成された日本酒もおいしいですが、どちらかというと玄人好みの味わい。
まず自身の好みを把握する、おいしいと思える日本酒を選びたいと考えるのなら、若めの日本酒の方がおすすめですよ。

日本酒のラベルがかっこいい!ラベルで日本酒を選ぶなら

では実際にあるカッコいい日本酒のラベルとはどんなものがあるのでしょうか?
ジャケ買いなんて言葉があるように、お酒を購入するときもつい見た目から入ってしまうことがありますよね。

ここからは、ついついほしくなってしまうかっこいいラベルからかわいいラベル、インパクト大な日本酒まで、味わいと一緒に紹介していきます。

シンプル可愛いラベルが魅力「庭のうぐいす」

シンプルな朴訥さがいやにかわいらしいラベルの日本酒です。
お酒の種類によって色使いやうぐいすの場所が変わってくるので、あれこれと欲しくなってしまいそうな日本酒でもありますね。

下記リンクで紹介している日本酒の味わいは辛口より。
飲みやすくフレッシュな口当たりでありながら、しっかりとした旨みも感じられるので、初心者さんはもちろん玄人さんにもおすすめしたい日本酒です。

さりげなく飾ってみたい「赤武 F」

メタリックな赤と背景、ボトルの黒がかっこいい日本酒です。
このラベルなら隠すことなく飾っておきたくなる気持ちもわかりますね。

ラベルだけ見ると大辛口のように感じますが、至って飲みやすい日本酒なんですよ。
そもそものコンセプトが「日常で飲むお酒」なので、ただ辛口なだけではないうまみや香りも併せ持ったおいしい日本酒です。
飲み飽きない点も特徴的なので、実は飲みすぎ注意のお酒かもしれません。

日本酒とジャパニーズ文化の融合?「三芳菊 零・壱・WILD-SIDE」

つい二度見してしまいそうなラベルの日本酒。
ラベルを見ただけでは日本酒だと判別できない方も多そうですが、立派な日本酒ですよ。

スタイリッシュなイラストから、萌え絵系イラストまで、日本酒の種類によってラベルのデザインが変わっている点も面白いです。
味わい、香りともに甘酸っぱさが特徴的。
フルーティな日本酒を好む方におすすめできるでしょう。

ラベルコレクターになってみる?保存方法とは

ここまで日本酒のラベルに関して紹介していきました。
実際にカッコいい、可愛いラベルを見るとボトルごと取っておきたくなりますよね。

しかし瓶ごとの保存はあまり現実的ではありません。

そこでおすすめしたいのが、日本酒のラベルをはがしてラベルだけ保存する方法。
はがし方やおすすめの保存方法など見ていきましょう。

瓶からラベルをはがす方法

まずはとにもかくにもラベルを瓶からはがさなければなりません。
一升瓶などを見ていると、これどうやってはがすの…?なんて気持ちになりますが、実ははがし方は非常に簡単。

水やぬるま湯に、ラベルが全部隠れるまでつけておきましょう。
そのまま他の用事をしながら3~4時間程度放置して、ラベルを触ってみると「ぬるっ」とした感触とともに簡単にはがれてくれますよ。
バケツや飲み口部分を切ったペットボトル、おふろの残り湯につけておく方法がおすすめです。

また物によってはラベルの糊が非常に強力な日本酒もあります。
この場合はどれだけつけていてもなかなかはがれてくれないので、カッターやカードで削るようにはがしていきましょう。

ラベルが和紙だった場合

がっつり水につけてはがす方法が一番簡単ですが、和紙を使ったラベルの場合ほどけてしまいそうに感じますよね。
ラベルによっては和紙の上からラミネートしてラベルとして加工、なんてものもありますが、和紙そのものの場合はやはりほどけてしまう危険性があります。

そこで試してほしい方法は「ドライヤー戦法」
ラベルにドライヤーを当てることで、糊を温めて溶かしていく方法ですね。
水につける方法に比べれば手間がかかりますが、きれいにはがすための方法としておすすめだといえるでしょう。

注意点は一つの場所だけ温めると焦げる。瓶が熱くなって火傷をするなんてことがあるので、まんべんなく温めることを意識してくださいね。

おすすめの保存方法

ラベルをきれいにはがせたら、きちんと管理をしながら保存していきましょう。

保存方法でおすすめなのは2種類。
乾かしたラベルをそのままファイリングする方法と、厚紙を併用してラミネート加工する方法です。

前者はラベルをコレクションしたい方におすすめで、後者はインテリアなどに利用したい場合におすすめです。
自身のライフスタイルや好みによって選んでくださいね。

まとめ

桶に張られた氷と日本酒

今回は日本酒のラベルに関して紹介してきました。

日本酒になじみがない方からすれば、日本酒はおやじ臭い、ダサいお酒なんてイメージが強いものでしょう。
昨今の日本酒ブームで少しはイメージも変わってきているように感じますが、それでもまだまだおしゃれなお酒としてのイメージは低いままです。

しかし今回紹介してきた日本酒のラベルならおしゃれに感じられますよね。
ラベルは日本酒に限らずお酒の顔を表す部分でもあります。
可愛い、カッコいいなどデザインはもちろん、日本酒のラベルはお酒を選ぶ際のヒントにもなってくれますよ。

読み解き方を把握したうえで、自分好みの日本酒を見つけてみましょう。


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